ソテツの植え替え方法を解説!失敗しないコツからその後のケアまで

ソテツの植え替え方法を解説!失敗しないコツからその後のケアまで
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目次

ヤシの木のような見た目で南国の雰囲気漂うソテツは、庭木としても人気の観葉植物です。ソテツは管理が簡単で初心者でも育てやすい一方で、植え替え方法にはコツがあります。 そこで今回は
  • ソテツを植え替えるタイミング
  • ソテツの植え替え時期
  • ソテツの植え替えに必要なもの
  • ソテツの植え替え手順
  • 植替え後の注意点
  • ソテツを地植えするときの注意点
について詳しく解説します。 ソテツは植え替えのコツをつかめば、簡単に栽培できるため初心者向きの植物でもあります。育てるときは植え替えの時期やコツを実践できると、丈夫なソテツを長く楽しめますよ。自宅のシンボルツリーとして植えたいときのポイントもご紹介しているため、おしゃれなお庭を作りたい方も参考にしてみてくださいね。

ソテツ(蘇鉄)を植え替えるタイミング

ソテツは温暖な地域を好み日本でも沖縄県や南西諸島などに自生し、黄色い花も咲かせます。開花時期は5月~7月で花が終わると赤色の実をつけるのも特徴です。開花後につける赤色の実には毒があるため食べられません。古くから馴染みのある植物でソテツは漢字で「蘇鉄」と表され、弱った根元を鉄くずで補強していたことから付けられたとされています。 そんなソテツ(蘇鉄)は幹に栄養を蓄えるため定期的に肥料を与えるなどのお手入れが少なく、手軽に育てられる植物です。ただし育てやすい一方で植え替えがまったく必要ないわけではありません。これらの基本情報を踏まえたうえでソテツを植え替えるタイミングは、次の2つのいずれかに該当するときです。

大きくなり鉢とのバランスが悪くなったとき

ソテツを植え替えるタイミングの一つ目は大きく成長し、鉢とのバランスが悪くなったときです。ソテツは成長スピードが遅く、1年で1~4㎝程度とゆっくり生育します。そのため植え付けから1~3年は植え替えの必要がない一方で成長スピードによって、鉢のサイズとソテツの大きさが合わなくなるとバランスが悪くなります。植物が水分や栄養分を吸収するためにも鉢のサイズとソテツの大きさがアンバランスになった場合は、植え替えのタイミングになります。

鉢植えの場合で3年から5年植え替えをしていない

ソテツを鉢植えで栽培し3年以上植え替えをしていない場合は、植え替えのタイミングになります。ソテツは成長スピードがゆっくりなため植え替え頻度は少ない植物とはいえ、生育するたびに根は伸びていきます。伸びた根が鉢の中で詰まってしまうと根詰まりや根腐れの原因になるため注意が必要です。生育環境を整えるためにも、最低でも5年に1回は植え替えを行いましょう。

ソテツ(蘇鉄)の植え替えの時期

ソテツはいつでも植え替えができるわけではありません。ソテツの植え替えに適した時期に行わないと、植物を傷めてしまい枯れてしまう可能性もあります。ソテツが丈夫に育つためにも、植え替えの時期は守りましょう。

植え替える時期は5月から9月の間

ソテツの植え替え時期は5月~9月が最適です。5月~9月はソテツの生育期であり、この時期に植え替えをすると根へのダメージが少なくなります。植え替えは土から根を出す作業のため、少なからず根を傷めることになります。そのため傷んだ根の回復が早い生育期に植え替えを行うことで、ダメージを少なく枯れる心配もありません。

ソテツは寒さに弱いので寒い日は避ける

ソテツは暖かい環境を好む植物のため、寒さには弱いのも特徴の一つです。そのため生育期の5月~9月以外の気温が低い時期は、成長が緩やかになります。寒い時期に植え替えをしてしまうとダメージを受けた根が回復できない可能性があるため、必ず生育期に行ってくださいね。

ソテツの植え替えに必要なもの

ソテツの植え替えに必要なものをご紹介します。ソテツは植え替え頻度が少ない分、ソテツの木が安定するようにしっかりと固定する作業も必要です。まずはソテツの植え替えに必要なものをご紹介します。

植木屋などで購入できる一回り大きめのプランターや鉢

ソテツを植え替えるときには、現在の鉢植えよりも一回り大きめのプランターや鉢に植え替えましょう。一回り大きめの鉢に植え替えることで根詰まりや根腐れ予防になり、ソテツの成長に合わせた環境に整えられます。プランターや鉢は植木屋やホームセンターでも購入可能。とくに植木屋ではさまざまなデザインや素材の鉢植えがあるため、珍しいデザインをお探しの方にもおすすめです。

