管理が比較的簡単といわれる
ハイドロカルチャー。土を使わず清潔で、インテリア性も高く初心者にも人気の栽培方法です。一方で、気づいたら虫が発生している!と慌ててしまった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。 ハイドロカルチャーは虫がつかないと聞いていたのに、虫を発見してしまったらショックですよね。そもそも、
「ハイドロカルチャーは虫が発生しない」というのはウソなのでしょうか。虫が発生しないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。 そこでこの記事では
- ハイドロカルチャーでも虫は発生するの?
- なぜ虫が寄ってきてしまうの?
- 虫の発生を防止するには?
- 虫の駆除方法と注意点は?
について解説していきます。 この記事を読んでいただければ、観葉植物のお世話に欠かせない、虫対策を強化することができます。最後には、ハイドロカルチャーにも使える、おすすめの殺虫剤もご紹介しますので
、ぜひ最後までお読みください。
ハイドロカルチャーは虫がよらないが、100%ではない
土を使わず無菌で清潔なハイドロカルチャーは、虫が湧きにくいというメリットがあり、土や虫が苦手な方に人気があります。しかしながら、100%虫がつかないというのは少し誤解があります。
【ハイドロカルチャー】=虫がよらないではない
初心者の中には、ハイドロカルチャーは虫がよらないと聞いて、ハイドロカルチャーを始められた方もいらっしゃるかもしれませんね。そのため、虫対策をしていない方も多いのではないでしょうか。しかし、ハイドロカルチャーであっても、虫がよってきてしまうことはあります。
【ハイドロカルチャー】=土で育てるよりは虫がよらないが正解
ハイドロカルチャーは土を使わないため、虫が寄りにくい栽培方法でありますが、あくまで、全く虫がよらないわけではありません。
土栽培よりは虫が寄らないという理解をしておきましょう。
しっかりとケアをすれば滅多に虫はよってこない
しっかりと虫対策していくことで、虫に悩まされることなくハイドロカルチャーで観葉植物を楽しむことができますので、しっかりと原因と対処法を学んでいきましょう。
ハイドロカルチャーに虫が寄ってきてしまう原因
なぜ、虫がよってきてしまうのでしょうか。原因は主に3つあります。
水やりのしすぎで虫が寄ってくる
ハイドロカルチャーは、水やりのし過ぎによってハイドロボールにカビが生えたり、根腐れを引き起こすことが懸念されます。ハイドロボールにカビが生えた場合は水洗いししっかりと乾燥させると再度使用することができます。また、
根腐れを起こすと観葉植物は異臭を放ち、その異臭に虫が寄ってきてしまいます。
水が痛んでしまっている
ハイドロカルチャーは、水やりの頻度が少なくて管理が楽ですね。だからといって、いつまでも同じ水が入ったままだと、水が痛んできてしまいます。そこにコバエやボウフラが発生してしまのです。 また、ガラスのような透明容器でハイドロカルチャーを育てている場合、成長を促すため日光に当てようと窓辺に置いていると、太陽光で藻が発生しやすくなります。
藻が発生したまま放置することも水が痛む原因になります。 インテリアとしても見た目が悪くなりますので、藻が発生した場合は、別のガラス容器に植え替えしてみるのも検討してみて下さい。
観葉植物の置き場が暑すぎて、温度調整がうまくいっていない
夏場は特に気を付けていただきたいのが、
ハイドロカルチャーを飾る場所です。直射日光が当たる場所や気温が上がりやすい場所に置くと、容器内の水がお湯になってしまい根が煮えて腐ってしまうことがあります。この場合も、水が痛みやすくなり虫の発生の原因となります。
ハイドロカルチャーの観葉植物に付着している虫の種類
虫がよりにくいことがメリットのハイドロカルチャーですが、管理するにあたって注意していただきたい虫を4種類ご紹介します。
アブラムシ
体長1~4mm程度の小さな害虫です。3~10月は活動が活発になります。1度に30個ほどの卵を産みわずか10日で成虫になります。成長速度が速いので
繁殖力が高いという特長があります。茎などの汁を吸い、おしりから甘露(かんろ)という排泄物を出します。この甘露はアリを引き寄せます。また、アブラムシの天敵はテントウムシです。
アリ
アリは春から夏にかけて活動が活発になります。アリは
外から侵入し、植物を歩き回ります。そのため、窓際に観葉植物を置いている場合は注意が必要です。観葉植物の樹液や、アブラムシの排泄物などに引き寄せられます。
コバエ
ハイドロカルチャーに湧くコバエは主に、チョウバエです。細かい毛が生えたハート型の羽が特徴のコバエです。水垢やヘドロなど
不衛生な水回りで繁殖します。水が痛まないように注意しましょう。
トビムシ
トビムシは、春から夏にかけて活動が活発になります。
ジメジメした湿度の高い環境を好みます。そのため、適切な水やりを心掛けましょう。実害はありませんが、表面をピョンピョンと飛び回る小さな虫です。
ハイドロカルチャーに虫がつかない対策
それでは、虫がつかないためにどういったことに気を付ければよいのでしょうか。3つのポイントをご説明します。
屋外で栽培せず、室内で育てる
まずは、虫がつかないようにするには、室内で育てることです。屋外には様々な虫が生息しています。観葉植物に日光を当てようと
外に出したり、
よく開ける窓際に観葉植物を置いているとそれだけ虫がつきやすくなります。室内でも日当たりがちょうどいい場所を見つけ、常に室内で管理するようにしましょう。
水質管理をしっかりと行う!
