ハナミズキの育て方を紹介!植え付け方から日々のケア方法まで

ハナミズキの育て方を紹介!植え付け方から日々のケア方法まで
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目次

赤やピンク、白い花で私たちの目を楽しませてくれるハナミズキ。日本の街路樹でもよく見かける、古くから親しみのある花木ですね。そんなハナミズキは、育て方のコツを押さえると、お庭のシンボルツリーとして育てたり、鉢植えでコンパクトに管理することもできることをご存じでしょうか。今回はそんなハナミズキを地植えや鉢植えで育てる方法について詳しく解説していきたいと思います。 そこでこの記事では
  • ハナミズキってどんな植物なの?
  • ハナミズキの植え付け方法は?
  • ハナミズキの育て方のポイント4つとは?
  • 鉢植えのハナミズキの植え替え方法は?
  • ハナミズキの増やし方はどんな方法がある?
  • 剪定の方法は?
  • ハナミズキに起こりやすいトラブルとは?
  • ハナミズキに花が咲かない、枯れた時はどうすればよいの?
について解説していきます。 この記事を読んでいただければ、ハナミズキの育て方のポイントはもちろん、トラブルの対処法までしっかりと学ぶことができます。ハナミズキをご自宅で育ててみようかなと興味が湧いてくるかもしれませんね。 最後にはハナミズキの代表的な人気品種5種類をご紹介していきますので、ぜひ最後までお読みください。

ハナミズキってどんな植物なの?

ハナミズキとはどんな植物なのでしょうか?ハナミズキについてあまりご存じないという方のために、基本情報や花言葉についてご紹介したいと思います。

ハナミズキの基本情報

まずは、ハナミズキの基本情報についてご説明していきたいと思います。

アメリカ東部やメキシコ北東部が原産の落葉樹

ハナミズキは、アメリカ東部やメキシコ北東部が原産の落葉樹です。その昔、日本からアメリカに贈った桜の返礼として、日本にハナミズキが入って来たことが今日のハナミズキの普及に至ったルーツです。今では、庭木や街路樹として多く植えられていますよね。 ハナミズキは樹形が自然と整うため、剪定の手間があまりかからないことや、2~3mほどの、家庭でも育てやすい品種もあることから、一般家庭の庭の植木としても管理はそれほど難しい花木ではありません

果実や紅葉を楽しめる庭木として人気の花木

ハナミズキは、秋になると果実を実らせたり、紅葉を楽しめるため、庭木としても人気の花木です。四季折々の変化を自宅の庭で眺められるのはとてもうれしいですね。

ヤマボウシとの違いは総苞片の先のくぼみの有無と果実

ハナミズキとヤマボウシはよく似ているため混同されている方も多いかもしれません。見分け方は、様々ありますが、花(葉)と果実から見分ける方法をご紹介します。 ハナミズキは、花びらに見える部分の総苞片(そうほうへん)の先がくぼんでいますので、まずはそこに注目してみると良いでしょう。また、ヤマボウシの果実は食用であるのに対し、ハナミズキの果実は食用にはなっていません

ハナミズキの花言葉

続いてハナミズキの花言葉をご紹介したいと思います。

「返礼」

ハナミズキ1つ目の花言葉は「返礼」です。大正時代に、日本からアメリカへ送った桜の返礼品としてハナミズキを贈られたことが由来と言われています。

「永続性」

ハナミズキ2つ目の花言葉は「永続性」です。ゆっくりと成長していくハナミズキの姿から来た花言葉のようです。

「私の思いを受け取ってください」

ハナミズキ3つ目の花言葉は「私の思いを受け取ってください」です。日本からアメリカへ贈った桜の返礼品に「ありがとう」という気持ちがこもったハナミズキが贈られたことに由来していると言われています。 また、ビクトリア王朝時代に、独身の男性が好きな女性にハナミズキの木を贈ったことが由来とされている説もあるようです。

