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アブチロンは提灯のような花が開花するつる性植物で、幹は自立して立ち上がらず近くのフェンスなどに寄りかかりながら成長していきます。暑さや寒さに強いため、鉢植えや地植えでの園芸によく利用されています。
ただ、アブチロンは暑さや寒さに強い品種ではあるものの、適切な育て方をしていかないと成長が鈍化したり枯れてしまう可能性もあります。
そこで今回は、
- そもそもアブチロンってどんな植物なの?
- アブチロンの育て方のポイント
- アブチロンの植え替え・植え付け
- アブチロンの増やし方
- アブチロンのお手入れ
- アブチロンの人気の品種を紹介
そもそもアブチロンってどんな植物なの?
ここからは、アブチロン(Abutilon)の基本情報について説明していきます。アブチロン(Abutilon)の生育についてあまりよく知らないという方は是非ご確認いただけたらと思います。熱帯~亜熱帯を原産とするアオイ科アブチロン属の低木植物
アブチロンは熱帯~亜熱帯を原産とするアオイ科アブチロン属の低木植物です。近年は鉢物向きのコンパクトかつよく開花する品種が増えてきて、管理もしやすいことからその人気はますます高まっています。一年草として扱われる種類もある
アブチロンには一年草として扱われる種類もあります。一年草とは一年で生育サイクルを完了させる植物を指し、種子から発芽・開花して種子を残し、そのまま枯れていきます。 一年草のアブチロンは短い期間で美しい花を咲かせ、色鮮やかな庭園などでの栽培を楽しむことができます。ハイビスカスやムクゲに似た花を咲かせる
アブチロンはハイビスカスやムクゲに似た花を咲かせます。ただ、全く異なる属となっており、うつむき加減にふわりと咲く愛らしい見た目がアブチロンの特徴となっています。アブチロンの育て方のポイント①置き場所
まず、アブチロンの育て方のポイントは「置き場所」になります。適切な場所を選択していなかった場合、植物は健康を維持できずに枯れてしまう可能性もあるため注意が必要です。日あたりと風通しのよい場所を好む
アブチロンは日当たりと風通しのよい場所を好みます。日当たりがよい場所に配置することによって光合成が活発に行われ、十分な栄養を得ることができます。また、風通しのよい場所に配置することで湿気を抑え、根腐れや病害虫を防ぐことが可能です。地植えの場合:北風の当たらない半日陰で管理する
地植えでの育て方をする場合、北風の当たらない半日陰で管理しましょう。直射日光が当たったり風が強すぎる場所では植物にストレスがかかってしまい、成長が阻害されてしまう危険性があります。 風が強い場所しか確保できない場合は、風よけのフェンスなどを設置することで影響を最小限にすることができます。鉢植えの場合
鉢植えでの栽培をする場合、地植えとは少しポイントが違います。ここでは2つのポイントを押さえておきましょう。夏の暑さを避けるため半日陰に置くとよい
鉢植えでの育て方をする場合は、夏の暑さを避けるために半日陰に置きましょう。午前中や午後の強い日差しを避けられて、適度な明るさがある場所を見つけるのがポイントです。暖地以外の冬は室内に取り込む
暖地以外の冬は室内に取り込みましょう。室内での育て方をすることによって、十分な光と湿度を確保しつつ成長させていくことができます。アブチロンの育て方のポイント②水やり
次のアブチロンの育て方のポイントは「水やり」です。水やりはたくさんすればいいというわけではなく、水を与えすぎると根腐れの原因になってしまう場合もあります。 そのため、適切なタイミングに適量を与えるようにしましょう。水切れや水やりのしすぎにより立枯れにつながることがある
水切れや水やりのしすぎにより立枯れにつながることがあります。アブチロンにとってちょうどいい量の水を与えましょう。春~秋:土の表面が乾いたらたっぷりと
春から秋は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。こうすることで植物が適切な水分を吸収していきます。冬は控えめに水やりをする
冬は控えめに水やりをします。冬はそこまで水を必要としないため、与えすぎには注意しましょう。葉水を行うとよい
葉水は、植物の葉に霧吹きなどで水を散布する方法です。葉水をすることで迅速に栄養供給をすることができ、成長のサポートが可能となります。アブチロンの育て方のポイント③土
