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春の代表的な花として有名なのがチューリップですね。つぼみのような色とりどりの花と細長い緑の葉は、ヒヤシンスやクロッカスと一緒に咲く景色を見て「春が来たなあ」なんて思う方もいらっしゃるはずでしょう。
「でも我が家は賃貸だし、ガーデニングを楽しむ庭なんてないし」と諦めている方に、この記事はぜひ最後まで読んでいただきたいと思っています。
チューリップを室内で誰でも気軽に育てられたら素敵ですよね。
そこでこの記事では
- チューリップはどのような植物?
- チューリップの水耕栽培に適した時期
- チューリップの水耕栽培に適した容器
- チューリップの水耕栽培に重要な球根の下準備
- チューリップの水耕栽培の手順
- 水耕栽培のチューリップの管理方法
- 水耕栽培におすすめの品種
チューリップはどのような植物?
まずはチューリップはどんな植物かについて、改めて確認しておきましょう。球根植物のチューリップは、種類も花色もたくさんありますよ。チューリップは春の時期に庭を彩る球根植物
チューリップは世界中で人気のある球根植物です。日本にはオランダを通じて江戸時代後期に紹介され新潟県で本格的な栽培に成功して以来、数えきれないくらいの品種が誕生しました。現在品種は5000種を超え、開花時期は早生、中生、晩生、原種と、早春から初夏まで春の時期に庭を彩る球根植物として広く知られています。チューリップの基本情報
チューリップはユリ科チューリップ属の球根植物で、和名の鬱金香はスパイスのウコンに似た香りがするといわれていたことに由来します。 花の色が豊富なのもよく知られていて、白や赤、黄色の原色や花びらの根元から先へかけてピンクのグラデーションになっているもの、緑色のものがあり、ホワイトガーデンやピンクガーデンなど色を統一したい場合にも大活躍です。花の形状は、一重咲きや八重咲、ユリ咲きのほかにフリンジ咲き、パーロット咲きなど、シンプルから豪華なものまで見ごたえがあります。科・属名 | ユリ科 / チューリップ属 |
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原産地 | 中央アジア~北アフリカ |
開花時期 | 3月下旬~5月上旬(開花期間は1~2週間)、原種の開花は3月から |
花の色 | 白,赤,ピンク,オレンジ,黄,緑,紫,黒,複色 |
別名 | 鬱金香(うこんこう) |
鉢植えや庭植え、水耕栽培で楽しむことができる
チューリップは鉢植えや庭植えで育てている方が多いでしょう。長い冬の時期を過ぎて、土から緑の芽が伸びてきた時は春を感じてうれしくなるものです。チューリップの球根は、11月下旬から1月初旬にかけてホームセンターや園芸店で出回ります。チューリップだけ植えて楽しむのも素敵ですし、チューリップの球根を深植えして、その上にパンジーやビオラ、ネモフィラの苗を浅植えする方法もまたおすすめです。 その他にも水耕栽培で楽しむことができるんですよ。チューリップは水耕栽培で育てることができる
主に地植えや鉢植えで楽しまれているチューリップですが、実はヒヤシンスのように水耕栽培で育てることもできます。チューリップの水耕栽培なんて聞いたことない! 腐ったり、うまく芽が出なかったりするんじゃない? なんて疑問に思うかもしれません。 でも安心してください。チューリップもヒヤシンスやクロッカスと同じようにコツを押さえておけば、室内できれいに咲かせることができますよ。水耕栽培とは、養液栽培の一種で、固形培地を使用しないで栽培する手法のこと
水耕栽培って聞いたことはあるけれど、具体的にどんな育て方なんでしょう。普通、花や野菜を育てる場合は屋外で土に植えて育てますね。土や土の代わりになるスポンジなどの固形培地を使わずに、培養液の中で根を育てる方法を水耕栽培といいます。この手法は、養液栽培といわれていて、スーパーでよく見かけるレタスやみつば、トマトやいちごなどもこの手法で育てられています。球根植物の水耕栽培は、球根から根を張らせて養分を使用し、地上部を成長させる
球根植物の水耕栽培は、球根をそのまま水に浸けてしまうと腐ってしまうため穴の開いた受け皿を、水を張った容器の上へ乗せて育てます。球根の下部分を水に浸けて根を伸ばしていきます。球根内に蓄えた養分と水に溶かした養分を使って、私達がよく花屋さんで見かける葉や茎、花の地上部を育てますよ。 いろんなインテリアに合うよう、おしゃれな水耕栽培用のフラワーベースやキットが売られていますから、探してみるのもいいですね。失敗しやすいチューリップの水耕栽培と正しい育て方を解説!