ハナミズキの植え付けのしかた

ハナミズキの植え付けはどのように行うのでしょうか。地植えと鉢植えについて順にご説明していきます。

地植えできるのは北海道南部~中部くらいの地方

ハナミズキは寒さに強いとは言えません。そのため、寒冷地で地植えする場合は、北海道南部~中部くらいまでがベターでしょう。北風の当たらない暖かい場所に植えてください。

鉢植えなら日本全国で栽培が可能

一方、鉢植えなら寒冷地や暖地問わず、日本全国で栽培することが可能です。しかしながら、暖地では、冬期の休眠が不充分になり生育に影響が出やすいため、冬場のみ、日陰の寒いところに移動させるなどの工夫が必要です。

地植え

それでは、地植えの植え付けについて具体的に説明していきます。

植え付けの適期は落葉後の10月下旬~11月と2月下旬~3月

植え付けの適期は、ハナミズキの落葉後の10月下旬~11月2月下旬~3月が良いとされています。寒冷地は、春の植え付け時期を選ぶのがおすすめです。

苗木の根鉢より2~3割大きく植穴を掘り、底に腐葉土と緩効性化成肥料を入れる

ここからは、植え付け方法についてご説明します。 ①まずは、ハナミズキの苗木の根鉢よりも2~3割ほど大きく植穴を掘り、植穴の底に腐葉土と緩効性化成肥料を適当量入れ土と混ぜます

掘った土を戻し、根鉢を崩した苗を地表より少し高くなるように置く

②掘り上げた土を植穴に戻し、根鉢を崩した苗木を置いてください。この時、地表より少し高くなるような位置に調整してください。

根と土の間に土を入れたら水を与え、棒で突いて隙間を埋める

③根と土の間に土を入れたら、水を与えます。棒で優しく突きながら、土と根の隙間を埋め馴染ませます。

根が隠れるように土を被せたら、水が流れないよう盛り土をする

④根が完全に隠れるように土を被せ、水が流れないように盛り土(土手を作ること)をします。これを水鉢と言います。

水やりをし、水がひいたら支柱を立てる

⑤最後に水やりをし、水が引いたら支柱を立てましょう

鉢植え

続いて鉢植えの植え付けについて具体的に説明していきます。

鉢への植え付けは3月に行う

鉢植えへの植え付けは3月がおすすめです。目安として、高さ80cm前後の苗木なら6~7号鉢に植えると良いでしょう。

鉢から苗を取り出し、根鉢をすこし崩して半分くらい土を落とす

①まずは鉢から苗をそっと取り出し、根鉢を少し崩し、半分ほど土を落とします。

根はなるべく切らないようにし、長い根があれば切り詰める

②根はなるべく切らないようにしますが、長すぎる根があれば切り詰めても良いでしょう。鉢底に鉢底石とネットを敷き、根鉢と鉢の間を培養土で埋めていきます。棒などで突き隙間を埋めるようにしながら行ってください。最後に鉢底から流れ出るほどたっぷりと水を与えます。

