シュンランの育て方を徹底解説!成長後のお手入れから人気品種まで

シュンランの育て方を徹底解説!成長後のお手入れから人気品種まで
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目次

山野草として美しい花を咲かせるシュンラン。あまり聞きなじみのない花かもしれません。しかし、楚々とした美しい花は、見る人を釘づけにして「育て方を知りたい」と思うことでしょう。美しいシュンランの育て方について気になりませんか。 そこでこちらの記事では
  • シュンランはどんな植物なのか
  • シュンランの育て方における置き場所・水やり・肥料
  • シュンランの育て方における増やし方
  • シュンランの育て方における病害虫
について解説しています。 この記事を読んでいただければ、シュンランの育て方について知識が身に付きます。シュンランを育てるときに管理方法や育て方について詳しくなるでしょう。最後にはシュンランの育て方でも重要な品種ついて紹介しているので、ぜひご覧ください。

そもそもシュンラン(春蘭)ってどんな植物なの?

シュンラン(春蘭)と聞いてどんな花なのか、パッと思い浮かぶ方は少ないのではないでしょうか。シュンランについて解説します。

日本や中国を原産とするラン科シュンラン属の山野草

シュンランは日本や中国を原産とするラン科シュンラン属の山野草。学名は「Cymbidium goeringii」。シュンランは「春蘭」と書くことからもわかるように春に咲く蘭です。胡蝶蘭のような豪華な花とは違い、楚々として美しい姿をしています。学名に「Cymbidium」とあるように、シンビジウムの仲間であり、花はシンビジウムを小さくしたような姿です。

3月~4月の春に開花する

シュンランは3月~4月の春に開花する植物です。春に緑色の花を1茎に1花、まれに数花を咲かせます。花色も控えめなので、美しい色合いをしっかりと楽しんでください。

北海道から九州まで日本全国に広く分布する

シュンランは北海道から九州まで日本全国に広く分布します。シンビジウムの仲間なので、里山や雑木林に自生している植物です。着生ランと違い、気や岩肌に着生せず、水はけの良い土で生育します。寒さにも比較的強いので九州から北海道と日本全国でも育てやすいでしょう。

シュンランの育て方のポイント①置き場所

シュンランの育て方における置き場所のポイントを解説します。

地植えの場合:半日陰の木の下がよい

シュンランを地植えで栽培する場合は、半日陰の木の下がよいです。お庭の常緑樹の根元だと、年中日陰で育てやすいでしょう。ただし、植木の枝葉が茂りすぎて暗くなりすぎないように気を付けてください。明るい日陰をとして、育てることが重要です。

鉢植えの場合:一年中半日陰になる場所を好む

鉢植え栽培の場合は、一年中半日陰になる場所に置いてください。日陰の場所がない場合は、遮光シートを利用してください。

30~50%の遮光下が適している

基本的には、シュンランは30~50%の遮光下が適しています。遮光シートは日光の遮光率が記載されているので、30~50%のものを選んで、購入してください。遮光シートをシュンランを置く場所に広げて、日光を和らげてください。

夏は75%以上の遮光をするとよい

夏は75%以上の遮光がおすすめです。夏の日差しは、シュンランにとって強すぎます。30~50%の遮光でも、葉焼けする可能性があるので、さらに遮光率を高めてください。葉焼けした葉は元に戻らないので、観賞価値を一時るく下げる要因です。夏の日差しに注意して育ててください。

冬は凍結を防ぐ

シュンランは比較的寒さに強い植物ですが、冬は凍結に注意してください。特に鉢植えの場合は、根が凍結しやすいので、冬は室内に移動すると安心です。室内に入れられない場合は、雪や霜が当たらない軒下で、二重鉢にして管理するとよいでしょう。二重鉢とは、一回り大きな鉢に鉢ごとすっぽり入れることです。これだけでも、根の凍結から守ることができます。

