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皆様はアヤメをご存知でしょうか?アヤメは紫色をした花を持つ可愛らしい植物で、世界各地で古くから親しまれている多年草として知られています。しかし、自宅でも簡単に育てられるそんなアヤメですが、実はアヤメに合った最適な育て方を知っている人は多くないでしょう。
今回の記事では「アヤメの育て方」をメインに、アヤメがどんな植物なのか、またどんなことに意識をしながら育てることでよりすくすくと成長するのかについて、以下の流れで解説して行きます。
- そもそもアヤメはどんな品種の植物なの?基本情報と花言葉を解説
- アヤメの植え方を2種類ご紹介!
- アヤメの種まきと苗植えについて解説
- アヤメの育て方のポイントを3つ解説します!
- アヤメを剪定するにはどうすればいいの?
- アヤメの植え替えを解説
- アヤメの増やし方の株分けをご紹介!
- まとめ
アヤメはどんな植物なの?
それではまずはアヤメがどんな植物なのかについて、基本情報やその特徴、美しい花言葉までを解説していきます。きれいな植物なので、ぜひ基本の生態や花言葉を学んで、最後には贈り物として花言葉を参考に大切な方へアヤメを贈ってみるのもとても楽しいことですよ。それでは解説して行きます。アヤメの基本情報
まずはアヤメの基本情報からお話しして行きます。アヤメはアヤメ科アヤメ属で、日本や中国、ヨーロッパなどの北半球に自生する多年草です。多年草とは、季節が変わっても枯れることなく、毎年花を咲かせる植物のことです。そのため非常に生命力が強いので、ご自宅でも比較的簡単に栽培することができます。 また、アヤメの花の色は紫色か白色の2色があり、花の付け根には黄色い模様も入っています。アヤメのこうした色合いは、花壇での寄せ植えで一つの差し色としても活用できるおしゃれな見た目をしています。 加えて、冬の寒さに耐える耐寒性と呼ばれる性質はやや弱いため、寒すぎてしまう場合などは簡易的な温室を用意するなどして対策する必要もあります。反対に耐暑性と呼ばれる暑さに耐える性質もそこまで強くないため、夏の水のやりすぎは控え、肥料などで適切に栄養を与えながら栽培しましょう。 また開花時期5月~6月頃と言われています。地植えするか鉢植えするかでで生育環境は若干変化しますが、基本的にはアヤメは日光を好むので、直射日光を避けた日当たりの良い場所で生育すると、非常に良く育ちます。反対に日陰ではうまく開花したり成長することができないので、必ず日陰を避けて日当たりの良い場所で育てましょう。地植えの場合は、20㎝ほど盛り土をして育てることで生育が良くなります。アヤメの花言葉:「よい便り」「希望」
続いてはアヤメの花言葉について解説してきます。アヤメには美しい花言葉が2つあると言われています。ここではその2つの花言葉にはどのような由来があってそのような花言葉がつけられているのかについて、詳しくお話しして行きます。 まず、アヤメの花言葉は「よい便り」と「希望」になります。この2つの花言葉の由来は、太古の時代まで遡ります。その昔、神々の王ゼウスの妻ヘラに可愛がられていた美しい侍女イリスは、浮気者のゼウスに何度も求愛されます。困ったイリスは、どこか遠くへ行かせて欲しいとヘラに頼みました。ヘラはその願いを聞き入れ、七色に輝く首飾りをイリスの首にかけ、さらに神の酒を3滴イリスの頭にふりかけます。するとイリスは虹の女神へと姿を変えました。そして、ふりかけられた酒の雫が地上に落ち、それがアヤメ(アイリス)の花になったといいます。アヤメもアイリスどちらもアヤメ属であること、また虹を渡って届けられる便りに由来するので、アヤメ属に共通した花言葉「よい便り」と「希望」は、このアヤメに付けられたと言われています。アヤメの植え方は2種類ある
