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健康に良い食べ物として、美容効果のある化粧品として人気なアロエ。そんなアロエの1つであるキダチアロエの栽培に興味がある方も多いことでしょう。しかしキダチアロエを育てるにあたって、「難しそう」、「病気や虫がついたらどうすればいい?」と不安な方もいますよね。
そこでこの記事では、
- キダチアロエの簡単な歴史
- キダチアロエの育て方
- キダチアロエの増やし方
- キダチアロエが大きくなりすぎた時の対処法
- 注意するべき病気や害虫の対処法と予防法
- キダチアロエとアロエベラの違い
キダチアロエはどんな植物?
鉢植えで育てられているキダチアロエを見かけることは多いですよね。育てやすく丈夫なキダチアロエは、育ててよし、美容にもよし、飾ってよしな魅力抜群のアロエです。南アフリカを原産とするユリ科の多年草
キダチアロエは南アフリカを原産とするユリ科の多年草です。アロエは健康や美容に良いとされる植物で、キダチアロエは江戸時代から、日本でも愛されてきたアロエ属です。現代ではその肉厚な葉やフォルムがおしゃれでインテリアとしても人気が高くなっています。キダチアロエはアロエ属の中でも寒さに強い
キダチアロエは、アロエ属の中でも寒さに強いという特徴があります。基本的に室外でも十分育てられますが、冬に気温が5℃以下になる環境では注意が必要です。寒さに強いと言っても、日本で冬越しをする場合には、室内に移動して越冬するようにしましょう。水や肥料も頻繁に与える必要がなく、植物の管理が得意でない人や初心者でも育てやすい植物です。キダチアロエは江戸時代に日本に渡来している
キダチアロエは江戸時代に日本に渡来したとされています。過去に日本ではアロエをろかいと呼び、その由来は漢字名の蘆薈に当て字をしたものです。キダチアロエはその名の通り、茎が木のように立ち伸びる様から名付けられています。キダチアロエの育て方①:置き場所
江戸時代から日本で愛されてきたキダチアロエですが、その育て方で大切な置き場所の条件について解説します。風通しがよく日光がよくあたる場所に置く
キダチアロエの置き場所は、風通しが良く日当たりの良い場所を選んで置きましょう。せっかく良い土を与えて水やりなどの世話をしても、置き場所が悪ければキダチアロエが元気に大きくなることができません。風通しが悪いと害虫が付着しやすくなる
風通しが良く日当たりの良い場所に置かなければならない理由の一つが、風通しが悪いと害虫が付着しやすくなることです。キダチアロエで注意しなくてはならない害虫は、カイガラムシとアブラムシです。カイガラムシやアブラムシは、風通しの悪い場所を好んで発生します。成長不良や病気の原因になってしまうため、害虫を発見したら迅速に駆除するようにしましょう。日光が足らないと生育不良になるので注意が必要
キダチアロエは生命力が強く、丈夫な植物ですが、日光が足りないと生育不良になります。ひょろひょろと徒長したり、弱々しい株になるため、力強く育てたい場合は、日当たりに注意が必要です。室内で育てる場合でも、キダチアロエを日光のよくあたるところに置いてあげると十分に育ちます。真夏に直射日光の当たり続ける場所では、葉焼けを起こすことがあるため、レースカーテンなどで遮光してあげると良いです。寒冷地以外は屋外で栽培することができる
キダチアロエは寒さに強い植物のため、日本では寒冷地以外なら屋外で栽培することができます。春〜秋は屋外でも伸び伸び元気に育ちますが、冬場は注意が必要です。霜や長雨に当てないように注意する
キダチアロエは寒さに強い植物ですが、その耐寒温度は5℃程度です。最低気温が5℃を下回ってくる冬には、屋内に移動してあげるなどの対処が必要です。霜に当たったり、長雨に当たると根が傷んだり、株が弱くなってしまいます。キダチアロエの育て方②:水やり
キダチアロエの育て方で大切な水やりについて解説します。土の表面が乾いたらたっぷり水分を与えるよう水やりをする
キダチアロエの水やりでは、春〜秋は土の表面が乾いたら、たっぷりと水分を与えるように水やりをすることが大切です。水を与えすぎると根腐れを起こすため、土が乾燥してからあげるようにします。水のやりすぎには注意しましょう。冬は休眠状態になるので2週間に1回の頻度で水やりをする
キダチアロエは冬に休眠状態になります。そこで冬には水やりの頻度を落とし、2週間に1回の頻度で水やりをすると良いです。水を与える日は、できるだけ暖かい日を選びましょう。キダチアロエの育て方③:土づくり
キダチアロエの生育に大切な土づくりについて解説します。キダチアロエは水はげが良く保水性のある土壌を好む
