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皆様はネジバナ(捩花)を知っていますか?ネジバナ(捩花)はまさに名前の通り、ねじりのある花を咲かせる植物で、自然界では芝生などで綺麗な雑草としてよく見かけます。
特徴的な見た目をしていることから園芸好きな方からも人気の植物ネジバナ。そんなネジバナですが、実は正しい育て方をしないとうまく育てることができなかったり、冬の間に枯れてしまうこともありますよ。
今回の記事では、「ネジバナの育て方を知りたい」と言う方や、「ネジバナの育て方以外にも、お手入れや病害虫の対策も知りたい」と言う方に向けて、以下の流れで「失敗しないネジバナの育て方とお手入れ方法」を解説していきます。
- そもそもネジバナはどんな植物なのかを解説
- ネジバナの育て方のポイント①置き場所を解説
- ネジバナの育て方のポイント②水やりを解説
- ネジバナの育て方のポイント③土を解説
- ネジバナの育て方のポイント④肥料を解説
- ネジバナのお手入れの方法とは?
- ネジバナの育て方のまとめ
そもそもネジバナってどんな植物なの?
それではまずは、そもそもネジバナがどんな観葉植物なのかを解説していきます。まだネジバナをご存知ない方や、ネジバナの特徴を知ってより愛着を持って育てたいと言う方に向けて、ネジバナの特徴や生息地などをお話ししていきます。アジアを原産とするラン科ネジバナ属の多年草
ネジバナは、アジアを原産とするラン科ネジバナ属の多年草の雑草です。花茎に沿ってぐるぐると巻かれた花姿は、非常に鑑賞するのに最適です。多年草ですので、冬になれば花や花茎が枯れ、付近に種を落とすことで翌年の春のまた咲いてくることができます。 また、開花時期は3月、4月ごろから9月あたりまでと比較的長い時期にわたって咲いてくれるので、鑑賞できる時間が多く園芸好きの方に非常に人気がある植物でもあります。他のランより小ぶりで生えている場所が異なる
それに、ネジバナは他のラン科の植物よりも小ぶりで、生えている場所が異なることでも知られています。他のラン科の植物は比較的にはっきりとした見た目で大きく、鑑賞価値の高いものが多いのですが、ネジバナは市街地の草地に生えていることが多く、人の管理のもとで繁栄し続けてきた興味深い植物でもあります。花茎をまっすぐに伸ばしてらせん状の花を咲かせる
また、ネジバナは花茎をまっすぐに伸ばしてらせん状の花を咲かせることでも有名です。ネジバナは花茎に沿ってぐるぐると巻かれた花姿が特徴的で、なかなか同じような見た目をしている植物はありません。花は一つ5mm程度と小ぶりであるものの、連なった姿が非常に美しく、花後には種を周辺に撒き散らすことで、また翌年美しい花を開花させることができます。ネジバナの育て方のポイント①置き場所
続いては、この記事の本題でもあるネジバナの育て方を解説していきます。まず初めにネジバナの育て方のなかでも肝心な「置き場所」について解説していきます。どこに置かれるのがネジバナは好きなのか、また冬場にはどんな注意が必要なのかを解説していきます。日当たりの良い場所を好む
結論からお伝えすると、ネジバナは非常に日当たりの良い場所を好む植物です。ネジバナは日光を浴びることで光合成を行うことができ、一年中比較的安定した栽培が可能になります。また、日当たりが確保された場所であれば鉢植えでも栽培することができます。強い日差しによる葉焼けに注意
しかしながら、ネジバナは直射日光による強い日差しによる葉焼けには注意をしましょう。ネジバナは強い日差しにさらされると葉焼けを起こすことがあるため、夏季の強い日差しから保護する必要があります。そのため、午後の直射日光はできるだけ避け、特に夏場は明るい日陰のある場所に置き直すか、日よけを設置することも検討しましょう。寒い地域で育てる場合は冬に室内に入れる
また、ネジバナは寒い地域で育てる場合は冬に室内に入れるようにしましょう。冬場になれば自然と枯れていくのが多年草の特徴ではありますが、冬場もなるべく長く鑑賞をしたい方や、冬場は室内で栽培したい方は室内移動がおすすめです。冬の間は霜や凍結から守るために室内で管理し、春に戸外に戻すのが良いでしょう。ネジバナの育て方のポイント②水やり
続いてのネジバナの育て方のポイントは、「水やり」になります。水やりは、ネジバナを育てる上でも特に日常的に注意をしないといけないポイントでもあります。どんなことに意識をして水やりをすれば良いのか、また地植えと鉢植えで変わる水やりのポイントについて解説していきます。水切れしないようにするのがポイント
結論からお伝えすると、ネジバナの水やりは水切れしないようにするのがポイントです。水切れを起こさないようにするには、定期的な間隔をずらさずに、また気候や温度、乾燥などに合わせて臨機応変に対応する柔軟さも必要になります。それでは、地植えの場合と鉢植えの場合で異なる水やりの違いについてお話ししていきます。地植えの場合
