ユーカリには毒性がある!誤って食べてしまった時の対処法も解説

ユーカリには毒性がある!誤って食べてしまった時の対処法も解説
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目次

コアラの大好物としても有名なユーカリは、アロマエッセンスやドライフラワーとしても活用される人気の観葉植物です。そんなユーカリには毒性があるのをご存じでしょうか。 そこで今回は
  • ユーカリの毒性について
  • ユーカリの葉を食べてしまったらどうなるのか
  • コアラはなぜユーカリの葉を食べられるのか
  • ユーカリの効能
  • ユーカリを安全に摂取する方法
  • ユーカリを摂取する際の注意点
について詳しく解説します。 ユーカリは毒性はあるものの、注意点を知っておくことで安全に栽培できる植物です。毒性と聞くと育てるのが不安になると思いますが、ユーカリの効能についても知っておくとまた違った見方ができますよ。

コアラの主食!ユーカリとはどんな観葉植物?

コアラの主食!ユーカリとはどんな観葉植物?
コアラの主食であるユーカリがどんな観葉植物なのか、実は詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。毒性を知る前にまずはユーカリがどんな植物なのか特徴を知っておきましょう。ユーカリの特徴や花言葉などの基本情報を詳しくご紹介します。

オーストラリア原産の常緑高木

ユーカリはオーストラリアが原産の常緑高木です。葉全体はシルバーグリーンで爽やかな香りを放ち、アロマエッセンスとしても利用されています。原産地はオートラリアの一方で分布域が広く、ニュージーランドにも自生しており、一般的には70cmから10m程度まで成長する植物です。他にもハワイ諸島やカリフォルニアなどにも分布しており、日本には1877年に伝わったとされています。 ユーカリは火山地域で育つ植物でもあるため、強い生命力を持ち育てやすい植物です。その証拠に木の表面が灰で黒くなっても枯れることはありません。つぼみをつけてもすぐには発芽せず、火山によって葉が焼け落ちたあとに芽を出します。火山地域の過酷な環境で表面が灰で覆われても自分の身を守るユーカリは丈夫で、生育環境が異なる場所にも適応できるため初心者でも育てやすいでしょう。

グニーやポポラスなど様々な種類がある

ユーカリは品種が非常に多く存在しグニーやポポラスなど約600種類あり、それぞれ栽培環境や見た目が多少異なります。たとえばシルバーがかった丸みのあるグニーは多湿にも強い一方で、ポポラスはハート型の葉が不規則につき、乾燥気味の環境を好む品種です。また先ほど基本的には70cm~10mまで成長するとお伝えしましたが、ユーカリは分布域が非常に広いため種類によってはさらに樹高が高くなるものもあります。 他にも日本ではレモンユーカリも人気で、名前のとおりレモンのようなスパイシーな香りが特徴。レモンユーカリは虫よけ剤にも多く使用されている品種で、日本でも古くから栽培されているユーカリです。ユーカリは発芽率が高い品種も多いため、比較的簡単に入手できる種子から育てることも可能です。

ハーブとしての効果もある

爽やかな香りを放つユーカリは観賞用だけでなく、ハーブとしての効果もあります。そのためアロマオイルとしても利用され、ユーカリの精油には炎症を鎮静化する効果があることでも有名です。とくに身近なところではのど飴でも利用されています。またユーカリには虫よけ効果もあるとされており、自作の虫よけスプレー作りでも使用される植物です。

ドライフラワーやスワッグなどのアレンジも人気

ユーカリは水分が抜けやすい植物で元々全体がシルバーグリーンのため、ドライフラワーにしてもあまり見た目が変わりません。そのためドライフラワーやスワッグなどのアレンジメントとしても人気です。リースにしてお部屋のインテリアにも最適なため、プレゼントシーンでも多く活用されています。ユーカリには「新生」や「再生」というポジティブな花言葉もついているため、新しいことにチャレンジする方への贈り物にも喜ばれるでしょう。

オーストラリアでは木材としても使用されている

ユーカリの木材は「エコウッド」と呼ばれ、他の木材よりも強度が高くオーストラリアでは鉄道の橋や自動車などにも利用されています。さらには強度に加えて水分を含みにくいことから、防腐処理を施さずに利用できる木材です。ただし利用されるのは80年以上育った樹木で、伐採には許可が必要なためだれでも使用できるわけではありません。