キダチアロエを育てる土は、水はけが良く保水性のある土壌が好ましいです。さらに有機物を含ませておくと、元気によく成長します。土を配合する際は、赤玉土や鹿沼土、腐葉土を配合することで、キダチアロエの育ちやすい土壌環境がつくれます。初心者はサボテンなどの多肉植物用の土でも大丈夫
自分で土をつくるのが難しい方や初心者の方は、サボテンなどの多肉植物用の土でも生育に問題はありません。ホームセンターや観葉植物のショップでも売られているため、手軽に入手できます。水はけがよければ草花用培養土でも育てることが出来る
「土を配合することができない、面倒くさい」「多肉植物用の土が見つからない」そんな方でも、キダチアロエは水はけがよければ草花用培養土でも育てることができます。キダチアロエの育て方④:肥料
キダチアロエに肥料を与える際の時期や注意点を確認しましょう。5〜9月のキダチアロエの生育期に肥料を与える
キダチアロエに肥料を与える際は、生育期にあたる5〜9月に肥料を与えるようにしましょう。キダチアロエは基本的に、肥料を与えなくても元気に育ちます。より大きく元気に育てたい場合には、肥料を与えるのがおすすめです。
緩効性化成肥料なら2カ月に1度、液体肥料なら2週間に1度の頻度で与える
キダチアロエに与える肥料は、緩効性化成肥料なら2カ月に1度を目安に、液体肥料なら2週間に1度の頻度で与えましょう。株が傷む原因になるため、肥料の与えすぎには注意が必要です。多肉植物は肥料やけを起こしやすい植物なので注意して肥料を使う
キダチアロエに限らず、多肉植物は肥料やけを起こしやすい植物です。肥料の与えすぎは、株が傷む原因になるため注意しましょう。キダチアロエの増やし方
キダチアロエをインテリアとしていろんな場所に飾りたい!そう思う方もいることでしょう。この項目では、キダチアロエの増やし方について解説します。必要な道具
キダチアロエを増やす際に必要な道具をご紹介します。用土
キダチアロエを増やす際に必要なのが、キダチアロエの生育に適した用土です。多肉植物やサボテン用の土、もしくは水はけがよく保水性のある配合土を用意しましょう。なければ、水はけのよい草花用の土を代用しても構いません。鉢植え
植物を増やす際には鉢植えが必要です。インテリアとしてそのまま使いたい場合は、気に入ったデザインのものを選びましょう。キダチアロエ
キダチアロエは葉挿し(挿し木)や株分けで増やすことができます。キダチアロエが大きく育って株分がしたい方と、植え替えで切った枝葉を活用したい方では、それぞれ選ぶ増やし方は異なります。しかしどちらの場合も元気なキダチアロエを用意しましょう。ハサミやカッター
葉挿しや株分けで、キダチアロエを切り取る際に利用します。清潔で切れ味の良いものを用意しましょう。キダチアロエを乾燥させるトレー
キダチアロエを増やす際には、1度切り取ったキダチアロエの枝や根を乾燥させる必要があります。その際に利用できるトレーを用意しておきましょう。支柱
キダチアロエを葉挿しで増やす際には、支柱があると良いでしょう。紐
葉挿しを行う際に、支柱に葉や茎を固定するのに使います。キダチアロエの株分けのやり方
キダチアロエの株分けのやり方を解説します。①1週間ほど前から断水をし土を乾燥させる
キダチアロエの株分けを行う際は、1週間ほど前から断水をして土を乾燥させておきます。②子株を親株から取る
株を鉢植えから土ごと抜き取り、親株の周りにある子株を手で外します。この時、根をちぎってしまわないように気をつけてください。③取り出した子株を植える
子株についた土を落とし、1週間ほど陰干しします。その後新しい鉢へ子株を植え、植え付けてから1週間後を目安に水やりをします。
キダチアロエの葉挿しの方法
キダチアロエを葉挿し(挿し木)で増やす方法をご紹介します。①葉を切り取り日陰で乾燥させる
キダチアロエの葉を切り取り、切り取った葉を日陰で乾燥させます。切り取った葉は切り口から水分が出るため、2〜3日ほど乾燥させる必要があります。②葉を土に植える
切り口が乾燥したら、土を入れた鉢植えに葉を植えます。切り口の乾燥が甘いと、腐食の原因になることがあるため、しっかり乾いているか確認して植えましょう。③支柱を挿し紐を使いアロエを補強する
葉の横に支柱を挿し、紐を使ってアロエを支柱に固定します。固定することで、根が生える前の不安定なアロエを補強してあげることができます。
キダチアロエが大きくなりすぎた時の対処法
キダチアロエは生命力が強く、よく成長します。そんなキダチアロエは大きくなりすぎることもあるため、対処法を確認しておきましょう。余分な葉っぱや古い茎・花を切る
キダチアロエが大きくなりすぎた場合は、余分な葉っぱや古い茎、花を切りましょう。大きく伸びすぎた葉は、ひょろひょろと弱々しかったり、曲がっていたりと見た目が良くありません。また色が変わってしまった部分などがあれば、切り戻し剪定で整えてあげましょう。子株を間引きする
