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インテリア性の高さから、観葉植物の中でも特に人気が高いポトス。ポトスは成長とともにツルを伸ばしていく姿が可愛らしいですよね。 しかし、ポトスを育てている方の中には、「冬になるとポトスの元気がなくなる」「冬になったらポトスが枯れてしまった」という方も多いのではないでしょうか。実は、耐寒性が弱いポトスを冬越しさせるには、丁寧なケアが必要なのです。 そこで、本記事では、
- ポトスの特徴
- ポトスを冬越しさせるための育て方
- ポトスが冬に枯れる原因
- ポトスが元気がないときの対処法
- 冬のポトスのお手入れ
- 水耕栽培のポトスの冬の管理法
などについて詳しく解説します。これまでポトスの冬越しが上手くいかなかった方も、本記事を読めば冬もポトスを元気に育てられます。ぜひ最後までご覧ください。
関連記事:ポトスの育て方|室内での管理法から水栽培の仕方まで徹底解説
ポトスはどんな観葉植物?
ポトスの特徴を知ることは、適切に冬越しさせるヒントになります。まずは、ポトスの原生地や性質などについて確認しておきましょう。ポトスは東南アジアのソロモン諸島などの熱帯地域に自生する
ポトスは、東南アジアのソロモン諸島など熱帯地域に自生するつる性植物です。観葉植物用としては、30~40cmほどの大きさのものが主流ですが、自生地ではなんと数十mまで成長するものもあるんだとか。また、ポトスは丈夫な性質があるため、手間をかけずともつるをぐんぐん伸ばして成長していってくれます。初心者さんでも安心して育てられますよ。耐暑性は強いが、耐寒性は弱く冬の寒さは大敵
前述の通り、ポトスは熱帯地域に自生する植物であるため、耐暑性は非常に強いです。一方で、寒さには弱いため冬越しの際には丁寧にケアしてあげる必要があります。品種が豊富で自分の園芸レベルに合わせて育てられる
ポトスの品種は原種・園芸品種を合わせると約100種類だといわれており、一般的に流通しているものでも30種類ほどあります。特徴やサイズも品種によってさまざまなので、自分の園芸レベルに合わせて育成可能です。園芸初心者の方には、ポトスライム・ゴールデンポトス・ポトスエンジョイなどがおすすめです。ポトスを冬越しさせるための育て方
前述の通り、ポトスは耐寒性が弱い植物です。そのため、冬時期は1年の中でも特に丁寧にケアする必要があります。ここでは、ポトスを冬越しさせるための基本の育て方について解説します。外気温が8℃以下になり始めたら、必ず暖かい室内で育てる
耐寒性の弱いポトスは、気温が8℃以下になると枯れてしまいます。そこで、8℃を下回るようになったら必ず室内に移し、温かい場所で管理しましょう。室温は15℃以上にキープするのが理想です。くれぐれも8℃以下にならないよう気を付けてください。適度に日光に当てるようにする ※窓際は冷えるので注意
ポトスはもともと日光を好む植物です。そのため、冬でも適度に日に当ててあげるようにしましょう。ただし、窓際は気温が下がるので、管理する場所には注意が必要です。日光を当てるためにベランダや室外に置くなどは、冬場は避ける
日光を当てるからといって、冬場にベランダや室外にポトスを置くのはおすすめしません。なぜなら、ポトスは8℃以下になると枯れてしまうためです。ベランダなどの室外に出すのではなく、室内の日の入る場所に置いて、十分に日光に当てる工夫をしましょう。玄関やトイレなど暗い場所に置いている場合は、明るい部屋に移動
玄関やトイレなど、普段あまり日の入らない場所に置いている場合は、別の明るい部屋に移動させてください。春~夏の間は枯れずに育てられたとしても、日照不足になりやすい冬は、暗い場所では冬越しが難しくなります。ポトスを窓際に移す際は、冷たい外気の影響を受けないよう、窓から1~2mほど話しておくと良いでしょう。水やりは土の表面が乾いてから2〜3日後に与える
冬の水やりは「土の表面が乾いてから2~3日後」と覚えておきましょう。ポトスは冬になると休眠期に入り、春や夏ほど水分を必要としません。そのため、冬は水やりの頻度や量を控えめにする必要があるのです。水やりをする際は、なるべく気温が高い日中に行うようにしてください。朝方や夜だと与えた水が外気によって冷やされ、株が傷んでしまう可能性があります。ポトスを置いている場所は風通しをよくする
風通しの良い置き場所を選ぶことも大切です。通気性の悪さは、根腐れ・病害虫・カビなどの発生を招きます。また、適度に風を受けると、葉の裏の気孔の動きが活発になり、光合成がよく行われるようになります。すると、冬でも株が弱ることがなくなります。しかし、寒さの厳しい冬は、なかなか窓を開けることが難しいですよね。そんなときは、サーキュレーターや扇風機などでお部屋の空気を回してあげると良いですよ。屋外の地植えでのポトスの冬越しは難しいため、鉢で育てるようにする
8℃以下で枯れてしまうポトスは、屋外の地植えでの冬越しは困難です。そのため、屋外で育てる場合も、地植えではなく鉢植えで管理し、冬に室内に移動させやすくしておくと良いでしょう。根腐れや乾燥を起こしやすい冬は特に葉水がポイント
根腐れや乾燥は、ポトスの冬越しの失敗を招きます。そこで、キーポイントとなるのが葉水です。定期的に葉水を行うことで、冬越しが成功しやすくなります。葉水とは霧吹きで葉っぱに水分を与えること
葉水とは、普段の水やりとは別に、霧吹きで葉っぱに水をかけることを指します。植物は土からだけでなく、葉っぱからも水分を吸収しています。そのため、葉水は植物を育成する上で重要なケア方法です。冬は空気が乾燥するためこまめに葉水をして葉の乾燥を防ぐ
冬は空気が乾燥するため、ポトスの葉がダメージを受けてしまうことがあります。そこで、葉水を行い、適度に湿度を保つことが大切です。普段の水やりと違い、葉水は根腐れを起こすことはありません。よって、「葉が乾燥気味だな」と感じたらこまめに葉水を行いましょう。葉水は害虫予防にも効果的
葉水は害虫予防にも効果的です。害虫の発生の原因には、葉の乾燥や汚れがあります。葉水によって葉を潤し、同時に汚れを落とすことで害虫の発生が抑えられます。【原因】ポトスが冬に枯れるのはなんで?