チューリップの水耕栽培をあまり見かけないのは、失敗しやすいといわれているからなんです。でもちょっと待ってください。 チューリップの水耕栽培のコツや、正しい育て方さえわかれば、誰でも気軽にチューリップを育てることができます。失敗しやすい理由や管理のポイントについて、くわしく解説します。ぜひ最後までお読みください。チューリップの水耕栽培に適した時期は?
それではチューリップの水耕栽培に適した時期についてご紹介します。水耕栽培を始めるのは、10月から11月ごろがおすすめ
チューリップの水耕栽培を始めるのは、10月から11月ごろがおすすめです。球根そのものは9月中旬から出回りますが、20℃以上の温度にあたると腐りやすくなり、失敗してしまうことがあります。そのため十分に涼しくなる10月以降に球根を購入してみましょう。 購入後すぐに水に浸けず春化処理という下処理期間を経てから、早ければ3ヶ月から4カ月で花が咲きます。芽出し球根を水栽培に移行する場合は、1月ごろから
1月を過ぎるとホームセンターや園芸店には、芽出し球根が出回り始めます。土から球根の上半分が出て、緑色の芽がにょきっと出ているので見つけやすいでしょう。そのまま育てても構いませんが、土をていねいに水で落として水耕栽培にすることも可能です。初めての方は芽出し球根の状態から育てる方が簡単でおすすめです。チューリップの水耕栽培に適した容器
次にチューリップの水耕栽培にぴったりな容器について解説します。どんな容器がいいのか、ポイントは3点ありますよ。水耕栽培の容器に必要なポイントがあるかを確認しよう
フラワーベースが販売されているコーナーをのぞくと、水耕栽培にぴったりのおしゃれでかわいらしい容器がたくさんあります。いろんな形がありますが、特に球根植物に必要なポイントは、球根を安定して支えられること、水の量を調節しやすいこと、容器を洗いやすいことの3点です。①球根を安定して支えられること
まず一番大切なポイントは、球根がぐらつかずにまっすぐ立たせられることです。専用の容器を見ると、上部の容器の底がろうとのようにすぼまっています。ろうとの穴の部分から水に根を伸ばし、養分を吸収します。この穴の部分のサイズが球根のサイズに合っていれば安定して支えられますから、球根と容器をよく見比べて球根に合うサイズの容器を購入しましょう。②水の量が調整しやすいこと
2つ目のポイントは、水の量が調整しやすいことです。水は多すぎても少なすぎても、上手に育ちません。観葉植物を育てる直線形のグラスは水の量を調整しにくいのでNG。初めての方は上下セパレートタイプがおすすめです。 球根全体が水に浸かってしまうと腐る原因になり、逆に全く浸からないと根が出ないため成長しません。必要な分だけ調整できるような容器を使いましょう。③洗いやすいこと
3つ目のポイントは洗いやすいことです。水耕栽培では水が腐りやすく、何日も水を交換していないと根腐れしてしまいます。毎日水を交換することが大切です。そのため割れやすいものや洗いにくい形状のものは避けましょう。マグカップくらいの高さが扱いやすいのでおすすめですよ。チューリップは根が長く伸びていきますので、5㎝以上10㎝くらいの高さを目安にしてください。おすすめの容器と購入場所
3つのポイントをおさえた上で、おすすめの容器と購入場所についてまとめました。現在は専用キットをはじめ、様々な容器が販売されています。これまで水耕栽培してきた方も初めて育てる方もぜひ参考にしてくださいね。安さにこだわりたい人には100均の花瓶