シュンランの育て方のポイント②水やり

シュンランの育て方における水やりのポイントについて解説します。

基本的には用土が乾いたら水やりを

シュンランは、基本的には用土が乾いたら水やりです。用土によってやや水やり方法は異なりますが、常に土が湿っていることがないように注意して育ててください。水を与えすぎると根腐れの原因になります。

春と秋の場合:朝に行う

春と秋は、朝に水やりをしてください。根がよく成長する時期なので、しっかりと水やりしましょう。

夏の場合:夕方~夜にたっぷりと

夏の場合は、夕方~夜にたっぷりと水やりします。夏は気温が高くなるので、涼しくなる夕方~夜がおすすめです。朝に水やりすると、気温が高い時間帯に土が湿っており、蒸れる恐れがあるので、気を付けてください。

冬の場合:用土が白く乾いたら

冬は、シュンランの用土が白く乾いていたら水やりします。冬に水やりしすぎると、気温によって凍結する恐れがあるのdえ、注意してください。

シュンランの育て方のポイント③土

シュンランの育て方における用土のポイントを解説します。

通気性と水はけがよい粒が粗めのものを好む

シュンランの用土は通気性と水はけがよい粒が粗めのものを好みます。水はけが悪いと、根腐れする可能性が高いです。花や観葉植物などの土を使って育てないように気を付けましょう。

東洋ラン専用の培養土が便利

シュンランは、古くから東洋ランとも呼ばれており、古典園芸植物としても親しまれています。そのため、東洋ラン専用の培養土であれば、元気に育てやすいです。ホームセンターでは見つけにくいかもしれませんが、園芸店では山野草の土と一緒に販売されていることが多いので、ぜひ利用してみてください。

自作する場合

もし自作する場合は、以下の配合で作りましょう。
  1. 硬質鹿沼土8:軽石2の割合
  2. 日向土(小粒)9:赤玉土(小粒)1の割合

硬質鹿沼土8:軽石2の割合で配合する

基本的には、小粒~中粒程度の大きさの質鹿沼土と軽石を8:2の割合で配合します。通常の鹿沼土では、土の粒が割れやすいので、硬くて割れにくい硬質鹿沼土がおすすめです。粒が割れると、水はけが悪くなるので注意しましょう。

日向土(小粒)9:赤玉土(小粒)1でもよい

日向土(小粒)9:赤玉土(小粒)1の配合でもよく育ちます。どちらの配合がよいということはありませんが、環境によって、使い分けるとよいかもしれません。また、地域によっては手に入りやすい土も異なるので、硬質鹿沼土が手に入らないのであれば、日向土を使う形がよいでしょう。

水苔を使用することも可能

シュンランは水苔を使用する方法も可能です。ただし、水苔をずっと湿らせておくと根腐れしやすいので、やや育て方が難しくなるかもしれません。初心者の方は、水苔を無理に使わず、市販の東洋ランの土を使って育てましょう。

シュンランの育て方のポイント④肥料

シュンランの育て方における肥料のポイントについて解説します。

肥料の与えすぎに注意

シュンランには肥料の与えすぎに注意してください。本来は里山や開けた雑木林の中で育つ植物なので、たくさんの肥料を必要としない植物です。肥料を与えすぎると葉ばかり茂って花が咲かなかったり、根が傷んだりするため気を付けます。

新芽の近くに肥料を置かない

シュンランに置き肥を与える場合は、新芽の近くに肥料を置かないようにしてください。新芽の近くに肥料を置くということは、自然と株元に肥料があることになります。溶けだした肥料成分が根に直接当たると根が傷む可能性があります。そのため、置き肥をする場合は、鉢の縁沿いに肥料を置くとよいでしょう。溶けだした栄養分を、名が自然に吸収するために伸びるように仕向けるとよく根が伸びます。

液肥を施す

シュンランには液肥がおすすめです。

4月下旬~6月下旬

液肥を与える場合は、花芽を作り始める4月下旬~6月下旬に与えましょう。液肥は速効性のある肥料なので、花芽形成に効果的です。ただし、液肥を濃く作ったり与えすぎたりすると根痛みするので、4月下旬~6月下旬の液肥やりは、2週間に一度薄めに作って与えることがポイントになります。

