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白い花が枝に沢山咲いている姿が美しいウツギ。ウツギは、実は清少納言も『枕草子』の中愛でていた花で、日本人が古くから愛した花でもあります。小ぶりな花が主張し過ぎないのが上品で、庭木や生垣としてウツギを家に持つ人は多いです。
ウツギを家に植えたい気もするけど、大きくなるから管理が大変なんじゃないか?鉢植えでも栽培できるのかな?ウツギを家で育ててみたいけれど、ちょっと勇気がという人は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ウツギの育て方に焦点を当てて解説していきます。
- ウツギとはそもそもどんな植物なのか
- ウツギの育て方は難しいのか
- ウツギの育て方で注意すべきことは何か
- ウツギの育て方で特に気を配ることは何か
- ウツギにはどんな種類があるのか
ウツギってどんな観葉植物なの?
ウツギの育て方について知る前に、そもそもウツギとはどんな観葉植物なのかというのを見ていきましょう。ウツギの特徴
ウツギは漢字で「空木」と書く観葉植物で、日本にも自生しています。日本、朝鮮半島に分布するアジサイ科ウツギ属の落葉低木
ウツギは日本や中国に分布するアジサイ科ウツギ属に属する植物で、落葉低木に分類されます。樹高は1mから2.5mほどで、山野に自生する他、崖地、川の土堤など日当たりの良いところに生えます。暑さにも寒さにも強く、これといった管理が必要ないことから庭木として古くから好まれ、特に生垣として用いる人が多いです。ちなみに、ウツギは世界中で約60種ほどあるとされており、うち12種は日本に自生しています。色や形が変わったものも多く、中には紫陽花と見まがうほど紫陽花っぽいウツギもあります。ストローのような空洞の幹と白い花が特徴的
ウツギは、「空木」という漢字からも連想できるように、実は枝や幹の中が空洞になっているのです。イメージとしてはハルジオンの茎のような感じです。ぱっと見は普通の枝ですが、手折ってみると中が空洞になっています。 枝が空洞かどうかは実際に折ったり切ったりしてみないと分かりませんが、ウツギは花も特徴的なので、花で判別することができます。ウツギの花は早ければ5月下旬から7月頭にかけて開花します。花序に白い小さめの花が沢山つき、どれも下向きに花を咲かせるのが特徴です。ウツギの花はちょうど旧暦の4月にあたる卯月に咲くことから、「卯の花」なんて呼ばれてもいます。今でも俳句では初夏のシンボルとして用いられます。ウツギの花言葉
ウツギの花言葉には「秘密」、「古風」、「風情」、「乙女の香り」の4つがあります。秘密
この言葉は、ウツギの幹や枝の空洞部分からきています。一見普通の枝や幹のように見えるのに、実は中はからっぽという事実を秘めているということが「秘密」を連想させるということのようです。古風
ウツギは古くからある植物で、平安時代には貴族が愛でていた記録が残っています。歴史ある花ということで「古風」という言葉が当てられたのでしょう、古き時代を彷彿とさせる上品な姿は美しいですね。風情
この「風情」という言葉も「古風」と同じ意味合いをもたされているようです。特に、ウツギの花の姿が白や淡い紅色の着物に身を包んだ女性のようにも見えるというところから、「風情のある花」と認識されるようになったと言われています。花が群花している姿は風情があって素敵ですね。乙女の香り
「乙女の香り」という花言葉は、ウツギが咲く時期の早乙女と掛け合わせているところがあります。早乙女とは、田植えをする女性のことを言い、田植え時期とウツギの花の開花時期が重なることから、「乙女の香り」という花言葉が生まれたようです。ウツギの風水:家の南西に置くと裏鬼門を守ってくれる