ハナミズキの育て方のポイント①:栽培場所

ハナミズキの育て方は4つのポイント押さえることが大切です。 まず1つ目のポイントは栽培場所です。

日当たりのよい場所がおすすめ

ハナミズキは日当たりの良い場所を好む植物です。ハナミズキの花を咲かせるためにも日当たりの良い場所での栽培は大切なポイントとなります。

半日陰では花付きが悪く、紅葉がきれいにならないことも

一方で、ハナミズキを半日陰で育ててしまうと花付きが悪くなったり、紅葉が綺麗にならないといったことも見られます。

強い西日や夏場に直射日光が当たる場所は避ける

強い西日や夏場の直射日光が当たる場所は、ハナミズキの株元の乾燥を招いてしまったり弱らせてしまうため避けましょう。

ハナミズキの育て方のポイント②:水やり

2つ目のポイントは水やりです。

地植えの場合

まずは地植えの場合の水やりについて解説していきたいと思います。

根付いた後は基本的に水やりは不要

地植えの場合、植え付け直後であるならば、たっぷり水を与えます。植え付けし根付いた後は基本的に水やりは不要となります。

雨が降らない日が続いて乾燥していたら水やりをする

真夏は雨が降らない日が続くことがあるかと思います。夏場、土が乾いている時は朝の涼しい時間帯に水を与えましょう。

茎や葉が垂れて元気がないときも適宜水やりをする

茎や葉が垂れて元気がない時は、日当たり等の理由で水を必要としている場合があるため、適宜水を与えましょう。この場合も涼しい時間帯に水やりを行ってください。

鉢植えの場合

続いて鉢植えの場合の水やりについてご説明します。

水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと

鉢植えのハナミズキの場合は、こまめに水を与える必要はなく、土が乾いたときにたっぷりあげるのがポイントです。

夏は乾燥していたら朝夕2回水を与える

ハナミズキは乾燥に弱い花木です。夏場は乾燥しているようであれば朝夕の2回水を与えると良いでしょう。

冬の水やりは控えめに

冬場は、ハナミズキが休眠期に入るため、水の吸う力も緩やかになる事や、気温が下がり、土の乾きもゆっくりになるため、水やりは控えめにしていきましょう。

ハナミズキの育て方のポイント③:土

3つ目のポイントは土です。

水はけと通気性がよく、肥沃な土が適している

ハナミズキは、水はけと通気性が良い、肥沃な土が適しています。鉢植えと地植えに適した土に付いてそれぞれ解説していきます。

鉢植えの場合

まずは鉢植え用の土についてご説明していきます。

市販の花木用の培養土がおすすめ

市販の花木用の培養土であれば、樹木用にバランスよく配合されていますので手軽でおすすめです。

赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜたものも

ご自身で土を配合する場合は水はけの良さを意識しましょう。水はけのよい用土の例として、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の配合割合がおすすめです。

地植えの場合

続いて地植え用の土についてご説明します。

植え付け2~3週間前に土づくりをする

植え付け後の根はりをよくするために、植え付けの2~3週間前に土づくりをしておく必要があります。

深さ・直径が50㎝ほどの植穴を掘る

まずは、深さ、直径ともに50cmほどの植穴を掘ります。この植穴は、苗の根がしっかりと埋められるほどの大きさである事がポイントですので、植え付ける苗の大きさによって調整してください。

腐葉土や堆肥、元肥としての緩効性肥料を土に混ぜる

掘り上げた土に、腐葉土や堆肥、元肥となる緩効性肥料をよく混ぜ込み、植穴に戻します。植え付けまでに時間を置くことにより、土が熟成し、植え付け後の根はりが良くなります。

水はけがよくない場合は腐葉土や赤玉土、もみ殻を足す

地植えしたい場所が、粘土質や砂質であったり、水はけの悪い土壌であった場合は、腐葉土や赤玉土、もみ殻を多めに足すと良いでしょう。

ハナミズキの育て方のポイント④:肥料

4つ目のポイントは肥料です。肥料を与える時期は2回あります。

冬(12月~2月頃)に株の周辺に堆肥や有機性肥料を施す

1回目は冬(12月~2月頃)です。12月~2月頃に、N(窒素)、P(リン酸)、K(カリ)が含まれる粒状堆肥であったり、油かすと骨粉を等量混ぜたものなどの有機肥料を、株の周辺に穴を掘って施してください。これらの肥料によって、花付きが良くなったり、紅葉時期に綺麗に色づくことができます。

花後にお礼肥として緩効性化成肥料を施す

2回目は花後です。地植え、鉢植えともに、花後にお礼肥(おれいごえ)として化成肥料を施します。開花によって消耗したハナミズキに栄養を与えることで回復させる効果があります。

【鉢植えの場合】ハナミズキの植え替えについて

ここからは、鉢植えのハナミズキを植え替えする方法について解説していきます。

植え替えのタイミング:2~3年に1回が目安

鉢植えのハナミズキを育てている場合は、根詰まりを防ぐため、植え替えが必要となってきます。鉢が小さいうち(5~6号鉢)は毎年1回、鉢が大きくなってきたら、2~3年に1回が目安となります。

