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ボンボンと球状の花をつぎつぎに咲かせるアルメリア(ハマカンザシ)。アルメリアを花壇やコンテナに植えれば、花が咲く春の季節にはとても賑やかな雰囲気になります。そんなアルメリアですが、実は暑さにも寒さにも強いため初心者でも簡単に育てることができます。
この記事では、
- アルメリアとは
- アルメリアの育て方(①種まき)
- アルメリアの育て方(②植え付け)
- アルメリアの育て方(③肥料)
- アルメリアの育て方(④置き場所)
- アルメリアの育て方(⑤水やり)
- アルメリアの育て方(⑥病害虫)
- 植え替えや剪定の方法
- アルメリアを増やすには
- アルメリアの種類
アルメリアってどんな植物?
ここでは、アルメリアという植物について解説します。ハマカンザシという和名をもつアルメリアとはどんな植物なのでしょうか。アルメリアの基本情報
アルメリアはヨーロッパなどを原産とするイソマツ科ハマカンザシ属の多年草です。「アルメリア(Armeria)」とは「海に近い」という意味をもつ言葉で、潮風や強い日差しに晒される海岸でも自生しています。暑さにも寒さにも強く初心者の方でも簡単に育てることができる植物ですが、湿度が高い環境は苦手です。植物名 | アルメリア(ハマカンザシ) |
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学名 | Armeria |
草丈 | 50cmほど |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
球状の花がかんざしのように咲く多年草
アルメリアの和名は「ハマカンザシ」です。細長い茎に球状の花が咲くため、和名のとおりかんざしのような花姿をしています。丸いボールのような花はとてもかわいらしいです。アルメリアは多年草ですが、タネからも簡単に育てることができます。植えるとコンテナや花壇がとてもにぎわう
アルメリアは花茎をたくさん伸ばすため、ボール状の可愛らしい花がコンテナや花壇いっぱいに溢れます。アルメリアをコンテナや花壇に植えるととても賑やかな雰囲気になるため、コンテナや花壇での栽培がおすすめです。アルメリアの開花時期は3月〜5月です。赤、白、ピンクなど様々な花色がある
アルメリアには、赤、白、ピンクなど様々な花色があります。種類によって花色の濃淡や花の大きさも変わりますから、好みのものを選ぶ楽しみがあります。アルメリアの育て方【種まき】
ここでは、アルメリアの育て方として「種まき」について解説します。アルメリアは簡単にタネから育てることができますから、育て方のコツを押さえて種まきすれば失敗なく育てられることでしょう。種まきは春か秋に行う
アルメリアの種まきは春か秋に行いましょう。春なら4月から5月にかけて、秋なら10月が種まきに適しています。光を感じることで発芽するので覆土は薄めにする
アルメリアの種まきにはコツがあり、種をまいたら覆土は薄めにします。アルメリアのタネは光を感じることによって発芽するため、覆土を厚くすると光を感じることができずに発芽しにくくなります。アルメリアの種まき手順
アルメリアの種まきは、次の手順で行います。- 日当たりと水はけの良い場所に種をまく
- 種に薄く土を被せる
アルメリアの育て方【植え付け】
ここでは、アルメリアの育て方として「植え付け」について解説します。アルメリアの苗を植え付けるには、どのようにしたらよいのでしょうか。アルメリアの植え付けは春か秋に行う
アルメリアの苗の植え付けは、春か秋に行いましょう。春なら3月から5月にかけて、秋なら10月から11月が植え付けに適しています。根鉢をくずして植えつける
アルメリアの苗を植え付けるときには、根鉢を崩して植え付けます。根っこのまわりに固まっている土をほぐしてから、根を痛めないように土を落としましょう。アルメリアの植え付け手順
アルメリアの植え付けは、次の手順で行います。- アルメリアの苗をポットから引き抜く
- 根鉢を崩して、根を痛めないように土を落とす
- 日当たりと水はけの良い場所に苗を植え付ける
アルメリアの育て方【肥料】
ここでは、アルメリアの育て方として「肥料」について解説します。アルメリアには夏の高温期に肥料分を残さないように管理することがポイントですから、春と秋で肥料の与え方を変える必要があります。元肥として石灰分を土に混ぜ込んでおく
アルメリアを植え付けるときには、元肥として石灰分を用土に混ぜ込んでおきましょう。石灰石を用土に混ぜ込むことによって、肥料として緩やかに効果を発揮します。10月から11月と3月から4月に肥料を施す
