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水に濡れると透明な花びらになる不思議なサンカヨウ。山野草の中でも不思議で可愛らしい花を咲かせることで有名です。一度見ると、その可愛らしさから「育て方を知りたい」と思うことでしょう。不思議なサンカヨウの育て方について気になりませんか。
そこでこちらの記事では
- サンカヨウはどんな植物なのか
- サンカヨウの育て方における置き場所・水やり・肥料
- サンカヨウの育て方における種まき
- サンカヨウの育て方における植え付け
- サンカヨウの育て方における植え替え
サンカヨウ(山荷葉)とはどんな植物?
サンカヨウ(山荷葉)と聞いて、どんな植物かパッと思いつく方は少ないでしょう。サンカヨウについて紹介します。雨に濡れると透明になる神秘的な花を咲かせる山野草
サンカヨウは和名では「山荷葉」と書きます。雨に濡れると透明になる神秘的な花を咲かせる山野草です。原産地は日本やサハリン。雨に濡れると花が透明になることから、スケルトンフラワーとも呼ばれます。メギ科サンカヨウ属の植物です。花が水に濡れると透明になることから、珍しい花として人気があります。基本的には鉢植え栽培で育ててください。観葉植物のように水耕栽培はできません。水耕栽培では、根腐れして枯れるので注意しましょう。また、サンカヨウは寒さに強い植物ですが、冬は地上部がなくなります。土の中の根だけで冬眠状態に。冬眠状態のサンカヨウに水やりや肥料を与えると腐るので気を付けて育ててください。また、鉢植えでの育て方のポイントの一つは、土が凍結しないように気を付けることです。開花期間は短く5日~7日ほど
サンカヨウの開花期間は短く5日~7日ほどです。「水に濡れると透明になる」という不思議な性質を持っており、その美しさから人気のある植物です。実際にサンカヨウを一目見るために山に登る方も多いほど。しかし、開花期間は非常に短いので、花が咲いているタイミングで出会えないこともあります。サンカヨウの花言葉「幸せ」「親愛の情」「清楚な人」
サンカヨウの花言葉は、「幸せ」「親愛の情」「清楚な人」です。花言葉「幸せ」「清楚な人」は可愛らしい白花が水に濡れると透明になる神秘的な性質が由来として名付けられています。「親愛の情」という花言葉は、一見してどこにでもありそうな花ですが、親しみやすい花をしていることが由来です。サンカヨウの花は2㎝ほどと小さく、開花期間も短いため、山の中で花が咲いているところを見つけた場合は、きっと幸せな気持ちになるでしょう。病気や害虫には強いが暑さには弱い
サンカヨウは病気や害虫には強いが暑さには弱い植物です。山の涼しい環境で、さらに日当たりの少ない木陰に自生しているためです。直射日光や高温を経験すると枯れるので気を付けましょう。山の中で強く育つ山野草は、病気や害虫に強い傾向があります。サンカヨウも同様で、比較的病気や害虫に強いため、その点は初心者でも育てやすいです。ただし、風通しが悪ければカビが生えたり病気に感染しやすくなったりするので注意して育ててください。病気やカビの感染を防ぐためにも風通しを良くして育ててください。耐寒性が強いため冬越し可能な多年草
サンカヨウは耐寒性が強いため冬越し可能な多年草です。暑さには弱い反面、寒さには非常に強いので、冬越しができます。一株ずつ鉢に植えて管理する形になりますが、冬は屋外で凍結しないような場所に置いておくだけで大丈夫です。耐寒性が強いため、暑い夏さえ越えることができれば、比較的育てやすいでしょう。サンカヨウの育て方①:置き場所
サンカヨウがどんな植物かがわかると、育て方が気になりませんか。サンカヨウの育て方における置き場所のコツについて見ていきましょう。直射日光が当たらない風通しの良い場所で管理
サンカヨウは、直射日光が当たらない風通しの良い場所で管理してください。山の木陰の中で育っている山野草なので、直射日光を嫌うためです。また、風通しが悪いとカビが生えたり病気になったりする被害が発生する可能性があるので気を付けましょう。サンカヨウは基本的には涼しい屋外で育てます。室内では風通しが悪くうまく育ちません。種まきの時期のみ室内での管理は可能ですが、基本的には風通しのある屋外の日陰で管理しましょう。暑さに弱いため夏の管理は特に注意
サンカヨウは暑さに弱いため、夏の暑い時期の管理は特に注意してください。夏は涼しい日陰に置いて、風通しよく管理しましょう。日差しが当たる場合は、寒冷紗をして遮光してください。サンカヨウは暑さ被害で蒸れて枯れたり元気をなくしたりするので、なるべく涼しい環境を作ることが重要です。サンカヨウの育て方②:水やり