植え替えの時期:12月~3月頃

植え替えは12月~3月頃が適しています。春の新芽が出る前に行うのがポイントです。

一回り大きな鉢と新しい用土を用意する

植え替えには、今植えている鉢よりも一回り大きな鉢新しい用土を準備します。植えかえの新しい用土は赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合が理想とされています。鉢に入れる前に土をよく混ぜておきましょう。

植え替えの際に元肥を施す

植え替えの際は元肥を施します。土に混ぜ込むタイプと、植え替えた後に株元に撒くタイプがありますのでお好みの肥料を使用しましょう。

植え付け後は植物用活力剤を薄めて与えるとよい

植えつけ後は、水やりの際に植物用活力剤を水で薄めたものを与えると根の活着が促進されます。

ハナミズキの増やし方

植物は様々な方法で株を増やすことができます。ハナミズキはどのような増やし方ができるのでしょうか。3つの増やし方をご紹介いたします。

種まき

1つ目は種まきです。

種から発芽して成長することを「実生」という

種から発芽して成長すること、あるいはそのように成長した植物のことを実生(みしょう)と言います。

種まきは花が咲く大きさになるまで6~7年かかるといわれる

種まきで増やす場合は、花が咲く大きさになるまでに6~7年かかるといわれますので、じっくりと育てていきましょう。

花が咲き終わったら晩秋頃に熟した実を採取する

ハナミズキは、花が咲き終わったら実ができます。この実は、晩秋頃に熟しますので、熟した実を摘み取り、中の種を採取しましょう。

中にあるタネを水洗いし、すぐに鉢に入れた培養土にまく

ハナミズキの種は果実の中にあります。 種は乾燥すると発芽しないため、実の中から種を取り出し水洗いします。その後すぐに鉢に入れた培養土にまきましょう。このようにすぐ種をまくことを採りまきと言います。 一方で、翌春にまく場合は、乾かないように気をつけてください。 濡らしたキッチンペーパー等で包み、冷蔵庫で保存しておきましょう。3月頃に水はけのよい土にまいてみましょう。このようなまき方を春まきといいます。

種まき後は発芽するまで土が乾きすぎないようにする

発芽するまで土が乾燥しすぎないように管理します。乾燥してしまうと、発芽しなくなってしまうためです。

発芽後は株の成長に合わせて植え替える

発芽後は、株の成長とともに鉢増し(植え替え)しながら、ハナミズキを大きくしていきましょう。

挿し木

2つ目は挿し木です。

挿し木は難易度の高い増やし方

挿し木は、先ほどご紹介した種まきと、次に紹介する接ぎ木に比べて、難易度が高い増やし方です。

6月頃に新しく出た枝を10㎝ほどに切って腐葉土に挿す

6月の花が終わった頃に、新しく出た枝を10cmほどに切って腐葉土に挿します。花を見終わったらハナミズキは剪定を行いますが、剪定でカットした枝を挿し穂として用意するのが一般的です。

半日陰で管理し、1日1回水やりをする

挿し木にした後は、半日陰で管理し、1日1回水やりをしましょう。発根するまで、土は湿った状態を保つようにします。

接ぎ木

3つ目は接ぎ木です。

花が咲くまでには数年かかる

接ぎ木は花が咲くまで数年かかります。おおよそ開花まで3~5年と言われます。ちなみに市販されている苗は実生苗と接ぎ木苗がありますが、接ぎ木苗の方が主流で、花が咲くのも実生苗より多少早いようです。