安く容器を購入したい人には100均ショップの花瓶がおすすめです。以前は観葉植物やハイドロカルチャー用の容器が主流でしたが、園芸コーナーだけでなくインテリア雑貨や食器コーナーにもおしゃれで扱いやすいものがずらりと並んでいます。水耕栽培に向いている形状は、一輪挿しのように上部にくびれがあるもの。ガラスが厚く頑丈なジャム瓶を使うのもいいですね。ホームセンターや園芸店で売られるキットや専用の容器は、失敗が不安な人におすすめ
100均ショップとは別に、水耕栽培専用のキットや容器がホームセンターや園芸店で販売されています。これらは花の品種や色合いなどに制限があったり、ちょっと高かったりしますが、失敗したくない方にはぜひとも試してほしい容器です。キットのものは球根を置く場所が剣山のようになっているものや風通しがいいよう改良されていますから、腐る心配も減るでしょう。ペットボトルで自作の容器を作ることもできる
容器をペットボトルで作ることも可能です。小学校の理科の授業で自分でペットボトルを切って花瓶を作ったりしましたね。 自作する時は、温かい飲み物用のペットボトルが頑丈でおすすめです。250~500mlサイズを用意し、1/3にあたる高さを水平に切って、飲み口を逆さまにはめればOK。倒れないよう、ペットボトルの下部分にビー玉を入れておくのもおすすめ。カッターやハサミで切る時はケガしないように軍手をしておくと安心です。チューリップの水耕栽培に重要な球根の下準備
容器と一緒に準備したいのが球根です。水耕栽培に向いている球根の選び方やきれいに咲かせるための春化処理について解説します。球根の選び方は、表面にカビが生えていなく、腐っていないかを確認
ホームセンターや園芸店でアイスチューリップや春化球根と書かれているものがあります。これらは水耕栽培に適した処理をした球根です。しかし普通に売られている球根を自分で選んでもきれいに咲きますよ。 庭植えや水耕栽培に限らず、表面にカビが生えておらず、堅く締まった大きな球根を選びましょう。黒っぽい斑点がなくつるんとしていて、持つとにんにくのようにみっちりと硬いのが良い球根です。指で持って柔らかい時は中が腐っている可能性があり、植えても育ちません。 また、10月ごろは球根から根が出ていないものを選びましょう。球根を紙袋や封筒に入れて封をし、冷蔵庫で2か月寝かせる
良い球根を選んだら、春化処理という下準備をします。チューリップなどの春に咲く球根植物は寒さに当てて芽が出るように促す必要があります。方法はかんたん。球根を紙袋や封筒へ入れて封をし、冷蔵庫で2カ月寝かせるだけです。早ければ9月中旬あたりから2、3ヶ月冷蔵庫へ入れて2月頃から咲くように調整することも可能です。 寝かせている間に、もし球根にカビが生えたり腐ったりしたら早めに取り除いて他の球根へ感染しないようにしてください。冷蔵庫の中でも霜や氷の付かない場所に保管
冷蔵庫で寝かせる時も、霜や氷のつかない場所がいいですよ。霜がつくと球根が傷んでしまい発根できないことがあるんです。氷も同様です。野菜室や引き出しへ入れておくと、ちょうどよい寒さを維持できる上に忘れることもありません。冷凍庫へ絶対に入れないよう注意しましょう。冬のような環境がないと花芽をつけられないため
春化処理は、ヒヤシンスやクロッカスも同様に冬のような暗く冷たい環境におくことで花芽を伸ばす準備がされます。保管している間は表面に変化がありませんが、水を与え始めると元気よく芽が伸びてきます。寒いだけでなく暗い場所に一定期間おくことで土中へ植えた状態に近づけるんです。冷蔵庫へ入れられない場合は、室内の冷暗所で管理しましょう。球根を容器に入れる前に、表面の茶色い皮を手で剥く
冷蔵庫から出した球根を容器へ入れる前に最後の下準備をしましょう。それは表面の茶色い皮を手でていねいに剥くこと。中の白いニンニクのような表面が出たらOK。茶色い皮をむかないまま水を与えると根が出ないだけでなく、カビが生えたり、腐ってしまいます。玉ねぎの皮をむくようなイメージでていねいに外しましょう。チューリップの水耕栽培のやり方