9月下旬~11月上旬

また、秋の9月下旬~11月上旬にも液肥を与えるとよいです。秋も成長期であり、この時期にしっかり栄養を与えておくことで、来年の花芽に影響します。来年も花を綺麗に咲かせたい場合は、秋の9月下旬~11月下旬にも肥料を与えてください。

置き肥を施す

置き肥は花後と秋に、液肥と併用すると効果的です。

花後

花後は、シュンランに限らず、どの植物も株が弱っています。株を回復させるためにも、葉や根を育てる窒素やカリを中心とした置き肥を花後に与えてください。置き肥は液肥と違い持続的に効果があるので、体力を回復させやすいです。

秋は春と同様に成長期です。秋にどれだけ栄養を蓄えられるかによって、来年の花芽に影響します。置き肥を与えてじっくりと株を育てて大きくすることによって、美しい花を楽しめるでしょう。

シュンランのお手入れ

シュンランの育て方におけるお手入れについて解説します。

植え付け・植え替え

シュンランの植え付け・植え替えについて見ていきましょう。

鉢は深めで鉢穴が大きいのものがよい

シュンランの鉢は深めで鉢穴が大きいものがよいです。シュンランの根は太くて長いためです。また、鉢が深い鉢は、鉢底で水が溜まり根腐れしやすい環境になるので、鉢穴が大きかったり、数が多かったりすると、通気性と水はけがよくなります。

植え付けのしかた

植え付けのしかたは、傷んだバルブや根を整理して、切り口から病気が侵入しないように、癒合剤を塗って植えつけます。株の根元にあるバルブが1~2㎝ほど埋まるくらいに植え付けるのがポイントです。植え付け・植え替えは花後または秋に行いましょう。

植え替えのタイミング:2年に1回

シュンランの植え替えタイミングは、2年に1回ほどです。植え替えまでの期間が長くなるほど、根詰まりして生長に悪影響があるので気を付けましょう。

増やし方

シュンランの増やし方は以下の2通りです。
  1. 株分け
  2. 種まき
それぞれ見ていきましょう。

株分け

シュンランは株分けで増やすことができます。株元のバルブが2~3個付いた状態で、新しい芽を付けてハサミやナイフで切り分けましょう。切り口からは、病原菌が侵入しないように癒合剤を塗ってください。その後は、通常の植え付けと同様に植え付けて育てましょう。

種まき

シュンランは種まきでも増やすことができます。開花後に果実ができて、種を収穫できるためです。しかし、蘭の仲間は種まきで増やすことは非常に難しいので、おすすめできません。シュンランの種を収穫てきた場合は親株が植わっている鉢に撒く必要があります。これには、蘭特有の蘭菌が関係しているためです。蘭菌がない状態であれば、フラスコやビーカーで寒天培地を使った「無菌培養」で育てる必要があります。一般的には、種まきで増やして生長させることは難しいので、株分けで増やすようにしましょう。

花後の管理

シュンランの管理は、以下の2つが育て方に置いて重要です。
  1. 花がら摘み
  2. 古葉外し

花がら摘み

花がら摘みとは、咲き終わった花を摘み取る作業に事です。花がらを摘んでおかないと、種に栄養が集中してしまい、株が弱る原因に。花が咲き終わった後は、忘れずにこまめに花がらを摘み取りましょう。

古葉外し

古葉外しとは、文字通り古くなった葉を外すことです。枯れ葉も一緒に取りましょう。いちばん外側の色が悪くなって硬い葉や傷んだ葉を切り取ります。そのままにしても十分に光合成もせず、風通しを悪くして病害虫発生の原因にもあるためです。新しい綺麗な葉が株に残るように管理してください。古葉を切り取る際は、切れ味の良いハサミを使って綺麗に切り取りましょう。

