ウンベラータを挿し木で増やそう!失敗しない手順やその後のケアも解説

ウンベラータを挿し木で増やそう!失敗しない手順やその後のケアも解説
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目次

おしゃれな飲食店や美容室のインテリアグリーンとしても多く利用されているウンベラータ。大きなハート形をした、明るいグリーンの葉っぱと、すらっと伸びた高さのある樹形が、室内を素敵に演出してくれますよね。ウンベラータは、丈夫で育てやすいことから、初心者にも喜ばれる人気の観葉植物で、今まさにご自宅でウンベラータを育てているという方もいらっしゃるかもしれませんね。今回はそんなウンベラータの株を増やす方法として用いられる挿し木という方法について詳しくご紹介したいと思います。 そこでこの記事では
  • フィカス・ウンベラータは挿し木に向いている?
  • 挿し木に適している時期は?
  • 挿し木で準備するものは?
  • 失敗しないウンベラータの挿し木の方法
  • 挿し木後のケア方法は?
  • 挿し木したウンベラータはいつ発根する?
  • 挿し木に成功したウンベラータを太くする育て方は?
  • 挿し木以外の増やし方はある?
について解説していきます。 この記事を読んでいただければ、挿し木の手順やその後のケア方法を網羅しながら学ぶことができるので、初めて挑戦するという方でも挿し木による発根を成功させることができるでしょう。今回ご紹介する挿し木は、お気に入りの観葉植物の株を簡単に増やせるため、ウンベラータをお部屋にもっと飾りたい!という方にはうれしい方法ですね。ぜひ最後までお読みください。

フィカス・ウンベラータは挿し木に向いている観葉植物なの?

フィカス・ウンベラータは、「ハート型の葉っぱが可愛らしい」、「曲げ木仕立てがおしゃれ」といわれ、ここ数年で人気が高まっている観葉植物の一つです。そんなフィカス・ウンベラータは挿し木に向いている植物なのでしょうか。また、そもそも挿し木とはどのようなものなのでしょうか。順に解説していきたいと思います。

そもそも挿し木とは?

挿し木とは、枝、茎の一部をカット(挿し穂)し、その切り口から発根させる方法です。挿し木に利用する枝や茎は、切る場所も問わないため、剪定時にカットしたものを再利用することもでき、無駄がない増やし方ともいえます。挿し木による発根は、一般的に2~4週間ほどといわれています。

ウンベラータは発根しやすいため挿し木に向いている

植物によっては挿し穂10本で挑戦しても、発根しないものがありますが、ウンベラータは、ほとんどの挿し穂から発根しやすく、非常に挿し木に向いている観葉植物と言えます。

折れた枝でも挿し木できる場合がある

ウンベラータは生命力が高いため、不注意などで折れた枝でも、発根する場合があります。折れた枝もあきらめず挿し木してみましょう。または、後述する水挿しという方法も試してみると良いでしょう。

初心者でも簡単にチャレンジできる

挿し木は、挿し穂を作り土に挿しておくだけなので、なんといっても手順が簡単で失敗しにくく、初心者の方にも簡単にチャレンジできるのがメリットでしょう。

ウンベラータの挿し木に適している時期

ウンベラータの挿し木に、初めてチャレンジする方にとって、挿し木は非常におすすめである事がお判りいただけたでしょうか。 ここからは、ウンベラータの挿し木に適した時期についてご説明していきたいと思います。

生育期である5〜7月が適している

ウンベラータを挿し木で増やす為には、生育期と言われる5〜7月が最適です。挿し穂からの根も出やすく、枝や茎をカットした親株のウンベラータの回復もスムーズなためです。

秋〜冬の11月以降は避けよう

一方で、秋〜冬の11月以降に挿し木はおすすめしません。その理由は以下の2つです。

根が出ない原因になる

1つ目は、挿し穂から根が出ない原因となるためです。秋以降は、気温も下がり発根の成功率が下がってしまいます。挿し木の適期を守って行うことで「根が出ない!」といった失敗を防ぐことができます。

挿し穂をとるウンベラータも休眠期のため元気ない

2つ目は、親株のウンベラータが休眠期で元気ないためです。 秋も深まってきた11月以降は、ウンベラータの休眠期に当たります。この時期は、親株となるウンベラータは水や栄養分を吸収する力も弱まっています。成長が穏やかな親株から挿し穂をカットすると、親株のウンベラータが回復するために時間を要してしまい、最悪の場合、株が枯れる原因になることもありますので注意しましょう。

