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みなさんは、イワヒバという植物をご存じでしょうか。イワヒバは1つ置くだけで、和の落ち着きのある空間を作り出してくれます。そんな美しい植物のイワヒバですが、育て方は難しいのか気になりますよね。実はイワヒバは丈夫で長寿命なため、育て方が簡単で初心者の方でも栽培しやすく人気があります。
今回この記事では、
- イワヒバ(岩檜葉)とは。
- イワヒバの育て方。
- イワヒバが枯れる原因と対処法。
- イワヒバのお手入れ方法。
そもそもイワヒバ(岩檜葉)ってどんな植物?
育て方をご紹介する前に、イワヒバ(岩檜葉)とはどんな植物なのかについてお話していきます。詳しく知らない方はもちろん、知っている方もおさらい感覚でチェックしていただけると幸いです。岩場に自生しているイワヒバ科に属するシダ植物
イワヒバは、岩場に自生しているイワヒバ科に属するシダ植物です。日本や中国、韓国を中心に盆栽として人気があります。日本では、本州~九州の岩場に自生しています。ハイキングなどの際に、山や岩肌で自生しているのを見かけたことがある方もいるのではないでしょうか。時期によって葉の色が変化し観賞価値が高い
イワヒバは、春には濃い緑色の新芽を出します。その後の初夏にかけて徐々に白黄色の斑が入り、秋には全体が赤く紅葉します。このように時期によって葉の色が変化するため、観賞価値が高く、たくさんの方から人気を集めています。成長速度が遅く盆栽で楽しめる
イワヒバは成長速度が遅いため、盆栽で楽しむことができます。またゆっくりと成長した後、ある一定の大きさになると成長が止まるという特徴も。そのため、こまめにお手入れができない方でも育てやすいといえます。葉がヒバに似ていることが名前の由来
イワヒバは葉がヒバに似ていることから、この名を付けられました。ヒバとはヒノキ科アスナロ属の針葉樹であり、「アスナロ」という別名も。ヒノキやスギと並ぶほどに木造建築物の建材が使用されています。イワヒバと岩松の違いは別称だけで同じ植物
イワヒバと岩松は同一の植物であり、植物の特徴や呼び名の違いはありません。イワヒバはスギやヒノキのように、岩に着生して成長することから、「岩松」と呼ばれるようになりました。 また岩松という別名の他に、「復活草」という別名も存在します。イワヒバが枯れて元気がなくなった際、少しの水分を与えるだけで元気な姿へ復活することから、この名をつけられました。 イワヒバは盆栽では「巻柏」と表記され、江戸時代には品種の番号表が作られたほど人気の高い植物でした。また現在でも、風情のあるイワヒバは非常に人気といえます。イワヒバの育て方のポイント①置き場所
次にイワヒバの育て方のポイント、置き場所について解説していきます。日の光が当たる半日蔭に置く
イワヒバは、日当たりの良い半日陰の場所に置くと良いでしょう。耐陰性があるため、室内で育てることも可能です。定期的に日光浴をさせてあげると、さらに丈夫に育ちます。しかしエアコンの風に当たると葉が傷み、悪影響を及ぼす可能性が高いため、直接当たらないように注意しましょう。夏場の直射日光は葉焼けの原因となるので避ける
イワヒバは日当たりの良い場所を好む植物ですが、夏場に一日中日光の当たる場所に置くと、葉焼けを起こす可能性があるため注意しましょう。夏場には直射日光の当たる場所ではなく、半日陰の場所へ移動させると良いです。また断交ネットなどを使い、半分ほど日光を遮るのもおすすめ。品種や株の大きさにより必要な日照量が変わってくる
イワヒバは品種や株の大きさによって、必要な日照量が変わってくるため、それぞれに合った環境で育てる必要があります。そのため、栽培する前に確認しておくことが大切です。園芸店などで購入する際に、事前にスタッフに聞いておくことがベスト。イワヒバの育て方のポイント②水やり
次にイワヒバの育て方のポイント、水やりについて解説していきます。土の表面が乾燥したら鉢底から流れるまでたっぷり水やりを行う
イワヒバは乾燥に強い植物のため、頻繁に水やりをする必要はありません。土の表面が乾燥したら、鉢底から水が流れるまでたっぷりと与えると良いでしょう。また、天気の良い日に水やりをするのがおすすめです。葉の上から水をかけるように行う
水やりは株元から行うイメージが強いかもしれませんが、イワヒバの場合は葉の上から水をかけるように行うと良いです。葉の上から水やりをすることで、害虫予防や葉の乾燥を防ぐことができます。冬は休眠期なため水やりの必要は無い
