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皆さんは観葉植物をお部屋に育てたり、お部屋に飾った経験はありますか?お花や観葉植物は園芸だけでなく、入学祝いや結婚祝いなど目にする機会が多くあります。 今回紹介するサクラソウ属のプリムラは花色が豊富にあり、大きな花びらが魅力的なお花で、現在も多くの人気を集めています。 「プリムラってどんな植物か気になる」「プリムラの育て方が分からない!」という方に向けて以下の内容をまとめました!
- プリムラの基本情報と特徴
- プリムラの育て方・置き場所
- プリムラの育て方・水やり
- プリムラの育て方・用土
- プリムラの育て方・肥料
- プリムラのお手入れ方法
そもそもプリムラってどんな植物なの?
育て方を紹介する前に「そもそもプリムラという植物がどんなものか知りたい」という方もいるかと思います。そういった方に向けてプリムラの基本情報と特徴を解説していこうと思います。北半球を中心に分布するサクラソウ科サクラソウ属の花
プリムラはサクラソウ科サクラソウ属の多年草植物です。原産は主に日本や中国、ヨーロッパなど北半球を中心に分布しており、寒さには強く暑さには弱い植物となっています。またプリムラは咲き方のバリエーションが豊かで、個体によって咲き方が異なるため、個体ごとに育成を楽しむことができますよ。本来は多年草(宿根草)だが夏越しが難しいため一年草として考えられる
プリムラは暑さで上部が枯れてしまいますが、地下部は死なない宿根(しゅっこん)草です。宿根草であるため毎年花を咲かせますが、日本の夏の極端な暑さには耐えられないため寒冷地以外の夏越しは基本的に難しいです。そのためプリムラは暑い地域では一年草として考えられています。プリムラの育て方のポイント①置き場所
ここからはプリムラの育て方について解説していきます。まずはじめに紹介する育て方は置き場所について。置き場所も育て方において非常に重要な要素なので、不安な方はぜひ参考に見ていってくださいね。最低気温が0℃を下回る場合は室内に入れる
プリムラは耐寒性があり、寒さにはある程度耐えられます。しかし霜や雪などに当たってしまうと凍ってしまう恐れがあり、凍ってしまえば枯れてしまうので注意してください。寒さに強い品種は屋外で越冬できる
プリムラ・マラコイデスやプリムラ・ジュリアンなどの品種は非常に寒さに強く、屋外での冬越しが可能です。鉢植えを屋外に置いたり、地植えで育てたい場合でも品種にさえ注意すれば十分育てられます。日中は屋外で日光に当て、夜だけ部屋に取り込むとよい
冬の時期で一番寒いのは深夜と早朝です。暖かい日中は日光に当てて、寒くなる夜だけ部屋に取り込めば冬でも屋外で栽培することができます。屋外の場合:雨・雪・霜が直接当たらないようにする
先ほども少し触れましたが、屋外で栽培する場合は雨・雪・霜に当たらないように注意してください。雨は鉢内が蒸れて根腐れの原因になってしまいますし、雪・霜はプリムラが凍ってしまい死んでしまいます。いずれも良くないので屋外で栽培するときは注意してくださいね。室内の場合:暖房が効いた部屋は避け、日の当たる窓辺に
プリムラは暑さに弱く夏の暑さで枯れてしまうほどです。室内で育てる場合は暖房が効いた部屋は避けて、日あたりのいい窓際に置くようにしましょう。 室内に置く場合はエアコンなどの風が当たり続ける場所は避けてください。乾燥してしまい枯れる原因となってしまいます。プリムラの育て方のポイント②水やり
次に紹介する育て方は水やりについて。水やりでの育て方は季節や状況によって異なります。その点も含めて解説していきます。葉が少し萎れるまで待ってから与える
プリムラは水をそこまで必要としません。水やりのタイミングとしては葉が少し萎れるくらい乾くのを待ってから与えてください。開花時期であれば2~3日に1回の水やりで十分です。開花期は水切れしないよう注意する
プリムラは開花期間中、水切れを起こしやすくなっています。水切れを起こさないようにこまめにチェックし、葉っぱが萎れてたらすぐに水をあげるようにしてください。株元にたっぷり水を与える