水の与えすぎや、水が痛んでしまうことで虫が寄ってきてしまうことは前述しましたね。水が痛まないように時々
水を替えたり、暑い日は水が温まってしまわないような場所に置くなどの
管理が必要です。
毎日、観葉植物を観察することが大切
水やりの頻度が少ないので、ハイドロカルチャーを放置していませんか。 できれば毎日目視で、観葉植物の
茎や葉っぱ、葉っぱの裏側などを観察してあげてください。毎日目視でチェックすることで、気づいたら虫が大量発生していた!虫に植物を枯らされていた!という最悪の事態が防げるでしょう。もし、虫が1匹でも見つかればすぐに駆除するようにしてください。 駆除方法はこの後ご説明しますね。
虫を発見した時の駆除方法
それでも、虫が発生してしまうことはあると思います。虫を発見してしまったらどのように駆除したらよいのでしょうか。
手袋をして、1匹ずつ取り除く
軍手などの手袋をして、1匹ずつ丁寧に取り除きましょう。小さい虫は、
ピンセットや割りばしなどがあると取りやすいです。
殺虫剤を観葉植物のまわりに振りかける
虫を見つけたら、殺虫剤をスプレーするのも有効です。発生する虫は小さいのでごく少量でも十分です。また、殺虫剤は必ず、育てている
観葉植物に合ったものを選ぶようにしてください。
ハイドロカルチャーから虫を駆除する時の注意点
駆除方法をご紹介しましたが、ハイドロカルチャーで、虫を駆除する場合、注意してほしいポイントが2つあります。
観葉植物の葉っぱの裏についていることも
見た目には虫がいないようでも、
葉っぱの裏側に寄生する虫もいます。毎日虫のチェックをする際や、駆除する際には葉っぱの裏側に虫が隠れている場合がありますので、葉っぱの裏側もしっかりと確認してください。
殺虫剤を観葉植物にかけないようにする
殺虫剤を観葉植物にはかけないように注意してください。観葉植物もダメージを受けてしまいます。殺虫剤を噴射する際は、ハイドロカルチャーの
容器の内側に向けたり、
発生した虫だけを狙ってスプレーするようにしましょう。
ハイドロカルチャーの観葉植物を守るおすすめ商品
それでは、ハイドロカルチャーにも使用できる、
おすすめの殺虫剤をご紹介していきたいと思います。日頃から虫対策を行いつつ、1本常備して置いてもいいかもしれませんね。
住友化学園芸 殺虫剤 MY PLANTS
作用の異なるフェンプロパトリン、クロチアニジンを配合している殺虫スプレーです。速効成分(フェンプロパトリン)が、葉っぱのべたつきの原因となるカイガラムシを退治してくれます。一方、浸透移行性成分(クロチアニジン)は葉っぱ裏に届き、隠れたアブラムシにも効果があります。
商品名 |
MY PLANTS 虫からやさしく守るミスト |
価格 |
847円 |
容量 |
250ml |
用途 |
殺虫剤 |
特徴 |
葉や枝、茎に発生する虫を退治。スプレータイプの殺虫剤です。 |
住友化学園芸 殺虫殺菌剤
花、庭木、野菜など幅広く使用でき、即効性と持続性を兼ね備えた殺虫殺菌剤です。ペルメトリンという殺虫成分が害虫を素早く退治してくれます。退治するのに大変なアブラムシやハダニにも有効で、植物の病気や治療にも効果を発揮します。散布する際は、マスクや手袋、作業服等を着用してください。
商品名 |
殺虫殺菌剤 ベニカXネクストスプレー |
価格 |
1,495円 |
容量 |
1,000ml |
用途 |
殺虫殺菌剤 |
特徴 |
5種類の成分を配合した殺虫産金スプレーです。 |
イカリ消毒 コバエ駆除