サンカヨウの育て方における水やりを解説します。水やりのコツがわかれば、サンカヨウを上手に育てられるでしょう。鉢植えの場合は土の表面が乾いたら水やり
鉢植えの場合は土の表面が乾いたら水やりをしてください。鉢底から水がたっぷり流れるくらいに水やりするのがポイントです。ただし、受け皿に水を溜めていると根腐れを発生させるので、受け皿に溜まった水はこまめに捨ててください。特に夏と冬の水やりには注意しましょう。夏に水を種ると根腐れしやすいです。冬は地上部の葉がすべてなくなり、根だけで冬越しします。その状態で水をやりすぎると根腐れする可能性が高いです。春~秋は土が乾いたら、たっぷり与えますが、受け皿には水を溜めないでください。地植えの場合は基本不要
もし、サンカヨウを屋外の地植えにする場合は、基本的に水やりは不要です。自生地の山と同じ環境を作れるのであれば地植えは可能ですが、基本的にサンカヨウを屋外の地植えで育て続けることは難しいでしょう。夏の暑い時期はを涼しい環境にできるように工夫することが重要です。東北や北海道であれば地植えは可能ですが、関東以南では地植えは難しいです。関東以南で地植えができるのは、高所の山などのみです。夏が涼しいことが絶対条件なので、基本的には地植えはしないで鉢植えで育ててください。サンカヨウの育て方③:土作り
サンカヨウの育て方における土作りを解説します。土が適切であれば、サンカヨウは順調に成長します。ぜひ丈夫に成長させて花を咲かせてください。水はけの良い土が適している
サンカヨウには水はけの良い土が適しています。水はけが悪い土では根腐れしてしまうことがあるので、注意してください。また、水はけが悪い土は根の成長も悪くなりやすいので注意しましょう。砂っぽい土は水やり後に土が固まりやすく、水はけも次第に悪くなるので真砂土などで育てることはしないでください。地植えの場合は土に腐葉土や鹿沼土を2~3割混ぜ込む
地植えする場合は、土に腐葉土や鹿沼土を2~3割混ぜ込んでください。山の中で育っている植物なので、有機質を好みます。砂っぽい土では育たないので、腐葉土をしっかり加えて土をふかふかにして、さらに水はけを維持できるように鹿沼土も加えるとよいでしょう。地植えできる環境は東北や北海道に限ります。地植えする場合も水はけは重要なので、畝を作って水はけを改善したり鹿沼土や軽石を入れて水はけを良くしてください。鉢植えの場合は市販の山野草用培養土でも育てられる
鉢植えの場合は市販の山野草用培養土でも育てられます。サンカヨウは山野草用の培養土で育てることをおすすめします。専門用土であれば、水はけや有機質も考えられているので、そのまま使用して育てることが可能です。初心者にも扱いやすいでしょう。配合する場合は鹿沼土4:赤玉土3:軽石3:腐葉土1がおすすめ
もし、オリジナルで土を配合する場合は、鹿沼土4:赤玉土3:軽石3:腐葉土1がおすすめです。水がスッと抜けるように水はけがよい土を目指して作りましょう。水はけが悪いと、夏の高温期に根腐れしやすいので注意してください。さまざまな山野草を育てており、植物の上手に育てている方はオリジナルで作ることができます。初心者の方は、オリジナルで作ると失敗しやすいので、割高でも専門の山野草の土を購入して育てた方がよいでしょう。サンカヨウの育て方④:肥料
サンカヨウの育て方における肥料のポイントを解説します。肥料を上手に与えることができれば、花を咲かせたり大きく育てたりすることができるかもしれません。サンカヨウの肥料について見ていきましょう。3月頃に化成肥料や油かすを置き肥する
サンカヨウへの肥料やりは、3月頃に化成肥料や油かすを置き肥するとよいです。ただし、肥料の与えすぎは根傷みを引き起こすので注意してください。3月以降は開花季節でもあるので、窒素分の多い肥料を与えすぎると葉ばかり茂って花が咲かなくなるので注意しましょう。緩効性肥料でも大丈夫
肥料は、ゆっくり効く緩効性肥料でも大丈夫です。そもそも、山野草なので肥料はあまり必要ありません。速効性のある肥料を与えすぎると枯れる原因になるので、肥料は少なめに与えて育てるくらいがちょうどよいでしょう。サンカヨウの種まきのポイント
サンカヨウの種まきのポイントを見ていきましょう。6~9月がサンカヨウの種まきの適期
6月~9月がサンカヨウの種まきの適期です。サンカヨウは花後に種子を付けるため、種子を採取すれば種まきができます。開花季節が春~初夏にかけてなので、開花後に種子を採取したら、すぐに種まきしても大丈夫です。サンカヨウの種子は市販では手に入れることが難しいですが、育てている方は開花後に簡単に採取できます。種を採取したら、ぜひ増やしてみてください。種まきの手順
