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真っ直ぐに立ち上がる花穂が美しいアカンサス。草丈が1.5メートルほどになる大型のアカンサスは、イングリッシュガーデンによく植えられる伝統的な宿根草です。丈夫で育てやすいのもアカンサスの魅力のひとつですが、アカンサスには古代ギリシャに由来するユニークな花言葉があるのをご存知でしょうか。この記事では、
- 花言葉とは
- アカンサスの花言葉
- 花の色によって違うアカンサスの花言葉
- 花言葉の由来とは
- アカンサスの花はどんな花?
- アカンサスにふさわしい贈り物のシーン
- アカンサスの基本情報
- アカンサスの育て方のコツ
そもそも花言葉とは?
アカンサスの花言葉について解説する前に、花言葉そのものについて解説します。花言葉とは特定の誰かが決めたものではなく、その花や植物がもつイメージがいつの間にか定着したものです。そのため、花言葉にはその花や植物がもつ力強いイメージや美しい姿勢、神秘性や精神性などが込められています。 花言葉の発祥は、17世紀ごろのトルコとされています。トルコでは思いを託して相手に花を贈る習慣があったそうです。現在でも、花言葉は贈り物の参考にされることが多いです。花を贈るときには花言葉の意味を考えて選ぶことによって、相手に伝えたい気持ちをより深く表現することができます。中には、怖い意味やネガティブな意味の花言葉をもつ植物もありますから、プレゼントとして花を選ぶときには贈る前に花言葉をチェックしておくとよいでしょう。怖い意味はある?アカンサスの花言葉
ここでは、アカンサスの花言葉について解説します。アカンサスの花言葉は芸術、美術、技巧、離れない結び目です。アカンサスという名前はギリシャ語の「とげ」に由来するため怖い意味の花言葉があると勘違いされることもありますが、「とげ」に由来する花言葉はなくアカンサスの花言葉に怖い意味はありません。【芸術】
アカンサスには芸術という花言葉があります。絵画、彫刻、工芸、建築、音楽、演劇など芸術にはさまざまな分野がありますが、芸術活動に取り組んでいる方や芸術に関心が深い方に適した花言葉です。アカンサスの葉っぱをよく観察してみると、優雅で変化に富んだ輪郭線が面白く芸術性の高い姿形をしています。【美術】
アカンサスには美術という花言葉があります。美術は芸術の一種ですが、「アカンサス模様」という言葉があるとおり建築や工芸品などのモチーフとして用いられることの多いアカンサスにはぴったりの花言葉です。【技巧】
アカンサスには技巧という花言葉があります。アカンサスの葉っぱは単純な輪郭ではなく、複雑で変化に富んだ輪郭をしています。アカンサスそのものが「技巧を凝らした作品」と表現するにふさわしい姿をしています。【離れない結び目】
アカンサスには離れない結び目という花言葉があります。芸術、美術、技巧とは違った雰囲気の花言葉ですが、アカンサスは丈夫でとても生命力が強い植物です。強い生命力によって、結び目が解けずにいつまでもしっかりと結ばれるというイメージが連想されます。アカンサスの色別の花言葉
ここでは、アカンサスの色別の花言葉について解説します。アカンサスには品種によって花色にバリエーションがあります。アカンサス全般の花言葉は「芸術」「美術」「技巧」「離れない結び目」ですが、白、ピンク、紫など花色によって花言葉が変わります。白:【美を好む】【芸術】【技巧】
白い花を咲かせるアカンサスの花言葉は、美を好む、芸術、技巧です。芸術、技巧という花言葉はアカンサス全般の花言葉と重なりますが、白いお花を咲かせるアカンサスには「美を好む」という花言葉があります。ピンク:【芸術への愛】【離れない結び目】【愛着】
ピンク色の花を咲かせるアカンサスの花言葉は、芸術への愛、離れない結び目、愛着です。「離れない結び目」という花言葉はアカンサス全般の花言葉と重なりますが、ピンク色のお花を咲かせるアカンサスには「芸術への愛」や「愛着」という花言葉があります。紫:【気品ある】【ふるまい】【永遠の命】【不死】
紫色の花を咲かせるアカンサスの花言葉は、気品ある、ふるまい、永遠の命、不死です。ギリシャの国花として知られるアカンサスは、古代ギリシャ時代から神聖な植物とされていたそうです。アカンサスはとても生命力の強い植物ですから、永遠の命や不死という花言葉をもつのも頷けますね。アカンサスの花言葉の由来
ここでは、アカンサスの花言葉の由来について解説します。アカンサスの花言葉は「芸術」「美術」「技巧」「離れない結び目」ですが、それぞれどんな由来があるのでしょうか。【芸術】【技巧】【美術】の由来は古代ギリシャのコリント様式から
アカンサスの花言葉のうち芸術、技巧、美術の花言葉は古代ギリシャのコリント様式に由来します。コリント様式は建築様式のひとつですが、コリント様式にはアカンサスの葉をモチーフにして柱の上部を装飾するという特徴があります。柱頭に複雑な装飾をほどこし「華麗」と評されるコリント様式は、技巧的で芸術性の高い建築様式です。【離れない結びめ】の由来は何重にも重なったギザギザの葉から
アカンサスの葉は特徴的なギザギザした形をしています。葉っぱの輪郭は複雑で変化に富んでおり、古代ギリシャでは芸術性の高さからデザインのモチーフとして用いられていたほどです。ギザギザの葉っぱは何重にも重なっており、その姿が「離れない結び目」という花言葉の由来になっています。アカンサスはどんな花を咲かせる?