接ぎ木とは:台木に接ぎ穂を合わせて一つの株にする方法

接ぎ木は、台木接ぎ穂の2本を合わせて、一つの株として育てる方法です。

種から2~3年育てた株を台木として使う

台木は、種まきから2~3年育てた若木を使用します。

新芽が伸びてから1~2年程度の増やしたい品種の枝を接ぎ穂にする

一方、接ぎ穂は、増やしたい品種の新芽が伸びてから1~2年の若い枝を切り取って使用します。

3月頃に台木となるハナミズキに接ぎ木をする

接ぎ木する場合は、3月頃に台木となるハナミズキに接ぎ穂を接着させます。

台木を根元から切り落とし、切り口の端に切り込みを入れて接ぎ穂を挿す

接着方法は次の通りです。台木を根元から切り取り、切り口の端に縦に切り込みを入れ、接ぎ穂を差し込みます。接着部分はビニールテープなどで固定しましょう。

しっかり固定したら根付くまで全体を腐葉土や土で覆い、乾燥を防ぐ

しっかりと固定出来たら、根付くまでは全体を腐葉土や土で覆い、乾燥を防ぎます。置き場所は、直射日光や雨が当たらない涼しい場所がおすすめです。

ハナミズキの剪定のしかた

植物を育てるうえで剪定というお世話は必ず必要となってきます。ここからは、ハナミズキの剪定の仕方についてご説明していきたいと思います。

ハナミズキは自然と樹形が整うので頻繁に剪定しなくてよい

ハナミズキは生長がゆっくりで、自然と樹形が整うため、頻繁に剪定する必要はありません。しかしながら、庭のスペースが限られている、高さが気になるなどといった場合は、こまめな剪定が必要な場合があります。

剪定のタイミング:不要な枝が伸びて混み合ったら

ハナミズキを剪定するタイミングは、不要な枝が伸びてきて込み合ってきたときです。花が咲き終わった後もしくは、落葉後などもおすすめです。

剪定の時期:11月~3月の休眠期が適期

樹形を整える目的の剪定であれば、ハナミズキの休眠期と言われる11月~3月がベストなタイミングです。ハナミズキが落葉し、剪定する枝も選びやすいでしょう。 また、多くの花芽を付けたい目的であれば、花が咲いた後の5月頃に軽い剪定を行うのが良いでしょう。

用意するもの

それでは、剪定を行う際、用意するものは以下のものです。

剪定ばさみや植木ばさみ

剪定ばさみや植木ばさみです。高枝切りばさみも良いでしょう。はさみはカットできる枝の直径が異なりますので、剪定する枝の大きさに合わせて用意してください。

太い枝を切る場合は剪定のこぎり

枝が硬いため、太い枝を剪定する場合は、剪定のこぎりも準備しましょう。

ガーデニング用手袋

怪我をしないようにガーデニング用手袋や軍手を装着しましょう。

剪定の方法

それでは剪定の方法について解説していきたいと思います。以下の5つのポイントを意識して剪定を行ってみましょう。

強い剪定を避ける

1つ目は、強い剪定を避けることです。強い剪定とは、「たくさんの枝や葉っぱを切る」であったり、「太い枝をとても短く切る」といったことです。花が咲かない原因や枯れてしまう原因となりますので、少しずつ行うようにしましょう。

仕立てたい高さより少し低めに主幹を切る

2つ目は、仕立てたい高さより低めに主幹を切ることです。葉が茂った頃にちょうど良い高さになるでしょう。

枝分かれしている箇所の下部分をカットする

3つ目は、枝分かれしている箇所の下部分をカットすることです。2つ目のポイントで、高さが決まったら、その高さの枝分かれしている箇所のすぐ下を切ります。

不要な枝や伸びすぎた枝を根元から切る

4つ目は、不要な枝や伸びすぎた枝を根元から切ることです。枝の途中で切ってしてしまうと、枝が伸びるために栄養が集中してしまい、花が咲かなくなる原因にもつながります。

花芽が付いている枝は残しておく

5つ目は、花芽が付いている枝を残すことです。花芽は、枝の先にある丸みを帯びたものですが、それを剪定してしまうと、翌年花が咲かなくなりますので、花芽は切り取らないように注意してください。

ハナミズキに起こりやすいトラブル

ここからは、ハナミズキを育てるうえで、起こりやすいトラブルについて解説していきます。病気と害虫に分けて順にご説明していきます。

病気

まずは、ハナミズキがかかりやすい病気についてです。

うどんこ病

ハナミズキはうどんこ病にかかりやすいことが知られています。葉っぱや新芽の表面にうどん粉(白い粉)をまぶしたようになるのが特徴です。放置しても枯れることはないのですが、葉の変色や縮れ、早く落葉するといったことが起こります。梅雨明け頃から発生し始めます。風通しの悪い場所で繁殖しやすい糸状菌(カビの一種)が原因です。

