目次
サツキ(皐月)は5月を示す皐月に由来する名前となっており、5月の時期に花が咲く植物です。サツキ(皐月)は耐寒性や耐暑性が強く、美しい花を咲かせることから多くの方に栽培されています。
ただ、サツキ(皐月)は初心者の方にもおすすめの植物ですが、適切な育て方をしないと健康的に生長せずに枯れてしまう可能性があります。
そこで今回は、
- サツキってどんな植物?
- サツキの育て方のポイント
- サツキの植え替え・植え付け
- サツキのお手入れ
- サツキの人気園芸品種を紹介
サツキ(皐月)ってどんな植物?
サツキは栽培が容易なことから多くの方に育てられている人気の植物です。そこでここからは、園芸でサツキを検討されている方に向けて、サツキについての基本情報を説明していきます。日本を原産とするつつじ科の常緑低木
サツキは日本を原産とするつつじ科の常緑低木です。つつじ科の植物は日本人にはおなじみなので、すぐに頭に思い浮かべられる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。ツツジとサツキの見分け方は葉と花の大きさ
ツツジとサツキはよく似た特徴を持っているため、間違えてしまうことも多いです。ただ、葉の大きさはツツジが4cmくらい、サツキが2cmくらいとなっています。 また、花の大きさもツツジが6cmくらい、サツキが4cmくらいとなっているので、これらの違いで見分けると良いでしょう。樹高は50cm~1.5mほどまで成長する
サツキは樹高50cm~1.5mほどまで成長します。成長の度合いについては剪定などをすることで調整することが可能です。柔らかい幹と細い葉が特徴で庭木や盆栽として人気がある
サツキは柔らかい幹と細い葉が特徴で、庭木や盆栽として人気があります。初心者の方でも育てやすいので、園芸する植物を何にするか迷っている方におすすめです。サツキの育て方のポイント①置き場所
まず、サツキの育て方のポイントとなるのが「置き場所」です。適切な環境で育てることによって健康的に生長しますので、ポイントを押さえておきましょう。日当たりの良い場所を好む
サツキは日当たりの良い場所を好みます。日当たりの良い場所に置くことで光合成を行って、効率的にエネルギーを生産できるようになります。 また、風通しの良い場所に置くことによって湿気が逃げやすくなり、カビや真菌の発生が防げます。夏場の直射日光を避けられる場所にする
夏場の直射日光を避けられる場所に置きましょう。直射日光が強すぎて温度も高いと葉が日焼けし、枯れてしまう原因となります。地植えの場合:真夏にちらちらと日光が入る半日陰の場所
地植えでの育て方をする場合、真夏にちらちらと日光が入る半日陰の場所に移動させましょう。こうすることで直射日光による葉焼けを防ぐことができます。鉢植えの場合:夏場に半日陰に移動させる
鉢植えでの育て方をする場合、夏場は半日陰に移動させましょう。半日陰で育てることで植物が受けるストレスを軽減することができます。夏場の直射日光はサツキが枯れる原因になるので注意する
夏場の温度が高い中での直射日光はサツキが枯れる原因となります。植物がストレスのサインを示したらすぐに対応しましょう。サツキの育て方のポイント②水やり
次のサツキの育て方のポイントは「水やり」です。植物は水を与えないと枯れてしまうため、適切な量を適切なタイミングに与えるようにしましょう。土の表面が乾燥したらたっぷり水やりをする
土の表面が乾燥したらたっぷり水やりをしましょう。表面が乾燥すると土壌全体が乾燥している可能性があるため、たっぷり水やりをすることで十分に水分を吸収させることができます。地植えの場合:夏の乾燥が続く場合にのみ水やりをする
地植えでの育て方をする場合、夏の乾燥が続く場合にのみ水やりをしましょう。屋外で育てる場合は基本的に水やりは必要ありません。鉢植えの場合:夏場は日中を避け朝と夕2回水やりをする
鉢植えでの育て方をする場合、夏場は日中を避け朝と夕2回水やりをしましょう。鉢植えでは土の容積が限られているため、土壌の水分が比較的早く乾燥します。サツキの育て方のポイント③用土
次のサツキの育て方のポイントは「用土」です。適切な土壌にすることで、根が栄養分や水分をしっかりと吸収することができます。水はけと水持ちのバランスが良い土を好む
サツキは水はけと水持ちのバランスが良い土を好みます。水はけが良い土壌は水分を効果的に排水できるので、根腐れなどのリスクを軽減することができます。鹿沼土をベースとした市販の培養土がおすすめ
