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金木犀という植物をご存じでしょうか。ふわっと香る甘い花の匂いで、秋の訪れを感じるという方も多いのではないでしょうか。昔から、庭木や街路樹として定番の植物ですが、「金木犀を植えてはいけない」と言われることがあります。 なぜ、金木犀は、そのように言われるのでしょうか。今回は、金木犀を植えてはいけない理由について解説してきたいと思います。 そこでこの記事では
- 金木犀ってどんな植物なの?
- 植えてはいけない理由は?
- 金木犀は植えた方がいいという意見もある?その理由は?
- 金木犀の育て方とポイントは?
金木犀を植えてはいけないのはなぜ?
なぜ「金木犀を植えてはいけない」と言われるのでしょうか。その理由は一体どこにあるのでしょうか。そもそも金木犀とはどんな植物?
まずは、金木犀について基本情報をおさらいしていきたいと思います。金木犀とは、どんな植物なのでしょうか。中国を原産とするモクセイ科モクセイ属の常緑小高木
金木犀(学名:Osmanthus fragrans Lour.var.)は、モクセイ科モクセイ属に属する、中国原産の常緑小高木です。高さは5m~8mほどにまで生長します。金木犀には雄雌の株がありますが、日本に輸入された金木犀はすべて雄株のため、実をつけることはありません。庭木や街路樹として人気
昔から、庭木や街路樹としても人気で、9月~10月頃になると小さなオレンジ色の花を咲かせます。あなたのご近所にも、街路樹や庭木として昔から金木犀が植えられていたという方も多いのではないでしょうか。沈丁花、クチナシと並ぶ「三大香木」のひとつ
沈丁花(ジンチョウゲ)、クチナシと並ぶ「三大香木」のひとつです。9月~10月頃になると、オレンジ色の小さな花をたくさん咲かせます。その甘い花の匂いは、遠くまで届くため、「千里香」とも呼ばれていました。庭に植えてはいけないといわれる
このように、庭木としても人気のある植物ですが、「金木犀を庭に植えてはいけない」と言われることがあります。人気なのに植えてはいけないなんて、とても不思議だと思いませんか。ここからは、その理由について解説していきます。植えてはいけないといわれる理由①大きく成長しすぎる
1つ目の理由は、大きく成長しすぎるということです。一体どれほど大きくなるのでしょうか。大きくなると7m~8mの高さまで成長する
金木犀の基本情報でも少し触れましたが、成長すると7m~8mの大樹になることがあります。ここまで大きく成長すると、個人宅の庭木は、手入れが難しくなってきますよね。このように、金木犀は、生育旺盛な植物であることから植えてはいけないと言われています。樹高18mに及ぶものも
中には、樹高18mにまで及んだ金木犀もあるようです。日本一の大きさといわれる麻生原の金木犀
熊本県に生えている「麻生原(あそうばる)の金木犀」は、麻生原居屋敷観音の境内に植えられています。樹高18mに成長しており、日本一の大きさと言われています。国の天然記念物として指定されている
この金木犀は、昭和9年12月に、国の天然記念物に指定されています。こちらの金木犀の開花時期には、その甘い香りが緑川対岸にまで漂い、見物客を楽しませています。ご興味のある方は一度足を運んでみてはいかがでしょうか。毎年しっかりと剪定する必要がある
このように、金木犀は大木に成長しますので、管理していくには、毎年しっかりと剪定する必要があります。金木犀の剪定については、後述いたします。植えてはいけないといわれる理由②花言葉が怖い
2つ目の理由は、金木犀が、怖い意味の花言葉を持つと言われているためです。金木犀はどんな花言葉を持つのでしょうか。金木犀の花言葉
それでは、金木犀の花言葉についてみていきましょう。金木犀の花言葉はいくつかありますが、その中の3つをご紹介します。「誘惑」
1つ目は誘惑です。金木犀独特の甘い花香が、この花言葉の由来となっているようです。「陶酔」
2つ目は、陶酔です。こちらの花言葉も、金木犀甘い花香から来ているといわれています。「隠世」