球根と容器の準備が出来たら、さあ植え付けです。水耕栽培のメリットは室内の狭い場所でも育てられること。簡単なやり方なので、ぜひ挑戦しましょう。1.球根の底がわずかに水にぬれる水位で、容器に水を入れる
まず容器に水をいれます。悩むのがどのくらいの量を入れればいいのかという点です。目安は、球根の底がわずかに水へ濡れる程度。容器の半分までまず水をいれ、球根を設置して下さい。そこから少量ずつ水を足していき、ちょうど良い水位まで入れます。次のみずやり時のために、容器の外側へ水位の印をつけておくとわかりやすいですよ。2.尖ったほうを上にして、球根を容器に入れる
水を入れたら球根を容器へセットするのですが、ここでポイントがあります。球根の尖ったほうを上にして、下のぽってりした方を下にするということです。なぜなら下部分の黄色い部分から発根するからです。そして尖った方からは葉や花茎が伸びていきます。脇芽を取り除いてもそのままでもよい
大きな球根を植え付ける際に小さな脇芽がついていることがあります。今年は小さく花が咲かないかもしれませんが、まれに花が咲くことも。大きな花を咲かせたい場合は脇芽を取り除いて、栄養を親株へ集中させてください。そこまで気にしないという方は、もちろんそのままでも構いません。容器の底にビー玉や小石を入れて見栄えをよくする流行りもある
容器がシンプル過ぎてなんだか味気ないなあなんて思う方は、容器の底にビー玉やカラフルな小石を入れて見栄えをよくするのもおすすめです。花が咲くまでもカラフルになって目でも楽しめます。また、100均ショップで販売しているゼリー状のジェルポリマーを容器へ敷き詰め、水をひたひたにしておくこともきれいな見た目になります。3.発芽するまでは根が十分に伸びるまで、段ボール等で暗い空間を作る
球根を設置したらここで大切な工程があります。それは段ボールなどで暗い空間を作り、そこで根が十分に伸びるまで管理することです。これは冷蔵庫へ入れるのと同じくらい大切で、土へ植えた状態を再現するために必要なんです。根が十分にのびれば、発芽した後も腐ったり溶けたりせずにきれいな花が咲くでしょう。水耕栽培のチューリップの管理方法
水耕栽の場合置き場所や水やり、肥料など管理方法は普通の育て方と一緒なのでしょうか。このトピックでは、水耕栽培中の管理方法についてくわしくご紹介します。置き場所
まずは置き場所です。芽が出るまでの1ヶ月は段ボールをかぶせて暗い場所へ置きます。気温の目安は5℃前後。芽が出てきたら、日当たりの良い暖かい場所へ移動します。植え付け後3か月程度は花茎をのばすために、屋外と同じ気温で管理
そもそも段ボールなどで遮光するのは、冬の寒さを再現するためでもあります。気温は5℃前後。屋外と同じ気温で3ヶ月程度管理してください。ベランダの隅や室内では玄関や廊下などがおすすめです。暖房がついているお部屋だと球根が痛む原因にもなりますので、3ヶ月は花茎を伸ばすためにも寒い場所に置くよう注意しましょう。2~3か月程度たったら日当たりの良い暖かい室内へ移動する
2~3ヶ月経過すると花茎が伸びてきますから、レースカーテン越しの日光が当たる、風通しの良い場所へ移動して管理しましょう。寒い場所から暖かい室内へ移動するのは、疑似的に春の状態にするためです。春になったと勘違いしたチューリップは、つぼみをつけて花を咲かせる準備をしますよ。ただし、室内の気温が20℃以上になるような暖房の効き過ぎる部屋だとカビが生えてしまう可能性がありますよ。水の量と交換時期
水の量と交換時期のポイントはいくつかあります。特に水を交換しないままだとカビが生えて根腐れしやすくなります。不衛生にもなりますから、こまめに交換しましょう。発根するまでは、球根の底に水に触れる程度