サツキの用土として、鹿沼土をベースとした市販の培養土がおすすめです。市販の培養土は簡単にホームセンターや園芸専門店で購入することができます。赤玉土小粒5:鹿沼土小粒3:酸度未調整のピートモス2の配合土でも良い
赤玉土小粒5:鹿沼土小粒3:酸度未調整のピートモス2の配合土でも良いでしょう。これらを配合することで水はけと水持ちの良い土壌にすることができます。サツキの育て方のポイント④肥料
最後のサツキの育て方のポイントは「肥料」です。肥料を適切に与えないと植物は十分な栄養を得ることができず、健康面の問題が生じる可能性があります。地植え・鉢植えどちらも肥料が必要
地植え・鉢植えどちらの育て方をする場合も肥料が必要です。肥料を与えることによって健康的な成長をサポートできますので、適切なタイミングで与えるようにしましょう。開花後~7月上旬まで緩効性化成肥料や油かすを1か月に1度与える
開花後~7月上旬まで緩効性化成肥料や油かすを1か月に1度与えましょう。緩効性化成肥料は徐々に栄養素を放出するのが特徴で、油かすは植物に由来する有機肥料です。9月下旬から10月に1度肥料を与え2月に寒肥を与える
9月下旬から10月に1度肥料を与え、2月に寒肥を与えましょう。寒肥は秋から冬にかけて植物に施用する肥料で、サツキが春に向けて元気に生長するのをサポートします。肥料不足が花付きに影響を与える場合もあるので注意する
肥料不足が花付きに影響を与える場合もあるため注意しましょう。適切な肥料を適切なタイミングで与えることが重要になります。サツキの植え替え・植え付け
ここからは、サツキの植え替え・植え付け方法について解説していきます。植え替え・植え付け時期:開花期を除く3月~6月または9月~10月
植え替え・植え付け時期は、開花期を除く3月~6月または9月~10月が良いでしょう。開花期を除いた時期に行うことによって、サツキが安定して成長しやすく、ストレスを最小限に抑えることができます。植え替え
まずは植え替えの方法を説明していきます。適切な時期とタイミングで植え替えをすることによって、植物にかかるストレスを軽減することができます。地植えの場合:植え替えの必要は無い
地植えでの育て方の場合は植え替えの必要がありません。ただ、サツキの状態については定期的に観察しておきましょう。鉢植えの場合:2~3年に1度一回り大きな鉢植えに植え替える
鉢植えでの育て方の場合、2~3年に1度一回り大きな鉢植えに植え替えましょう。もし鉢が小さくなっていた場合、植物の根が限られた空間内で成長するので根詰まりが起きやすくなります。 根詰まりになると土壌の栄養分や水分が吸収しにくくなるため、大きな鉢に植え替えることによって根が広がって栄養分や水分を適切に吸収できるようになります。植え替えの手順
サツキの植え替えをする手順は以下の通りです。- 古い鉢からサツキを取り出す
- 古い土を軽く払って根を確認する
- 新しい鉢へ植え付ける
- 土を追加する
- 十分に水を与える
植え付け
ここからは、サツキの植え付け方法について説明していきます。苗木の選び方
植え付けをする際の苗木の選び方ですが、花の色や葉の形などを確認して好きなものを選びましょう。その際は苗木に病気がないか、虫が付いていないかなどもチェックしましょう。植え付けの手順
サツキの植え付けをする手順は以下の通りです。- 植え付けをする場所を選ぶ
- 根に合わせた十分な大きさの穴を掘る
- 穴への植え付けを行う
- 軽く土を圧縮して根をしっかりと固定する
- 十分な水やりをする
サツキのお手入れ
ここからは、サツキのお手入れの方法について説明していきます。適切な育て方とお手入れをすることで、より健康的にサツキを成長させることができます。剪定
まずは剪定の方法を説明します。剪定は植物の枝や葉を切り取ることを指し、植物の形成や成長を管理して健康を維持するために行われます。剪定時期:5~6月の開花後すぐ
剪定時期は5~6月の開花後すぐが適期です。5~6月の開花後に剪定をすることによって、新しい花芽の形成や成熟を促進しやすくなります。3㎝を目安に伸び始めた枝を剪定する
3cmを目安に伸び始めた枝を剪定しましょう。こうすることで、サツキ全体の形を整えて、花の美しさを引き立てることができます。剪定の手順
サツキの剪定をする手順は以下の通りです。- 剪定部分を明確にする
- 不要な枝や茎を切り取る
- 密集した枝を整理する