ウツギの風水効果は、南西に置くことで得られると考えられています。ウツギを南西に群生させる、もしくはウツギの鉢を南西に置いて育てることで裏鬼門が守られると言われています。風水を重視される方、家内安全を守りたい方でウツギを育てようと考えているならば、南西で育てることをおすすめします。ウツギの育て方のポイント①:置き場所
ここまでウツギの基本情報を見てきましたが、ここからはウツギの育て方について詳しくみていきましょう。まずは、育て方の第一ポイントとして置き場所についてみていきます。日当たりのよいやや湿り気のある場所を好む
ウツギは日当たりの良い場所を好みます。特に、湿り気のある土を好みますが、乾燥しやすい場所でも育ってくれます。湿り気がある土を好みますが、あまり水はけの悪いところでは根腐れを起こしてしまう可能性が高まるので気を付けましょう。通気性、水はけは良い場所の方が良いです。適度な湿り気がある肥沃な土があれば、そこがウツギを育てるベストスポットとなるでしょう。置き場所・管理温度にはあまり気を使わなくてもOK
ウツギは寒さにも暑さにも強い植物で、乾燥にも耐える力がある強靭な観葉植物です。そのため、越冬するために温度管理をしなくてはならないということもなく、また夏場の強い日差しから極端に守らなくてはならないといったこともありません。育成する場所も日当たりが良ければ基本的にどこでも大丈夫です。西日の当たる乾燥した場所でも育つ強さがあり、管理はとても楽です。観葉植物初心者でも問題なく育てていけるでしょう。ウツギの育て方のポイント②:水やり
育て方の第二ポイントは水やりです。水やりも難しくありませんが、全くやらなくて良いというわけではないので気を付けましょう。地植えの場合
鉢ではなく、庭などに直に植える場合は基本的に水やりはしなくて大丈夫ですが、極度な乾燥時にはしっかり水やりするようにしましょう。基本的に水やりは不要
ウツギは湿り気のある土を好むので、基本的に降雨に任せておけば大丈夫です。しかし、都年によって雨があまり降らないということもあります。そういう時には水をたっぷり与え、水切れが起きないよう注意する必要があります。葉や枝などがいつもより乾燥しているとように見えた時には水を与えるようにしましょう。園芸品種の場合:夏期は水切れしないよう朝十分に水を与える
ウツギの中でも特に園芸品種のものは改良が加えられており、自生するものよりも弱いところがあります。そのため、水切れにはより注意する必要があります。得に夏場は水切れが起きやすいので、毎朝十分に水を与えることを日課にし、ウツギに潤いを与えましょう。鉢植えの場合(春~秋):土の表面が乾いたら朝たっぷりと水をあげる
庭に直に植えて育てず、鉢植えで育てる場合は水切れと根腐りの両方に気を付ける必要があります。春から秋にかけてのシーズンは、水をたっぷり目にあげ、成長を促しましょう。目安としては、土の表面が乾いたタイミングでたっぷりの水をあげるといった感じです。ウツギは少し湿気ているぐらいがちょうど良いので、土の内部が乾いていなくて全く問題ありません。表面だけ乾いてしまったという時に水をしっかりあげてください。ただし、受け皿に残った水はそのまま放置するのではなく、ちゃんと捨てましょう。放置してしまうと根腐れが起きてしまう可能性が高くなってしまうので、気を付けて下さい。鉢植えの場合(冬):生育期より水を控えめにし、少し乾かし気味に育てる
冬はお休み期間に入るので、春から秋にしていた水やりペースよりもゆっくりしたペースで水をあげるようにしましょう。ウツギは湿気が好きですが、冬場に関して言うと、少し乾燥しているかもぐらいの感じでちょうど良いです。ウツギの葉などに潤いが多いと感じる場合は水やりの頻度、量を調整し、少し乾燥させるようにしましょう。ウツギの育て方のポイント③:土
ウツギの育て方の第三ポイントとなってくるのが土です。肥料ではなくどんな土壌でしっかり育つのかというのを見ていきましょう。鉢植えの場合:赤玉土(小粒)5:腐葉土2:黒土3の割合でブレンドする