深さのある鉢にするときに必要な鉢底石

ソテツを深さのある鉢に植え替えるときは、鉢底石も用意しましょう。鉢底石には軽石などがあり土の水はけと通気性をよくしてくれるため、根腐れ予防に効果的です。

根鉢を引き抜くときに鉢をたたくための木づち

ソテツは植え替え頻度が少ない一方で、引き抜く際に土が硬くなり抜きにくくなっていることもあります。そのときに活躍するのが木づちです。ソテツの鉢の外側を木づちで数回叩くと、空気が入り引き抜きやすくなります。他の植物が抜けないときにも使える方法のため、ぜひ試してみてくださいね。

雑菌の少ない土

植え替え時には雑菌の少ない新しい土を使用しましょう。ソテツの植え替え時には伸びた根をカットして整えることもあるため、傷んだ部分に古い土の雑菌が入ると余計に弱らせてしまう可能性もあります そのためソテツに限らず、植え替えのときは新しい土を使用しましょう。ソテツの植え替えに適した土は「赤玉土6:ピートモス3、バーミキュライト1」が水はけがよくおすすめです。土を配合するのが面倒な場合や初心者の方は、観葉植物用の土でも問題ありません。 基本的にソテツは基本情報にもあるように肥料を与えなくても育つ植物です。大きく育てたい場合は、植え付け時に規定よりも少ない量であれば肥料を与ても問題ありません。

土や鉢底石を鉢に入れるときに使う土入れ

土入れとはシャベルとは異なり筒状のもので、土を移すときにこぼれにくいのが特徴です。軽くて扱いやすいプラスチック製や強度のあるステンレス製などさまざまな種類があります。鉢の大きさによって土入れのサイズも使い分ける必要があるため、大・中・小の3サイズがセットになっているものがおすすめです。土入れは園芸店やホームセンターでも販売されています。

土の流出や害虫の侵入を防ぐための鉢底ネット

植え替え時は鉢底ネットも交換しましょう。鉢底ネットは土の流出や害虫の侵入を防ぐ効果があります。園芸店やホームセンターで入手可能でさまざまなサイズがありますが、鉢の大きさに合わせてカットできるため大きめのものを選んでおくといいでしょう。

鉢底ネットや余分な葉を切るためのハサミ

植え替え時にはハサミも用意しておきましょう。ハサミ鉢底ネットやソテツの傷んだ根や伸びた葉っぱを切るときにも使用します。ソテツの根や葉を剪定するハサミは、必ず清潔なものを用意してください。他の植物を剪定したハサミをそのまま使うと、病原菌に感染し枯らせてしまう可能性もあります。そのため植物の根や葉を切るハサミは、毎回アルコールシートなどで消毒した清潔なものを使ってくださいね。

鉢底ネットがずれないように留める針金

ソテツの根は短く切っても問題ない一方で、整えた直後は根が張っていないためバランスが悪くなります。そのためソテツが安定するように針金でソテツを固定します。ソテツを植え替えた後に倒れたりしないために、鉢底ネットを固定する針金も用意しておきましょう。針金にも大きさがありますが、1.5㎜~2.0㎜程度がベストです。

針金をカットするペンチ

針金はハサミではカットしにくいため、スパっと切れるペンチも用意しておきましょう。念のためペンチもアルコールシートで除菌しておくと安心です。

土をつついてならすための細長い棒

植え替えするときには土ならすための細長い棒を用意しましょう。自宅にある割りばしや竹串などで問題ありません。

ソテツの硬い葉やザミアの葉先から手を守るためのグローブ

植え替えをするときはソテツやザミアの葉で皮膚を傷つけないようにグローブを着用して行います。ソテツの葉は硬く先端が尖っているため、植え替え作業時に怪我をする可能性があるため十分注意が必要です。またソテツの一種であるザミアは葉っぱが丸みをおびている一方で、硬さがあるため油断しないようにしてくださいね。

床やテーブルが汚れないために敷くもの

植え替えをするときは作業場所が汚れないように、ビニールシートなどを敷いて行います。透明の大きなビニール袋をカットして広げたものでも問題ありません。

ソテツ(蘇鉄)の植え替え方法

ソテツの植え替え方法をご紹介します。ソテツは他の植物の植え替えとは異なり、針金を使って固定する作業もあるため少し難しく感じる方もいらっしゃるかもしれません。植え替えをしっかり行うことで丈夫に育てば、ケアの手間も少なく済むためまずはチャレンジしてみてくださいね。