- 樹高や形状を調整する
増やし方:挿し木
サツキは挿し木をすることで増やすことができます。サツキの成長を長く楽しむためにも、適切な方法で増やしていきましょう。挿し木時期:6~7月
挿し木をする時期は6~7月が適期です。6~7月はサツキにとって新しい芽や葉が発生しやすい時期となるため、この時期に挿し木をすることで挿し木が成功しやすくなります。挿し木に必要なもの
挿し木をするために必要なものは以下の通りです。- 剪定鋏
- 挿し木
- 挿し木用の用土
- 鉢もしくはプラントポット
挿し木の手順
挿し木をする手順は以下の通りです。- 挿し木の用意
- 挿し木用の土を用意
- 土に穴をあける
- 挿し木を植え付ける
- 水やりを行う
冬越し
ここからは、サツキの冬越しの方法を説明していきます。耐寒性が強く特に対策する必要は無い
サツキは耐寒性が強いため、特に対策する必要はありません。ただ、放置しても大丈夫ということではないため、定期的に様子は見るようにしておきましょう。北海道北部など一部寒冷地の場合は寒風を遮るものを用意する
北海道北部などの一部寒冷地でサツキを育てる場合は、寒風を遮るものを用意しましょう。こうすることでサツキが枯れてしまう可能性を軽減することができます。 北海道などの寒さが強い地域でサツキを育てる際は注意して観察をしておきましょう。病害虫の対処法
ここからは、サツキの病害虫の対処法について説明していきます。病害虫によってサツキの生育が阻害され、枯れる要因ともなるので十分な注意が必要です。花腐菌核病
花腐菌核病にかかると、花弁に小さな斑点が現れて、それが拡大して花全体が腐敗します。花弁が散らずに枯れたまま残るため、美観が大きく損なわれてしまいます。 そのため、斑点を見つけたら速やかに切り落として、全体に被害が拡大しないように対処しましょう。もち病
もち病にかかると、若い葉がもちを焼いたように肉厚になり膨れてきます。そしてやがて乾燥壊死してしまいます。感染した葉は早めに摘み取って被害が広がらないようにすることが重要です。ツツジグンバイ
ツツジグンバイムシは3~5mmの害虫で、細長い口で葉汁を吸います。そのため、葉緑素が抜けて白くなり、まるで枯れてしまったかのような外観となります。 特に4~10月に発生しやすいので、この時期はこまめに葉を確認してツツジグンバイムシを早い段階で取り除きましょう。ツツジアブラムシ
ツツジアブラムシは新芽や葉などに付着して汁を吸うため、サツキが弱る要因となります。ウイルス病を媒介することもあるため、見つけたらすぐに除去しましょう。サツキの人気園芸品種を紹介
ここからは、サツキの人気園芸品種を紹介していきます。「どの品種を育てようか迷っている」という方は是非参考にしていただけたらと思います。大盃
大盃は花付きが良く、丈夫なので初心者の方でも育てやすい品種です。大盃は低い生垣にも合い、サツキの園芸品種の中では最もよく植えられています。 公園などにも広く植えられているので目にしたことがある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。白盃
白盃は白い花を咲かせる、サツキの中でも珍しい八重の品種です。白盃は花付きが良いのが特徴で、日本全国で栽培できます。冬期の葉色は紅葉せず、夏期と同じ緑色のままです。ロージー
ロージーは直径4cmほどのピンク色の花を咲かせる、比較的開花期間が長い品種です。ロージーは日本庭園の刈込によく使われ、葉が細かく密生するという特徴があります。博多白
博多白は直径4cmほどの白花であり、花弁はやや黄緑色を帯びています。博多白は枝が上に伸びにくい矮性品種であり、ボーダーや低い生垣にも適しています。雅姫
雅姫は月桂冠と春翠の交配種で様々な花色を楽しむことができる品種です。雅姫の花形は剣弁咲きで中輪となっています。【まとめ】サツキの育て方を紹介!お手入れ方法から人気品種まで
ここまで、サツキの基本的な育て方や植え替え・植え付け方法、お手入れの仕方や人気品種について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか? この記事のポイントは、- サツキは日本を原産とする庭木や盆栽で人気の植物
- サツキの育て方のポイントは「置き場所」「水やり」「用土」「肥料」となる
- サツキの植え替え・植え付けは手順が重要
- サツキは剪定と挿し木で手入れをしていく
- サツキの人気園芸品種には様々なものがある