アルメリアには肥料は秋と春に与えます。秋は10月から11月にかけて、春は3月から4月にかけて肥料を与えましょう。秋は緩効性肥料を与える
秋には10月から11月にかけて緩効性の肥料を与えます。緩効性肥料を1か月に1回ほどのペースで与えるとよいでしょう。春は速効性のある肥料を与える
アルメリアは腐りやすい夏の時期に肥料を残さないことが育て方のポイントです。春に緩効性の肥料を与えると夏の高温期に肥料分が残りますから、春には速効性のある肥料を与えます。3月から4月にかけて速効性のある液肥を与えるとよいでしょう。アルメリアの育て方【置き場所】
ここでは、アルメリアの育て方として「置き場所」について解説します。潮風や強い日差しに晒される海岸でも自生するアルメリアには、どんな置き場所が適しているでしょうか。日当たりと水はけの良い場所に置く
アルメリアは日当たりのよい場所に置くことが大切です。日当たりの悪い場所では、うまく育ちません。また、湿度の高い環境が苦手ですから水はけの良い場所に置きましょう。アルメリアは強い日差しや寒さに対して強い
厳しい環境の海岸でも自生するアルメリアは、強い日差しや寒さに対して強い植物です。アルメリアは多年草ですから冬越しする必要がありますが、特に何もしなくても簡単に冬越しすることができます。蒸れに弱く高温多湿にならないように気をつける
かんたんに冬越しできるアルメリアですが、夏越しには注意が必要です。アルメリアは蒸れに弱く高温多湿な環境が苦手です。高温多湿な環境になりやすい夏には弱ってしまうこともありますから、注意しましょう。アルメリアの育て方【水やり】
ここでは、アルメリアの育て方として「水やり」について解説します。地植えの場合と鉢植えの場合にわけて解説します。地植えの場合
アルメリアを地植えする場合には、あまり水やりの手間はかかりません。植え付け直後は乾燥させないように水やりをする
植え付け直後の苗は水切れに弱いため、乾燥させないことが育て方のコツです。植え付け直後には乾燥させないように水やりをしましょう。根付いてからは基本的に水やりをする必要はない
植え付け後しばらくすると根をしっかりと広げます。アルメリアが根付いてからは基本的に水やりをする必要はありません。鉢植えの場合
アルメリアを鉢植えで栽培する場合には、成長期から開花中の時期と開花後の時期で水やりを変えることが育て方のコツです。春の成長期から開花中は土が乾き始めたらたっぷり水をあげる
成長期から開花中には、アルメリアは水分を多く必要とします。春の成長期から開花中の時期は、土の表面が乾き始めたらたっぷりと水をあげましょう。開花後は過湿にならないように乾燥してから水をあげる
開花後はあまり水分を必要としなくなります。アルメリアに過湿は大敵ですから、過湿にならないよう乾燥してから水をあげましょう。寒くなるにつれて水分が蒸発しにくくなるため、冬の時期には特に過湿に注意が必要です。蒸れを防ぐために涼しい時間帯に水をやる
アルメリアは蒸れが苦手な植物です。夏の高温期には蒸れやすため、水やりは日中を避けて早朝や夕方など涼しい時間帯に水を与えるようにしましょう。アルメリアの育て方【病害虫】
ここでは、アルメリアの育て方として「病害虫」について解説します。蒸れに弱いアルメリアですから、根腐れに特に注意しましょう。灰色かび病にもかかることがあります。根腐れ
蒸れに弱いアルメリアは、過湿な環境で根腐れを起こすことがあります。高温多湿な環境になる夏の時期はもちろん、開花後の時期に水を与えすぎることによって根腐れが起こることもあります。根腐れを防ぐためには、風通しと水はけの良い場所に置いて、水を与えすぎないことがポイントです。灰色かび病
灰色かび病は、茎や葉などに灰色のかびが発生する病気です。梅雨の時期など高温多湿な環境で発生しやすく、発症した箇所は回復しません。病気が広がらないように見つけたらすぐに発症した箇所を取り除きましょう。灰色かび病の予防には、日当たりと風通しの良い場所に置くことがポイントです。アルメリアの植え替え方法
ここでは、アルメリアの植え替え方法について解説します。アルメリアは毎年植え替えが必要ですから、植え替えの方法をしっかりと確認しておきましょう。毎年秋に株分けして植え直す
アルメリアが弱る夏の季節を過ぎ、秋になったら毎年植え替えを行いましょう。植え替えには10月から11月の時期が適しており、株分けをしてから植え直します。放置すると根腐れや根詰まりのリスクが高まる
アルメリアは蒸れに弱く根腐れを起こしやすい植物です。植え替えを行わずに放置するとアルメリアが育つにつれて密集して根腐れや根詰まりを起こすリスクが高まります。アルメリアの植え替え手順
アルメリアの植え替えは、次の手順で行います。- 根を痛めないように土を掘って、アルメリアを引き抜く
- アルメリアの土を落とす