ウツギは用土をあまり選びません。粘土質の土壌でも育つぐらい頑強な植物ではありますが、家でしっかり育てたいというのであれば、最初の土壌づくりにも力を入れたいものですね。ウツギを植え付ける際には、赤玉土と堆肥、腐葉土が混ざったものを用いると良いとされています。割合としては、赤玉土5対腐葉土2対黒土3です。地植えの場合:土に5割程の腐葉土を混ぜておく
直に庭に植える場合は赤玉土や堆肥などは用いず、腐葉土だけ土に混ぜ、ウツギ用の土壌に整えておくのがベストです。混ぜる量としては、土に対して5割ほどになります。ウツギの育て方のポイント④:肥料
ウツギの育て方の第四ポイントは肥料です。観葉植物と言わず、植物全般育てていく中で大切になってくるのが肥料の存在です。ウツギは全体的に育てるのが楽な植物ではありますが、この肥料やりだけは怠ってはいけません。庭植えの場合
まず庭植えの場合についてみてきましょう。晩秋~冬に与える
庭植えの場合、肥料は11月下旬から2月と6月にあげましょう。成長期の前とお花が咲き終わった後(お礼肥)の2回がウツギにあげる追肥時期になります。株周りに数か所深い穴を掘り、有機物と緩効性化成肥料の混合物を施す
ウツギの肥料には、堆肥などの有機物と緩効性の化成肥料を混ぜたものを用います。株の周囲に何か所か深めの穴を掘って、そこに肥料を入れます。この時、できるだけ地中深くに施すがポイントです。鉢植えの場合:落葉期に緩効性化成肥料を施す
鉢植えの場合は、落葉期に追肥をし、次のシーズン用の栄養をつけさせます。肥料には緩効性のものを用いて下さい。花が散ったあとにお礼肥をする
6月で花が散った後には、お礼肥をしましょう。お礼肥も落葉期に施したのと同じ肥料を用い、株元へ施します。木が花を咲かせるために使った体力を回復させるため
花が終わった後に肥料を与える一番の理由は、ウツギが花を咲かせるために消耗した体力を回復させるためです。ウツギの木を見たことがある方は分かるように、ウツギは細い枝にびっしりと花を咲かせます。花を咲かせるだけでもエネルギーが必要になりますが、あれだけの量を一気に咲かせるにはエネルギー消費量がとんてもないことは容易に想像がつくことでしょう。だからこそ、お疲れ様と労うためにもウツギに追肥を与えることは大切なのです。これを、大丈夫だろうとサボってしまうと、次シーズンの生育が悪くなったり、花が付かなくなったりするので気を付けましょう。化成肥料を地中深くに施す
お礼肥も追肥と同じ緩効性の肥料を用いてあげるのが基本になります。緩効性の化成肥料を地中深くに施し、ウツギの株を守りましょう。もし油かすなどもあるのであれば、肥料と共に地中深くに施すと良いでしょう。追肥は春と秋の2回に分けて与える
追肥は、ウツギが花を付ける成長期の前である冬場(1月前後)と花が終わる頃の6月にあげるのが一般的です。前者は、成長してより良い花を付けるための肥料であり、後者は花を付け終わって御苦労という労いの意も入った肥料になります。どちらか一方を忘れても栄養不足になってしまうので、必ず与えてあげるようにしましょう。【成長したらすること】ウツギの植え替えについて
ウツギの育て方の中でも重要になってくるのが植え替えです。観葉植物初心者の方は植え替えと聞いて面倒だと感じるかもしれませんが、ウツギをきちんと成長させるためにも植え替えは大切になってきます。鉢植えの場合
まずは鉢植えの場合の植え替えについて見ていきます。2~3年に1回植え替えを行う
ウツギは生長がものすごく早い植物というわけではありません。そのため、2年ぐらいは植え替えせずに成長を楽しむことができます。しかし、2年目、3年目にもなってくると鉢が窮屈に感じるようになるので、一回り大きな鉢に移す植え替えをする必要がでてきます。特に大きくさせたいと考えている人は植え替えを積極的にしていきましょう。作業の適期は1月から2月ごろ
