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環境を整えれば、通年で美しい花を咲かせるハナキリン。丸みを帯びた花とトゲのびっしり生えた茎が特徴で部屋をおしゃれに彩ってくれます。そんなハナキリンですが育てているうちに葉が落ちることがあります。葉が落ちるハナキリンに対してどんな対処をしたらよいのでしょうか。
この記事では、
- ハナキリンの葉が落ちる原因とは
- 葉が落ちることは必ずしもトラブルではない
- ハナキリンの葉が落ちるときの対処法
- 育てる上で知っておきたいハナキリンの特徴
- 枯れるのを未然に防ぐハナキリンの育て方
- ハナキリンによくあるトラブルの対処法
ハナキリンの葉が落ちる主な原因は?
ここでは、ハナキリンの葉が落ちる主な原因について解説します。ハナキリンの葉が落ちる原因には、- 5℃以下の寒い環境
- 水切れを起こしている
- 根詰まりを起こしている
5℃以下の寒い環境
温度が5℃以下の寒い環境で管理している場合に、ハナキリンの葉が落ちることがあります。ハナキリンは寒さに弱い植物です。暖かい環境で育てれば通年で花を咲かせる一方、寒い環境で管理すると葉が落ちるなどのトラブルを起こすことがあります。寒さのため屋外での冬越しは難しいハナキリンですが、室内でも気温が5℃を下回る寒い環境で育てている場合には「寒い環境」が葉が落ちる原因と考えられます。特に、室内でも窓の近くは外気の影響を受けて気温が下がりやすいため注意が必要です。水切れを起こしている
水切れを起こしている場合に、ハナキリンの葉が落ちることがあります。ハナキリンは多肉植物の一種ですから乾燥に強い性質を持っています。しかし、ハナキリンは生育期、特に夏の時期には水分をたっぷりと必要としますから「多肉植物だからしばらく水を与えなくても大丈夫」と過信すると水切れを起こすことになりかねません。土の表面が乾いてからしばらく水やりをしていない場合には「水切れ」が葉が落ちる原因と考えられます。根詰まりを起こしている
根詰まりを起こしている場合に、ハナキリンの葉が落ちることがあります。鉢いっぱいに根っこが回って根詰まりを起こすと根から水分や栄養分をうまく吸収することができませんから、葉っぱに水分や栄養分が届きません。しばらくハナキリンの植え替えを行っていない場合や鉢底から根っこが出ている場合は「根詰まり」が葉が落ちる原因と考えられます。ハナキリンの葉が落ちることは問題ないことも
ここでは、ハナキリンの葉が落ちても問題ないケースについて解説します。ハナキリンの葉が落ちるとまずはトラブルを疑いますが、葉が落ちることが自然な現象で問題ないこともあります。葉が変色して落ちる場合は自然に起こること
葉っぱにも新陳代謝がありますから、葉っぱが変色して落ちること自体は自然に起こることです。ただし、つぎつぎに葉が変色して落ちるような場合など、何らかのトラブルが原因で葉が変色して落ちているかもしれません。自然な現象とトラブルを見分けることは簡単ではありませんから、「寒い環境」「水切れ」「根詰まり」など葉が枯れる原因に思い当たることがあればトラブルを疑いましょう。株元の葉から入れ替わる
トラブルではなく自然に葉が落ちる場合には、株元の葉から入れ替わります。株元の葉が1〜2枚ほど葉が変色して落ちる場合にはトラブルではなく自然に起こっている可能性が高いでしょう。ただし、根元の葉から葉が落ちる場合でも、つぎつぎに葉が落ちる場合にはトラブルが原因です。また、ハナキリンの新陳代謝を促進するために、定期的に剪定することもおすすめです。剪定を行うことによって新芽が出やすくなります。剪定で切り取った枝は「挿し木」に活用することもできますから「挿し木」という方法でハナキリンを増やしてみてはいかがでしょうか。ハナキリンの葉が落ちるときの対処法をご紹介
ここでは、ハナキリンの葉が落ちるときの対処法について解説します。葉が落ちる主な原因は「5℃以下の寒い環境」「水切れ」「根詰まり」でしたが、トラブルの原因を解消してハナキリンを元気に回復させるためにはどのように対処すればよいのでしょうか。葉が落ちるハナキリンを放っておくと枯れてしまうかもしれませんから、原因を見分けてなるべく早く対処しましょう。冬は室内に取り込んで管理