続いてはアヤメの植え方について解説して行きます。アヤメの植え方には2種類あると言われています。それは鉢植えと地植えです。このどちらで植えても変わりなくアヤメは元気に育つことができます。お好みの植え方にすることも良いですし、お庭や畑などがある方は地植えに挑戦してみるというのもいいでしょう。それでは2つの植え方について詳しくお話しして行きます。鉢植え
1つ目は鉢植えです。鉢植えは名前の通り、鉢にアヤメを植える方法です。鉢植えは何より省スペースで栽培できるのが大きなメリットでしょう。そのため、賃貸マンションやアパートにお住まいの方で、ベランダしか栽培する場所がないといった方には非常におすすめな植え方になります。 また、アヤメの鉢植えは特に排水性に注意して育てることが重要です。そのため、鉢底には必ず鉢底石や鉢底ネットを敷くなどして排水性を高めることはもちろん、用土選びにおいても排水性の高い用土を選び管理することがおすすめです。初心者の方でそういった配慮が難しい方は、スリット鉢と言って鉢にスリット(切れ込み)が入った鉢を使用することで、勝手にそのスリット(切れ込み)から排水を促してくれる便利な鉢です。少なくともこれがあれば、十分な排水が期待できます。うまく排水が行われることで、適度に乾燥した状態と湿った状態が交互に繰り返し行われることで、元気なアヤメを鉢植えでも育てることができます。地植え
2つ目は地植えになります。地植えは先ほどの鉢植えとは違い、庭や畑などの地面の土に植えて栽培する方法になります。地植えは鉢植えよりもしっかりとしたアヤメに育てることができますが、庭や畑などのスペースを持っている方でないと植えることのできない栽培方法でもあります。 アヤメを地植えするときも鉢植えの時と同様に、きちんと排水性を考慮した土作りを意識することが重要です。アヤメを地植えする場合は、先ほどもお話ししたようにウネと言って盛り土をしてあげることで、排水性が高まり、きちんと日の当たる場所で栽培すると良く育ちます。風通しの良い場所に置くことでうまく乾燥と排水が行われ、根腐れといった根が腐ってうまく育たないということも防ぐことができます。アヤメの種まきや苗植えについて
続いてはアヤメの種まきや苗植えについて、どのように栽培し始めるといいのかについて解説して行きます。アヤメを初めて育てる方は、「どのようにアヤメを育て始めたらいいんだろう...」「どのようにアヤメを植え付けたらいいんだろう...」と悩まれる方も多いのではないでしょうか? ここではそういったお悩みのアンサーの「アヤメを植え付けには、種まきや苗植えをするのがおすすめ」というお話と、その手順なども詳しく解説して行きます。それではぜひ最後までご覧下さい。種まき
1つ目は種まきです。アヤメの種は実は市販の園芸店などでは販売されていません。そのため、アヤメの開花が終わる6月ごろに種を収穫します。この種は必ず乾燥させて植えるようにします。種まきでアヤメを栽培する場合、なんと花が開花するまでに3年以上はかかってしまいます。3年以上待っても平気な方、気長に育てて行きたい方にはおすすめの植え付け方法です。 それではアヤメの種まきの手順について解説して行きます。- アヤメの種を用意します。アヤメの種は市販の園芸店などでは販売されていないため、まずはアヤメの開花が終わる6月ごろに種を収穫し、種を乾燥させます。
- 赤玉土(小粒)など種まき用の用土に、十分に乾燥させた種をまきます。
- 優しく軽めに土を種を上にかぶせ、土が乾燥しないよう、土の表面が乾燥したら水やりをして管理しましょう。この時水のやりすぎによる根腐れなどに注意しましょう。
- その後、3〜4週間程度で発芽します。発芽してもなお、③での水やりの仕方と変わらずに栽培して行きます。
- 苗の大きさに応じて植え替えを繰り返し、草丈10cmほどになったら鉢や地面に植え付けて完成です。