プリムラに水を与えるときは、葉っぱの隙間や花に水が溜まらないように株本にたっぷり水を与えてください。夏は水やりを控えめにして乾燥気味に育てるのがコツです。冬の水やりは午前に行う
冬の水やりは日が暖かい午前中に行うのがオススメです。プリムラは一度凍ってしまえば死んでしまいます。寒い朝や夕方の時間帯に水やりをしてしまうと凍ってしまう恐れがあるので注意しましょう。プリムラの育て方のポイント③土
続いて紹介する育て方はプリムラに合った用土選びです。そもそも相性の悪い用土を選んでしまうと他の育て方が良くても元気な生育が難しくなってしまいます。ここではプリムラに合った用土について解説していきます。水はけがよく肥沃な土壌を好む
プリムラは水はけがよく栄養価の高い肥沃な土壌を好みます。特に水はけが悪いと根腐れを起こしやすくなってしまいます。根腐れを起こしてしまうと発見が難しい分、回復できずにそのまま枯れてしまう可能性が高いです。市販の園芸培養土で育てられる
プリムラは市販の園芸培養土で育てることができます。ガーデニングに慣れている方は土を配合して、その植物に合った土を作りますが難しいと思った方は市販のもので対応しましょう。水はけを重視したものを選ぶようにしてください。赤玉土5:ピートモス3:バーミキュライト2の配合土なども
赤玉土5:ピートモス3:バーミキュライト2の組み合わせはプリムラと相性がいいです。赤玉土とピートモスは排水性・保水性・通気性・栄養価が高く、バーミキュライトは多孔質であるため通気性・排水性をさらに向上させてくれます。赤玉土6:腐葉土2:粗い砂2の配合土でもよい
赤玉土6:腐葉土2:粗い砂2の組み合わせも相性がいいです。こちらも先ほどの組み合わせと同じで赤玉土と腐葉土の排水性・保水性・通気性・栄養価がいいです。荒い砂を少し加えることで通気性・排水性が向上するのでプリムラに向いた配合土になってます。プリムラの育て方のポイント④肥料
続いて紹介するプリムラの育て方は肥料の与え方について。肥料も与え方を誤ってしまうと逆効果になって枯れてしまうケースがあります。肥料の与え方が分からない方はぜひ参考に見ていってください。元肥:リン酸の多い緩効性化成肥料を施す
プリムラの元肥としてオススメの肥料はゆっくりと栄養を与えてくれる緩効性化成肥料。プリムラの花付きを良くするためにリン酸の多いものを選ぶようにしましょう。追肥
元肥を加えた後は定期的に追肥を行ってプリムラを育てていきます。ここでは追肥について解説していきますね。緩効性化成肥料を定期的に与える
追肥としては緩効性化成肥料を定期的に与えてください。元肥のようにリン酸の多いものでなくても大丈夫です。緩効性肥料は効力は薄いですが長持ちするので広い間隔で与えていきましょう。2カ月に1度くらいが目安
緩効性化成肥料を与えるペースとしては2か月に1度程度が妥当です。肥料は多く与えればいいというものではなく、与えすぎてしまうと栄養過多によって「肥料焼け」を起こしてしまうので分量と間隔を守って与えるようにしてください。花数が減ったり葉の色が薄くなったら液肥を与える
花和が減ったり、葉の色が薄くなった場合は即効性の高い液体肥料がオススメです。液体肥料は長持ちはしませんが、即効性が高く効果も大きいです。プリムラの元気が良くない場合は即座に対応できる液体肥料を使うようにしましょう。 ただし効果が強い分、肥料焼けを起こしやすいので与えすぎに注意です。目安として2週間に1回程度と覚えておいてください。肥料不足で葉の色が変わることも
プリムラの葉の色が黄色に変色した場合は肥料不足である可能性が高いです。即効性の高い液体肥料で対応してください。プリムラのお手入れ
育て方も大切ですが、プリムラがある程度成長してきたらお手入れが必要になってきます。ここではプリムラのお手入れ方法について解説していきますね。植え替え
プリムラが大きくなってくると根が鉢内に広がって窮屈になってしまいます。根っこの密度が高いと「根詰まり」を起こしてお互いの栄養吸収を阻害しあってしまうので、定期的に植え替えを行うようにしましょう。時期:5月末~6月