ここでは、アカンサスが咲かせる花について解説します。アカンサスの花言葉は花ではなく葉っぱに由来しますが、アカンサスの葉だけではなく花も魅力があります。アカンサスはどんな花を咲かせるのでしょうか。アカンサスの開花時期
アカンサスの花の季節は夏。開花時期は6月から8月にかけてです。アカンサスの花は花穂に特徴があります。株から数本の花茎を長く伸ばして、稲穂のように花を穂状につけます。品種によって色は変わりますが、紫色の萼と白色の花弁など萼と花弁との色の違いを楽しむことができます。人気のある代表的な品種は「アカンサス・モリス」ですが、やや小型で花つきのよい「アカンサス・スピノサス」も人気があります。アカンサスの誕生花
アカンサスは、6月10日、7月11日の誕生花です。ちょうどアカンサスの開花時期に当たるため、6月10日や7月11日の誕生花として大切な相手にアカンサスを贈るのもよいでしょう。アカンサスが贈られるシーン
ここでは、アカンサスが贈られるシーンについて解説します。「芸術」「美術」「技巧」「離れない結び目」という花言葉をもつアカンサスは、どんなシーンの贈り物に適しているでしょうか。誕生日の時に
アカンサスは「芸術」「美術」「技巧」という珍しい花言葉をもつ植物です。芸術や美術に関心が深い方への贈り物としてアカンサスはぴったりです。相手の誕生日などの機会にアカンサスを贈って、芸術活動を応援する気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。贈る相手がアカンサスを身近に置くことによって芸術家としてインスピレーションが沸くかもしれません。相手と離れたくない時に
「離れない結び目」という花言葉をもつアカンサスは、相手と離れたくないという気持ちを伝えるときにぴったりです。卒業や転勤、転居など親しい相手と離れざるを得ない機会はあるものですが、そんなときにアカンサスを贈ってみてはいかがでしょうか。アカンサスをモチーフにしたアイテムも多く流通していますから、アカンサスの花束を贈る代わりにアカンサスをあしらった小物を贈るのもおすすめです。アカンサスの基本情報
ここでは、アカンサスという植物の基本情報について解説します。日本ではあまり知られていないアカンサスですが、大型の宿根草としてイングリッシュガーデンではよく用いられる植物です。地中海沿岸を原産とするキツネノマゴ科の植物
アカンサスは地中海沿岸を原産とするキツネノマゴ科の多年草です。草丈が1.5メートルほどになり大型ですから、お庭に植えると存在感があります。光沢のある濃緑色の葉っぱが幾重にも重なって茂り、夏の花期には花茎が長く伸びて穂状に花を咲かせます。耐寒性と耐暑性に強く育てやすい
アカンサスは耐寒性と耐暑性に強いため育てやすい植物です。特に寒さの厳しい場所を除けば日本のほとんどの地域で屋外で冬越しすることができます。また、乾燥に強い性質がありますから、成長期に当たる春や秋以外は水やりもほとんど必要としません。ギリシャ神話に登場する
地中海沿岸を原産とするアカンサスは、ギリシャ神話にも登場します。太陽神アポロンの怒りをかって植物に変えられてしまった美しい娘アカンサス。植物に変えられた理由は太陽神アポロンを爪で傷つけてしまったから。アカンサスという名前の由来になっている鋭いとげのあるアカンサスらしい神話ですよね。アカンサスの和名:葉薊(ハアザミ)
アカンサスの和名は、葉薊(ハアザミ)です。葉っぱの形がアザミに似ていることから「ハアザミ」と呼ばれていますが、アザミの仲間ではありません。アカンサスの英名:Bear's breeches(熊のズボン)
アカンサスの英名は「Bear's breeches(熊のズボン)」です。アカンサスは「熊の手」とも呼ばれますが、切れ込みの入った大きな葉っぱが熊の手に似ています。アカンサスの学名:Acanthus mollis(アカンサスモリス)
アカンサスの学名は「Acanthus mollis(アカンサスモリス)」です。学名はギリシャ語でトゲを意味する「akantha」に由来します。アカンサスには花の付け根にある苞に鋭いとげがあります。アカンサスと似た花:アガパンサス