苗植え
2つ目は苗植えです。苗植えは、先ほどの種まきよりも非常にハードルの低い植え付けになります。苗は時期や品種によっても異なりますが、ホームセンターやネットショップ、amazonや楽天、園芸店などでも販売されていることもあるため、そちらで用意しましょう。 また苗植えの適期は2~3月と言われています。鉢植えにする場合は、苗の大きさに合わせて苗より一回りほど大きな鉢に植え付けましょう。地植えする場合は、日当たりと水はけのよい場所を選び、株同士の間隔を20cmほど空けて植えるのがおすすめです。 それではアヤメの苗植えの手順について解説して行きます。まずは鉢植えについてです。- ネットショップや園芸店などから用意したアヤメの苗を準備します。
- 準備したアヤメの苗を鉢ポッドから優しく取り出し、古い土を揉んで落として行きましょう。
- 苗より一回り大きな鉢を用意し、鉢底に鉢底石、鉢底ネットを敷いて、排水性の高い土を半分ほど入れましょう。
- 中央に穴を開け、そこにアヤメの苗を入れましょう。
- 苗と土の隙間に、残り半分の土を詰めてバランスを整え安定させていきます。
- 苗が安定したら、水をたっぷりと与え、日当たりの良い風通しのある場所で管理しましょう。
- ネットショップや園芸店などから用意したアヤメの苗を準備します。
- 準備したアヤメの苗を鉢ポッドから優しく取り出し、古い土を揉んで落として行きましょう。ここまでは鉢植えと同じです。
- 地植えする場所に盛り土をし、平らな地面よりも10〜20cmほど高さを出してあげることで、排水性が高まります。
- 優しく穴を開け、そこにアヤメの苗を入れましょう。
- 以降は鉢植え同様に、苗を安定させて水をたっぷりと与えれば完成です。
アヤメの育て方のポイント
続いてはアヤメの育て方のポイントについて解説していきます。育て方において重要なポイントは、「水やり」「肥料」「土作り」の3つあります。この3つがきちんと相互に助け合っているおかげで、アヤメも元気に育つことができますよ。それではまずは「水やり」について解説していきます。水やり
1つ目は「水やり」です。「水やり」は、特に肝心です。アヤメは年中、季節が変わっても枯れることなく毎年花を咲かせる多年草植物なので、基本丈夫な植物です。そのため、鉢植えは、土の表面が乾いたら水をたっぷりと与えましょう。地植えは植え付けから1~2週間は地面が乾かないよう水やりをしますが、その後は自然の雨や空気中の水分を吸収するので必要ありません。肥料
2つ目は「肥料」です。「肥料」は2~3月と、9~10月に、ゆっくりと効く緩効性化成肥料を株元に与えます。肥料は与えすぎると肥料焼けを起こして根腐れなどにつながってしまうので・、肥料は与えすぎないことが重要です。土作り
3つ目は「土作り」です。アヤメの「土作り」において肝心なのは、水はけの良い土を使うことです。鉢植えの場合は、赤玉土小粒7と腐葉土3の割合で配合したものがおすすめです。排水性が非常に高まるので、根腐れや根詰まりの心配がなくなります。初心者の方は市販の草花用の土を使って栽培するのが簡単で良いですよ。また、地植えは、苗を植える際に開ける穴に腐葉土を混ぜて入れてあげるのが良いですよ。アヤメの育て方【剪定方法】について
続いてはアヤメの剪定方法について解説していきます。アヤメはどのように剪定すると良いのか、また剪定をすることでどのようなメリットがあるのかについて、お話ししていきます。花がら摘み
1つ目は「花がら摘み」です。花がら摘みは、しおれていたり、枯れてしまっている花を摘む剪定方法です。しおれていたり、枯れてしまっている花を放置しておくと他の花が枯れる原因にもなってしまうので、そういった役目を終えた枯れた花は、見つけ次第早急に摘んであげましょう。花茎切り
