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生垣や庭木でよく見かける樹木の1つであるサザンカ。自分でも育ててみたいと思う方も多いかと思います。しかしサザンカに肥料が必要なのかわからない、お手入れが難しそう、と不安になる方もいることでしょう。
そこでこの記事では、
- サザンカの基本情報
- サザンカに肥料が必要かどうか
- サザンカの育て方
- サザンカの肥料のやり方や時期
- サザンカに適した肥料の種類
サザンカはどんな植物
比較的暖かい地域では見かける機会も多いサザンカとはどのような植物なのでしょうか。サザンカに適した肥料について確認する前に、サザンカの基本情報についてご紹介します。サザンカ(山茶花)はツバキ科の常緑低木
サザンカはツバキ科ツバキ属の常緑低木です。野生種のサザンカは、10月〜12月に白い花を咲かせるため、古くから日本では「晩秋の花」として愛でられていました。ツバキに比べると寒さに弱く、現在日本では西日本の特に四国、九州、沖縄で多く栽培されています。ツバキによく似た植物
サザンカは日本の固有種で、ツバキによく似た植物です。ツバキは早春から春にかけて開花するため、晩秋に咲くサザンカとは開花時期が違います。花の散り方にも違いがあり、ツバキは「落ちる」のに対し、サザンカは1枚ずつ散ります。違いは葉っぱ
植えられている低木がサザンカかツバキかわからない場合、わかりやすい違いはその葉っぱです。葉柄や葉の裏表の中央脈、さらに艶やサイズで見分けられます。他の顕著な違いでは、葉脈や子房に毛が生えていればサザンカです。基本情報
サザンカは冬に開花するため、生垣や庭が冬に寂しいと感じている方におすすめです。またサザンカは別名が多い植物で、その別名の多くがツバキから由来しています。油が由来の別名もあり、ツバキと同じく種から油を絞るため「油茶」と呼ばれ、サザンカ油から「カタシ」という別名が生まれました。科・属名 | ツバキ科ツバキ属 |
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原産地 | 日本 |
開花時期 | 10月〜12月 |
花の色 | 白・桃色・赤・複色 |
別名 | 山ツバキ・小ツバキ・カタシ・油茶・梅茶など |
花木として庭木や生垣、盆栽など広く植栽されている
昔から日本で広く愛されているサザンカは、花言葉もポジテイブなものが多いため、園芸樹木、庭木として人気があります。園芸の他にも花木や生垣、盆栽としても広く植栽されています。サザンカの花言葉は「ひたむきさ」「理想の恋」「ひたむきな愛」などが代表的です。サザンカに肥料は必要?
サザンカについて基本情報の確認ができたところで、サザンカに肥料は必要なのでしょうか?解説します。サザンカを元気に育てるために肥料は超重要
サザンカを元気に育てるために、肥料はとても重要な役割があります。サザンカは丈夫な植物のため、肥料を与えなくても育ってくれます。しかし、健康で美しい葉や花をつけるためには肥料が欠かせません。開花のために栄養をたくさん使う植物は、栄養不足になりがち
いつサザンカに肥料を与えれば良いのでしょうか。サザンカがもっとも栄養を必要としている時期は、開花の時期です。サザンカは花を咲かせるために栄養をたくさん使う植物なため、開花の時期に栄養不足になりがちになります。お気に入りのサザンカの花を悪くしてしまわないためにも、肥料を与えましょう。サザンカへの肥料の与え方や育て方を徹底解説
サザンカへの肥料のやり方は、3種類あります。元肥、寒肥、追肥とありますが、それぞれの与え方やいつ与えるべきかについて解説していきます。サザンカへの肥料やりはいつ行う?肥料の種類とタイミング
サザンカへの肥料やりのタイミングや肥料の種類について解説します。初期の成長を助ける元肥