球根の底から発根するまでは、球根の底が1、2㎝くらい浅くひたる水位を維持してください。腐るのを防ぐと同時に発根を促すためです。水換えは水が腐ってしまわないように1~2日に1度のペースで古い水を全て捨て、新しく清潔な水を入れてください。発根するまでは水に規定量の発根促進剤を混ぜておくと、よく発根するようになります。根が伸びたら水位を下げ、球根の根元が空気に触れるようにすることが重要
根が順調に伸びてきたら今度は水位を下げます。なぜかというと、根は水分を吸収すると同時に酸素も吸収しているので、根元まで水に浸かっていると酸素が吸収できないからなんです。水位は根の1/3の長さか、1/2の長さが使っていればOK。発根促進剤から規定量の液体肥料へ切り替えて、養分を補充できるよう様子をみてくださいね。水の交換は週に1回程度、水が濁ったら交換する
根が伸びた後は水替えのペースも1~2日に1度から、1週間に1度へ落として下さい。水替えのポイントは、古い水を全て捨て、同時に容器もきれいに洗うことです。水替えのペースが落ちればそれだけ雑菌が繁殖しやすくなるため、球根を腐らせないためにも清潔に保ってくださいね。肥料
肥料はなくても十分育ちますが、適切に与えれば葉や花をキレイに咲かせられます。水耕栽培で使う肥料は2種類。発根促進剤と液体肥料です。効果的に使い分けましょう。根が十分に生えてきたら、液体肥料を水に混ぜる
発根促進剤とは、挿し木などで使うものと同じです。土栽培では元肥があるなど肥料が不要な場合もありますが、水のみではなかなか成長に必要な養分を吸収できません。根が十分に生えてきたら、液体肥料を水に混ぜて使いましょう。どちらも規定量に希釈したものを水に1、2滴垂らすくらいでOKです。水には栄養分がないため、花の成長を促進する
せっかく芽が出たのに花が咲かないなんてこともよく聞きます。球根はそもそも成長に必要な栄養をたくわえるためにありますので、水に栄養分がなくても大丈夫です。花をキレイに咲かせたいなとか、長持ちさせたいなという時に与えてみましょう。 おすすめなのは、薄めずそのまま与えるだけの水耕栽培用ハイポネックスキュートです。希釈する必要がなく、水換えと一緒に与える手軽さなので1本持っておくといいでしょう。水耕栽培におすすめの品種
水耕栽培の管理方法を把握したところで、水耕栽培に向いている品種をいくつかご紹介します。原種チューリップ
原種チューリップとは、一般的に知られているものとは違い、野生種やそれに近い品種のことです。ミニチューリップやワイルドチューリップとも呼ばれ、背丈が全体的に小ぶりなものが多く、草丈が短く地際で咲くタイプやスレンダーな背丈のタイプなどさまざま。花はこぶりでユリ咲きのものが多いですよ。アイスチューリップ
アイスチューリップとは特別な品種のことではなくて、普通のチューリップの球根を冷蔵施設で管理し、低温の中開花するチューリップの総称です。大きな特徴として、どの品種でもうまくいけばアイスチューリップになるため花の色や形が豊富で、さらに開花した花が春よりも長持ちすることが挙げられます。ナーセリーで処理したものやご自身で処理して育てることが大きな魅力になっています。テタテ
赤色の八重咲きといえば定番のテタテという品種があります。草丈はなんと10㎝~15㎝とかなり小さいので、水耕栽培にはぴったりです。テタテという名前はフランス語で秘密のおしゃべりという意味があって、群生している景色はかわいらしく、ベルベットのような豪華な印象があります。昔から人気の高いテタテを小さな花瓶で咲かせてみてはいかがでしょうか。チューリップの花が終わったらどうする?