ウンベラータの挿し木で準備するもの

それでは、ウンベラータの挿し木で準備するもの9つご紹介します。

挿し穂用のウンベラータ

挿し穂を取るためのウンベラータ(親株)を用意します。生長期の元気なウンベラータを親株にすると挿し木が成功しやすいでしょう。

剪定ばさみ

よく切れる清潔な剪定ばさみを用意しましょう。場合によっては、消毒するなどしてから使用しましょう。

新聞紙などの敷物

作業する際に床に敷きます。床が汚れないように、園芸用のシートや新聞紙等を準備しておきましょう。

ゴム手袋

ウンベラータは、ゴムの木の仲間で、カットした枝の部分から白い樹液が出てきます。その樹液を触ると肌がかぶれることがあるため、ゴム手袋は必ず装着し、樹液が肌に触れないように注意しましょう。

【あったら良い】発根促進剤

必須ではありませんが、やはり、発根促進剤がある事によって発根の成功率が高まります。土に挿す前に、茎の切り口に塗ります。

ウンベラータの挿し穂がさせる大きさの鉢を用意しましょう。発根したことが分かるような、ペットボトルなど、透明のプラスチック容器でも問題ありません。

鉢底ネット

鉢底に敷きます。大きい場合は鉢底穴に合わせて、適宜カットして下さい。

鉢底の石

鉢に鉢底石を入れることによって水はけを良くします。

ウンベラータにあう用土

ウンベラータのあう用土は、「清潔な(新しい)土」「養分が少ない土」「水はけが良い土」という条件があります。挿し木初心者の方は、「挿し木用の土」が市販されていますのでこちらを利用するといいでしょう。バーミキュライトや、小粒の赤玉土も使えますので園芸店やネットショップで探してみてください。

失敗しないウンベラータの挿し木の方法

それでは、実際に挿し木を行う手順について解説していきます。

1. 鉢に鉢底ネット・鉢底石・土の順で入れる

用意した鉢に、鉢底ネット、鉢底石を敷き詰めたら、挿し木用の土を入れます。

2. 切る場所はどこでも良く、7cm程度に切る

親株の枝を切る場所はどこでもよいのですが、7cm程度にカットし挿し穂を作っていきます。ウンベラータの新芽が出る部分を3か所ほど残した挿し穂は、発根がより成功しやすいようです。

3. 挿し穂の上の葉を数枚残して、ほぼ枝だけにする

挿し穂の上の葉(2枚程度)を残して、そのほかの葉はすべて切り落とし、ほぼ枝だけの状態にします。葉を減らしほぼ枝だけにすることによって、葉からの水分の蒸散を防いだり、養分が葉に摂られないようにする効果があります。

4. 残した葉っぱを半分のサイズに切る

3で残した葉っぱを横方向に半分のサイズに切ります。葉脈を中心に葉を折りたたみ、葉の縁側から葉先に向かって切ると綺麗にカットできます。3同様に、残した葉を半分にカットすることで、葉からの水分の蒸散を防ぐことができます。

5. 切断面を斜めに切り、水で洗い流す

挿し穂の下側の切断面を水中で斜めに切ります。斜めに切ることで、切断面の表面積が大きくなり、水を吸収する面積も増えます。またこの時、挿し穂の切断面から、白い樹液が出てきますので、水で洗い流しましょう。

6. 切断面に発根促進剤を塗り、水苔を巻きつける

5の切断面に発根促進剤を塗り、湿らせた水苔を巻き付けます。水苔が無い場合は、7に移ります。

7. 土に挿し穂を挿す

1の土に水をかけて、6の挿し穂を挿します。指や割りばしなどで、土に穴をあけると挿しやすくなります。挿したら、挿し穂の周辺を軽く押さえて安定させます。

8. 水をたっぷりかけて完了

水をたっぷり与えて、日陰の涼しい場所で管理します。また、親株のウンベラータは、通常通りの管理で構いません。しかしながら、挿し穂用に枝や葉をカットしたため、通常より土が乾くスピードが緩やかになるはずですから、親株のウンベラータは、水の与えすぎに注意しましょう。