種まきの手順は以下の通りで簡単です。- サンカヨウの花後に種を採取
- 6月~9月に、鉢植えやプランターに種まき用の土を入れる
- 種を撒く
- 土を少しかぶせる
- しっかりと水やりする
- 直射日光の当たらない日陰に置く
- 土が乾燥しないように管理する
サンカヨウの苗の植え付けのポイント
サンカヨウの育て方における苗の植え付けポイントを見ていきましょう。4~9月の生育期に苗を植え付ける
サンカヨウは4月~9月の生育期に苗を植え付けます。ただし、暑さに弱いので、なるべく猛暑日を除いた日に植え付けるのがポイントです。半日陰や日陰になる場所を選ぶ
鉢に植え付けた場合は、半日陰や日陰になる場所を選んで置いてください。また、地植えの場合は夏に涼しく日陰になる場所に植え付けましょう。日差しが当たると枯れやすいので、注意してください。開花まで数年かかる
種から育てて、植えつけた場合は開花まで数年かかります。じっくりと苗を育てて大きな株に育ててください。開花までに枯れないように暑さや日差しに注意して育てましょう。サンカヨウの植え替えのポイント
サンカヨウの育て方における植え替えのポイントを解説します。根が傷つくと枯れやすいため基本植え替えはしない
サンカヨウは根が傷つくと枯れやすいため、基本植え替えはしないでください。特に地植えは植え替えの必要はなく植えっぱなしです。鉢植えの場合も植え替えはなるべく控えます。そのため、あらかじめ大きめの鉢に植えておくとよいでしょう。ただし、大きすぎる鉢に植えた場合は、水やり後に根腐れしやすいので、水はけの良い山野草の土を使って育てることが重要です。苗を植えるときに大きめの鉢に植え付けておくのがコツ
サンカヨウは苗を植えるときに大きめの鉢に植え付けておくのがコツです。鉢植えの場合、小さな鉢に植え替えるとすぐに根詰まりしてしまいます。根詰まりをすると頻繁に植え替える必要がある分、根の先端部分を傷めやすいです。根の先端部分を傷めると花や葉先が枯れやすいので注意します。苗を植え替える際は、やや大きめの鉢に植え替えて、根がのびのびとできる環境を作ってください。ただし、水持ちがよい土を使うと根腐れを引き起こしやすくなるため、水はけの良い山野草の土を使いましょう。サンカヨウの花が透明になるのはなぜ?
サンカヨウの花が透明になるのはどうしてなのか、気になりませんか。サンカヨウの花について詳しく解説します。サンカヨウの花びらの色素は透明
サンカヨウの花びらの色素は実は透明です。花びらが白色に見えるのは、薄い花びらの細胞に含まれた水分に光が反射して、人間の目には白く見えるとされるためです。綺麗な花を楽しんだ後は、花茎を剪定してください。種に栄養が集中して株が弱くなる可能性があるためです。ただし、種を採取したい場合は、剪定はせずに育てます。種採取後に花茎を切ってください。花弁の細胞に含まれた水分に光が散らばると白く見える
サンカヨウの花弁の細胞に含まれた水分に光が散らばると白く見える現象が起こります。そのため、人間の目にはサンカヨウの花弁は白く見えますが、雨が降って花びらが濡れると、光がうまく乱反射しなくなるので、本来の透明な姿として見えるそうです。水分を含むと光が通過するため透明に見える
サンカヨウの花弁は水分を含むと光が通過するため透明に見えます。花弁は光を反射させて白く見えているだけなので、水に濡れると花弁の細胞内で光がうまく乱反射しません。結果的に、本来の透明な色素が人間の目にも見えるため、白色が透明になったように感じるわけです。【まとめ】サンカヨウ(山荷葉)の育て方を紹介!種まきや植え替えの方法まで
ここまでサンカヨウの育て方について解説してきましたがいかがですか。 この記事のポイントは- サンカヨウはスケルトンフラワーとも呼ばれる日本やサハリンを原産とするメギ科サンカヨウ属の植物
- サンカヨウの育て方は、「置き場所:直射日光の当たらず風通しの良い場所」「水やり:土が乾いたら水やり」「肥料:基本的には不要だが、花を買させたり茂らせたりしたい時は、3月に緩効性肥料を与える」が重要
- サンカヨウの育て方における種まきは「開花後の種子を採取して6月~9月に、水はけの良い土にまいて土が乾燥しないように管理する」
- サンカヨウの育て方による植え付けは、「猛暑日を避けた4月から9月に植え替えて、日陰で管理する」
- サンカヨウの育て方における植え替えは、「なるべく植え替えしないことがポイント」「植え替える場合は根傷みに注意して、大きめの鉢に植え替える」