植え替えの作業適期は落葉した1月から2月頃、遅くとも3月までにはやっておきたいです。生育期の前に一回り大きな植木鉢に植え替えることで、より伸び伸びと成長することができるようになり、花付きも良くなります。新しい用土を用意し、ひとまわり大きな鉢に植え替える
植え替える際には新しい用土を用意しましょう。鉢は同じ大きさよりも一回り大きな鉢、もしくは二回り大きな鉢を用意し、根が窮屈にならないように配慮しましょう。庭植えにする場合
庭に直植えする場合についてみていきます。12月から3月ごろ
庭に植え替え・植え付けする場合、次期としてはやはり生育期の前にあたる12月から3月にかけてが良いとされています。植物事態も冬眠体制に入っていてあまり成長しない時期なので、生育環境が変わることに対して敏感にもならないため、12月から3月の時期が植え付け時期に適していると言われています。植え付けは冬の落葉する時期に行うが、できるだけ厳寒期は避ける
植え付けする時期は12月から3月の時期ですが、その中でもめちゃくちゃ寒い日というのは避けましょう。基本的にどんな環境でも耐え、成長してくれるウツギですが、寒すぎる日にわざわざ植え付けする必要はないでしょう。寒いながらもしっかり太陽が出て、良い日当たりがある日を選んで植え付けすると良いでしょう。植え付ける場所に腐葉土と堆肥・緩効性化成肥料を混ぜておき、よく耕しておく
植え付ける場所が決まったら、その土に腐葉土、追肥、そして緩効性の化成肥料を混ぜ、土壌づくりをします。混ぜた肥料がしっかり土全体に行き渡るように、混ぜて耕す作業は大切です。ただ、肥料を重ねただけでは意味がないので、しっかり耕すようにしてあげましょう。根鉢の2~3倍の植穴を掘る
木を植え付ける場合は、それなりの深さの穴が必要になりますが、ウツギも例外ではありません。ウツギの場合は、根鉢の2、3倍の植穴を掘りましょう。あまり浅く掘ってしまうと木が倒れたり、根張りが上手くいかなかったりといった問題が出てきてしまうので、できるだけ深く掘るようにしましょう。土を軽く落とした後、30分くらい根に水分をしっかりを吸わせてから植え付けを行う
植え替えを行う際には、まず土から木を抜いて、根に付いている土を軽く払い落とします。それから30分から1時間ほど水に付けて、十分根に水を吸収させてあげます。それから新しい植え替え場所に植え付けてあげるようにします。植え付けたあとはたっぷりと水をあげる
植え付けた後はしっかり水をあげましょう。植え替え前に水を吸収させてるからもう水やりは良いだろうということはありません。植え付けたあとにもたっぷり水をやり、水切れを起こさないようにしましょう。【成長したらすること】ウツギの剪定について
ウツギの育て方の中でも難しさを感じるとしたら、それはウツギの剪定かもしれません。選定は観葉植物初心者にとって少々チャレンジングなことになるでしょう。しかし、やり方さえ押さえれば特に難しくはないので、ここでポイントをしっかり押さえましょう。剪定は1年に1回~2回程度行う
ウツギの剪定は年に1、2回行うのが良いとされています。時期としては、花が終わった6月から7月頃、落葉期の12月から2月になります。12月~3月上旬
生育期の前にあたる落葉期の12月から3月は葉も落ちて枝のラインが見えやすく、剪定する時期としては適期になります。徒長枝を切り詰める
徒長枝は主枝から分岐して上に向かってアホ毛のように伸びてしまっている枝を言います。放置しておくと主枝の邪魔になることはもちろん、樹形を崩す一番の原因になるので、切り詰めておきましょう。込み枝やからみ枝を間引く
剪定することで見た目を美しくします。剪定箇所はアホ毛のように生えている枝、無駄に生えてしまっている枝を中心に考えましょう。また一部込み入ってしまっている枝を間引き、全体のバランスを整えることも忘れずに行いましょう。花が終わった6月中旬
花が終わった直後に行う剪定は主として古い枝の切り捨てです。勢いがいい古株を根元から間引く