ユーカリは毒性を持つ植物

ユーカリは毒性を持つ植物
冒頭でお伝えしたように、さまざまな環境でも適応できるユーカリには毒性があります。毒性があるといわれても、どんな毒なのか何に注意したらいいのかが気になるところ。まずはユーカリの毒の正体と人間だけでなく、ペットにも有毒なのかを詳しく解説します。

ユーカリの葉っぱは青酸配糖体という成分を含む

ユーカリの葉っぱは青酸配糖体という成分を含み、毒性があります。青酸配糖体は青梅や桃にも含まれており、昆虫などに食べられないために含まれた毒です。とはいえ、葉っぱ一枚だけで命にかかわるというわけではありません。葉っぱ一枚程度では大きな影響は出ませんが症状には個人差があるため、小さいお子さんなどが誤って口にしないように注意しましょう。

人間だけではなくペット(犬や猫)にとっても有毒

ユーカリの毒性は人間だけでなく、ペットにも有毒です。とくに犬や猫は症状が出やすく、重篤な状態になる可能性もあります。たとえば猫はユーカリに含まれる「ピネン」という成分を多く含んでおり、誤って食べてしまうと消化できず神経症状を引き起こす可能性もあるため十分な注意が必要です。他にも馬や家畜などもユーカリを食べると同じような症状になることもあるため、人間だけでなく動物も食べないような環境を整えておくと安心です。

鳥に関しては種類によって異なる

ユーカリは動物にとっても有害である一方、鳥に関しては種類によって異なります。たとえばインコの一種である「ラブバード」という鳥は、ユーカリの葉を好んで食べるようです。原産地のオーストラリアではセキセイインコなどがユーカリの木の上で生活をしています。 ただしユーカリにもたくさんの種類があるため、鳥にも好みがあるようです。日本で育ったユーカリではなくオーストラリアで育ったものを好むため、必ずしもすべての種類があてはまるわけではありません。

ユーカリの葉を食べてしまったらどうなる

ユーカリの葉を食べてしまったらどうなる
ユーカリの毒性の特徴について解説しましたが、もしも葉を食べてしまったらどうなるのかも気になるところ。誤って食べてしまったときでも、冷静に対処できるようにどのような症状が出るのかチェックしておきましょう。ユーカリの葉をもしも食べてしまったら、主に以下のような症状が現れます。

吐き気や頭痛を起こす

ユーカリの葉を食べてしまったときの症状には、吐き気や頭痛があります。酷くなるとよだれや下痢、抑うつ状態を引き起こすことも。ユーカリを育てていてお子さんはこのような症状が出ている場合は、誤飲の可能性も考えておくと対処しやすくなります。

喘息を悪化させる

ユーカリの葉っぱには喘息を悪化させる毒性があります。ユーカリは鼻の通りをよくしてくれるイメージもありますが、生で食べると逆効果です。ユーカリの生の葉を食べると気道を狭くしてしまう可能性もあるため、十分注意しましょう。喘息のある方は専門の知識がない限り、アロマオイルとして吸入するのもおすすめしません。

大量に摂取しない限り死に至るほど強い毒ではない

ユーカリの葉を食べたときの症状をお伝えしましたが大量に摂取しない限り、微量では命にかかわることはないため安心してください。とはいえ、症状には個人差もあるためお子さんやペットなど、食べた量がわからない場合はすぐに病院へ受診しましょう。

コアラはなぜ毒性のユーカリを食べることができるの?