イワヒバは11月~3月中旬までの冬の時期には休眠期に入るため、水やりを行う必要はありません。水やりを行うと、かえって根腐れや病害虫が発生する可能性があるため注意しましょう。イワヒバの育て方のポイント③用土
次にイワヒバの育て方のポイント、用土について解説していきます。酸性で水はけと水持ちのよい土を好む
イワヒバを育てる用土には、酸性で水はけと水持ちの良い土を選ぶと良いでしょう。イワヒバは丈夫なため、病気にかかりにくいといえます。しかし過度に湿気が多いと、べと病にかかってしまうことも。べと病にかかってしまうと名の通り植物がべとべとになり、最悪の場合には枯れてしまうケースも少なくありません。 どの用土を選べば良いかわからない場合には、市販の盆栽用の土がおすすめです。市販の盆栽用の土はホームセンターや園芸店で購入することができます。硬めの鹿沼土を使用する
イワヒバの用土には、硬めの鹿沼土を使用すると良いでしょう。鹿沼土は関東ローム層で採取できる酸性の園芸土で、保水性と通気性に優れているため、イワヒバを育てる際の土に最適といえます。鹿沼土に日向土や桐生砂を2〜3割混ぜた配合土でも良い
イワヒバの用土には、鹿沼土に日向土や桐生砂を2~3割混ぜた配合土でも良いでしょう。日向土や桐生砂を混ぜることで、水はけの良い土になり、病害虫を予防することができます。イワヒバの育て方のポイント④肥料
次にイワヒバの育て方のポイント、肥料について解説していきます。基本的に肥料は必要無い
イワヒバは、もともと栄養の少ない過酷な環境で生育していました。つまりイワヒバは少しの養分で生きていくことができ、土や水分によってまかなえます。そのため育て方を守っていれば、肥料を与える必要はありません。またイワヒバは成長速度はゆっくりなため、肥料を与えても効果を実感することはできないでしょう。株が若いときに肥料を施すと枯れる原因になる
イワヒバは若いときに肥料を施すと、かえって枯れる原因になります。そのため、株が若いときに肥料を施すのは避けるのが無難です。肥料を与える場合は4~7月に少なめの緩効性肥料を施す
イワヒバは肥料を与えなくても育てることができますが、肥料を与えたい場合には4~7月に少な目に緩効性肥料を施すと良いでしょう。緩効性肥料は効果が緩やかで、長持ちしやすいため、イワヒバに与える肥料に最適といえます。イワヒバの育て方のポイント⑤枯れる原因と対処法
次にイワヒバの育て方のポイント、枯れる原因と対処法について解説していきます。寿命
イワヒバが寿命で枯れる場合についてお話していきます。イワヒバの寿命は100年以上と長い
イワヒバは花は咲きませんが、成長スピードがゆっくりで、育て方が上手な場合には寿命が100年ほどと長いのが特徴的です。イワヒバが枯れる原因の1つに「寿命」という理由も考えられます。対処法:特になし
イワヒバが枯れてしまう原因が「寿命」である場合には、対処法はありません。そのままにしておくと、菌が繁殖してまわりの植物に悪影響を及ぼすため、寿命で枯れた場合には早めに処分しましょう。過剰な水やり
イワヒバが枯れてしまう原因の1つに、過度な水やりがあげられます。水やりのし過ぎで根腐れを起こしてしまう
イワヒバは水やりをしすぎてしまうと、根腐れを起こし枯れてしまうことがあるため、注意が必要です。また水のやり過ぎは多湿になり、カビなどの病気が発生してしまうことも。対処法:水はけのよい土を使い土が乾燥したら水やりをする
イワヒバが根腐れを起こさないために、水はけの良い土を使うと良いでしょう。また土が乾燥したのを確認出来たら、水やりを行うと良いです。イワヒバは比較的乾燥に強いため、過度に水を与える必要はありません。過剰な肥料やり
イワヒバは肥料を過剰に与えると、枯れてしまうことがあります。肥料をやしるぎると肥料焼けを起こしてしまう
イワヒバは肥料をやりすぎると肥料焼けを起こしてしまうため、与えすぎには充分に注意しましょう。対処法:与えすぎた肥料を取り除く
イワヒバに肥料を与えすぎて肥料焼けをしてしまった際には、与えすぎた肥料を取り除くと良いです。丈夫に育ってほしい思いから、過度に肥料を与えてしまう方は少なくありません。イワヒバは肥料を施さなくても、育て方を守ることで丈夫に育つため、過度に与えるのは避けましょう。イワヒバのお手入れ
次に、イワヒバのお手入れ方法について解説していきます。お手入れを行うことで見た目が良くなることはもちろん、根腐れや病害虫も予防できるため、育て方の重要なポイントといえるでしょう。植え付け
イワヒバの植え付けについて解説していきます。植え付け時期:5~7月頃