古株は基本的に捨てます。特に勢いのある古株は今後出てくるであろう新しい枝の生育、花付きを阻害する恐れがあるので、早めに間引きましょう。枯れた枝を切る
役目を終えて枯れてしまった枝も切り取り、捨てましょう。枯れた枝は見た目にも汚らしい印象を与えるだけではなく、病気や害虫発生の原因にもなりえます。面倒だからと放置せずに、気が付いた枯れ枝はどんどん剪定してなくし、植物の健康を守ってあげましょう。7月中旬以降は花芽ができ始める時期なので、強い剪定はしない
ウツギは、花が開花した後の7月から8月頃に翌年の花芽ができます。8月以降に剪定すると花芽も間違って切り落としてしまう可能性が高いので、やらないようにしましょう。枝と枝が込み入っていない場合は無理に剪定を行わない
ウツギは、実は剪定せずに放置しておいても大丈夫で、花も付きます。ただし、枝は伸び放題伸び、樹形が崩れやすくなるので注意しましょう。ウツギの木を剪定する一番の理由は枝の形を整え、ウツギの木の形や見栄えをよくすることです。特に垣根などに用いている場合はより形にこだわりが出ると思うので、剪定はする必要がでてくることでしょう。しかし、初心者が下手に手を出すと切ってはいけない部分を伐採してしまう可能性があるので、枝と枝が込み入っていないと判断できるようならば、無理に剪定しない方が無難です。切り戻し
ウツギの株が大きくなりすぎてしまったという時や分枝を促し花付きを良くしたいという時には切り戻しがおすすめです。切り戻しとは?
切り戻しとは、思い切って全部の枝を切り、リセットすることを言います。伸びすぎた枝や茎を切り取って株を短くし、植物の形を整える作業になります。切り戻しの作業は3年~4年に一度くらいが目安
切り戻しは毎年行うものではありません。特にウツギは4年から5年かけて株が大きくなるので、4年、5年のタイミングで切り戻しをすることで花付きが良くなります。2月に切り戻しをするとその年は花を見ることができなくなるので注意
切り戻しをする時期としては落葉期の2月頃が適期になります。しかし、強い剪定をした年には花が付かないので、その点は覚えておきましょう。株をバッサリと小さくしてもすぐに芽は出てくるので、花は付かずとも成長を楽しむことはできます。剪定の手間が減るコンパクトな品種・ヒメウツギもおすすめ
ウツギの品種の中でもヒメウツギは剪定が少なくて済むものとして知られており、特に初心者から人気です。ヒメウツギは樹高が20cmから60cmと低いため、とくに剪定が必要ありません。ただし、成長すると横にどんどん広がる性質があるので、多少の剪定は必要になってきます。それでもウツギそのものよりも剪定量は少なくて済むので、ウツギの育て方でも剪定はちょっとよく分からないという方はヒメウツギがおすすめです。さらにウツギを増やす挿し木の方法
ウツギを増やす方法は挿し木が一般的です。挿し木を行う時期:3月中旬~下旬、6月~7月
挿し木を行う時期として良いのは、生育期に入る前の3月中旬から下旬にかけて、もしくは6月から7月にかけてです。挿し木には今年伸びた新梢を用いるとやりやすいので、初心者の人は夏の6月から7月にかけての時期に行うのが良いでしょう。用意するもの
実際に挿し木でウツギを増やす際に必要になってくるものをリストアップしました。容器:ビニールのポットや育苗箱
挿し木をしっかり苗木にする前段階ではありますが、いきなり鉢植えに植えるのではなく、ビニールのポットや育苗箱など仮の家を用意してあげる必要があります。用土:赤玉土
挿し木が苗木になるまでの間に使うのは赤玉土が無難です。挿し木を成長させる時は肥料は特に必要ないので、赤玉土だけ用意してきましょう。4月に行う場合:前年に伸びた枝