植え替え時期としては涼しい時期である5月末~6月がオススメです。植え替え作業はプリムラにストレスを与えてしまうため元気な時期に行ってください。休眠期である真夏に行ってしまうと回復しきれずにそのまま枯れてしまう可能性が高いです。植え替えのしかた
プリムラの植え替え方法は以下の通り。- プリムラより一回り大きな鉢を用意する
- 新しい鉢に鉢底ネットを敷く
- 鉢底ネットが見えなくなる程度まで鉢底石を敷く
- 鉢の1/3程度土を入れておく
- プリムラを鉢から取り出す
- プリムラの根鉢をほぐす
- 黒く腐った根っこはすべて切り落とす
- 用意した鉢にブルーデージーを入れる
- 鉢縁の3cm程度下まで土を入れていく
- 水をたっぷりあげて完了
花がら摘み
プリムラの開花期は11月~4月です。開花が終わった後の花がらを放置してしまうと、カビや病気の原因になってしまいます。プリムラの病気予防のために定期的に花がらを摘むようにしてください。夏越し
プリムラは夏に枯れてしまうほど暑さに弱い植物です。夏越しの方法について解説していきますね。風通しの良い半日陰で管理する
夏の直射日光は強烈で、暑さに弱いプリムラでは耐えられません。風通しのいい半日陰で管理するようにしましょう。 住んでいる地域で暑さが違うと思います。プリムラの生育温度は10℃~20℃なので、外が暑くなる日は涼しい家に入れて夏越しさせるのも手段の1つですよ。新しい土と大きめの鉢植えに植え替える
新しい土と大き目の鉢植えに植え変えることでプリムラが元気になります。夏前に植え替え作業を行って夏越しに備えておきましょう。夏に入ってから植え替えをすると回復しきれずに枯れてしまう恐れがあるので、夏前に植え替えてください。増やし方
プリムラはある程度大きくなると増やすことができるようになります。プリムラの増やし方について解説しますので、プリムラの増やしたいと考えている方はぜひ見ていってくださいね。株分け
株分けとは成長したプリムラの親株と子株を切り離して別々の鉢で育てて増やす方法です。子株があれば株分けを行うことができますよ。簡単に言えば親株と子株を切り離して別々の鉢で育てるだけなので初心者にもできる簡単な増やし方です。増やしたいと思った方はぜひ試してみてくださいね。種まき
種まきは土の上に種をまいて発芽させて増やす方法です。種まきは春の時期に行いますが、乾燥させないようにこまめな水やりが必要です。少し大変ですが上手くいけば14日ほどで発芽します。プリムラの人気の品種を紹介
ここではプリムラの人気品種をいくつかご紹介していきます。これからプリムラの購入を検討されているかたはぜひ参考に見ていってくださいね。ジュリアン:耐寒性が強く花付きが良い品種
ジュリアンはコーカサス原産の極矮性であるジュリエとポリアンサ系との交配によって生まれました。ジュリアンは耐寒性が高く11月~4月が開花時期となっており、花付きもいい品種なので花束やブーケとしても人気ですよ。マラコイデス:花茎が長く毬のように密集した花を咲かせる
マラコイデスは花茎が長く、花弁がたくさん重なって咲く八重咲きなのでボリュームのある見た目が非常に人気となっています。マラコイデスも耐寒性が高く、冬~春の時期にお花を咲かせてくれます。オブコニカ:大輪の花を毬のように咲かせる
オブコニカは草丈が20~30cmとほかのプリムラに比べ大きく育ち、大きなお花を咲かせることが特徴です。オブコニカの耐寒性はそこまで高くなく5℃以下は耐えられないので冬は室内で冬越しさせなければならないので注意が必要です。ポリアンサ:桜のような切れ込みのある花弁が特徴
ポリアンサは草丈は20cmと小ぶりで、花弁には桜のような切込みがあります。ポリアンサは草丈が小さくとも花弁が大きい品種なので非常にボリュームのある見た目になっており、花束やブーケなどのギフトとしても非常に相性がいいお花ですよ。ベラリーナ:ロゼット状の株と厚みのある花が特徴
ベラリーナは八重咲きで厚みがある花びらから、まるでバラのような見た目をしています。株の葉っぱ自体もロゼット状に展開するので非常におしゃれな見た目で多くの人気を集めています。バラが好きな方にはベラリーナを検討してみてはいかがでしょうか。オーリキュラ:円形のフラットな花が特徴