コアラはなぜ毒性のユーカリを食べることができるの?
ユーカリの毒性についてわかったところで、なぜコアラは食べても平気なのか疑問がでてくるのではないでしょうか。なぜコアラは毒性のユーカリを主食にできるのか、その理由は主に3つあります。コアラがユーカリの葉を食べても問題ない理由を詳しく解説します。

コアラの体内には毒を分解する酵素がある

コアラの体内には毒を分解する酵素があり、とくに肝臓に解毒の役割が備わっています。またコアラは腸内細菌も多く保有しており、毒素を摂取しても無毒化できる動物です。

解毒のため2mもの長い盲腸を持つ

コアラは解毒のため2mもの長い盲腸を持つ動物です。盲腸の長さは哺乳類の中でも最長で、コアラにとってユーカリの毒素を分解するのになくてはならない存在でもあります。ちなみに我々人間の盲腸の長さは1.5cm程度です。人間よりも小さなコアラの体の中に2mもの盲腸が備わっているのは不思議ですね。

多くのエネルギーを使うため長時間の睡眠が必要

コアラは睡眠時間が長い動物なのをご存じでしょうか。コアラの1日の睡眠時間は18~20時間で、寝ている時間が長いのも特徴です。実はコアラの睡眠時間もユーカリの毒素と深く関係しています。ユーカリの葉を食べたあとの分解に時間がかかるため、その分エネルギーをたくさん使っています。 そのため毒素の分解時以外はエネルギーを使わないように、睡眠をとって省エネモードにしているようです。動物園でコアラを見かけたら寝ているかどうかを確認してみるのもおもしろいかもしれませんね。

毒性だけではないユーカリの様々な効能

毒性だけではないユーカリの様々な効能
ユーカリには毒性以外にもさまざまな効能があります。毒性だけではないユーカリの効能には抗菌作用や風邪予防、花粉症の緩和などがあり、古くからオーストラリアのアボリジニ民族の治療薬として利用されてきました。アボリジニ民族のあいだでは「キノ」という名前で呼ばれ、傷の炎症を抑えるときなどに使われていたユーカリ。毒性だけではないユーカリの効能は主に4つあります。

抗菌・消臭作用

ユーカリの精油は抗菌・消臭作用があり、あらゆる菌を抑制する効果があります。実際に商品としてユーカリの精油でできた抗菌剤も販売されており、感染症予防にも効果的です。消臭効果もあるため、アロマディフューザーでユーカリの精油を利用することもできます。お部屋に爽やかなユーカリの香りが漂うと、リラックス効果も得られるでしょう。

風邪予防

ユーカリは風邪予防効果も期待できる植物です。ユーカリには抗菌作用のある「シネオール」という成分がありウイルスや菌の侵入を防ぐため、空気が乾燥して感染症が流行しやすい冬場に活躍する植物でもあります。ユーカリの精油を含んだ蒸気吸ったり、体を温め喉をリラックスさせるハーブティーとして飲むのがおすすめです

花粉症の症状緩和

爽やかな香りが特徴のユーカリはメントール効果と先ほどお伝えした「シネオール」の効果で、花粉症や鼻づまりを緩和するともいわれています。とくに「ユーカリ・グロブルス」という品種が花粉症への効果が強く、炎症を落ち着かせてくれるでしょう。鼻を抜ける爽やかな香りは、より鼻づまりを改善させてくれるかもしれませんね。

虫よけ

ユーカリの精油には虫よけ効果も期待できます。具体的には蚊やダニなどの虫に効果的で、自分でユーカリスプレーを作っている方もいるほど人気の活用方法です。ユーカリの香りで癒されながら虫よけもできるなんて、まさに一石二鳥ですね。

ユーカリを安全に摂取する方法

ユーカリを安全に摂取する方法
毒性のあるユーカリは我々人間が食べられないわけではありません。毒性のあるユーカリも正しい方法であれば、体に害なく摂取が可能です。ユーカリを安全に摂取する方法を3つご紹介します。

ハーブティーにして飲む

毒性のあるユーカリもハーブティーにして美味しく飲むことが可能です。清涼感のある味で喉の炎症や鼻詰まりを緩和し、血糖値や血圧を下げる働きもあるといわれています。味が苦手な場合はユーカリのハーブティーでうがいをするのもおすすめです。ただしユーカリのハーブティーは飲みすぎると、消化器系を刺激するため注意しましょう。

芳香剤や抗菌剤として使う

ユーカリは芳香剤や抗菌剤としても活用できます。市販のものもたくさんの種類が販売されていますが、自分で作るのもおすすめです。作り方は簡単でユーカリの精油と無水エタノール、精製水があればスプレータイプの芳香・抗菌剤が初心者でも作れます。他にも容器に入れた保冷剤のジェルにユーカリの精油を3摘程垂らすだけでも、置き型の芳香剤が作れますよ。