3つ目は、隠世(かくりよ)です。隠世とは、死後の世界、神域という意味です。ちょっとこの花言葉は怖いですね。「小さく可愛らしい花と、甘い花の香りからは全く想像ができない」という方も多いでしょう。ネガティブな印象の花言葉が多い
いかがでしょうか。金木犀の3つの花言葉をご紹介しましたが、誘惑、陶酔という花言葉について、「人々を魅了し誘惑する、陶酔させる」ことにネガティブな印象を受けた方もいらっしゃるかもしれません。 また、隠世の意味は死後の世界ですから、金木犀は「怖い花言葉の意味を持つ植物である」とイメージができてしまったかもしれませんね。ポジティブな意味のものも多くある
しかしながら、金木犀が持つ全ての花言葉がネガティブな意味ではありません。 金木犀の持つ花言葉のうち、3つを先にご紹介いたしましたが、それ以外の金木犀の花言葉には、謙虚、気高い人、真実、初恋といったポジティブな意味の花言葉もあります。人によっては、誘惑、陶酔もネガティブな意味に感じない方も少なくないでしょう。花の強い香りがあの世とつながって邪気を祓うという由来も
ちなみに、隠世という花言葉について補足しますと、金木犀の花の強い香りはあの世とつながるという言い伝えがあります。また、その強い花の香りによって邪気を祓うことができると考えられており、昔から、お寺や神社の境内に多く植えられてきたという歴史があります。植えてはいけないといわれる理由③害虫
植えてはいけないと言われる3つ目の理由は、害虫が発生しやすいということです。毛虫などの害虫がつくことが多い
金木犀は、毛虫など多種多様な害虫が大量に発生してしまうことが多いと言われています。害虫がつきやすい原因を2つご紹介します。日陰に植えている
1つ目は、日陰に植えている場合です。日陰や日当たりが悪い場所に植えていると、カイガラムシなどが発生しやすいといわれています。剪定を怠っている
2つ目は、剪定を怠っている場合です。剪定をせずに育てていると、葉や枝が茂って密集してしまいます。風通しも悪くなり、害虫が発生する環境を作ってしまいます。樹高が高くなると処理が大変に
樹高が高くなった金木犀に、害虫が発生すると駆除が大変になります。剪定をしっかり行うことと、日頃から、「害虫やその卵らしき小さな点が付着していないか」注意深く観察しておきましょう。むしろ植えた方がいいという意見も
ここまでの解説で、「金木犀は植えないほうが良い」と決めつけるのはまだ早いです。実は、「金木犀を植えた方がいい」という意見もありますので、解説していきたいと思います。花の良い香りで有名な庭木
金木犀は、甘い香りが漂うオレンジ色の小花が特徴的な植物です。金木犀の良い香りによって、季節の訪れを感じたり、葉と花色のコントラストも美しく、古くから庭木としても楽しまれている植物です。昔は庭のある家に住んでいる方も多かった時代もありますが、 ご自宅に庭がない方や、現在、マンションにお住まいの方は鉢植えでも育てることが可能です。そして、剪定を忘れずに行うことで、だれでも無理なく金木犀を育てることができます。縁起がいいと評判
実は金木犀は縁起の良い木として評判なんです。その理由を2つご紹介します。金婚式になぞらえられる
1つ目は金婚式になぞらえられている植物であることです。金婚式とは、結婚50年目のことです。金婚式の「金」にちなんで、ガーデニングが好きなパートナーであれば、キンモクセイの苗木であったり、金木犀の花びらを閉じ込めたアクセサリーをプレゼントするのはいかがでしょうか。また、キンモクセイのお酒でお祝いするのも人気のようです。風水では金運アップなどさまざまな効果が
2つ目は風水では、様々な運気アップ効果があるとされていることです。金木犀の風水効果は以下の4つが知られています。- 金運アップ
- 子宝に恵まれる
- 人間関係を豊かにする、恋愛運
- 旅行運がアップする
裏鬼門に植えると邪気祓いにより効果的
中でも、裏鬼門とされる南西に金木犀を植えると、邪気祓いに効果があるといわれています。この方角に邪気がたまると、お金が貯まりづらい、良い運気逃しやすくなるそうです。 金木犀を植える際や、鉢植えの置き場所は、ぜひこの方角を意識してみてください。シンボルツリーに最適