まずは地植えで育てる場合を見ていきましょう。地植えのネジバナは、基本的に雨水を利用することが一般的です。自然の雨が降り注ぐ場所であれば、雨の日の追加の水やりは必要ありません。雨の日以外は毎日水をやる
基本的に地植えの場合は、雨の日以外は毎日水をやるようにしましょう。特に、長い乾燥期や雨季の短い季節は水不足になる可能性があるため、植物の健康と天候に応じて水やりの量を調節する必要があります。冬は土の表面が乾いたら
また、冬季は成長が緩やかになり、水の吸収力が低くなります。特に寒冷地域で栽培している場合は、冬の間は水を控えめにし、土の表面が乾いたら水やりを行いましょう。冬の寒い季節に過度に水分を供給すると根腐れになる可能性が高まるため、慎重に水やりを調整する必要があります。鉢植えの場合
続いては、鉢植えの場合の水やりを方法を見ていきましょう。鉢植えでは以下の3つの方法を参考に水やりをすることがおすすめですよ。それでは、3つの水やりの方法を解説していきます。方法①二重鉢にする
ネジバナを鉢に植える場合、基本的にまずは二重鉢を使用する方法がおすすめです。二重鉢にすることで、鉢に直接当たる直射日光による熱から遠ざけ、根が高温にならなくて済みます。外側の鉢に発泡スチロールや軽石を入れ断熱し、内側の鉢に植えたネジバナを置きます。外側の鉢が熱から守ってくれるので、安心して屋外で栽培できます。方法②受け皿に砂利と水を敷く
もう一つの方法は、鉢の受け皿に砂利と水を敷くことです。受け皿に砂利を敷いて水を注ぐと、水を排水しやすくなります。湿度が高くなりすぎないようにするためには、この方法がおすすめです。方法③1日2回水やりをする
鉢植えのネジバナは、土壌が比較的乾燥しやすいため、特に暑い季節には水やりが多く必要になります。通常、1日2回水やりを行うことがおすすめです。日中の暑い時間帯は避け、朝と夕方に水を与え、土壌が乾燥しないように気をつけましょう。しかし、過剰な水やりには注意が必要で、土壌が過度に湿ってしまわないようにしましょう。ネジバナの育て方のポイント③土
続いてのネジバナの育て方のポイントは、「土」になります。どんな土がネジバナに適しているのかを知っていれば、複雑に育て方を工夫したりせずとも安定的に健康に栽培することができますよ。また、自作した用土を使用して栽培したい方は、おすすめの配合比率も併せて解説していきます。水持ちのいい土が適している
ネジバナは適度な湿度のある用土を好むため、排水性の高すぎる土よりも、水もちの良い土を選びましょう。しかし、過度に湿った土壌は根腐れの原因となる可能性があるため、適切な排水性を持つ土であることも重要です。草花用培養土・山野草培養土がおすすめ
特におすすめなのは草花用培養土・山野草培養土が最適です。これらの培養土は水はけと水持ちが適度に良く、適切な栄養分の持った土になります。そのほかの市販の培養土を選ぶ際には、水はけと水もち、また通気性と栄養分の配合されたものを選びましょう。自作する場合は赤玉土1:鹿沼土1の配合土など
また、用土の自作をしてみたい場合は、赤玉土と鹿沼土を1:1の比率で混ぜる方法が一般的でおすすめです。この土の組み合わせは水はけと水もちが良く、根に適切な栄養も供給できます。また、必要に応じて腐葉土を混ぜることで有機物の栄養も含ませることができます。水苔でも栽培可能
それに、ネジバナは水苔でも栽培が可能です。水苔は水をよく保持し、湿度を保つのに適しています。鉢などで栽培しているネジバナを水苔にして育てる場合は、丁寧に植え替える必要があり、十分な通気性と排水を確保することが大切です。ネジバナの育て方のポイント④肥料
最後のネジバナの育て方のポイントは、「肥料」になります。そもそもネジバナには肥料が必要なのかを知っていれば、過剰な肥料によって根っこや株を傷つけることなく栽培することができますよ。それでは、どんな時に肥料が必要なのかを解説していきます。生育不良でなければ基本的に不要
結論からお伝えすると、ネジバナは生育不良でなければ基本的に肥料は不要になります。一般的には、生育がうまくいっていない時や、花がうまく咲いていないといった場合などの、健康上に何かしら問題がありそうなサインが見られた時に限って、肥料を施すのが良いでしょう。生育が遅い場合
それでは、肥料が必要な場合である、生育の遅れが感じられる時に必要な肥料について詳しく解説していきます。肥料はいつどんな時期にどんな肥料を与えるのが良いのかなどをこれから解説していきます。開花前に緩効性肥料を少量与える
ネジバナの生育が遅い場合は、開花前である3月から5月に、緩効性肥料を少量与えるようにしましょう。ネジバナの開花時期は6月から7月ごろと言われていて、その期間はネジバナの体力も特に消費される時期になります。そのため、この開花前の時期に栄養素をきちんと持っていれば、かなり余裕を持った一年を過ごすことができるでしょう。10月にリン酸主体の緩効性肥料を少量施す