サザンカを植えたすぐは、根を張り幹を伸ばすための栄養を多く必要としています。そこでサザンカの成長を助けるために元肥を施します。発芽する前のサザンカは乾燥に弱いため、日陰に置き乾燥させないように水やりをします。そのまま一月ほどで発芽します。植えつけの際、あらかじめ植えつけ場所に施しておく肥料
元肥とは何か、と疑問に思う方もいるかと思います。元肥とは、植えつけの際にあらかじめ植えつけ場所に施しておく肥料のことを指します。サザンカの株を植えつける場所を耕す時に、土に混ぜ込んでおきましょう。長い間効果を発揮するように、緩効性や遅効性の肥料を用いるのが一般的
元肥は長い時間効果を発揮するように、緩効性肥料や遅効性肥料を用いるのが一般的です。緩効性肥料は、長い期間肥料の効果が少しずつ現れるタイプの肥料です。遅効性肥料は肥料を施したすぐではなく、後から効果が出る肥料のことを指します。有機質肥料を中心に施す
サザンカの元肥として施す肥料は、有機質肥料を中心に施すようにしましょう。有機質肥料は、施された後に土の中で微生物に分解され、無機物になります。無機物になった後に、植物に栄養として吸収されるため、ゆっくり効果を発揮します。肥料不足にしないように手助けする追肥
植えつけた時の元肥だけで、植物が満足に育つとは限りません。成長の過程で肥料不足を起こさないように、手助けする追肥を用いる必要があります。生育とともに効果が薄れる元肥に対して生育途中で補う肥料
元肥は植物の生育とともに効果が薄れていきます。元肥の効果が薄れたままにすると、次に起きるのが肥料不足です。そこで元肥の効果が薄れてきた生育途中で施す肥料を追肥と言います。緩効性肥料か、速効・持続型粒状肥料を土の上にまく
追肥のタイミングで施す肥料の種類は、緩効性肥料か、速攻・持続型粒状肥料を土の上にまきます。追肥の時期は2月に植えつけた場合、9月ごろが適期です。サザンカへの肥料のやり方:元肥と寒肥
サザンカへの肥料の与え方を調べていると、寒肥という言葉を目にすることがあります。まく時期は元肥と同じような時期で、どっちがどっちだかわからなくなる方もいますよね。そこで元肥と寒肥について解説します。植えつけの際、あらかじめ施しておく元肥
植えつけの際にあらかじめ施しておく肥料のことを元肥と言います。植えつけ後すぐの生育を助ける役割があります。元肥が入っていない土を利用する場合、市販の速効・持続型の粒状肥料を加える
サザンカを植えるために土を購入した場合、元肥が入っていればいいのですが、入っていない場合もあります。もし元肥が入っていない土を購入してしまった場合は、市販の速攻・持続型の粒状肥料を加えて使用しましょう。用土1ℓ当たり5gを混ぜる
鉢植えで育てる場合、市販の速攻・持続型の粒状肥料を加える時は、用土1Lあたり肥料5gを混ぜるようにします。土の上にまく場合は、表面全体にまき、根を傷めないように気をつけましょう。春先になって生育が始まる頃に肥料の効果が出るように冬に施す寒肥
サザンカにおける寒肥は、春先になって生育が始まる頃に肥料の効果が出るように、冬に施す肥料のことを指します。他にも寒肥は、冬の間休眠している庭木などに与える肥料のことを指す場合もあります。サザンカへの肥料のやり方:追肥
元肥だけでは満足な生育ができない可能性があるため行う追肥。サザンカへの追肥のポイントをご紹介します。地植では追肥を行う必要はない
サザンカを地植えで育てている場合、追肥を行う必要はありません。状態を見て、庭植えや生垣にしているサザンカに追肥をしたい場合は、開花後に行いましょう。鉢植えの場合は緩効性の肥料を春と秋、2回置き肥として施そう
鉢植えでサザンカを育てている場合は、日々の水やりで肥料の栄養が水とともに流れ出しています。緩効性肥料を春と秋の2回、置き肥として施しましょう。サザンカの肥料におすすめの種類
園芸用品店や花屋には、肥料が多く販売されています。サザンカの生育に合ったおすすめの肥料の種類を紹介しますので、園芸用品店で探す際の参考にしてください。またショップによっては会員登録をすることで、会員価格で購入できるショップがあります。長い目で見ると肥料代も大きくなるため、価格を抑えて購入できるように会員登録するのもおすすめです。緩効性肥料