ウンベラータの挿し木後のケア方法

挿し木が完了したら、その後のケア方法も大切になってきます。挿し木後のケア方法のポイントは3つあります。

日陰の涼しい場所で管理する

挿し穂から発根するまでは、日陰の涼しい場所で管理します。エアコンの風などが当たると乾燥しやすいので、エアコンの風が直接当たらない場所に置いてください。

土が乾燥しないように水やりをする

発根するまでは、土が乾燥しないようにこまめに水を与えていきます。霧吹きで葉水を行うのもよいでしょう。

発根するまで肥料はいらない

発根したら、鉢上げ(鉢に植え替えること)する作業がありますが、肥料は鉢上げ後しばらく経つまで与える必要はありません

その後、挿し木したウンベラータはいつ発根する?

挿し木の手順とその後のケア方法についてご紹介しました。これらをしっかり行うことで発根する可能性がぐっと高まりますので、ぜひおさらいしてみてくださいね。 それでは、ウンベラータの挿し木が発根するためにはどのくらい時間が必要なのでしょうか。

発根するまでに約2〜3週間かかる

ウンベラータの挿し木は、発根するまでにおおよそ2〜3週間ほどといわれています。発根しだしたタイミングのチェックは次をご覧ください。

新芽が生えてきたら発根し出したタイミング

発根しだしたタイミングは、どのように確認したらよいのでしょうか。挿し木後のケア方法を実践することで、ウンベラータの挿し木からしっかりと根が出てくるはずです。そろそろ発根した頃かなと思ったら、挿し穂の様子を観察してみましょう。 新芽や新しい葉が成長してきたら、発根してきたタイミングです。また、発根すると、挿し穂を触った際に抵抗感を感じるようになります。挿し木が成功したかチェックしたい時に実践してみてくださいね。

しっかり成長するまで植え替えはしない

発根が確認出来たら、通常のウンベラータの管理方法に移行します。具体的には、お部屋の中の半日陰に置き、水やりの頻度を落とし、土が乾いたら水を与えていきます。 発根した直後はまだ安定していないため、ウンベラータの根を十分な長さや量に成長させていきます。しっかりと根が成長したら、養分のある土に植え替えます。これを鉢上げと言います。

成長した後の植え替えの手順

ウンベラータの根がしっかりと成長したら、植え替え(鉢上げ)が必要となりますので、ここでは鉢上げについてご説明します。 まずは鉢上げに必要なもの4つをご紹介します。
  • 観葉植物用の土
  • 新しい鉢
  • 鉢底ネット
  • 鉢底石
続いて実際の手順についてご説明します。
  1. 用意した新しい鉢の鉢底に、鉢底ネット、鉢底石を敷く
  2. 鉢に「観葉植物用の土」を鉢の深さの1/3ほど入れる
  3. 発根した挿し穂を、鉢から抜き、優しく手でもみほぐす
  4. ②の鉢に根を置いたら、向きや位置を調整し、「観葉植物用の土」で埋める
  5. 水やりをして挿し木を固定する
挿し木の際の土は、無菌で栄養分の無い土が適していましたが、鉢上げの際は、水はけが良く栄養分のある「観葉植物用の土」が好ましく、こちらに植え替えることによりその後大きく成長しやすくなってきます。また、鉢上げも生長期である5月~9月頃に行うと良いでしょう。

挿し木に成功したウンベラータを太くする育て方

挿し木に成功したウンベラータも、親株のように立派に太く育てたいですよね。ここからは、挿し木で増やしたウンベラータの幹を太くするコツについて解説していきたいと思います。

十分な日光を与える

挿し木に成功したら、ウンベラータを明るい日陰(半日陰)に移動させ、十分な日光を当ててあげましょう。春から秋にかけての暖かい季節は、屋外でウンベラータを育てることもウンベラータを太く成長させてあげるために有効です。しかしながら、ウンベラータは直射日光が苦手な植物です。真夏の直射日光は葉焼けを起こしてしまいますので、その時期は室内に取り込む、遮光するといった工夫が必要でしょう。室内であれば、レースのカーテン越しの日光が当たる窓際などが良いでしょう。

季節に合わせた水やりをする

先にもお伝えした、ウンベラータの生長期である5月~7月に挿し木に挑戦されているかと思いますが、この時期の水やりは、土が乾いてからたっぷりと与えます。霧吹きを使用して葉水も忘れず行いましょう。

