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皆様はホタルブクロという植物を知っていますか?ホタルブクロは、袋のような花に子どもがホタルを入れて持っていたことが由来しているユニークな名前を持っています。
見た目もボリューム感があって印象的で、カラーもピンク色や白色といった花壇に馴染むカラーも特徴的なホタルブクロですが、正しい育て方を知っている方は少ない印象の植物でもあります。
今回の記事では、なかなか知られていないホタルブクロの育て方を解説するとともに、ホタルブクロの花が咲かない理由や似ている植物であるヤマホタルブクロとの違いの見分け方なども徹底解説していきます。
- そもそもホタルブクロはどんな植物なのかを解説
- ホタルブクロの育て方のポイント①置き場所を解説
- ホタルブクロの育て方のポイント②水やりを解説
- ホタルブクロの育て方のポイント③土を解説
- ホタルブクロの育て方のポイント④肥料を解説
- ホタルブクロのお手入れの方法とは?
- ホタルブクロの花が咲かないのはなぜなのかについて解説
- 似ている植物であるヤマホタルブクロとの違いとは?
- ホタルブクロの育て方のまとめ
そもそもホタルブクロってどんな植物なの?
それではホタルブクロの育て方を解説する前に、まずはそもそもホタルブクロがどんな植物なのかについて解説していきます。中国を原産とするキキョウ科ホタルブクロ属の多年草
ホタルブクロは、中国や日本を原産とするキキョウ科ホタルブクロ属の多年草の植物です。山野草として日当たりの良い草地でよく自生しています。草丈は30~80cmと比較的コンパクトなので、特に鉢植えなどでも育てやすい植物として人気があります。下向きに咲く釣鐘型の花が特徴的
ホタルブクロは下向きに咲く釣鐘型の花が特徴的で、ピンクやホワイトのカラーを持つ比較的大きな花を持つ植物です。開花時期は5月から7月くらいで、日当たりの良い場所であればよく育ちます。ホタルブクロの育て方のポイント①置き場所
それではこの記事の本題でもある、ホタルブクロの育て方のポイントについて解説していきます。まず一つ目の育て方は「置き場所」になります。どんな置き場所に置けばよく育つのか、地植えと鉢植えではどう違うのかを解説していきます。日向~明るい日陰で管理する
ホタルブクロは日光を好みますが、強い直射日光からは避ける必要があります。主には日中の日向や、半日陰、明るい日陰が最適です。午後の直射日光は特に注意をして保護しながら管理できる置き場所を見つけることが大切です。室内で育てる場合は、窓辺の明るいカーテン越しの半日陰が適しています。地植えの場合:盛り土をした上に植えるとよい
地植えのホタルブクロを育てる場合は、盛り土にした場所で栽培することがよいでしょう。盛り土をすることで排水性が向上し、根に適切な環境を用意してあげることができます。鉢植えの場合:夏の間だけ明るい日陰に移すとよい
また、鉢植えの場合は特に夏の間は暑さからは適切に保護する必要があります。ホタルブクロは過度の暑さには弱いため、夏の暑い日中は明るい日陰に移すか、日除けをしてあげましょう。室内に移動をして暑さから守ってあげるのもおすすめなやり方です。ホタルブクロの育て方のポイント②水やり
続いてのホタルブクロの育て方のポイントは、「水やり」になります。どんな水やりを意識して水やりをすれば良いのかを、地植えと鉢植えで異なるやり方を見ていきましょう。地植えの場合:基本的に不要
結論からお伝えすると、地植えのホタルブクロは雨水を利用して成長できるので、追加の水やりは必要ありません。ただし、長期間の乾燥や猛暑の間には追加の水を与えることがある場合もあります。鉢植えの場合:土が乾いたらたっぷりと
また鉢植えの場合は、土が乾いたら水をやる必要があります。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えましょう。しかし、土が水をため込みすぎないように気をつけ、鉢底から出る排水にもケアしてあげましょう。特に夏の暑い期間には水切れに注意し、こまめに水やりを行うことが重要です。冬の休眠期には水やりを控えめにし、土が乾いたら適度に水を与えることが大切です。ホタルブクロの育て方のポイント③土
続いてのホタルブクロの育て方のポイントは、「土」になります。ホタルブクロはどんな用土を好むのか、鉢植えと地植えでの用土にはどんな違いがあるのかについて解説していきます。水はけの良い土を好む
結論からお伝えすると、ホタルブクロは水はけの良い用土を好みます。水はけの良い用土は水が鉢の中で滞留せず、適度に水を排水してくれる用土になります。地植えの場合:腐葉土を混ぜ込む
地植えでホタルブクロを育てる場合は、腐葉土を水はけの良い土壌に混ぜ込むことで、有機物の栄養分を増やすことができ、より土壌の保水能力と栄養素、通気性を向上させることができます。これにより、根っこの健康を保つのに役立ちます。鉢植えの場合
続いては、鉢植えの場合にどんな土で栽培するのが良いのかを解説していきます。市販の草花用培養土で育てられる