チューリップの花が終わったらそのあとどうしたらいいの? そんな疑問にもお答えします。水耕栽培したチューリップは土栽培と違う面もあります。花がしおれたらカットして取り除く
水耕栽培で育てたチューリップの花が終わったら、花の部分だけをハサミで切って取り除いてください。まだ咲いている花やつぼみに栄養分を行き渡らせるためにも、こまめにカットしておきましょう。カットした花がらは、新聞紙などの紙に包んで燃えるゴミの回収やコンポストへ入れておけば、堆肥として生まれ変わります。水耕栽培の場合は土植えと違って、花が終わった時点で使い切り
実は水耕栽培したチューリップの球根は花が終わった時点で使いきりなんです。土からの栄養分がないため、球根に蓄えた栄養を使い切ってしまい翌年へ向けた分球をしない場合がほとんど。もし球根を再利用したい場合は、花が完全に咲き終わる前にカットして栄養分を残してください。カットした後は花茎が枯れたら取り除き、日陰で風通しのよい場所で保管してください。チューリップの水耕栽培で根が出ない、花が咲かない原因
最後に、チューリップの水耕栽培でよくあるお悩みにお答えします。根が出ない、または花が咲かないので失敗したとよく聞きます。大きく分けて3つ原因が考えられますよ。お持ちの球根と比べて原因を探ってみましょう。水が腐っているから
水耕栽培のやり方で一番失敗する原因は、水が腐っているから。水換えをさぼると水はあっという間に腐ります。これは球根に付着している雑菌に加え、液体肥料の栄養が繁殖しやすい環境を作るためです。発根して芽が出るまでは、毎日水換えする気持ちで古い水を全て捨て、容器の中も外もていねいに洗って清潔な環境を保ちましょう。春化処理が十分でなかったから
水換えをまめにやっているのに根が出ない、芽が出てこないといったお悩みも多いですね。球根や水が腐っているわけでもないのにそういう症状になった時は、おそらく春化処理が十分でなかったからと考えられます。冷蔵庫へ入れるだけではいけません、霜や氷に当てない場所で温度5℃前後の暗い状態を保つ必要があります。根腐れを起こしているから
春化処理がうまくいっている、水が腐っているわけでもない、それでも葉や茎がしおれて花が咲かない場合根腐れを起こしているからと考えられます。根腐れの原因はいろいろあって、水換えを怠ったことや前年に分球したものや購入したものでもまれに傷んでいて、根が生えてから悪化したなんてことも実は多いんです。そういった球根は根腐れを起こしやすく、みるみるうちに白い根が黒く変色してきます。ていねいに観察しながら育てたいものですね。【まとめ】チューリップの水耕栽培のやり方!時期や容器の選び方まで徹底解説
最後まで読み進めてみていかがでしたでしょうか。ヒヤシンスやクロッカスのように、チューリップも水耕栽培で花を咲かせることができますよ。春化処理や水替え、容器の選び方などいくつかのポイントをおさえておけば、室内できれいな花を楽しめます。
この記事のポイントは
- チューリップは春の時期に庭を彩る球根植物
- 球根植物の水耕栽培は、球根から根を張らせて養分を使用し、地上部を成長させる
- 水耕栽培を始めるのは、10月から11月ごろがおすすめ
- 容器を選ぶポイントは球根を安定して支えられ、水の量が調整しやすいこと
- 水耕栽培専用の容器が売られているほか、自作することが可能
- 球根の選び方は、表面にカビが生えていなく、腐っていないか
- 球根を紙袋や封筒に入れて封をし、冷蔵庫で2か月寝かせる
- 球根を容器に入れる前に、表面の茶色い皮を手で剥く
- 根が伸びるまでは屋外と同じ気温の場所で管理
- 芽が伸びてきたら、室内の日が当たる風通しの良い場所で管理
- 水は1、2日に1度交換する
- 交換する際、容器をきれいに洗い清潔な環境を保つ
- 花が咲き終わったら、ハサミで花の部分を取り除く
以上のことがわかりました。
「我が家は賃貸だけど、ガーデニングを楽しんでみようかな」と思う方はぜひチューリップの水耕栽培に挑戦してみてはいかがでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。