4月に挿し木を行う場合は、前年に伸びた枝を用います。予め挿し木をしようと考えているのであれば、新しく伸びてきた枝に目印をつけ、翌年にその枝を挿し木にするようにすると間違いがなくて良いです。もし、前年に伸びた枝かその前の年に伸びた枝かよく分からなくなってしまったという場合にはもう2か月ほど待って、新しく伸びた枝を使うようにすると良いでしょう。6~7月の場合:その年に伸びた枝
夏に挿し木を行う場合、その年に伸びた新しい梢を用います。挿し木計画があるのであれば、新しい梢が出てきた時点で印をつけ、間違えないようにすると安心です。挿し木のやり方
実際の挿し木のやり方は以下の通りです。①枝を先端から15センチほどの長さで切り口が斜めになるように切る
枝の上部分の葉2、3枚は残します。そのまま残しておくと葉から水分が飛んで行ってしまうので、水分蒸発を防ぐために葉の上側半分をカットします。 斜めにカットした茎は1時間ほど水に付けます。⓶下の葉を取り除いて水揚げする
水から揚げた茎についている下の葉は取り除き、枝には半分にカットした葉が3枚ほどついている状態にしておきます。③地面に芽が1つか2つ程出る深さに枝を挿す
用土に割り箸などで穴をあけ、挿し穂の葉が重ならないように挿します。この時、地面に芽が2つほど出る程度になるよう深さを調整します。④日が当たる日陰の場所においてたっぷりと水を与える
根元をしっかり固定したら、日が当たる明るい日陰に場所を移し、水分をたっぷり与えてあげましょう。⑤根が出ると、1ヶ月半程で庭に植え付けることができる
挿し木にして1か月ほどで発根し始めるので、1か月半も経つと庭に植え付けることができるようになります。植え付ける際は肥料入りの培養土を用いて下さい。ウツギによくあるトラブルと対処方法
最後にウツギの育て方でも特に気になるトラブルについてお話します。ウツギにありがちなトラブルを知り、慌てずに対処できるようになると安心です。病気
ウツギがかかりやすい病気といえば、うどんこ病です。うどんこ病
うどんこ病とは、葉に粉をまぶしたように白くなってしまう病気で、悪化させてしまうと葉だけではなく茎など全体に広がってしまいます。見た目にも植物そのものにカビが生えてしまっているようなグロテスクな容貌になってしまうので、見つけ次第葉部分は切り取り、薬を散布するようにしましょう。対処法:殺菌剤を塗布する
うどんこ病が発生してしまったら、専用の薬剤を散布します。既に白カビのように粉で覆われてしまった部分は切り取って捨ててしまうのが良いでしょう。病気発生の予防にもなるので、薬は定期的に散布するように心がけましょう。予防法:日ごろから日当たりと風通しをよくする
うどんこ病が発生してしまう原因としては風通しの悪さがあげられます。ウツギは群生すると葉と葉が重なり、花も所狭しと咲き乱れるので、風通しはどうしても悪くなる傾向にあります。葉や花が密集しているなと感じたら、少し葉を間引くなどして風の通り道を作ってあげると良いでしょう。害虫
ウツギに発生する虫で気を付けたいのはアブラムシです。アブラムシ
植物の生育を阻害する害虫の代表格でもあるアブラムシは、ウツギにも発生しやすいです。アブラムシの糞、アブラムシの持つ針などからウィルスが広がり、植物の活性力が失われたり、老化が進んだりといった事態が起こるのです。対処法:見つけ次第駆除する
アブラムシは窒素が多い植物に吸い寄せられる傾向があります。1匹だけがやってくるというわけではなく、1匹いたら10匹は最低でもいるだろうと思っておいた方が良いぐらい集団で行動します。もし、大切なウツギにアブラムシを見つけたなら、すぐにアブラムシのいる部分をカットして捨てましょう。予防法:早めに殺虫剤を散布しておく
アブラムシを寄せ付けない方法は特にないので、日頃からこまめに殺虫剤を撒いておくようにしましょう。雨上がりは特に念入りに殺虫剤を散布し、とにかくアブラムシが発生しないよう気を配るようにしましょう。ウツギの品種と特徴
ここまでウツギの基本情報、ウツギの育て方について見てきました。ここではウツギの品種についてお話します。マギシェン:白地に濃いピンクの色合いの花
