シランの育て方を紹介!病害虫の対処法からお手入れのポイントまで

シランの育て方
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目次

シランという植物を皆さんは知っていますか?シランとは、漢字では「紫蘭」と書き、古くから日本に自生している植物です。日本の気候に適した植物で、初心者の方でも育てやすく園芸にぴったりのユリ科の植物です。 しかし、初心者でも育てやすいと言われても、園芸植物の育て方なんてわからないし…と考えてしまうかたもいるのではと思います。 そこで、この記事では、
  • シランってどんな植物?
  • シランの育て方は?
  • シランの病気やその対処法とは?
  • シランのお手入れのポイントは?
このポイントを中心に解説していこうと思います! この記事を読んでいただければ、シランの育て方や病気の対処法、お手入れのポイントなどを理解できると思います!ぜひ最後までご覧ください!

シランとはどんな植物?

シランとはどんな植物?
まずは、シランとはどのような植物なのかを解説していこうと思います!

ラン科シラン科の多年草

シランとはラン科シラン属の多年草です。古くから日本でも自生しており、漢字では「紫蘭」と書きます。日本の気候に適応している植物で、ラン科の植物は育て方や栽培が難しいと言われていますが、シランは初心者の方でも手軽に育てやすい園芸植物となっています。 シランは地面に根を張る地生蘭でもあります。地下にはバルブと呼ばれる偽球茎があり、横にいくつか並んでいるのが特徴です。 ただ、自然のシランは近年開発や乱獲によって絶滅の危機となり、準絶滅危惧種に指定されています。 ガーデニングには用いられていますが、自然界のシランは目にする機会が無くなってきています。もし見かけてもそっと見守りましょう。

4月~6月に花を咲かせる

シランが開花するのは4月~6月の比較的暖かい気候に花を咲かせます。春から秋にかけてぐんぐんと生育する植物で、草丈は50cmほどにもなります! シランの花は、長さ30~50cmほどの花茎の先端に総状花序をだして、赤紫色の小花を3~8個ほどつけます。また、唇弁は3つほどに裂けます。

色や班入りなどバリエーション豊富

春になると花を咲かせるシランですが、白やピンク、紫色のきれいな花が咲きます。また葉っぱの部分に班入りの模様が入っている品種もあり、たくさんのバリエーションが楽しめますよ! 育て方がわかってきたら色んな品種に挑戦してみましょう。

「ブルーシラン」や「口紅シラン」が人気品種

シランにはたくさんの品種があり、「ブルーシラン」や「口紅シラン」、「白花シラン」など人気の品種はたくさん!それぞれ花の色に違いがあったり、バリエーションは豊富ですよ!また、班入りシランという種類も存在します。 「ブルーシラン」は花全体が青紫の濃淡があって、薄紫から紫紺まで幅広くあります。 「口紅シラン」は全体的に白く、中央にある唇弁(リップ)が紅を差したように桃色や赤紫色になります。 他にもたくさん品種がありますから、育て方を学んでたくさんの品種を育ててみましょう!

シランの育て方①:置き場所

シランの育て方①:置き場所
ではここからはシランの育て方について詳しく解説していこうと思います。 まずは、置き場所について解説していきます。

明るい場所を好む

シランは、日当たりがよく風通しのよい場所を好む傾向があります。多少日陰があっても育ちはしますが、日に当たらなさすぎると花付きが悪くなってしまうので注意しましょう。 また、やや湿った場所も好むので、乾燥しすぎない場所に植えることをオススメします。

夏の暑さに強く葉焼けしにくい

シランは夏の暑さに強く、葉焼けしにくい植物です。少し暑いくらいの日当たりには耐えれますが、直射日光を浴び続けてしまうと、葉焼けすることも。 めったに枯れることはありませんが、高温多湿の環境や風通しが悪いと、葉焼けを起こしたり、葉先から枯れたり、根腐れすることがありますので、その時は遮光してあげたり、日陰に移動するようにしましょう。

冬は凍結しないように管理

シランは夏の暑さにも強いですが、寒さにも強い植物ですので、冬の寒さでも外で越冬できます。ただし、凍結しないように管理してあげる必要はあります。 鉢植えの冬の育て方は、凍結しそうな場所は避け、雨水の当たらない場所に置きます。 地植えの冬の育て方は、凍結しそうにない気候などに植えてあれば、何もする必要はありません。凍結するほど気温が低い地域では、マルチングなどをして防寒対策をしましょう。

シランの育て方②:水やり

シランの育て方②:水やり
シランの育て方のポイント、次は水やりの解説をしていきます。 シランは水が大好きな植物ということを知っておいてください!