また、金木犀は、樹高がある程度高くなるため、お庭のシンボルツリーとしても最適な植物です。常緑樹なので冬でも寂しい姿にならない
常緑樹と落葉樹がある事はご存じでしょうか。落葉樹は、冬には葉がすべて落ちてしまい、寂しい印象の木になりますが、金木犀は、常緑樹のため、年中葉が付いた状態で寂しい印象にはならないでしょう。目隠しの役割も
葉が年中ついていることで、道路からの目隠しとして利用することができます。道路に面したお家で、通行人や車からの目が気になる、ご近所の家と窓が近くて覗かれないか心配という方は、ご自宅のお庭に金木犀を植えてみるのはいかがでしょうか。初心者でも育てやすい
意外にも、金木犀は生育旺盛なため、初心者でも育てやすい植物と言われています。育て方のポイントを押さえれば、地植え、鉢植えともに元気な金木犀を育てることができるでしょう。初心者にもわかりやすいよう、金木犀の育て方やお手入れのポイントもこの記事でしっかり解説していきますので安心してくださいね。金木犀の育て方・お手入れのポイント
初心者でも育てやすいと知って、やっぱり育ててみたい、植えてみたいと思った方もいらっしゃるかもしれませんね。 ここからは、金木犀の育て方やお手入れのポイントについてご説明していきたいと思います。植える時期は春がよい
まずは、金木犀を植える時期についてです。植える季節は、春(3月~4月)が適しています。春を逃した場合は10〜12月も良いでしょう。真冬や真夏に植え付けすると、金木犀が根付くまでに、株に大きな負担がかかってしまいます。生育不良を起こしたり、株が腐ってしまうこともあります。置き場所
続いて金木犀の置き場所についてです。金木犀はどのような場所で育てると良いのでしょうか。日当たりの良い場所を好む
金木犀は、寒さに弱く、日当たりの良い場所を好みます。また、風通しも良い場所が好ましいです。花付きを良くしたい方は、しっかりと置き場所に注意してください。地植えでも鉢植えでも育てられる
また、金木犀は、地植えでも鉢植えでも育てることが可能ですが、寒さに弱いので、冬に霜が降りる地域での地植えは難しいでしょう。大きく育てたい方は地植えがおすすめです。鉢植えだとコンパクトに栽培できる
一方で、鉢植えなら、コンパクトに育てられるので、日当たりの良い場所に適宜移動させたり、庭がない方はベランダなどで育てることができますね。 庭木や街路樹のイメージが強い方は、鉢植えでも育てられるということが分かれば、金木犀がより身近な植物に感じられたのではないでしょうか。剪定をしっかり行う
そして、金木犀の剪定についてです。金木犀は、剪定をしっかり行うことが大切ということは、何度かお話しさせていただきましたが、ここで詳しく解説していきたいと思います。大きくなりすぎの防止や害虫予防に
ご自宅のお庭の金木犀が数メートルの高さに成長してしまったら、管理が大変ですよね。剪定することによって、大きくなりすぎることを防止します。また、葉や枝が茂って密集すると風通しや日当たりが悪くなるため、害虫が発生しやすい環境を未然に防ぐ必要があります。剪定する時期は、秋の開花後から、翌春(4月頃)までの寒い時期を避けて行いましょう。大きい場合は業者に頼むと便利
金木犀が大きくなってしまった場合は、専門の業者に剪定を頼むことをおすすめします。大きくなってから初心者が強剪定をすると、枝が枯れてしまうことがあるからです。知識のある業者にお願いし、管理しやすいサイズにしてもらい、その後はご自身でも定期的に剪定のケアをしていきましょう。【まとめ】金木犀を植えてはいけない理由とは?初心者が後悔しないように解説
いかがでしたか。金木犀を植えてはいけないと言われる噂について解説してきました。 この記事のポイントは- 金木犀は、庭木や街路樹で人気の常緑小高木である
- 金木犀を植えてはいけないと言われる理由は3つ 「大きく成長しすぎる」「花言葉が怖い」「害虫」
- 一方で、植えた方がいいという意見もあり、その理由は4つ 「良い香り」「縁起が良い」「シンボルツリーになる」「初心者でも育てやすい」
- 育て方のポイントは3つ 「春に植える」「日当たりの良い場所」「剪定をしっかり行う」