- それぞれの株に5つほどの芽がつくように、太い根を縦に割いて株分けする
- それぞれの株を植え付ける
アルメリアの剪定方法
ここでは、アルメリアの剪定方法について解説します。アルメリアは花が咲き終わった後に、剪定を行うことが育て方のポイントです。アルメリアはこまめに花がら摘みを行う
アルメリアは、こまめに花がら摘みを行うことが育て方のポイントです。花が咲き終わったら花がら摘みを行うことによって、アルメリアの美しい姿を保つことができます。花がらを摘んでもすぐに花が咲きます。結実すると養分を奪われるので終わった花はすぐに摘む
花がら摘みを行わずに咲き終わった花をそのまま放っておくと、そのうち結実することがあります。結実すると養分を奪われて花が咲きにくくなりますから、終わった花はすぐに摘むようにしましょう。アルメリアの増やし方
ここでは、アルメリアの増やし方について解説します。アルメリアは特に何もしなくても増える植物ですが、株分けや挿し芽でも増やすことができます。アルメリアは基本的に植えっぱなしでも増える
アルメリアは繁殖力が強いため、基本的に植えっぱなしでも増えていきます。放っておいても、つぎつぎと芽を出して増えていきます。アルメリアは株分けや挿し芽で増やすことができる
アルメリアは株分けや挿し芽で増やすこともできます。アルメリアは毎年植え替えが必要ですから、10月から11月の植え替え時期に株分けすると簡単に増やすことができます。アルメリアの株分け手順
アルメリアの株分けは、次の手順で行います。- 根を痛めないように土を掘って、アルメリアを引き抜く
- アルメリアの土を落とす
- それぞれの株に5つほどの芽がつくように、太い根を縦に引き割いて株分けする
- それぞれの株を植え付ける
アルメリアの挿し芽手順
アルメリアの挿し芽は、次の手順で行います。- アルメリアの芽を切り取る
- バーライトなどに切り取った芽を挿す
- 水切れしないように管理して発根を待つ
- しっかり根が張ったら植え付ける
アルメリアの種類
ここでは、アルメリアの種類について解説します。アルメリアには園芸に適した園芸品種も多くあります。人気のある品種には、バレリーナ、アルマダ、シャルムルビー、エンゼルボールなどがあります。バレリーナ
バレリーナは、50cmほどの草丈になるやや大型の品種で、切り花としても使われます。花径が5cmほどになる大輪の花がバレリーナの特徴で、ライラック色やピンク、赤、白など花色のバリエーションもあります。アルマダ
アルマダは、15cmほどの草丈になるコンパクトな品種です。花色はピンク、ローズ、ホワイトがありますが、ピンク色が淡い色のピンクで可愛らしくおすすめです。シャルムルビー
シャルムルビーは、40cmほどの草丈になるやや大型の品種です。アルメリアとしては珍しい斑入りの葉っぱが特徴です。ピンク色の大輪の花と白い斑入りの葉っぱの組み合わせがとてもおしゃれなアルメリアです。エンゼルボール
エンゼルボールは大型の品種で、花茎が高く伸びて60cmほどの草丈になることも。一般のアルメリアよりも大きめの花は、濃いピンク色をしています。花壇やプランターに植えれば、とても華やかな雰囲気になります。【まとめ】アルメリアの育て方を紹介!お手入れのポイントから人気の品種まで
ここまで、アルメリアの育て方の基本から、植え替えや剪定の方法、増やし方、アルメリアの種類まで詳しく解説してきましたがいかがだったでしょうか。 この記事のポイントは、- アルメリアは球状の花がかんざしのように咲く多年草で、植えると花壇やコンテナがとてもにぎやかになる
- アルメリアの種まきは春か秋に行う。光を感じて発芽するため覆土は薄めにすることが育て方のコツ
- アルメリアの植え付けは春か秋に行う。根鉢を崩してから植え付けることが育て方のコツ
- アルメリアの肥料は3〜4月に速効性のある肥料を、10〜11月に緩効性肥料を与える。高温期の夏に肥料分を残さないことが育て方のコツ
- アルメリアの置き場所は日当たりと水はけの良い場所が適している。蒸れには弱いため高温多湿な環境に注意することが育て方のコツ
- アルメリアの水やりは、地植えの場合ほとんど手間がかからない。鉢植えの場合は、春の成長期から開花中の時期と開花後の時期で水やりを変えることが育て方のコツ
- 蒸れに弱いアルメリアは「根腐れ」に気をつける必要がある。病害虫では灰色かび病にも注意が必要
- アルメリアの植え替えは、毎年秋に株分けを行って植え付けるとよい
- 結実すると栄養分を取られるため、アルメリアはこまめに花がら摘みを行うとよい
- アルメリアは基本的に植えっぱなしでも増えるが、株分けや挿し芽でも増やすことができる
- アルメリアの種類には、バレリーナ、アルマダ、シャルムルビー、エンゼルボールなど様々な特徴をもった品種がある