ポトスが冬に枯れてしまうのには、いくつかの原因が考えられます。ここでは、ポトスの枯れ方別に、その原因について解説します。① ポトスの置き場所が寒く、葉が変色したり、葉が落ちる
「葉が変色する」「葉が落ちる」といった症状が見られる場合、置き場所の気温が低い可能性があります。前述の通り、冬場のポトスの育成には少なくとも10℃以上の環境が必要です。日中は温度に気を付けていても、気温が下がる早朝や深夜は管理を忘れがちになってしまします。1日通して、気温が8℃を下回らないように気を付けましょう。② 過度な水やりで、根がふにゃふにゃになり根腐れを起こした
冬にポトスが枯れる原因として、根腐れも考えられます。根腐れの主な要因は過度な水やりです。冬はポトスの成長が緩やかになるため、夏のような水やりのしかたでは根がふにゃふにゃになり、根腐れを起こしてしまいます。ふにゃふにゃになった根からは腐った臭いがすることもあるため、日頃からよくチェックしておきましょう。③ ポトスが根が成長して根詰まりを起こしている
根詰まりもポトスが冬に枯れる原因の1つです。根詰まりは、根が成長し、鉢いっぱいになってしまった状態を指します。成長期の間に適切に植え替えをしないと、根が成長スペースを失って根詰まりを起こしてしまうため、植え替え時期をしっかり見極めることが大切です。④ エアコンの温風があたりポトスが乾燥して葉がしおれる
葉がしおれる場合は、エアコンの温風が当たっていないか確認してみましょう。エアコンの温風が直接当たると葉が乾燥して、その結果しおれてしまいます。⑤ 害虫の被害にあっている
害虫被害によって、ポトスが枯れてしまう場合もあります。ポトスを冬越しさせるために室温を上げると、害虫の活動も活発になる傾向があります。暖かい育成環境を維持することは、ポトスの冬越しに必要不可欠なため、害虫が付いてしまったらすぐに駆除するようにしましょう。【対処法】ポトスが冬に元気がない時はどうすればいい?
冬に入り「ポトスに元気がない」と感じた場合は、枯れてしまう前に対処することが大切です。ここでは、元気がないポトスへの対処法を紹介します。置き場所①:最低でも10℃以上を保てる場所に置く
まず置き場所を見直してみてください。最低でも10℃以上に気温が保てていることが重要です。寒さでダメージを受けている場合は、なるべく暖かい部屋に移動させましょう。置き場所②:エアコンの風が当たらない場所に移動
エアコンの風向きをチェックしてみましょう。ちょうどポトスが置いてある場所に、エアコンの風がくるようであれば、少し場所をずらして温風による乾燥を防いでください。水やり:土の表面が乾いてから2〜3日後に控えめに与える
水の吸い上げが悪くなったと感じたら、水やりの頻度が適切かどうか振り返ってみてください。冬の水やりは、土の表面が乾いてから2~3日後に行います。控えめに行うことを意識しましょう。害虫駆除:害虫は歯ブラシや殺虫剤を使って見つけ次第、駆除する
害虫が付いているときには早急に駆除します。数が少ない場合は、歯ブラシなどで擦って落とすと良いでしょう。また、大量発生してしまったら、殺虫剤を使って手早く駆除してください。冬のポトスのお手入れ
休眠期にあたる冬は、ポトスにダメージを与えないことが大切です。ここでは、ポトスの冬のお手入れについて解説します。水やり:土が乾いてから2〜3日後に控えめに与える
前項でもお伝えした通り、水やりは土が乾いてから2~3日後に行いましょう。冬の間、ポトスはそれほど水分を必要としないため、控えめに与えるよう意識してください。肥料:成長が緩慢になる冬は与えない
成長が緩まる冬に施肥は不要です。冬に肥料を与えると、成長を促すどころか肥料焼けで株にダメージを与えかねません。肥料は生育期のみと覚えておきましょう。剪定:冬場の剪定は枯れる原因になるため避ける
枝葉を切る剪定は、株にダメージを与える行為です。成長がゆっくりな冬では、よりダメージが大きくなってしまいます。よって、冬場の剪定はなるべく避けてください。剪定の適期は5月〜7月