まず、鉢植えでホタルブクロを栽培するのであれば、市販の草花用培養土を使用して十分に育てることができます。草花用培養土は多くの園芸店やホームセンターなどで購入可能で、土の品質が最初から管理されているため安心してすぐに栽培し始めることができます。赤玉土4:鹿沼土4:腐葉土2の配合土などでも
また、自分で土をブレンドしたい方は、赤玉土4:鹿沼土4:腐葉土2の配合土などでもホタルブクロに適した用土を作ることができますよ。どの土も園芸店やホームセンターなどで購入可能です。庭土を利用する場合
また、庭土を利用する場合には、どのように土を配合すれば良いのかを解説していきます。庭土に腐葉土3割:もみ殻くん炭1割を混ぜる
まずおすすめなのが、庭土に腐葉土3割:もみ殻くん炭1割を混ぜるのがおすすめです。腐葉土は栄養分を補給でき、もみ殻くん炭は籾殻を炭にした籾殻くん炭なので、アルカリ性を示します。そのため、酸性に傾いた庭土をアルカリ性に寄せることで、土壌を改良することができます。庭土が粘土質の場合は砂や軽石などを混ぜる
また、庭土が粘土質の場合は砂や軽石などを混ぜることで、排水性を高めることもできます。庭土が砂質の場合は黒土などを混ぜる
それに、庭土が砂質の場合は黒土などを混ぜることで保水力を高めることができ、適度な排水性と保水性のある土壌に改良することができます。ホタルブクロの育て方のポイント④肥料
最後にホタルブクロの育て方のポイントは、「肥料」になります。ここまでの育て方でもお分かりのとおり、そこまで専門的な育て方が必要な植物ではなく、どちらかといえば初心者さんでも育てられる簡単な植物です。 しかしながら、以下でもご紹介する「肥料」は、やや専門的な言葉が出てくるので、わからなければ何度も見返しながら肥料を施していただくことをおすすめします。元肥:三要素等量かリン酸分が多めの緩効性肥料を施す
まずは元肥(もとごえ)のやり方です。元肥(もとごえ)は苗などを植え付ける際に施す肥料のことで、ホタルブクロの場合は「三要素等量かリン酸分が多めの緩効性肥料」を施すことがおすすめです。三要素等量は、肥料の基礎である、チッ素・リン酸・カリが含有された肥料のことを言います。追肥
続いては追肥です。追肥は栽培途中に定期的に施す肥料のことを言います。4月~5月:三要素等量の液肥を薄めて施す
ホタルブクロに追肥をするのであれば、三要素等量の液肥を薄めて施すことがおすすめです。子株には夏の間も施す
また、ホタルブクロが子株である時は、夏の間も施すようにしましょう。子株の時期はまだ親株ほど成熟していないため、この時期は夏にも肥料を追肥してあげましょう。秋にリン酸が多めの緩効性肥料を施す
それに、秋にリン酸が多めの緩効性肥料を施すことで、苗の成熟を促進することができます。また、リン酸のメリットは、花付きや開花もしやすくなる効果を期待することができます。盆栽は秋のみの施肥でよい
ホタルブクロを盆栽として育てている場合は、秋のみの施肥でOKです。そこまで多くの栄養素を必要としないので、盆栽の場合は秋だけ施すようにしましょう。ホタルブクロのお手入れ
続いては、ホタルブクロのお手入れについて解説していきます。ここまで解説させていただいたホタルブクロの育て方を実践することは非常に大切なことですが、その後のお手入れも美しさや健康をキープするには非常に重要です。ここからは、植え付けや植え替え、剪定や増やし方などのお手入れを解説していきます。植え付け・植え替え
それではまずは、ホタルブクロの植え付けと植え替えのやり方を解説していきます。植え付けのしかた
基本的にホタルブクロの植え付けは、春前の2月から3月の間に行うことが適しています。年に1回程度サイズや成長度合いに合わせて行いましょう。またホタルブクロは地下茎はあっちこっちに移動しやすいので、この時期に地下茎も移植してあげることもいいでしょう。植え替えのしかた
親株のホタルブクロを丁寧に現在の鉢から取り出し、新しい一回り大きな鉢に植え替えましょう。排水性の高い土を用意し、三要素等量かリン酸分が多めの緩効性肥料を土に混ぜ込んで、植え替えましょう。剪定
続いては剪定です。どのように剪定をするのがいいのかを解説していきます。花後に切り戻しを行う
剪定は花後に切り戻しを行うようにしましょう。こうすることでまた次の年の花が開花しやすくなりますよ。剪定のしかた
剪定は清潔で切れ味のいい剪定ハサミを使用して剪定してあげましょう。主に枯れた場所や不必要に伸びすぎてしまった場所などをカットして、サイズの調整をすることで、株全体に栄養素が行き渡りやすくなります。増やし方
最後のお手入れは増やし方になります。どんな増やし方でホタルブクロは増やせるのでしょうか。種まき
ホタルブクロは種まきで増やすことができますよ。種まきは花後に採取できる種を使用し、植え付けや植え替えと同じ2月から3月の頃に行うことが理想的です。種をまく前に川砂に1ヶ月ほど湿らせて、冷蔵庫で保管することで発芽しやすくなります。2年ほどかかりますが発芽します。株分け
続いては株分けです。ホタルブクロは株わけでも増やすことができ、先ほどと同様に2月から3月の時期に親株から出た地下茎につく子株を切り分けて株分けをし、増やすことができます。ホタルブクロの花が咲かないのはなぜ?