葉が落ちる原因のひとつが「5℃以下の寒い環境」ですから、寒さの厳しい冬の時期は室内に取り込んで管理します。5℃以下の寒い環境では、葉が落ちて放っておくと枯れてしまうこともあります。5℃以上の環境であれば枯れることはありませんが、室内に取り込んで10℃を下回らないように管理するとよいでしょう。室内でも窓のすぐ近くは外気の影響を受けて冷え込みますから、置き場所は窓から離します。また、ハナキリンは日当たりと暖かい環境があれば通年花を咲かせる植物ですから、15℃以上の環境を整えて冬に花を楽しむのもおすすめです。土の表面が乾いたら水やりをする
葉が落ちる原因のひとつが「水切れ」ですから、水切れを起こさないように水を与えましょう。ただし、水を与えすぎても根腐れなどのトラブルを起こしますから、水の与え過ぎにも注意が必要です。ハナキリンの水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えることが基本です。ただし、休眠期には水やりは控えめにします。夏は2〜3日に1回、冬は10日に1回が水やりの目安です。植え替えをする
葉が落ちる原因のひとつが「根詰まり」ですから、定期的に植え替えを行いましょう。ハナキリンは日々成長しますから、土の中で根っこを少しずつ広げています。成長するについて植木鉢が窮屈になりますから、根詰まりを起こす前に定期的に植え替えを行うことが基本です。しばらく植え替えを行っていない場合や鉢底から根っこが出ている場合には、すぐにひと回り大きいサイズの鉢に植え替えを行いましょう。ハナキリンは定期的に剪定が必要な植物ですから、植え替えのタイミングで剪定することもおすすめです。剪定を行うことによってハナキリン全体の日当たりや風通しが良くなって、病害虫の被害を受けにくくなるというメリットもあります。ハナキリンを育てる上で知っておきたい特徴
ここでは、ハナキリンを育てる上で知っておきたい特徴について解説します。ハナキリンが好む環境、苦手な環境を知っておけば、葉が落ちるなどのトラブルを避けて上手にハナキリンを育てられることでしょう。ハナキリンは多肉植物の一種ですから、多肉植物としての特徴も持っています。直射日光に強く日光を好む植物
ハナキリンは直射日光に強く日光を好む植物です。日当たりがよく暖かい環境であれば、通年で花を咲かせることもハナキリンの特徴のひとつです。反対に、日が当たらず日照が不足する環境ではうまく育ちませんから、日照不足には注意が必要です。乾燥に強く多少の水切れでは枯れない
ハナキリンは過酷な環境で自生する多肉植物の一種ですから、乾燥に強く多少の水切れでは枯れることはありません。ただし、ハナキリンの葉が落ちる原因のひとつが「水切れ」ですから油断は禁物です。多肉植物は生育期でもあまり水分を必要としないのが普通ですが、ハナキリンは生育期にたっぷりの水分を必要とします。普通の多肉植物と同じように扱っていると生育期に水切れを起こしてしまうかもしれません。寒さには強くないため10℃以上の環境が望ましい
ハナキリンは寒さには強くないため、冬でも10℃以上の環境で育てることが理想です。5℃以下の寒い環境でなければ枯れることはありませんが、元気に冬越しするためには室内に取り込んでできるだけ温度を10℃以上を保つようにしましょう。十分な日当たりと暖かい環境があれば通年で花を咲かせるハナキリンですから、15℃以上の環境を整えて冬に花を咲かせることもおすすめです。ハナキリンを枯らさないための育て方
ここでは、ハナキリンを枯らさないための育て方について解説します。ハナキリンの葉が落ちるなどのトラブルが起こっても回復させることはできますが、できればトラブルは未然に防ぎたいものです。トラブルを予防してハナキリンを枯らさずに育てるためには、どんなポイントに気をつければよいのでしょうか。日当たりの良い場所で管理
ハナキリンは直射日光に強く日光を好む植物ですから、日当たりの良い場所で管理しましょう。日光のよく当たる屋外や室内なら窓辺に置いて育てるとよいでしょう。逆に、日照が不足する環境ではうまく育ちません。真夏の直射日光にも耐えることはできますが、ハナキリンに負担がかかりますから真夏は直射日光を避けて明るい日陰で管理します。土の表面が乾いたら水やり
ハナキリンの水やりは、育成期には土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えることが基本です。鉢底から水が溢れ出るくらいまでたっぷりと水を与えましょう。ただし、寒い冬の時期は休眠期に当たりますから控えめに水を与えることがポイントです。水やりの目安としては、水を多く必要とする夏の時期は2〜3日に1回、水をあまり必要としない冬の時期は10日に1回のペースで水を与えます。ハナキリンは「水切れ」で葉が落ちることがありますが、水を与えすぎても「根腐れ」の原因になりますから時期に応じて水やりを変えて必要なだけ水分を与えるようにしましょう。花つきを良くしたい場合は緩効性肥料を与える