天然防虫菊エキスを有効成分とし、ごみ箱やプランター周辺に飛んでいるコバエを素早く除去します。コバエに直接噴射すると効果的です。また、室内でも使用できますが、観葉植物や動物にはかからないようにしてください。ペットがいるご家庭は特に注意しましょう。生ごみに発生するコバエにも使用できます。
商品名 |
コバエ駆除 コバエ用スプレー |
価格 |
713円 |
容量 |
400ml |
用途 |
水性殺虫剤 |
特徴 |
有効成分:天然防虫菊エキスを含む水性の殺虫剤です。 |
Q&A
ここからは、ハイドロカルチャーをしている際に出てくる虫問題の、よくある質問に回答します。
Q,観葉植物のパキラとに白くて小さな虫がついていました。これはなんですか?
A,カイガラムシ、ハダニ、コナジラミ、トビムシのいずれかの可能性があります。早めに対処しましょう。 パキラには、これらの害虫がつきやすいです。パキラを剪定するなどして、日頃から風通しの良い状態を保ったり定期的に日光に当ててあげることで、これらの虫がつかなくなります。すでに虫がついている場合、駆除方法は前述した方法を参考にしてください。
-
カイガラムシ:葉っぱや枝、幹に貝殻のようなものが付着しています。カイガラムシが寄生すると植物が徐々に弱ってきます。
-
ハダニ:葉っぱに白や褐色の斑点が見られる。葉の汁を吸うので葉っぱ全体が白っぽくなります。0.3~0.5mmほどの小さい虫です。葉の裏に大量発生します。乾燥に強く湿気に弱いので葉水をすると発生を防止できます。
-
コナジラミ:全長3mm以下の小さな虫です。葉の裏に寄生し葉の汁を吸うので葉緑素が抜けて葉っぱが白っぽくなります。排泄物により病気を引き起こします。
-
トビムシ:名前の通り飛び跳ねる白い虫です。ジメジメとした多湿の環境で繁殖します。実害はないのですが、大量発生すると厄介なのですぐに対処しましょう。
Q,ガジュマルの木の部分にアリがいました。木の中を食べられているみたいなことはありますか?
A,アリはガジュマルの木を食べませんが、ガジュマルの腐った木に巣を作っている可能性があります。 黒いアリは白アリのように木を食べることはありませんが、
腐った木を好んで巣を作ります。それによって穴がどんどん広がり、枯れてしまうことがあります。見つけたら殺虫剤などで駆除しましょう。
Q,ハイドロカルチャーでもハイドロボールとゼオライトがあると思います。どちらが虫に効果ありますか?
A,どちらも効果は同じです。 有機肥料を使用しない土か人工用土にすることが虫対策に有効ですが、ハイドロボールもゼオライトも無機質な人工用土の植え込み材です。また、肥料を与える際は化学肥料(有機肥料でないもの)を与えることになりますので、どちらも虫対策に大差はありません。
【虫を撃退】ハイドロカルチャーって虫がつかないの?虫がよってきた時の対処法のまとめ
いかがでしたか。ハイドロカルチャーでの虫対策について解説してきました。 この記事のポイントは
- ハイドロカルチャーは土栽培に比べて虫が寄りにくい栽培方法である
- ハイドロカルチャーで虫が寄ってきてしまう原因は3つある
- 虫対策には、室内で育てる、水の管理、毎日の目視が有効である。
- 駆除する際は、手袋をして取り除くまたは、殺虫剤を使うという方法が有効である。
- 殺虫剤は観葉植物にはかからないようにする。
ということでしたね。 これらを押さえれば、害虫から守りながら、観葉植物を元気に育てることができるでしょう。虫対策をする際は、ぜひこの記事を何度も読み返し、観葉植物にとって心地いい環境づくりを心掛けていきましょう。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。