生育期には肥料を与える

太く成長させたいのであれば、ウンベラータの生育期には、ぜひ肥料も与えましょう。 春頃は、おおよそ2か月に1度、土の上に固形肥料を置き、夏になったら、この固形肥料にプラスして、2週間に1度、液体肥料を水やりの際に与えても良いでしょう。 しかしながら、肥料は与えすぎると逆効果となります。土の中の肥料濃度が高まり、根が水分を吸収できなくなって枯れてしまうことがあります。「ウンベラータが最近元気ない」と感じた時は、根が傷んでいることもあります。そのような状態のときに肥料を与える際は、通常濃度よりも薄めた液体肥料で葉水してあげましょう。

生長に合わせて植え替えをする

ウンベラータは生長が早く、環境が整えば1年で高さが20cmも伸びることもあります。そのため、定期的に根詰まりを起こしていないかチェックしておきましょう。必要であれば植え替えを行います。植え替えはウンベラータの生長期である5月~9月頃に行い、その際は、一回りずつ大きい鉢に植え替えをしていきます。

ウンベラータは挿し木以外の増やし方はできる?

ウンベラータは、挿し木以外の株の増やし方はあるのでしょうか。

水挿しや取り木で増やすことができる

ウンベラータは、挿し木の他に、水挿し取り木という方法によっても株を増やすことができます。これらの手順について、順に説明していきたいと思います。

ウンベラータの水差しの手順

水挿しは、挿し穂を水に挿して発根させる方法です。透明な容器に挿して飾れば、インテリアとしても楽しむことができるというメリットがあるのが特徴です。水挿しを始めるにあたってまずは下記5つを用意します。
  • ウンベラータ(親株)
  • 清潔なハサミ
  • 園芸用手袋
  • コップなどの容器
手順は以下の通りです。
  1. 挿し穂を作る(作り方は挿し木の際の挿し穂の作り方と同様です)
  2. 水を入れた容器に①を挿す
  3. 水は毎日取り換えます(水に発根促進剤を混ぜても良い)
  4. 9月下旬には、挿し木と同じ方法で鉢上げする
水挿しは、水温が上がりすぎないよう注意が必要です。直射日光を避けた明るい場所で管理しましょう。

ウンベラータの取り木の手順

取り木は、茎の表面を傷つけて発根させる方法で、徒長してしまった株を仕立て直したいときに有効です。取り木を行う際に準備するものは以下の6つです。
  • ウンベラータ(親株)
  • 清潔なナイフ
  • 園芸用手袋
  • 水苔
  • 水苔を密閉するビニール
  • 紐またはゴム
それでは具体的な手順に移ります。
  1. 発根させたい茎の部分を決め、茎の皮を約2cm幅、2mmほどの深さでぐるりと一周、ナイフではぎ取る
  2. こぶし大ほどにした水苔を1~2時間ほど湿らせる
  3. はぎ取った部分に水苔を巻く
  4. 水苔全体をビニールで密閉して紐またはゴムなどで上下をとめる
  5. 一部に穴をあけて水苔が乾きそうになったら霧吹きなどで水を足す
  6. 外から見ても十分根が生長するまで待つ
  7. ビニールを取って根の下で切る
  8. 根の生えた挿し木同様新しい鉢に水苔ごと植え替える

【まとめ】ウンベラータを挿し木で増やそう!失敗しない手順やその後のケアも解説

いかがでしたか。ウンベラータの挿し木方法について解説してきました。 この記事のポイントは
  • ウンベラータは挿し木に向いている観葉植物である
  • ウンベラータの挿し木は5月~7月頃が適期である
  • 挿し穂の切断面は斜めに切る
  • 挿し木後のケアのポイントは3つ 「日陰の涼しい場所で管理する」「土が乾燥しないように水やりをする」「発根するまで肥料は与えない」
  • 発根したら、植え替えを行う(鉢上げ)
  • ウンベラータは、挿し木以外に、「水挿し」や「取り木」でも株を増やすことができる
ということでしたね。 これらを押さえれば、挿し木によって、初心者でも比較的簡単に、ウンベラータの株を増やすことができます。ぜひこの記事を何度も読み返し、挿し木やその後のケア方法のコツをつかんでください。ウンベラータを挿し木で増やすことを楽しみながら、素敵なウンベラータに成長させてくださいね。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。