剪定の適期は生育期にあたる5月~7月です。夏の強い日差しは剪定後のデリケートな株にさらなるダメージを与えるため、8月の剪定は避けましょう。ポトスは不要な枝葉やツルを切る、切り戻し剪定を行う
ポトスには、不要な枝葉やツルを切る「切り戻し剪定」を行いましょう。ポトスは成長すると葉数が多くなり、葉同士が重なり合うようになります。すると、風通しが悪くなり、病気や害虫の原因になってしまいます。思い切って切り戻しを行い、株をスッキリさせることが大切です。挿し木:冬は休眠期で根が出ないことが多いため失敗してしまう
挿し木はポトスの増やし方の1つで、株の一部を土に挿して繁殖させます。冬に挿し木を行うと発根せず失敗に終わる可能性があります。なぜなら、冬はポトスの休眠期にあたるためです。冬のポトスには発根するほどのエネルギーがないため、冬場の挿し木はおすすめしません。適期は5月〜7月
挿し木の適期は、剪定と同じく5月~7月です。挿し木同様、真夏に行うのは避けた方が良いでしょう。水差しや挿し木などのポトスの増やし方は剪定とセットで行うのがおすすめ
ポトスの増やし方には挿し木以外に、水差しもあります。これらの方法でポトスを増やしたい場合は、剪定とセットで行うと手間が掛かりません。剪定で切り落として不要な枝葉やツルを、ぜひ再利用してみましょう。植え替え:冬場の植え替えは負担が大きいので避ける
植え替えも剪定同様、株にダメージを与える行為です。冬は他の季節よりもダメージを受けやすいため、植え替えは避けましょう。植え替えの適期は5月〜7月
剪定・挿し木と同じく、植え替えも適期も5月~7月です。とにかく株が生育旺盛な時期にお手入れすると覚えておくと良いでしょう。※根詰まりや根腐れなどで植え替えが必要な場合は暖かい部屋で行う
もし5月~7月以外に、根詰まりや根腐れなどで早急に植え替えが必要になった場合は、なるべく暖かい部屋で行うようにしてください。部屋を暖めておくと、株へのダメージを少し軽減できます。※剪定・挿し木・植え替えなどは、生育期の環境を保てるようであれば冬に行っても大丈夫
前述の通り、基本的には剪定・挿し木・植え替えなど、株に負担がかかる作業は冬の間には行いません。ただし、冬場でも生育期のように暖かく乾燥していない環境を保てるのであれば、それら作業を行っても大丈夫です。どうしても必要な場合には、環境を整えた上で作業しましょう。水耕栽培のポトスの冬の管理方法
ポトスは水耕栽培もできる植物です。水耕栽培の場合でも、冬には丁寧な管理が必要になります。ここでは、水耕栽培のポトスの管理方法について解説します。【置き場所】窓際から離した、暖かい場所に置く
鉢植えと同じく、水耕栽培の場合も暖かい場所で管理しましょう。窓際は温度が下がるため、少し離して置くのがおすすめです。水は土に比べて気温の影響を受けやすいため、鉢植え以上に温度管理には気を付けてください。【水温】水を替える時は室内と同じぐらいの温度で取り替える
水を替える際は、室温と同じくらいの温度の水を入れるようにします。水が冷たいとポトスも冷やされて、痛んでしまう可能性があります。冬の水道水は温度が低くなっているため、水を替えるときはよく注意するようにしましょう。ポトスの冬越しのお手入れ方法!冬場の管理やトラブルの対処法を解説のまとめ
ポトスの冬越しの方法やコツについて解説してきました。以下では、本記事の内容を改めてまとめています。- ポトスは東南アジアのソロモン諸島など熱帯地域に自生するつる性植物
- ポトスは耐暑性は強いが、耐寒性は弱い
- 冬の間は「8℃以下になったら暖かい室内へ移動させる」「適度に日光を当てる」「土の表面が乾いてから2~3日後に水やりをする」「風通しの良い場所に置く」を意識してポトスを育てる
- 冬の根腐れや乾燥を防ぐキーポイントは葉水
- 冬にポトスが枯れる場合は、「寒さで葉が変色する・葉が落ちる」「根腐れ」「根詰まり」「エアコンの風でしおれる」「害虫被害」などの原因が考えられ、原因ごとに対処する必要がある
- 冬のポトスのお手入れは「水やりを控えめに」「肥料は与えない」「剪定・挿し木・植え替えを避ける」を意識する
- 水耕栽培のポトスも温かい場所で管理し、室温に近い温度の水を使用する