緩効性肥料とは、与えたすぐから長い時間効果を発揮する肥料です。追肥としても元肥としても利用できます。遅効性肥料
遅効性肥料とは、混ぜ込んだすぐではなく、後からじっくり効果を発揮する肥料です。土に混ぜ込んだ後に微生物による分解を経て、植物に吸収できるようになります。主に元肥として利用されます。速効性肥料
速効性肥料とは、混ぜ込んでからすぐに効果を発揮する肥料です。主に水で薄めて使用する液体肥料のことを指します。速効性肥料は追肥としてよく利用されます。1週間ほどで肥料を挿し替えないといけないため、手入れの手間が少し増えます。固形肥料
置き肥として利用されることの多い固形肥料は、じっくりと栄養を土に与える緩効性肥料や遅効性肥料のものが多いです。長い期間効果が持続するのが魅力です。液体肥料
液体肥料のほとんどが、効果がすぐに現れる速効性肥料です。花の開花を助けるためなどの栄養補給を目的に、追肥として与えられます。与える頻度が高くなるため、作業が増えるのがデメリットです。サザンカに肥料を与える時の注意点
サザンカに肥料を与えることは重要ですが、注意点もあります。肥料やけに注意
サザンカは肥料を与えすぎると、肥料焼けを起こすことがあります。若い根が傷んでしまったり、根が水分を吸収できなくなってしまうことで、最悪の場合枯れてしまいます。必要な時期に、必要な分だけ与えることを忘れないようにしましょう。根の広がる範囲に施そう
サザンカに肥料を与える際は、根の広がる範囲に施しましょう。植物は根の先端付近で栄養を吸収します。根の広がる範囲は目には見えませんが、伸びた枝先あたりまで根も一緒に伸びると言われているため、目安になります。サザンカの肥料以外の育て方のポイント
サザンカの栽培では、肥料以外にも育て方のポイントがあります。剪定やサザンカに適した栽培環境がありますので、サザンカにあった育て方をしましょう。①剪定
サザンカの剪定では、開花が終わった後、芽が伸びる前に枝を切る剪定を行うと良いでしょう。個体ごとに状態を見て剪定を決めますが、一般的に時期は3月〜4月、6月です。この時期に摘心や芽かき、間切りや切り詰め剪定を行います。害虫チャドクガに注意
サザンカは病害虫に強い植物ですが、ツバキと同様に害虫のチャドクガの発生に注意が必要です。チャドクガの習性として、葉が密集した場所や葉裏に卵がある可能性があります。その卵の毛に触れるだけでもかぶれてしまうことがあるため、剪定の際は注意して見ましょう。風通しや日当たりをよくしよう
剪定の際は風通しや日当たりを良くするようにしましょう。適期にしっかり剪定をすることで、病気や害虫の発生防止につながります。②栽培環境
サザンカに適した栽培環境は下記です。栽培環境が原因で元気がないことを防ぐためにも要確認です。鉢植え、庭植えともに日当たりのよい場所から日陰まで栽培できる
サザンカは鉢植え・庭植えのどちらの場合でも、日当たりの良い場所から日陰まで栽培が可能です。日陰で育てることができますが、日がよく当たる場所の方が花つきが良くなります。庭植えの場合は一度植えてしまうと移動が難しいため、植える場所の日当たりを良く確認しておきましょう。冬にー5℃以下になるような場所であれば、防寒する
サザンカはツバキに比べると耐寒性が弱いため、冬に−5℃を下回るような場所であれば防寒が必要です。しかし鉢植えだからと言って暖房の効いた部屋の中に移動させると、蕾が落ちることがあるため注意しましょう。【まとめ】サザンカに肥料は必要あるの?与える種類やタイミングなど徹底解説!
ここまでサザンカと肥料について解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
この記事のポイントは、
- サザンカを元気に育てるためには肥料が必要
- 根を張る時期や開花の時期は肥料不足に注意する
- 元肥、追肥、寒肥を施すことで元気に育つ
- 病気や害虫を発生させないためにも、剪定や環境に注意する