鉢植えの場合はたっぷり水を与える

鉢植えで水をあげる場合は、新芽を伸ばし成長する春~秋にかけて、表面が乾いたらたっぷりと水をあげる育て方となります。シランには、地中で水や栄養を蓄えて球根のような機能をしているバルブ(偽球茎)というのが存在します。 そのため、ある程度乾燥には耐えれるのですが、花が咲く時期に長く乾燥していると、花が咲くことなく干からびることがあります。 また、水が少ないと新芽が成長できず、小さくなってしまいますので、鉢植えの場合は毎日水やりするような育て方をしましょう。

地植えの場合は基本的には不要

地植えでシランを育てている場合は、基本的に水をやる必要はなく、雨任せで大丈夫です。 ただし、軒下で雨が当たらない場所に植えていたり、夏場にひどく乾燥が続いたときには水やりをしてあげてください。 どちらの育て方も、冬に入るとシランは休眠期に入りますので、水やりは控えましょう。あげるとしたら、土が乾いて数日経ってから水やりをする程度で大丈夫です。 冬場に水をあげすぎてしまうと、凍結してしまい枯れる原因となりますので注意しましょう。

シランの育て方③:土作り

シランの育て方③:土作り
シランの育て方のポイント、次は土作りの解説をしていきます。

水はけの良い土が適している

シランの根っこは空気が大好きです。そのため土を選ぶときは水はけの良い土を選ぶのがポイントです。 鉢植えでの育て方は、鹿沼土・赤玉土・軽石のそれぞれ小粒のものを配合した土を選びましょう。もしくは赤玉土と腐葉土を6:4で混合したものもオススメです。 地植えでの育て方は、水はけの良い場所に植えます。その土に腐葉土を2~3割ほど混ぜ込んでおくとよいでしょう。よほど水はけが悪い場所でなければまり気にする必要もありません。

市販の草花用培養土でも育てられる

シランを育てる土は、市販で売られている草花用培養土でも十分に育てられます。自分で土を配合するのができないという園芸初心者の方はこちらで大丈夫ですよ。 ラン用の培養土も販売してますので、こちらを使っても構いませんよ!

シランの育て方④:肥料

シランの育て方④:肥料
シランの育て方のポイント、次は肥料について解説していきます。

植え付けの際に元肥を施す

シランは本来、丈夫で生育が良い植物ですので、育て方で肥料はなくても環境が良ければぐんぐん成長しますが、肥料を与えることによって、より成長を促進したり花付きがよくなります。 そんな肥料の与え方ですが、植え付けの時に元肥としてゆっくり効く緩効性肥料(化成肥料)を土に混ぜて施します。 その後は追肥として緩効性肥料(化成肥料)を与えるか、2週間に1回液体肥料を与えます。

成長期は2週間に1回ほど液体肥料を程施す

成長期となる4月~6月や9月~10月には追肥として、液体肥料を2週間に1回施しましょう。この時同時に置き肥するとなおよいでしょう。 鉢植えの場合、株がいっぱいになってしまうとやせてくるので、肥料を与える回数を増やしてあげます。 また、成長が遅くなる真夏や休眠期に入る冬に肥料を与えると、根を傷める原因となるので肥料は控えましょう。

シランに多い病害虫と対処法

シランに多い病害虫と対処法
シランは日当たりと風通しのよい場所が好きですから、外で栽培することが多いです。そのため、季節によっては害虫が付いたり、病気になったりすることも。 もし、害虫や病気になったときのために、ここからはその対処法について解説していこうと思います。

シランは病気に強い植物

実は、シランは病気に強い植物です。そのため、かかることはほぼありませんが、まれにですが葉っぱが黒くすすけたり、色むらが出てくることがありますが、それはウイルス病の可能性があります。 もし、このような症状を見つけた場合は、他のシランに感染することを防ぐため、抜いて処分します。

ナメクジやアブラムシなどの害虫には注意

シランによく見かける害虫はナメクジやアブラムシ、ハダニとなります。 ナメクジ…葉っぱに付きやすく、新芽やつぼみが小さいときは、知らないうちに食害にあっていることも。新芽を食べられてしまうと、その後の成長が阻害されてしまいます。日ごろからナメクジの這った跡がないかしっかりと観察してあげてください。 アブラムシ…新芽や花のつぼみに付きやすく、汁を吸って株を弱らせてしまいます。アブラムシはウイルスを媒介するので、見つけたら早めに薬剤を撒いて駆除します。 ハダニ…葉っぱの裏について吸汁します。傷がついたように葉っぱの裏にざらざらした粉がついていたら、それはハダニの大群です。ハダニは高温の乾燥した気候で発生しやすいので、葉っぱの裏に水をかけてあげると効果的です。ハダニもウイルスを媒介するので、早めに駆除しましょう。

シランの日々の手入れのポイント

シランの日々の手入れのポイント
シランは手を焼かない植物ですが、ちょっとだけお手入れにポイントがあります。どんなことなのか解説していきましょう。

シランは手間がかからない

シランは環境が整っていれば、さほどお手入れをする必要がない植物です。寒さにも暑さにも強いので、外で育てられる初心者向きの植物です。 地植えだと、風通しと日当たりの良い場所で、水はけの良い土のある環境であればお手入れはあんまり必要ないです。