オーリキュラは円形でフラットなお花を咲かせます。花びらの中央部分と先端部分で色が異なり、色がはっきりと分かれているので作り物かのような不思議な雰囲気をもっています。 オーリキュラは他のプリムラとは明らかに違う雰囲気をまとっており、お部屋に飾ればその存在感でお部屋をオシャレにしてくれますよ。ブルガリス:淡い黄色の花を咲かせ、ハーブティーやワインとしても楽しめる
ブルガリスは2~4cmの小さくて淡い黄色のお花をたくさん咲かせてくれるファンシーなプリムラです。若葉はサラダやハーブティーにも使用されており、花を発酵させればワインの原料にもなるそうです。かわいいプリムラが欲しい方にはブルガリスがおすすめですよ。ビアリー:花穂が立ち上がる珍しい品種
ビアリーは中国産のプリムラで標高約3000mほどに自生している珍しいプリムラです。ビアリーの最大の特徴は下から上に花穂が立ち上がるツクシのような咲き方。花弁は薄紫で先端は赤色と2色のコントラストがオシャレなプリムラです。アラカルトシュシュ:丈夫で耐寒性がとても強い
アラカルトシュシュは小さなお花をたくさん咲かせるボリューム感のある品種。耐寒性が非常に高く-10℃まで耐えることができます。そのためアラカルトシュシュは極寒地域でなければ外での冬越しにも容易に耐えることができる品種です。キャンディマジック:ユニークな花色の愛らしい花
キャンディマジックの花色はぼやかしたようなニュアンスカラーが愛らしいと評判の品種です。キャンディマジックのお花は八重咲なのでボリュームがあって、おしゃれな見た目をしているのでお部屋のインテリアだけでなくギフトとしても人気が高いですよ。シネンシス:耐寒性が強く、小さく控えめで可愛らしい花を咲かせる
シネンシスは白く小さく控えめな花を咲かせてくれます。耐寒性が強く0℃まで耐えることができるので冬越しもしやすい品種。シネンシスは真っ白な見た目から別名カンザクラ(雪桜)とも呼ばれています。スフィンクス:ストライプ模様の入った花びらが特徴
スフィンクスはプリムラ・ジュリアンの改良品種で、花弁にストライプ模様が入っています。スフィンクスはストライプ模様がシックな雰囲気を持ちとてもおしゃれになっているのでお部屋のインテリアに相性ぴったりです。耐寒性はジュリアンと同じ程度で5℃以下にならないように管理して育てる必要があります。デンティキュラータ:てまりのように集まって咲く花が特徴
デンティキュラータはてまりのように球状に集まって咲く花が特徴的です。デンティキュラータはボールのような花がとても愛らしいと評判で、株自体も20cm程度とコンパクトでお部屋に飾りやすいですよ。ベリス:石鹸のような香りの花を早春に咲かせる
ベリスは石鹸のような香りがする黄色いお花を春にたくさん咲かせてくれます。花は大きく広げるのではなく扇状に小さく開きます。ベリスはプリムラの中でも丈夫な品種なので、初心者の方でも育てやすいですよ。ロココ姫:フリル咲きのインパクトのある花姿
ロココ姫は可愛らしいフリル咲きでお花が開くので女性にオススメの品種です。花径も4~5cmと大きく開くので迫力もあり色のバリエーションも豊かなので、ロココ姫を使ったアレンジやガーデニングは豪華な印象を与えてくれますよ。【まとめ】プリムラの育て方を徹底解説!成長後のお手入れ方法から人気の品種まで
ここまでプリムラの育て方について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?プリムラは耐寒性が非常に強いですが、夏の暑さには極端に弱い植物であることが分かっていただけたかと思います。ここまでの内容をまとめると以下の通り。- プリムラは耐寒性が強くー10℃まで耐える品種もある
- プリムラは暑さに弱いため、夏越しの準備が大切
- プリムラは雨・雪・霜に当たらないように注意する
- プリムラの開花時期11月~4月は水切れを起こしやすいので注意する
- プリムラは水はけの良い土を好む
- プリムラの肥料は緩効性化成肥料がおすすめ