アカンサスと似た花に「アガパンサス」があります。花の名前こそ似ていますが、外見はそれほど似ていません。アガパンサスは南アフリカを原産とするユリ科の多年草で、百合に似た清楚な花を咲かせます。アカンサスの基本の育て方
ここでは、アカンサスの基本の育て方について解説します。耐寒性と耐暑性に強く育てやすい性質をもつアカンサスですから、コツを押さえて育てれば初心者でも簡単に育てることができます。置き場所:木もれ日程度の日光が当たる場所
アカンサスに適した置き場所は、木もれ日程度の日光が当たる場所です。乾燥には強いため日当たりが良い場所や日陰でも栽培することはできますが、木もれ日程度の日光が当たる場所に置くことによって、花つきがよくなります。温度:生育適温は20~30℃
地中海沿岸を原産とするアカンサスの生育適温は20〜30℃です。耐寒性と耐暑性に強いため、ほとんどの地域で屋外でも栽培することができます。水やり:春と秋の成長期には極端に乾燥しない程度に行う
乾燥に強いアカンサスの水やりは、春と秋の成長期に極端に乾燥しない程度に行います。それ以外の時期はほとんど水やりを必要としません。肥料:春と秋の成長期に少量の緩効性化成肥料を施す
アカンサスの肥料は、春と秋の成長期に少量の緩効性化成肥料を施します。アカンサスを地植えする場合にはほとんど肥料を必要としません。土:水はけの良い土が適正
アカンサスの土には、水はけの良い土が適しています。降雨が少ない地中海沿岸で自生する植物ですから、多湿な環境を避けた方がよく育ちます。また、水はけの悪い土で栽培すると根腐れを起こすこともあります。アカンサスの用土には水はけの良い土を使って、多湿な環境になるのを避けましょう。植え替え:土が固まったり根詰まりしたら行う(地植えは必要ない)
アカンサスは頻繁に植え替えを行う必要がなく、基本的には植えっぱなしにすることができます。プランターや鉢植えなどでアカンサスを栽培する場合には、植え替えは土が固まったり根詰まりしたら行いましょう。地植えでアカンサスを栽培する場合には、植え替えは必要ありません。【まとめ】アカンサスの花言葉とは?花言葉の由来から基本の育て方まで紹介!
ここまで、アカンサスの花言葉やその由来だけでなく、花言葉に合った贈り物のシーンやアカンサスの育て方のコツなど詳しく解説してきましたがいかがだったでしょうか。 この記事のポイントは、- 花言葉とは特定の誰かが決めたものではなくその花や植物がもつイメージがいつの間にか定着したもので、贈り物の参考にされることが多い
- アカンサスの花言葉は「芸術」「美術」「技巧」「離れない結び目」
- 花の色によって花言葉は変わり、白は「美を好む」「芸術」「技巧」、ピンクは「芸術への愛」「離れない結び目」「愛着」、紫は「気品ある」「ふるまい」「永遠の命」「不死」の意味をもつ
- アカンサスの花言葉のうち「芸術」「技巧」「美術」の花言葉は古代ギリシャのコリント様式に由来する。「離れない結び目」という花言葉は何重にも重なるギザギザの葉っぱに由来
- アカンサスが花を咲かせる季節は夏。6月から8月にかけて、株から数本の花茎を長く伸ばして穂状に花をつける
- アカンサスにふさわしい贈り物のシーンは、誕生日の時や相手と離れたくない時
- アカンサスは地中海沿岸を原産とするキツネノマゴ科の多年草で、耐寒性と耐暑性に強く育てやすいのが特徴
- 和名は葉薊(ハアザミ)、英名は「Bear's breeches(熊のズボン)」、学名は「Acanthus mollis(アカンサスモリス)」。アカンサスとアガパンサスは名前は似ているが外見はそれほど似ていない
- アカンサスの育て方のコツは、①置き場所は木もれ日程度の日光が当たる場所、②生育適温は20〜30℃、③春と秋の成長期には極端に乾燥しない程度に水やりを行う、④春と秋の成長期に少量の緩効性化成肥料を施す、⑤用土は水はけの良い土が適している、⑥植え替えは土が固まったり根詰まりしたら行う(地植えの場合は不要)