1.不定芽を見つける

まずはソテツの不定芽を見つけましょう。不定芽とはソテツの子株のようなもので、根元付近にあります。親指くらいの小さい不定芽はそのままでも問題ありませんが、生育をスムーズにするためにも根が張り育っているものは取り除きましょう。取り除く方法はこのあとの手順でご紹介します。取り除いた不定芽は株分けして、別の土に半分ほど埋めて育てると発芽できますよ。

2.鉢底を確認する

植え替える前に鉢底も確認しておきましょう。鉢底から根がはみ出ている場合は、ハサミでカットしておくとソテツを取り出しやすくなります。

3.プランターや鉢から根鉢ごと引き抜く

いよいよプランターや鉢からソテツを引き抜きます。木づちで数回、鉢の周りを叩いてからソテツの根元付近を持って引き抜きましょう。このときソテツだけを引き抜くのではなく、一緒についてくる土もそのまま取り出してください。古い鉢から取り出したときに植物の根と一緒に土が固まってついてくる状態を「根鉢」といいます。

4.手や棒で根鉢についている古い土をほぐしながら落とす

古い鉢からソテツを引き抜いたら、根鉢についている土を優しくほぐし落とします。手だけでなく、割りばしなどの棒も使うと土を落としやすくなりますよ。どうしても土が硬い場合は、ホースの水で落とすのもおすすめです。

5.幹から不定芽を切り離す

ソテツの不定芽は手で切り離せます。不定芽がソテツの幹に根を張って切り離せないときは、ハサミでカットしてください。

6.不定芽の根を切る

切り離した 不定芽の伸びた根はカットしておきましょう。株分けして新しい土に植え替えるときに不定芽の伸びた根は邪魔になります。このあとは手順1でご紹介したように、土に埋めて水やりをすると1カ月ほどで発芽して、新芽が出てくるでしょう。

7.ソテツの根を新しいプランターや鉢の大きさに合うように切る

ソテツの根が伸びすぎている場合も、新しいプランターや鉢の大きさ・深さに合わせてカットしておきましょう。ソテツは根を短くカットしても枯れないため、切りすぎることはありません。

8.針金を使って鉢底ネットとソテツを固定する

根を整えたら針金を使って鉢底ネットとソテツを固定しましょう。まず鉢底ネットは鉢底に合わせて鉢底ネットの大きさを決めてカットしてください。鉢底に鉢底ネットを一度敷いてみて、鉢底穴部分を確認します。次に針金を3本用意します。鉢底穴の直径よりも少し長めのものを1本と、ソテツの幹ぐらいの長さのある針金を2本用意してください 長さのある針金2本を束ねた真ん中部分を、鉢底穴より少し長めにカットしたものの中央に巻き付けます。そのあと鉢底ネットの鉢底穴部分に針金を通し、鉢にセットしてください。このとき鉢底穴から針金をY字に出して、鉢に固定します。鉢底ネットと針金が固定できたらソテツを鉢に入れて、2束の針金で根元を巻き付けて固定してください。針金が長く余った場合は、土を入れてからカットします。

9.新しい鉢に土をいれる

ソテツと鉢が固定できたら土入れを使って、土を入れていきます。半分ほど入れたら一度、割りばしなどの棒で土と根がつくように整えましょう。鉢の上部3㎝下まで土を入れて再度整えます。

10.土からはみ出た根と針金をカットする

土からはみ出た根と針金があれば、カットしておきましょう。カットした針金の先端はペンチでカーブをつけておくと、時間が経ってもゆるみにくくなります。

11.鉢とのバランスを見て余分な葉を切り落とし、植え付け完了

鉢から少し離れて全体の見た目のバランスを確かめます。密集していたり余分な葉がある場合は切り落として、風通しをよくしておきましょう。

ソテツ(蘇鉄)を植え替えた後の注意点

無事にソテツの植え替えが完了したら、その後の管理も適切に行いましょう。植え替え後のソテツはダメージを受けている状態です。そのため置き場場所や水やりなど、ソテツに合わせてケアをしておくと回復もスムーズになりますよ。