精油やアロマオイルとして使う

ユーカリは精油やアロマオイルとしてもよく使われています。先ほどご紹介した芳香剤としてディフューザーに数滴垂らして使うと、お部屋が爽やかな香りに包まれてリラックスできますよ。

ユーカリを摂取する際の注意点

ユーカリを摂取する際の注意点
毒性があるユーカリも芳香剤やハーブティーなど、さまざまな楽しみ方があることがわかりました。ユーカリの美味しい飲み方がわかったとはいえ、摂取するときには注意点もあります。ユーカリを摂取するときには以下の4点に注意しましょう。

ユーカリ製品を直接口にしない

毒性のあるユーカリ製品は直接口にしないようにしましょう。毒性のある葉っぱはもちろん、精油などを直接口にするのは危険です。下痢や嘔吐などを引き起こす可能性があるため、食品専用ではない限り直接食べないようにしましょう。ユーカリのハーブティーは飲用できますが、飲み過ぎには注意してくださいね。

妊娠中や子どもはユーカリを含む製品の使用を控える

妊娠中や小さなお子さんはユーカリを含む製品の使用は控えてください。 ユーカリには毒性があるだけでなく、神経作用やホルモンバランスに影響を与える可能性もあります。刺激を受けやすい妊娠中はユーカリの精油などは控えたほうが安心です。 またお子さんも同様にユーカリのシネオールという成分が神経や呼吸器系へ作用するため、使用は控えましょう。とくに3歳未満は影響を受けやすいため、十分注意してください。

ペットが口にしないように置き場所を工夫する

毒性のあるユーカリはペットが口にしないように、置き場所を工夫しましょう。ユーカリの植物はもちろん、アロマエッセンスも犬や猫には危険です。必ずしもペットに毒性があるわけではありませんが、誤って食べてしまうと何らかの症状が出る可能性もあります。 アロマエッセンスなど引き出しに収納できるものは、ペットが触らないように片付けておきましょう。花瓶にユーカリを飾るときにも、猫が近づかないお部屋に置くなど十分注意してくださいね。

ユーカリの精油は刺激が強い場合もあるため直接肌につけない

ユーカリの精油は爽やかな香りでリラックス効果が期待できる一方で、直接肌につけるのは危険です。先ほど触れたようにユーカリの精油は抗菌作用がありますが肌には刺激が強く、かぶれたり炎症を起こすことがあります。精油は必ず適切に使用し、皮膚につけても問題ない商品でもパッチテストを行ってから使いましょう。

【まとめ】ユーカリには毒性がある!誤って食べてしまった時の対処法も解説

今回はユーカリの毒性について解説しました。 今回のポイントは
  • ユーカリには青酸配糖体という毒性があり摂取すると人間だけでなく、犬や猫にも重篤な症状を引き起こす可能性があるが鳥は例外の場合もある
  • 毒性のあるユーカリの葉を食べると頭痛や吐き気、喘息を悪化させるが、大量に摂取しない限り命に関わることはない
  • コアラは2mもの長い盲腸を持ち、解毒する力があるためユーカリを食べても問題ない
  • ユーカリには抗菌・消臭と風邪予防や花粉症を和らげる効能、虫よけ効果もある
  • 毒性のあるユーカリを安全に摂取するにはハーブティーとして飲用したり、芳香剤や抗菌剤として利用する他に、アロマオイルとして使用する方法がある
  • ユーカリ製品は刺激が強いため直接肌に触れたり口にしないように注意し、妊娠中や子供、ペットなどは摂取・使用しない
でした。 ユーカリには毒性はあるものの、誤飲に注意して適切な使い方ができれば問題ありません。ペットやお子さんがいる場合は誤飲の可能性もあるため、ユーカリ製品の置き場所に注意して安全に保管しましょう。ご紹介した注意点に気をつけてユーカリを観賞するだけでなく、効能もぜひ体感してみてはいかがでしょうか。 東京寿園ではユーカリ以外の記事もたくさん掲載しております。植物にお困りの際はぜひご活用ください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。