対処法:初期に葉を切り取り、専用の薬剤を散布する

うどんこ病にかかってしまったら、すぐに葉を切り取ったり、または、専用の殺菌剤を散布しましょう。

予防法:風通しを良くし、冬に石灰硫黄合剤を1度散布する

風通しの良い状態を保ちながら、冬に、石灰硫黄合剤を1度散布しておくと、越冬している菌糸を殺すことができます。

害虫

続いて、ハナミズキが苦手な害虫についてご説明します。

コウモリガ

コウモリガとは蛾の一種です。秋頃に産卵され、越冬し孵化した幼虫が悪さをします。コウモリガの幼虫は、ハナミズキの幹や茎の中に入ると、トンネル状に食い荒らしてしまいます。4月~7月頃が被害に遭いやすいようです。

対処法:スミチオン乳剤を穴に入れてふさぐ

対処法としては、スミチオン乳剤を幹の穴に注入し穴をふさいだり、液を含ませたティッシュを穴に差し込みます。

予防法:雑草を取り除く

コウモリガは地上に産卵し、孵化した幼虫は雑草を食べて成長します。そのため、ハナミズキ周辺の雑草はこまめに取り除いておくことを心掛けましょう。

アメリカシロヒトリ

こちらも蛾の一種です。アメリカシロヒトリは葉に卵を産み付け、孵化した毛虫が葉を食い荒らしてしまいます。発生時期は6月あるいは8月下旬~9月中旬が多いようです。

対処法:幼虫が小さいうちに1週間おきに1~2回薬剤を散布する

幼虫が小さいうちに1週間おきに1~2回ほど薬剤(オルトラン、スミチオンなど)を散布し駆除してください。見つけ次第すぐ対処していきましょう。

予防法:落ち葉の下にさなぎを見つけたら捕殺する

落ち葉の下に隠れているさなぎを見つけたら捕殺していきましょう。

花が咲かない場合はどうしたらよい?

一生懸命お世話しているハナミズキ。残念ながら花が咲かないといったこともあります。ハナミズキに花が咲かない場合はどのように対処したらよいのでしょうか。

花が咲かない原因

ハナミズキの花が咲かない原因とは一体何なのでしょうか。花が咲かない4つの原因をご紹介します。

日照不足

1つ目は日照不足です。 ハナミズキは日当たりの良い場所を好む花木です。日照不足だと花が咲きづらくなります。

植えたばかりの若い木は花までエネルギーが回らない

2つ目は若い木である事です。 木が若いと、株を成熟させるために日々栄養を吸収している段階で、まだ、花を咲かせることまでエネルギーが回らないといったことが考えられます。株が充実し大きくなることで花が咲くようになるので安心してくださいね。

土の栄養分が足りない

3つ目は土の養分が足りていないことです。 ハナミズキの肥料は、植え付け時と、その後は年に1、2回与えるのが基本です。緩効性肥料を適した時期に与えましょう。

前の年にたくさん咲きすぎた

4つ目は前年にたくさん花を咲かせたためです。 ハナミズキは隔年で開花する性質を持ちます。ハナミズキに限らず、花を咲かせることは植物にとってとてもエネルギーを使います。前年、たくさん花が咲いたのであれば、今年は体力温存して花の量を減らしているのかもしれませんね。

剪定をして日当たりをよくする

日照不足が原因で花が咲かないと思われる場合には、間引き剪定をして込み合った枝葉をカットしていきましょう。それによって株の日当たりを保っていきましょう。

たくさん花が咲いたらお礼肥をする

花が咲き終わった後に与える肥料をお礼肥と言いますが、花を咲かせ体力を消費したハナミズキを回復させるため、緩効性肥料を与えてください。時期としては、8月下旬〜9月ごろになるでしょう。

毎年安定して花を咲かせるため花が咲きすぎたら摘蕾する

毎年花を咲かせたいという方は、花が咲きすぎないために、摘蕾(てきらい)しましょう。翌年の花付きが悪くなるのを防ぐことができます。

ハナミズキが枯れた場合はどうしたらよい?