花や茎が枯れたら取り除く

シランは枯れた茎や花を取り除くと、見た目をきれいに保つことができます。 花が咲いた後は葉っぱがもさっとしているため、多いように感じるかもしれませんが、切る必要はありません。葉っぱは光合成をして養分を蓄えるため、葉っぱを切ってしまうと冬を越すことができなくなる可能性も。 枯れた葉っぱのみ取り除くようにしましょう。

シランの植え付けのポイント

シランの植え付けのポイント
ここまで、シランの育て方のポイントを4つに分けて解説してきました。では次にシランの植え付けについて解説していこうと思います。

春と秋の暖かい時期が適している

シランの植え付けには4月~5月もしくは9月下旬~10月の温かい時期がオススメです。 新芽がある程度の大きさに育った段階で植え付けを行いましょう。梅雨のときは根っこが良く伸びて成長していくので、梅雨に入る前に植えるのがオススメです。 真夏や真冬は生育が遅いですから、避けたほうがよいでしょう。

新芽が鉢口の1/3の高さになるように植え込む

シランを植えるときは、新芽が鉢口から1/3の高さとなるように植えこむようにします。植え付けをしたら、たっぷりと水やりをしてあげて、1週間ほど日陰に置いてから日当たりの良い場所へと移してあげます。

シランの植え替えのポイント

シランの植え替えのポイント
植え付けのポイントの次は、植え替えのポイントも気になると思います。では解説していきましょう。

1~2年に1回の頻度を目安に

シランは成長が早い植物ですから、鉢が小さいとすぐにいっぱいになってしまいますので、一回り大きめの鉢に植えることを心がけましょう。 頻度としては、1~2年に1回を目安に植え替えましょう。 地植えの場合は、3年に1回の頻度で株分けを行うことで、美しい状態を保つことができますよ。

根の成長が早く鉢が詰まりやすい

シランは根っこの成長がとても早いため、植え替えずに置いてしまうと、中から鉢が割れてしまうこともあります! 根っこが詰まってしまうと、水を十分に吸水できずに成長が遅れ、花が咲きにくくなる原因となってしまいます。それを避けるためにも、植え替えはしてあげましょう。

シランの増やし方

シランの増やし方
シランの育て方について詳しくわかってきたところで、シランの増やし方についても解説していこうと思います。 シランの増やし方には、3種類の方法がありますので、分けて紹介していきます。

分球

シランの増やし方として、分球というやり方があります。これは球根から増やすというやり方で、地下球が毎年分球しながら増やす方法となります。 球根に芽がついていることを確認し、地下球を分けます。芽がでていない古い地下球でも、植えておくとわりと発芽しますよ。

株分け

株分けは、植え替えのときに同時に行うのがオススメです。1株にバルブ(偽球茎)が3つ以上つくように分けてあげると、球根の体力を落とすことなく、翌年も花を咲かせてくれます。株分けをした後は植え付けをし、たっぷりと水をあげましょう。 株分けを行う時期は10月ごろがオススメです。また、分けるときは手で割るか、清潔なナイフで切り分けることがよいでしょう。

種まき

種まきでの増やし方はあまり一般的ではありませんが、シランはラン科の植物のなかでも比較的、成功しやすいタイプのラン科です。 外でシランを育てている場合、野菜などと同じように虫などによって自然に受粉してくれますが、好みの花を人工的に受粉させてタネを取ることも可能です。 野菜のように受粉に成功すれば、花の根元にある子房が膨らみ果実となっていき、熟したら勝手に割れていきます。種子は粉のような見た目をしておりとても細かいので、風に乗って飛んでいきます。 もし、種まきをしたいと考えているなら、割れる前に採取しておきましょう。 また、ラン科の多くの植物は共生菌の力を借りて発芽・成長をしますので、親株の根元に撒いてあげると発芽しやすくなります。 ただし、種から育てた場合は、開花までに2~3年かかりますので、しっかりと管理する必要がありますよ!

【まとめ】シランの育て方を紹介!病害虫の対処法からお手入れのポイントまで

今回は、シランの育て方について詳しく解説をさせていただきました。シランは日本で自生しているほど適応しており、育てやすい植物だと思います。 また、寒さにも暑さにも強い植物ですから、初心者の人でも育てやすいのではないでしょうか? 今回の記事では
  • シランは日本で自生しており、環境に適応している植物である。
  • シランは寒さにも暑さにも強く、日当たりと風通りの良い場所で、水はけの良い土の環境があれば丈夫に育ってくれる!
  • シランはナメクジやアブラムシ、ハダニに注意しておく必要がある。薬剤で対処しよう。
  • シランは基本的に環境が整っていれば、お手入れの手間は少ない。葉っぱを切らないように注意!
ということがこの記事を読んでわかっていただけたのではないかと思います。 ぜひこの記事を参考にしてもらい、品種によって色んな花の色を付けてくれるシランを育てて、庭などに彩りを与えてみてはいかがでしょうか?

最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。