病害虫

シュンランには病害虫が発生します。主に発生する病害虫は以下の通りです。
  1. ウイルス病
  2. アブラムシ
  3. ハダニ
  4. ナメクジ

ウイルス病

シュンランにおいてウイルス病は肥料に厄介な病気です。空気中いたり虫についていたりするウイルスが、葉や根の傷口から侵入して発症します。そのため、シュンランの植え替えや剪定、株分けで傷つけないようにすることがポイントです。また、ウイルスが増殖しやすい湿度の高い環境にならないようにも注意しましょう。ウイルス病は治療が難しいので、もしウイルス病になったら隔離します。自様態が悪ければ、他のシュンランに移らないうちに焼却処分も考えましょう。

アブラムシ

シュンランはアブラムシの被害もあります。アブラムシは、樹木や草花、多くの植物に発生する吸汁性害虫です。樹液を吸収されて、シュンランは徐々に弱っていきます。繁殖サイクルも速く、短時間で増える可能性があるので、気を付けてください。ウィルスを媒介しやすいので、見つけ次第、捕殺したり殺虫剤で対処したりしてください。多くの殺虫剤がアブラムシに有効なので、繁殖する前に早めに最低でも1回は対処することが必要です。

ハダニ

シュンランはハダニの被害もあります。ハダニは、アブラムシ同様に樹木や草花、多くの植物に発生する吸汁性害虫です。樹液を吸収されて、シュンランは徐々に弱っていきます。繁殖サイクルも速く、短時間で増える可能性があるので、気を付けてください。大発生すると、植物全体にクモの糸のようなものを巻き付けて枯らしてしまうので、見つけ次第、捕殺したり殺虫剤で対処したりしてください。ハダニには専用のダニ剤が有効です、繁殖する前に早めに最低でも1回は対処することが必要です。

ナメクジ

シュンランはナメクジも発生します。日陰の場所を好む植物なので、自然とナメクジも発生しやすいです。特に湿度が高い環境で被害に遭いやすいので、水のやり方には注意してください。新芽や花を食べらるので、せっかくの美しいシュンランが台無しになります。見つけ次第、捕殺するか、殺虫剤で対処してください。

シュンランの人気の品種を紹介

シュンランにはさまざまな種類があります。今回は人気の品種を2つ紹介します。以下の2つの種類のシュンランをきっかけに、ぜひさまざまなシュンランを育ててみませんか。
  1. 守門山
  2. 守門竜

守門山:虎斑が出やすい品種

守門山(すもんざん)は、シュンランの中でも有名な品種です。葉に虎斑と呼ばれる黄色い斑が入ります。栽培環境によっては、葉が厚くなり虎斑が入りにくくなるので、注意してください。美しい姿をしており、葉だけでも楽しめるので、初めてシュンランを育てる方にもおすすめの品種です。

守門竜:蛇皮斑の代表的な品種

守門竜(すもんりゅう)は、蛇皮斑の代表的なシュンランです。黄色い斑入り部分に、緑色の水玉に近い模様ができます。非情に美しい葉模様なので、ぜひじっくり見てください。葉の美しさを楽しめます。

【まとめ】シュンランの育て方を徹底解説!成長後のお手入れから人気品種まで

ここまでシュンランの育て方について解説してきましたがいかがですか。 この記事のポイントは
  • シュンランはラン科シュンラン属の山野草で、日本や中国を原産とする植物
  • シュンランの育て方は、「置き場所:明るい日陰と風通しの良い場所」「水やり:土が乾いたら水やり」「肥料:春と秋に液肥と置き肥」が重要
  • シュンランの育て方における増やし方は、「株分け」「種まき」だが、種まきで増やすことは難しいので、株分けが一般的
  • シュンランの育て方における病害虫は「ウイルス病」「アブラムシ」「ハダニ」「ナメクジ」に気を付ける
です。 シュンランの育て方について詳しく知ることができたのではないでしょうか。この記事を参考に、シュンランを育ててみてはいかがでしょうか。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENにはほかにもたくさんの記事を用意しておりますので、ぜひご覧ください。