しっかりとお世話しているはずなの、ハナミズキが枯れてきた。元気がないといった場合はどのように対処したらよいのでしょうか。

枯れたときの症状

ハナミズキが枯れる時は、いったいどのような症状がみられるのでしょうか。

枝先や葉の付け根に緑の目がない

枝先や、葉の付け根に緑の芽が出ていない場合、残念ながら枯れてしまっている可能性が高いです。

枝先が簡単に折れる、折った断面が乾燥している

ハナミズキの枝先を折ってみましょう。しなって折れないようであれば、生きている可能性もありますが、簡単に折れたり、折った断面が乾燥しているようであれば、その株は枯れているでしょう。

完全に枯れていなければ復活できる可能性も

上記に加えて太い枝もカットしてみてください。太い枝も同様に簡単に折れるのであれば、完全に枯れていますが、そうでなければ、復活できる可能性もあります。

ハナミズキが枯れる原因

ハナミズキが枯れる原因を突き止めておくことで、次育てる株は元気に育てていきたいですよね。考えられる原因を6つまとめましたので、ご紹介します。

植え付け場所の条件が悪い

1つ目は、植え付け場所の条件です。ハナミズキは、日当たりが良い場所、水はけの良い土、風通しの良い場所を好みます。これらに当てはまらない場所や、強い西日が当たる場所に植え付けてるのであれば、植え付け場所を移動させましょう。 後から建物が立ち、日当たりが悪くなった、地下の深くの土質が水はけが悪い土質(粘土質や重機で締固められた地盤)であった場合などもこれに当たります。

植え替えや手入れの時期や方法が適切でない

2つ目は手入れの時期です。夏場に強剪定を行った場合、夏の時期に植え替えを行った場合はハナミズキにとって適期ではないため弱ったり枯れたりすることがあります。

支柱を設置していなかった

3つ目は支柱を設置していなかったことです。支柱は、倒れないように支えるといった役割の他に、根鉢が支柱によって固定されるので、せっかく周囲に伸びだした細根が切れないようにするといった役目もあります。

水不足・水のやりすぎ

4つ目は、水不足または水のやりすぎの可能性です。特に植え付け後の水やりは気を付ける必要があります。直後は、まだ根が張っておらず、根鉢の中の水分だけで生育しているような状態です。そのため、根鉢が乾くとすぐに水分不足となりやすいのです。土が乾いたらたっぷりと水を与え、反対に、周辺の土が十分に湿っているのであれば水やりは控えましょう。

病害虫

5つ目は病害虫による枯れです。ハナミズキを枯らす病害虫で気を付けたいのは、①白紋羽病と②カミキリムシです。①の病気は、カビの一種で、水はけの悪い場所で発生します。②の害虫は幼虫がハナミズキの幹の中を食い荒らし、水を吸い上げることができなくなってしまいます。幹から木くずが出るのですぐわかるでしょう。

除草剤

6つ目は除草剤による枯れです。これは、有効成分が、根から吸収されるタイプの除草剤を使用した場合に枯れることがあります。自分の家では使っていなくても隣の駐車場や庭で使用した場合、薬剤が地下に浸透し、駐車場下や庭の地下に伸びている根から有効成分が吸収されて枯れてしまう場合もあるので注意が必要です。

対処法

それではこれらの対処法についてご説明していきたいと思います。

ネメデールなどを投与する

植え替えの時期が適期ではなかった時に枯れてしまったという場合は、メネデールなどの根の発根を促す薬剤の投与が良いでしょう。弱った木を再度移植、植え替えするのは株にダメージが大きく、枯れるリスクがより高まるのでやめておきましょう。