できるだけ直射日光が当たり、風通しの良いところに置く

ソテツは直射日光を好む植物です。そのため直射日光が当たる日当たりのよい場所で管理しましょう。とくに生育期である5月~9月は直射日光に当たらないと、葉が光を求めて伸びすぎる徒長が起き、縮んでしまいます。また日当たりだけでなく、風通しのよい場所で管理することで通気性がよく害虫予防にも効果的です。

冬の時期は室内などの暖かい場所に置く

ソテツは寒さが苦手なため、気温が低い冬は防寒のためにも暖かい室内で管理してください。ソテツの耐寒温度は5℃のため、屋外で栽培している場合は11月頃には室内へ移動しておくと安心です。ただし室内で管理する場合は暖房の風に当たると、葉が乾燥して弱ってしまうため注意しましょう。また冷気が入りやすい窓辺も要注意です。とくに気温が一気に低くなる夜間は、窓辺から離した場所で管理することをおすすめします。

水を鉢底穴から漏れるまで注ぐ

植え替え後のソテツの水やりは、鉢底から漏れるまでたっぷりと注いでください。ソテツは根から水分を吸収すると幹に蓄えます。そのため夏場に水やりをしたあとすぐに、土が乾燥してしまっても枯れる心配はありません。土が乾燥していても慌てずに水を再びたっぷり与えればいいだけです。反対に土が乾かないうちに水やりをしてしまうと、水分を吸い上げきれず根腐れの原因にもなるため注意しましょう ソテツは土の乾燥と湿った状態どちらも大切で、メリハリをつけて育てるのが水やりのポイントです。もしも水をやりすぎて弱ったときでも新芽が出ていたり、幹に弾力があれば腐った部を切り取って復活できます。

庭など屋外にソテツを地植えするときの注意点

ケアが簡単なソテツは自宅のシンボルツリーとしても人気の植物です。そのため屋外に地植えしたいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。庭などの屋外にソテツを地植えをするときには、注意点があります。せっかく植えたソテツが弱ってしまわないように、地植えをするときのポイントを5つご紹介します。

苗の2倍程度の穴に植える

地植えをするときは植え付ける2週間ほど前に土を掘っておき、腐葉土を混ぜておく必要があります。その際に掘る穴はソテツの苗の2倍ほどの大きさがベストです。穴が浅すぎると植えたときに不安定になり風で倒れる可能性や土が硬く、根が張りにくくなることがあります。

地面から株元が20~60cmほど高くなるように調節する

ソテツを地植えするときには地面から株元が20~60㎝ほど高くなるように、土を盛ります。ソテツの土を高く盛るのは、水が流れをつくるのが目的です

苗に土を被せたら棒でつついて隙間をなくす

ソテツの苗に土を被せたら鉢植え同様、割りばしなどの棒でつついて根との隙間をなくしましょう。土と根の隙間をなくすことで、根がつきやすくなります。

大株の場合は支柱を立てて倒れるのを防ぐ

土を整えたらソテツが風で倒れないよう、大株の場合は支柱を立てて固定してください。支柱はホームセンターでも販売されており、針金で固定できます。

最後に水をたくさんあげる

無事に地植えができたら、最後に水をたっぷり与えて完了です。地植えの場合は植え替え直後の水やり以外は、基本的に水を与える必要はありません。ただし冬は藁などでソテツを覆っておくと、防寒になり葉や幹が弱るのを防げますよ。

【まとめ】ソテツの植え替え方法を徹底解説!失敗しないコツから植え替え後のケアまで

今回はソテツの植え替え方法について詳しく解説しました。 今回のポイントは
  • ソテツはバランスが悪くなったときや3~5年おきに植え替える
  • ソテツの植え替え時期は生育期の5月~9月
  • ソテツの植え替えに必要なものには、一回り大きめの鉢や新しい土の他に針金も用意する
  • ソテツの植え替えをするときは不定芽は切り離し、鉢底ネットとソテツを固定しておく
  • 植替え後は直射日光が当たる風通しのよい場所で管理し、5℃以下にならないよう注意する
  • ソテツを地植えするときは苗の2倍ほどの穴を掘り、支柱で固定しておく
 でした。 ソテツの植え替え方法は一般的な植物に比べて少し手間がかかります。しかし植え替え後の手間はかからないため、適切な時期と手順で行うことでより丈夫に育てられるでしょう。ソテツは重さもあるため植え替え時には怪我をしないように十分注意してくださいね。 東京寿園ではソテツ以外の植物の記事もたくさん掲載しております。植物にお困りの際はぜひご活用ください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。