ウツギのマギシェンは、ウツギの赤い花のバージョンです。白地に濃いピンク色の花が可愛らしく、人気が高い品種です。ヒメウツギ:真っ白な花
ヒメウツギは、ウツギをコンパクトにしたような印象の可愛らしいウツギになります。花の色は真っ白で、樹高は最高でも60cm程度と低く、栽培場所を確保できないという方にもおすすめの品種です。ピンクポンポン:名前の通りの手毬のような淡いピンクの花
ピンクポンポンは桜のような淡く可愛らしいピンク色が素敵なウツギです。沈丁花のような花の付き方で、ポンポンとして丸い姿は実に愛らしいです。ピンクポンポンの樹高は1mちょいにまで成長しますが、そこまで大きくはならないので、剪定も楽です。ラズベリーサンデー:マギシェンの小型改良品種
ラズベリーサンデーは、マギシェンの小型改良版で、マギシェンよりも紫色味が強くなっているのが特徴です。ラズベリーサンデーは大きくなりすぎないよう改良されているので、庭植えはもちろん、鉢植え栽培にも適しています。バリエガータ:薄いピンクの花と白の覆輪の斑入り葉が特徴
バリエガータ、別名をオオベニウツギというこの品種は、枝いっぱいに花が付き、ウツギの中でも一際華やかな印象を与えるものになります。花も少し大きめでピンクと白のコントラストが綺麗です。また、バリエガータの葉はちょっと珍し白の覆輪の斑入りで、白ピンク色の花とのコンビネーションも柔らかく、人気です。ウツギは庭に植えてはいけない?噂の真相とは
最後に、「ウツギを庭に植えてはいけない」という噂についてお話します。タニウツギと誤解されていることが噂の原因
「ウツギを庭に植えてはいけない」という噂があるのをご存じですか。 ここまで、ウツギの素晴らしさ、ウツギが生垣や庭木に適していることを散々説明してきて、今さら何を言い出すのかと思われたかもしれません。結論から言うと、「ウツギを庭に植えてはいけない」ということはありません。 では、なぜそんなデマが流行ってしまったのかというと、タニウツギという別の品種と混同されたことにその原因がありました。実は、タニウツギには「火事花」、「死人花」、「葬式花」など、穏やかではない別名(呼称)があります。これは、タニウツギから作られた木の釘で棺桶を留めていたこと、タニウツギから作られた箸で火葬後の遺骨拾いをしていたことに由来しているのです。そのため、家にタニウツギを植えることは縁起が悪いと考えられるようになったようです。タニウツギはウツギ属ではないため、ウツギとは別物
タニウツギはそもそもウツギ属でもありません。タニウツギはスイカズラ科タニウツギ属に属しており、ウツギとは全くの別物だということが分かりますね。色味も艶やかなピンク色が特徴で、白色が売りのウツギとは見た目にも似ていないのです。ウツギはむしろ庭植え向きの植物
タニウツギは葬儀で用いられる植物ということもあり、庭木としては不適切と考えられますが、ウツギは違います。むしろウツギは庭向きの植物であり、縁起も良いので、積極的に取り入れたい植物です。ウツギの育て方を紹介!日々のケア方法やよくあるトラブルの対処までのまとめ
ウツギについて、基礎情報から育て方、品種などについて見てきましたが、いかがでしたでしょうか。ウツギは枝や幹の中が空洞でありながら、意外と強靭で、生垣などにもよく用いられます。今度庭に木を植える際にどれにしようか迷っているという方、ウツギの育て方を知ってウツギも庭木候補に入ったのではないでしょうか。ウツギの花そのものは主張し過ぎないので、上品な美しさは和テイストの庭でも洋テイストの庭でもマッチすることでしょう。 今回の記事でポイントだったのは、- ウツギの育て方の中で剪定が大切だということ
- ウツギの育て方の中で植え替えもしっかりしないといけないということ
- ウツギは管理が比較的楽だということ
- ウツギは庭木にピッタリだということ
- ウツギの育て方は決して難しくないということ