また、ネジバナの開花時期は6月から7月ごろが終わった10月に、リン酸主体の緩効性肥料を少量施すことで、年末にかけて消費しやすくなる冬の体力の温存にもなりますよ。 まとめると、肥料はネジバナが生育不良である場合にのみ施すことで効果があり、基本的に元気なネジバナであれば肥料は必要ありません。肥料を過剰に与えると肥料焼けといって根が傷ついてしまうこともあるため、肥料を与える際はパッケージに記載のガイドラインに沿って適量を施すようにしましょう。ネジバナのお手入れ
最後は、ネジバナのお手入れについて解説していきます。ネジバナの育て方がきちんと理解ができても、継続的な「お手入れ」の方法がわかっていないと、せっかく元気なネジバナを維持することができません。美しく元気なネジバナを維持し続けるためには、以下のお手入れの方法をぜひ参考にしてみてください。植え付け
それではまずは、ネジバナのお手入れの一つである「植え付け」を解説していきます。どんな植え付けをする方法があるのか、また植え付けの仕方とはなんなのかについて解説していきます。種から育てる場合
まず、タネから育てる方法について解説します。タネから育てるのであれば、まずは開花が終わった夏頃に、黄色になった果実から生まれたタネを採取する必要があります。この採取したタネを早めに親株の近くにまくことで、発芽させることができます。苗から育てる場合
続いては苗からネジバナを育てる方法を解説します。ネジバナを苗で育てるのであれば、苗をまず購入して用意する必要があります。苗が用意できたら水はけと水もちの良い用土に植え付けて、大きくすることで大きな鉢に植え替え、通常の大きさのネジバナにして栽培することができます。植え付けのしかた
ネジバナの植え付けは先ほども解説した通り、水はけと水もちの良い用土を用意して、苗かタネか、好きな方を優しく鉢に植え付けましょう。植え付け直後はどちらも安定していないので、優しく水やりをし、安定するまでは直射日光の当たらない場所で管理しましょう。植え替え
続いてのネジバのお手入れは植え替えです。どのように植え替えをすれば良いのかをここから解説していきます。鉢植えの場合:1年おきに植え替える
まずは鉢植えの植え替えを見ていきましょう。鉢植えの植え替えは、1年おきに植え替えるペースで大丈夫です。盆栽の場合:3~5年に1度でよい
ネジバのを盆栽で栽培している場合は、3~5年に1度の植え替えのペースがおすすめです。植え替えのしかた
ネジバナの植え替えで重要なのは根っこを傷つけないことです。ネジバナは根っこが繊細なため、傷をつけないように植え替えをする必要があります。花後の夏頃に植え替えすることが適しており、植え替え時は現在の鉢よりも一回り大きな鉢に植え替えましょう。病害虫
続いては病害虫についてです。どんな病害虫がいるのか、またその対処法を解説していきます。アブラムシ
まずはアブラムシです。アブラムシは食害虫のため、植物の栄養を食べて排泄物を出します。この排泄物のせいで葉っぱが黒くなることや、アブラムシが媒介するウイルスで枯れることがあるため、見つけ次第殺虫剤で駆除しましょう。ナメクジ・カタツムリ
次にナメクジやカタツムリです。これらの害虫も食害虫のため、見つけ次第次第殺虫剤で駆除するか、ピンセットなどで物理的に駆除するのが良いでしょう。雨が続くとナメクジやカタツムリは発生しやすくなります。増やし方
最後はネジバナの増やし方を解説していきます。種まき
種まきで増やすのであれば、まずは開花が終わった夏頃に、黄色になった果実から生まれたタネを採取し、この採取したタネを早めに親株の近くにまくことで、発芽させて増やすことができます。株分け
株分けは大きく育って親株のネジバナを、子株と分けて増やす方法です。株分けをする際、必要以上に根っこを傷つけると枯れてしまうので、優しく行いましょう。【まとめ】ネジバナの育て方を徹底解説!成長後のケア方法から害虫への対処法まで
いかがだったでしょうか?ネジバナの育て方や、育て方を実践した後に必要なお手入れまでしっかりご理解いただけたかと思います。 今回の記事のポイントは以下になります。- ネジバナは、アジアを原産とするラン科ネジバナ属の多年草の雑草
- 花茎をまっすぐに伸ばしてらせん状の花を咲かせる特徴を持つ植物
- 日当たりの良い場所を好むが、直射日光は避けた場所で栽培すること
- 乾燥を嫌うため、水切れしないように水やりをすること
- 水持ちのいい土で栽培することで適度な湿度を保つことができる
- ネジバナは生育不良でなければ基本的に肥料は不要である
- 鉢植えの植え替えは1年おきに植え替え、盆栽で栽培している場合は、3~5年に1度の植え替えのペースがおすすめ
- 種まきや株分けで増やすことができる