2つ目は「花茎切り」です。花茎切りはアヤメが開花し終わった6月ごろに、花を茎から切る剪定方法です。花が開花し終わったものをそのままにしておくと茎が枯れ、全体の株が腐って傷んでしまう原因にもつながってしまい、また病害虫の発生も促進してしまうので、これも花がら摘み同様、見つけ次第早急に摘んであげましょう。アヤメの育て方【植え替え】について
続いてはアヤメの植え替えについてについて解説していきます。アヤメはいつ植え替えをするのが良いのか、またどのように植え替えをするのかについて、植え替え時期とその方法についてお話ししていきます。植え替えのタイミング:2~3月か、6~7月が適期
アヤメの植え替えのタイミングは、2~3月か、6~7月が適期と言われています。アヤメは生育がよいので根詰まりがしやすい植物です。毎年一回は、鉢植えの場合はこの上記のどちらかの時期に植え替えをするのがおすすめです。地植えには植え替えはいりませんが、3〜4年に一度は株分けも兼ねて植え替えするのも良いでしょう。 鉢植えは先ほどの苗の植え付けと同様のやり方でOKです。もう一度記載するのでぜひ参考にしてくださいね。植え替えの方法
鉢植えの植え替え方法をご紹介します。- ネットショップや園芸店などから用意したアヤメの苗を準備します。
- 準備したアヤメの苗を鉢ポッドから優しく取り出し、古い土を揉んで落として行きましょう。
- 苗より一回り大きな鉢を用意し、鉢底に鉢底石、鉢底ネットを敷いて、排水性の高い土を半分ほど入れましょう。
- 中央に穴を開け、そこにアヤメの苗を入れましょう。
- 苗と土の隙間に、残り半分の土を詰めてバランスを整え安定させていきます。
- 苗が安定したら、水をたっぷりと与え、日当たりの良い風通しのある場所で管理しましょう。
アヤメの増やし方:【株分け】
最後はアヤメの増やし方、株分けについて解説します。ここでは、そもそも株分けとはなんなのか、またアヤメにおいての株分けの方法とはどのようにやるのかなどをお話ししていくので、「初めてアヤメを株分けするので、その増やし方を知りたかった」という方はぜひ最後までご覧ください。株分けとは?
そもそも株分けは、一つの株を2〜3個に分けて、その分けた株を他の鉢に植え替えすることで増やす増やし方になります。アヤメにおいての株分けは、先ほどお話ししたように、植え替えのタイミングの2~3月か、6~7月に植え替えと同時に行うのがおすすめです。株分けの方法
株分けの方法を解説します。- アヤメの株を鉢から引き抜きます。
- 清潔なハサミや手で、アヤメの株が2〜3株になるように分けていきます。
- 分けた株を新しい鉢に植え替えます。植え替え手順は先ほどの「植え替えの方法」と同様です。
- 植え替え終わったら、しっかりと水を与えて完成です。
アヤメ(菖蒲)の育て方!苗植えから適した環境まで徹底紹介のまとめ
いかがだったでしょうか?アヤメがどんな植物であるかやどんな花言葉を持つ植物か、またどのように育て増やせば良いのかがしっかりとご理解いただけたかと思います。 この記事のポイントは以下になります。- アヤメはアヤメ科アヤメ属で、日本や中国、ヨーロッパなどの北半球に自生する多年草
- アヤメの花言葉は「よい便り」「希望」
- アヤメの植え方は、鉢植えと地植えがあり、お好みの植え方や環境に合わせて植えるのがいい
- アヤメを植え付けには、種まきや苗植えをするのがおすすめ
- アヤメの育て方のポイントは、「水やり」「肥料」「土作り」の3つで、特に水はけの良い土を使って育てることが肝心
- アヤメの剪定方法には、「花がら摘み」と「花茎切り」があるが、どちらも放置すると株が悪くなり害虫が発生しやすくなるので見つけ次第早急に摘むのがベスト
- アヤメの植え替えのタイミングは、2~3月か、6~7月アヤメは株分けによって増やすことができる