続いては、ホタルブクロの花が咲かないのはなぜなのかについて解説していきます。正しい育て方を実践してみても花が咲かないと、何が原因なのかがわからずに悩んでしまう方も多いかと思います。そういった方のお悩みを解決するためにも、ここからはホタルブクロの花が咲かない理由を解説していきます。花が咲かない原因
それではまずは、ホタルブクロの花が咲かない原因とはなんなのかについて解説していきます。日当たりが悪い
花が咲かない理由の一つに日当たりが悪いことが考えられます。日光が不足すると上手に光合成を行えず、花をつけるエネルギーを蓄えることができなくなり、結果として花が咲かないことが考えられます。肥料不足・肥料のやりすぎ
また、肥料不足や肥料のやりすぎによって花が咲かないこともあります。肥料はやりすぎてもやらなすぎても良くなく、ホタルブクロに適切な量を見極めて施す必要があります。対処法
続いては上記に対処法を解説していきます。日当たりの良い場所に移動させる
ホタルブクロは十分な日光を必要とするため、日当たりの良い場所にホタルブクロを移動させましょう。液肥を控えるか、置き肥を取り除く
肥料を過剰に与えると、花付きが悪くなり、最悪の場合枯れることがあります。液体肥料の使用を控えるか、置き肥を取り除いて状態を確認しながら栽培しましょう。足りない場合は適切に肥料を与える
しかしながら、花が咲かない原因が肥料不足である場合は、ホタルブクロに適切な肥料を与えてください。まずは緩効性肥料を使用し、状態を見ながら追肥も行うとより効果が実感できるでしょう。似ている植物・ヤマホタルブクロとの違い
最後は、ホタルブクロに似ている植物である、ヤマホタルブクロとの違いについて解説していきます。どんな場所に生えるのかや、ヤマホタルブクロとホタルブクロの違いの見分け方についてお話ししていきます。生える場所
まずはヤマホタルブクロとホタルブクロの生える場所の違いについて解説していきます。ヤマホタルブクロ:山地から亜高山帯、まれに海岸近く
まず、ヤマホタルブクロの生える場所は山地から亜高山帯、まれに海岸近くに生えることがあります。ホタルブクロ:山野や丘陵に生える
ホタルブクロの生える場所は、山野や丘陵に多く自生します。あまり高くない山や丘に生えるので、比較的に見つけやすい山野草とも言えるでしょう。見分け方
続いては、ヤマホタルブクロとホタルブクロの違いの見分け方について解説していきます。大きく分けて3つの見分け方があると言われています。萼片の形
一つ目は萼片(がくへん)の形です。ヤマホタルブクロには、付属体がなくやや膨らみがあります。ホタルブクロは付属体があり、やや上向きに反った形をしています。萼片の毛の有無
また、萼片の毛のある方がヤマホタルブクロで、ホタルブクロには毛がありません。草丈の高さ
また、ヤマホタルブクロの草丈は40~80㎝あるのに対し、ホタルブクロは30~70cmほどになります。【まとめ】ホタルブクロの育て方を徹底解説!成長後のケアから他の品種との違いまで
いかがだったでしょうか?ホタルブクロの育て方からお手入れの方法まで、この記事一つで健康に育てるやり方がお分かりになったかと思います。 今回の記事のポイントは以下になります。- ホタルブクロは、袋のような花に子どもがホタルを入れて持っていたことが由来しているユニークな名前
- ホタルブクロは、中国や日本を原産とするキキョウ科ホタルブクロ属の多年草の植物で、下向きに咲く釣鐘型の花が特徴的
- 強い直射日光を避けた明るい日陰が最適な置き場所
- 鉢植えの場合は土が乾いたらたっぷりと水やりをし、地植えのホタルブクロは雨水を利用して成長できるので、追加の水やりは必要ない
- ホタルブクロは水はけの良い用土を好む
- 元肥には三要素等量かリン酸分が多めの緩効性肥料を施すこと
- ホタルブクロの植え付けは、春前の2月から3月の間に行うことが適している
- 種まきや株分けで増やすことができる
- ヤマホタルブクロとホタルブクロの違いは、萼片の形や萼片の毛の有無や草丈で判別できる