次のアブチロンの育て方のポイントは「土」となります。土は植物の成長に大きな影響を与えるので、適切な土壌を選ぶようにしましょう。水はけのよい土を好む
アブチロンは水はけのよい土を好みます。そのため、水はけのよい土壌になるよう調整を行いましょう。地植えの場合:腐葉土などを混ぜ込む
地植えでの育て方をする場合、腐葉土などを混ぜ込むことで水はけをよくすることができます。腐葉土はホームセンターなどで購入することが可能です。鉢植えの場合
鉢植えでの育て方をする場合、水はけのよい土壌を配合していきましょう。赤玉土7:腐葉土3の配合土など
赤玉土7:腐葉土3の配合土とすると、水はけのよい用土にすることができます。これらもホームセンターなどで販売しています。鉢の大きさによって赤玉土の粒の大きさを変えるとよい
鉢の大きさによって赤玉土の粒の大きさを変えるとよいでしょう。基本的に小粒の赤玉土を使用し、6号鉢以上であれば中粒にします。土の表面を無機質の用土で覆うと害虫予防になる
土の表面を無機質の用土で覆うと害虫予防になります。害虫は植物を枯れさせたりストレスを与える要因となるので、事前に対策しておきましょう。アブチロンの育て方のポイント④肥料
最後のアブチロンの育て方のポイントは「肥料」です。適切に肥料を与えることによって成長のサポートをすることが可能です。元肥として緩効性肥料を施す
元肥として緩効性肥料を施します。緩効性肥料を使う事によって、時間をかけてゆっくりと栄養分を供給し、持続的な成長を促すことができます。春から秋の成長期に緩効性化成肥料を施す
春から秋の成長期に緩効性化成肥料を施しましょう。この期間は開花が続くため、常に栄養分を与え続けるようにします。開花中には液肥を併用してもよい
開花中には液肥を併用するのもおすすめです。液肥を与えることによって追加で栄養分を与えることが可能となります。冬には肥料を与えない
冬には肥料を与えないようにしましょう。冬はアブチロンが休眠状態に入るため、根や茎などの活動は抑制されています。そのため、肥料を与えたとしても効果的に吸収されません。アブチロンの植え替え・植え付け
ここからは、アブチロンの植え替え・植え付けをする方法を説明していきます。植え付け
アブチロンの植え付けをする際はいくつかのポイントがあります。植え付けの時期:春~初夏、秋の暑すぎない時期
植え付けの時期は、春~初夏、秋の暑すぎない時期が適しています。この期間に植え付けを行っていきましょう。苗の選び方
アブチロンの苗を選ぶ際は「樹形や樹高が植えるスペースにあっているか」「害虫が付いていないか」などをチェックしておきましょう。植え付けの手順
アブチロンの植え付けをする手順は以下の通りです。- 場所を選定する
- 土壌や苗を準備する
- 適切な大きさの穴を掘る
- 植え付けを行う
- 植え付けした後は豊富な水を与える
植え替え
ここからは、植え替えをする際のポイントを説明していきます。鉢植えの植え替えタイミング:1~2年に1回が目安
鉢植えでの育て方をする場合の植え替えタイミングは1~2年に1回が目安となります。頻繁に植え替えをしても植物のストレスになってしまうため、ある程度間を空けて植え替えをしましょう。植え替えの時期:4月~6月、9月
植え替えの時期は4月~6月、9月が適しています。4月~6月、9月は気温が高くなってくる時期で、新しい環境に適応しやすくなります。植え替えの手順
アブチロンの植え替えをする手順は以下の通りです。- 新しい鉢や用土を用意しておく
- アブチロンを古い鉢から取り出して根についている土を取り除く
- 新しい鉢に植え替える
- 植え替え後は十分に水やりを行う
アブチロンの増やし方
ここからは、アブチロンの増やし方について説明していきます。アブチロンを増やして適切な育て方をすることによって、長く美しい花を楽しむことが可能となります。挿し木
まず、挿し木で増やす方法があります。挿し木とは植物の茎や葉などを取って、それを新しい株として根付かせることを指します。挿し木は比較的簡単でポピュラーな植物の増殖方法です。挿し木の時期:4月~6月
挿し木の時期は4月~6月が良いでしょう。4月~6月はアブチロンの成長が活発で、挿し木で増やす成功率を上げることができます。挿し木のしかた
挿し木をする手順は以下の通りです。- 挿し木にする部分を選ぶ
- 切り取りを行う
- 切り口に成長促進剤などを塗布して根の発生を促進する
- 挿し木を植え付けする
- 植え付け後は十分に水やりを行う
種まき
種まきでアブチロンを増やすことも可能です。タネが流通している品種もある