イワヒバの植え付け時期は5~7月ごろが最適です。また暖かい地域にお住まいの場合には、9月くらいまで植え替えが可能です。12~3月は休眠期に入ることから、植え付けをしても元気に育たないため、必ず避けましょう。盆栽のように鉢植えに植え付ける場合は浅めの鉢植えを使用する
イワヒバの根はあまり深く伸びないため、盆栽のように鉢植えに植え付ける場合には、浅めの鉢植えを使用すると良いです。庭石に植え付ける場合は石に穴を空ける必要がある
イワヒバを庭石に植え付ける場合には、石に穴を空ける必要があります。穴を空け、用土を入れて鉢植えと同じように植え付けましょう。植え替え
イワヒバの植え替えについて解説していきます。イワヒバは育て方を守っていれば、100年も長生きします。そのため、植え替えは必ず必要といえるでしょう。植え替え時期:5~7月頃
イワヒバの植え替えは、成長期である5~7月頃に行うのが最適です。冬には休眠期を迎えるため、この時期の植え替えは負担になるため必ず避けましょう。2年に1回一回り大きな鉢植えに植え替えする
イワヒバを鉢植えで育てている場合、植え替えは2年に1回の頻度で行うのが最適です。また植え替えの際には、一回り大きな鉢に植え替えると良いでしょう。植え替えの際は絡まった根を解し古い用土を取り払う
植え替えを行う際、絡まった根を解し古い用土を取り払いましょう。この際、割りばしを使うと綺麗に古い用土を取り払うことができます。上手くできない方は、是非試してみてください。剪定
次に、イワヒバの剪定方法について解説していきます。剪定は育て方とは関係ないと思う方も多いかもしれませんが、剪定を行うことで病害虫の予防になります。基本的に剪定の必要は無い
イワヒバはある程度大きくなると成長が止まるため、剪定をする必要はありません。しかし、剪定をすることで見た目が美しくなります。枯れた葉を剪定し風通しを良くすることでカビなどのリスクを抑える
イワヒバは剪定をする必要はありませんが、枯れた葉を剪定することで、風通しが良くなりカビなどのリスクを抑えることができます。剪定する際には、剪定用のハサミを使いましょう。庭で増えすぎているイワヒバは別のヒバの可能性がある
イワヒバは成長がゆっくりであり、ある程度の大きさになると成長が止まります。そのため、庭でイワヒバが増えすぎて悩んでいるという場合には、別のヒバの可能性があるでしょう。 大きく成長するヒバには、イトヒバ・チャボヒバ・ニオイヒバがあげられます。イワヒバは、どれだけ育て方が上手でも、とても大きく育ったり増えたりすることはないでしょう。増やし方:挿し芽
イワヒバは育て方が上手だった場合に、挿し芽をして増やすことができます。挿し芽時期:5~6月頃
イワヒバを挿し芽で増やす場合、時期は成長期に入る5~6月がおすすめです。反対に冬の休眠期に挿し芽をすると、失敗する可能性が高いため、必ず避けましょう。挿し芽の手順
イワヒバの挿し芽の手順を解説していきます。- イワヒバの枝を5㎝ほど切り取る。
- 平鉢に清潔な用土を入れる。
- 切り取った枝を鉢の用土に挿す。
【まとめ】イワヒバの育て方を紹介!置き場所や知っておきたいお手入れ方法まで
今回イワヒバの育て方について解説いたしましたが、いかがでしたでしょうか。 今回の記事のポイントは以下になります。- イワヒバは岩場に自生しているイワヒバ科に属するシダ植物。
- イワヒバは日本や中国、韓国を中心に盆栽として人気がある。
- イワヒバは春に緑色の新芽、初夏には白黄色の斑が入り、秋には赤く紅葉し、時期によって葉の色が変化する。
- イワヒバは成長速度がゆっくりなため、盆栽として楽しめる。
- イワヒバは日当たりの良い場所を好むが、夏場には葉焼けを予防するために半日陰の場所へ移動させる必要がある。
- イワヒバは品種や株の大きさによって必要な日照量が変わってくるため、それぞれに合った環境で育てる必要がある。
- イワヒバの水やりは土が乾燥したら鉢底から水が流れるまでたっぷりと与えると良い。
- イワヒバの水やりは葉の上から水をかけるように行う。
- イワヒバを育てる用土は、酸性で水はけと水持ちの良い土を選ぶと良い。
- イワヒバはもともと栄養の少ない過酷な環境で自生していたため、基本的に肥料を与える必要はない。
- イワヒバの植え付けは5~7月頃に、浅めの鉢で行うと良い。
- イワヒバの植え替えは成長期である5~7月頃に行い、2年に1度の頻度が最適。
- イワヒバは基本的に剪定を行う必要はないが、行うことでカビなどのリスクを抑えることができる。