ハナキリンは多くの肥料を必要とする植物ではありませんが、花つきを良くしたい場合には緩効性肥料を与えましょう。肥料を与えすぎると生育に悪影響がありますから、肥料の与え過ぎは避けて適切な量の肥料を与えます。ハナキリン全体は元気がある様子なのに花がいつまで待っても咲かないというケースは、肥料の与えすぎが原因と考えられます。生育期に当たる5月から11月にかけて3回ほどのペースで緩効性肥料を与えれば十分ですから、肥料の与えすぎには気をつけましょう。花が咲き終わったら花がら摘み
ハナキリンの花が咲き終わったら、こまめに花がらを摘みましょう。花がらを残しておくと栄養を取られるため、花つきが悪くなります。花がら摘みは花びらだけを切り取るのではなく、花茎の下の方を切るようにします。白い樹液が肌に触れるとかぶれることがありますから、花がら摘みのときには厚手のゴム手袋を着用するなど樹液対策を忘れないようにしましょう。ハナキリンに起こりやすいその他のトラブルの対処法
ここでは、ハナキリンに起こりやすいトラブルの対処法について解説します。葉が落ちるトラブルの他に、ハナキリンにはどんなトラブルが起こりやすいのでしょうか。そして、トラブルが起こったときにはどのように対処したらよいのでしょうか。花が咲かない場合
日当たりがよく暖かい環境であれば通年で花を咲かせるハナキリンですが、いつまで待っても花が咲かないことがあります。花が咲かない原因として考えられるのは「肥料の与えすぎ」や「日照不足」「根詰まり」などです。花が咲かないだけで茎や葉っぱは生き生きしている場合には「肥料の与えすぎ」の可能性が高いですから、肥料を控えましょう。茎や葉っぱに元気がない場合には日照不足や根詰まりなどが疑われますから、原因に応じて日当たりの良い場所に移す、ひと回り大きいサイズの鉢に植え替えるなどの対処を行いましょう。葉が黒い場合
ハナキリンの葉が黒い場合は、すす病の可能性が高いです。すす病とは病気のような名前ですが、ハナキリンそのものが病気にかかったわけではありません。ハナキリンの葉っぱの表面で、アブラムシやカイガラムシなど植物の汁を吸う害虫の排泄物にカビが発生した状態のことです。害虫の排泄物に発生したカビですから葉っぱの黒くなった部分をこすり洗いすればカビは落ちますが、葉っぱ全体が真っ黒になっている場合は葉っぱごと切り取ってしまう方法もあります。アブラムシやカイガラムシなどを見つけたらすぐに駆除することが、すす病の予防につながります。【まとめ】ハナキリンの葉が落ちる原因とは?様々なトラブルの対処法まで解説
ここまで、ハナキリンの葉が落ちる原因と対処法から、ハナキリンの特徴、上手な育て方、よくあるトラブルの対処法まで詳しく解説してきましたがいかがだったでしょうか。 この記事のポイントは、- ハナキリンの葉が落ちる主な原因は、①5℃以下の寒い環境、②水切れを起こしている、③根詰まりを起こしている
- 葉が落ちることは必ずしもトラブルではなく、自然に葉が落ちることもある。株元の葉から入れ替わるため、株元の葉が変色して1〜2枚落ちるのは自然なこと。ただし、つぎつぎと葉が落ちる場合はトラブルの可能性が高い
- ハナキリンの葉が落ちるときの対処法は、①5℃以下の寒い環境を避けるため冬は室内の取り込んで管理する、②水切れを解消するため土の表面が乾いたら水やりする、③根詰まりを解消するため植え替えをする
- 育てる上で知っておきたいハナキリンの特徴は、①直射日光に強く日光を好む、②乾燥に強く多少の水切れでは枯れない、③寒さには強くないため10℃以上の環境が望ましい
- 枯れるのを未然に防ぐための育て方のポイントは、①日当たりの良い場所で管理して日照不足を避ける、②生育期には土の表面が乾いたら水やりする、③花つきを良くしたい場合には生育期に緩効性肥料を与える、④花が咲き終わったらこまめに花がら摘みを行う
- ハナキリンによくあるトラブルには「花が咲かない」「葉が黒い」などがある。花が咲かない場合には肥料を控えるなど原因に応じた対処を、葉が黒い場合には害虫の排泄物に生えたカビの部分をこすり洗いするか葉っぱ全体を切り取るとよい