水はけと風通しの良い場所に植え替える

植え付けている場所が原因だった場合は、早めに水はけが良くと風通しの良い日なたに植え替えることをおすすめします。

水不足の場合はしっかりと水をやる

水不足が原因で枯れたと考えられる場合は、枯れたと思ってもしばらくの間、しっかりと水やりを行いましょう。回復することができるかもしれません。

根腐れの場合は掘り起こして処置する

土壌の質が原因で根腐れを引き起こした場合は、掘り起こして土壌を改良する必要があります。深さ1mほど掘って腐葉土や緩効性化成肥料と土を混ぜ、水はけの良い土にしていきましょう。

植え替えの失敗の場合は地表の枝を短くする

枯れる原因が植え替えの失敗という場合は、地表の枝を短くカットして根の負担を軽くすると良いでしょう。

育てるのが難しい場合は盆栽などから挑戦するとよい

庭木として育てるのが難しい、ハードルが高いと感じるのであれば、盆栽などミニサイズから挑戦してみるのもおすすめです。盆栽仕立てのハナミズキは園芸ショップやネットショップなどで購入することができます。

ハナミズキの種類

ここからは、ハナミズキの種類を5つご紹介したいと思います。

クラウドナイン:白花系の代表種で花付きがいい

クラウドナインは、白い大輪の花を咲かせるタイプで、白花系のハナミズキのなかでは代表的な品種です。寒冷地でも育つ品種で、花付きが良いですが、毎年は咲かず隔年で咲くことが多いようです。クラウドナインの樹高は約3m~6m、幅は約3m~6mほどに成長します。ハナミズキの中ではやや小ぶりです。

レッドジャイアント:日本生まれの紅花系で大輪の花を咲かせる

レッドジャイアントは、日本生まれの品種で、春には濃い赤色の大輪の花を咲かせます。花付きもよく育てやすいため観賞用としても人気が高く、華やかなシンボルツリーとなること間違いありません。レッドジャイアントの樹高は約4m~8m、幅は約4m~8mほどに生長します。

ジュニアミス:紅花底白の中輪種で花付きがよく、鉢植え向き

ジュニアミスは、紅花底白といわれる、花の外側はピンク色、中心が白色の中輪種です。桜が咲き終わりの頃に開花します。花付きがよく、鉢植えにも向いています。秋は葉が落ちにくく、長く鑑賞できるのもジュニアミスの特徴です。

チェロキーチーフ:紅花系の代表種

チェロキーチーフは、紅花系のハナミズキの代表的な園芸品種です。花は薄紅色の大輪で、葉の緑とのコントラストも美しいと言われています。チェロキーチーフは古くから親しまれ、街路樹などにも多く利用されている品種のため、日本各地で見ることができます。

ステラピンク:ヤマボウシとの交配品種で、丈夫な品種

ステラピンクは、ヤマボウシとハナミズキを交配してできた品種です。こちらの品種は、丈夫で寒さや乾燥に強いので、寒冷地でも栽培することができます。さらに、ステラピンクはうどん粉病にかかりにいくく、育てやすい品種です。5月〜6月頃になると薄ピンク色の花が楽しめます。

ハナミズキの育て方を紹介!植え付け方から日々のケア方法までのまとめ

いかがでしたか。ハナミズキの育て方について解説してきました。 この記事のポイントは
  • ハナミズキは、アメリカ東部やメキシコ北東部が原産の落葉樹で、果実や紅葉を楽しめる花木である
  • ハナミズキは、北海道南部~中部くらいの地方であれば地植えできる
  • 鉢植えであれば日本全国育てることができる
  • ハナミズキを育てるポイントは「栽培場所」「水やり」「土」「肥料」
  • ハナミズキの増やし方は「種まき」「挿し木」「接ぎ木」
  • 起こりやすいトラブルは「うどんこ病」「コウモリガ」「アメリカシロヒトリ」
ということでしたね。 これらを押さえれば、ご自宅でもハナミズキを育てることが可能ということがお判りいただけたのではないでしょうか。春には花、秋には紅葉とハナミズキを年中楽しむことができますね。ぜひこの記事を何度も読み返しながら、ハナミズキのお世話のポイントを日々実践していってくださいね。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。