アブチロンはタネが流通している品種もあります。そのため、タネから育てていくことが可能です。種まきの時期:5月頃
種まきの時期は5月頃が良いでしょう。5月頃になると気温があがるため、アブチロンが活発に成長していきます。アブチロンのお手入れ
ここからは、アブチロンのお手入れ方法について説明していきます。適切な育て方やお手入れをすることによって、アブチロンを長く丈夫に育てていくことができます。剪定
まずは剪定について説明します。剪定とは、植物の枝や葉などを切り取ることを指し、植物の形を整えたり、不要な箇所を取り除くことで必要な箇所にエネルギーを行き渡らせることができます。剪定することで樹形が整い、新芽がつきやすくなる
剪定することで樹形が整い、新芽がつきやすくなります。また、その新芽にもエネルギーが行き渡りやすくなるというメリットがあります。花がら摘み
花がら摘みは、花びらが散らないようにしたり、古い花びらを取り除くことで新しい花びらにエネルギーが行き渡るようにするため行われます。切り戻し
切り戻しとは植物の一部を切り取ることで、新しい芽や枝にエネルギーを行き渡らせたり、植物の形状を整えることができます。病害虫
アブチロンを育てる際に注意すべき病気や害虫について説明していきます。病気や害虫を予防して、病気や害虫にかかってもすぐに対処していくことによって、植物を健康的に維持していくことが可能となります。立枯れ病
立ち枯れ病にかかると葉の色などが変色し、最終的には死んでしまいます。立ち枯れ病は細菌やウイルスによって引き起こされ、感染が疑われる場合は早急な対応が必要となります。アブラムシ
アブラムシは小さな昆虫で、植物の体液を摂取します。見つけたらすぐに洗浄するなど対策をしましょう。事前に農薬を散布しておくなどの方法もあります。ハマキムシ
ハマキムシとは植物に寄生する昆虫で、植物の組織から汁を吸います。ハマキムシを予防するためには農薬を使用したり、天敵を導入するなどの方法があります。夏越し
アブチロンの夏越しをする場合、これから説明する点に気を付けましょう。水やりは涼しい時間に
水やりは涼しい時間に行ないましょう。涼しい時間に行なうことで水分が蒸発してしまうのを防ぐことができます。薄めた活力剤を与えると夏バテ防止になる
薄めた活力剤を与えると夏バテ防止になります。元気に夏越しをするためにも検討してみましょう。冬越し
冬越しをする場合は次の点に気を付けましょう。冬は特に植物が弱くなりやすいため注意が必要になります。凍結や霜に気を付ける
凍結や霜に気を付けましょう。凍結や霜によって植物が枯れてしまう可能性があります。落葉した場合は枝の先端を少しだけ切って生きているか確かめる
落葉した場合は枝の先端を少しだけ切って生きているか確かめましょう。生きている場合はまた植えなおすことで成長させていくことができます。アブチロンの人気の品種を紹介
ここからは、アブチロンの人気の品種について紹介していきます。初心者でも育てやすい品種なので、是非検討してみることをおすすめします。チロリアンランプ
チロリアンランプはかわいらしい赤い花を咲かせるのが特徴です。花は風船のようにふくらんで、枝につり下がるように咲いていきます。チロリアンランプは植木鉢で育てることも可能ですが、地植えの方が暑さや寒さには強くなります。姫りんご
姫りんごはコンパクトな樹高で小さな鉢植えなどで育てることが可能です。姫りんごは赤ちょうちんとも呼ばれる大輪のかわいい花を咲かせ、つるも風情があり盆栽のような育て方をすることができることから人気があります。初恋
初恋は熱帯魚を思わせるようなカラフルな花を付けるのが特徴です。初恋は春から秋まで花を咲かせて、冬であっても明るい室内に入れることで年中開花させることが可能です。花色は淡いオレンジ色となっています。【まとめ】アブチロンの育て方を紹介!人気の品種から冬の管理のしかたまで解説
ここまで、アブチロンの育て方や植え替え・植え付けの仕方、お手入れ方法や人気の品種について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか? この記事のポイントは、- アブチロンは提灯のような花が特徴で鉢植えや地植えでよく育てられている
- アブチロンの育て方のポイントは「置き場所」「水やり」「土」「肥料」となっている
- アブチロンの植え替え・植え付けは適切なタイミングに行うことが重要
- アブチロンは挿し木や種まきで増やすことができる
- アブチロンには剪定や病害虫の予防、夏越しや冬越しなどのお手入れをする必要がある
- アブチロンにはいくつかの人気品種がある