キダチアロエが大きくなりすぎた際、次に見るのは子株です。根っこが育ちすぎて鉢植えが窮屈そうであったり、これ以上大きな鉢植えに植え替えたくない場合には、子株を間引きします。間引きした株から、株分けでキダチアロエを増やすこともできます。大株を植え替える
先述した2つの方法は、キダチアロエをそれ以上大きくしないための方法でした。もし大株がそのままもっと成長しても大丈夫な環境なのであれば、大株自体を一回り大きな鉢植えに植え替えてあげましょう。キダチアロエによくある病害虫とその対処法・予防法を紹介
キダチアロエを育てる際に注意が必要な病害虫と、その対処法や予防法をご紹介します。病害虫は1度発生すると再発することも多いため、予防は特に念入りに行いましょう。アブラムシ
キダチアロエを育てる上で、アブラムシの発生には特に注意を払ってください。アブラムシはキダチアロエの栄養を吸ってしまうだけでなく、その排泄物などは病気の原因になります。アブラムシを発見したら、すぐに駆除してください。対処法
早期に発見した際は、薬剤散布で様子を見ます。大量発生後の場合は、被害に遭った部分は切り取ってしまいます。予防法
薬剤を使用して防虫対策をしたり、目視でのチェックをこまめに行います。日頃の水やりをシャワーで行うと、害虫の付着を予防できます。カイガラムシ
カイガラムシは葉の裏側や茎の付け根に発生しやすい害虫です。カイガラムシはアブラムシ同様、植物の栄養を吸い、枯らしてしまいます。対処法
カイガラムシを見つけたら、すぐに歯ブラシや割り箸でそっと取り除きましょう。予防法
カイガラムシは風通しの悪い乾燥した環境を好みます。そこでカイガラムシ対策では、風通しの良い場所にキダチアロエを置くことがもっとも重要です。うどんこ病
うどんこ病とは、若い葉や茎の表面に白いカビが生える病気です。この白いカビがうどんの粉を塗したように見えることから、うどんこ病と言われています。対処法
うどんこ病を発見した際は、すぐにその部分を取り除きます。症状が少ない場合には、患部の除去で済む場合もあります。予防法
窒素分の多い肥料を多く与えることもうどんこ病の原因の1つのため、窒素分の多い肥料を避けると良いでしょう。また風通しが良い状態を保つことも大切です。斑点病
キダチアロエはウイルスが原因の斑点病にかかることがあります。しかしキダチアロエは直射日光の当たる場所に置いたことが原因で、白や茶の斑点が出ることもあるため、よく観察する必要があります。対処法
1度ウイルスに感染すると治すことはできません。他の株へ移さないように、早めに処分します。予防法
キダチアロエを、日当たりと風通しの良い場所に置きましょう。キダチアロエとアロエベラの違いも紹介
キダチアロエと同様に、アロエべラは日本でもメジャーなアロエです。そんなキダチアロエとアロエべラの違いをご紹介します。アロエベラは北アフリカを原産とする多肉植物
アロエベラは北アフリカを原産とする多肉植物です。キダチアロエは寒冷地以外であれば、日本でも屋外で栽培できますが、アロエベラを屋外で栽培できるのは沖縄だけです。ヨーグルトに含まれているアロエはアロエベラ
アロエべラと言われてもピンとこない人も多いでしょうが、ヨーグルトに含まれているアロエがアロエべラです。アロエベラが日本でメジャーなアロエだということがわかりますね。キダチアロエは美容品などに利用されている
食品として利用されていたアロエべラですが、一方でキダチアロエは美容品などに利用されています。美容品としてのアロエには、肌のターンオーバーの周期を整えたり、美白効果が期待できます。【まとめ】キダチアロエの育て方を紹介!増やし方や大きくなりすぎた時の対処法も
ここまでキダチアロエの育て方や増やし方、病害虫への対処法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか? この記事のポイントは、- キダチアロエは江戸時代から日本で愛されてきた多肉植物
- キダチアロエの栽培は、温度が5℃を下回る環境では注意が必要
- キダチアロエは風通しが良く日当たりの良い場所で育てる
- キダチアロエの水や肥料は与えすぎに注意する
- キダチアロエを増やしたい時は、増やすための葉や子株を乾燥させる
- キダチアロエは病害虫に強いが、予防のためにこまめにチェックをする
です。
キダチアロエは、温度が低くなりすぎていないか、病気や害虫の症状が出ていないかに注意をし、水やりや肥料を与えるタイミングや時期を守ることで、元気に大きく育ってくれます。ぜひこの記事を参考に、元気なキダチアロエを育ててくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。