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"アイビーは、植物を生育したことがない方やガーデニング初心者の方にも、丈夫で育てやすいことから人気が高い植物です。育てやすい植物ではあるものの、その生育旺盛さから「剪定をしたい」という方や「剪定をしないと病気になるのでは」と不安な方も多いことでしょう。 この記事では
- アイビーの基礎知識
- アイビーの剪定方法と注意点
- アイビーの剪定後の育て方
- 剪定した枝からアイビーを増やす方法
- アイビートピアリーのやり方
アイビーとはどんな観葉植物?
アイビーは北アフリカやヨーロッパ、アジアを原産地とするウコギ科キヅタ属の常緑つる性木本です。ラテン語でへデラとも呼ばれます。日本では室内で育てるインテリアとして人気が高く、長く伸びるつるを生かして、庭やベランダでフェンスに這わせて豊かなガーデニングを楽しむ人も多いです。育てやすく初心者にもおすすめな植物
アイビーは初心者におすすめされることも多い、丈夫で育てやすい植物です。アイビーはグラウンドカバーとして使われることもあるほど丈夫で、育成環境は日当たりの良い場所を好みますが、日光の少ない北向きの部屋でも比較的育ちやすい特徴があります。こまめな管理や環境を整えることが難しい方や、観葉植物を初めて育てる方にもおすすめです。生長が早いためこまめな剪定が必要
アイビーの特徴として、生長が早いという点もあげられます。丈夫で大きく育ちやすいため、初心者でも栽培が容易です。しかし生長速度が早い分、こまめな剪定が必要になります。生長を放置してしまうと、茎が伸びすぎ葉や枝が混み合ってしまいます。インテリアやガーデニングの見栄えを美しく保つためには、こまめな剪定を行いましょう。剪定した枝を挿し木することでアイビーを増やすことも可能です。年間を通して緑の葉をつける
アイビーは1年を通して緑の葉をつけます。植物によっては花が咲く季節や葉が落ちる季節がありますが、アイビーなら季節を問いません。1年を通して自宅にグリーンを増やしたいときに最適です。色んなアレンジや鑑賞方法を楽しむことができる
色んなアレンジや鑑賞方法を楽しむことができるのも人気の理由の一つです。アイビーはつたが丈夫なため、寄せ植えやアレンジメントにも適しています。鉢植えと雑貨を組み合わせてアレンジしたり、カットして花瓶に生けることも可能です。アイビーに剪定は必要?剪定の目的は?
アイビーには剪定が必須です。剪定とは植物の枝や茎を切ることを指します。当項目ではアイビーの剪定の目的についてご紹介します。増えすぎたアイビーの見た目を整えるため
先述したように、アイビーは生長の早い植物です。アイビーの生長を放置してしまうと、枝や葉が混み合い、鬱蒼とした印象になってしまいます。インテリアとしての見栄えを良くするため、アイビーには剪定が必須です。 アイビーのつるや葉が茂ってきたら、伸びた部分を切りましょう。多少思い切って切ってしまっても、すぐに新しい枝が生えてきます。またアイビーに枯れた部分を見つけた場合には、こまめにその部分をカットしてあげることで見栄えを維持できます。生育を促すため
植物は剪定することによって、生長を促すことができます。栄養不足が原因で元気がなく、ヒョロヒョロと伸びてしまったつるを剪定することで、新しい枝葉に栄養を回し、全体を元気な枝葉に育てることが可能です。アイビーの剪定をする時期
アイビーに剪定が必要であることは十分に理解できたと思います。次に、アイビーの剪定に適した時期、また適さない時期があるのかを確認しましょう。成長期の5月~9月が適期
アイビーの剪定に最も適した時期は5〜9月です。この時期はアイビーの成長期に重なります。5月の下旬には新芽が多く出て茂りはじめ、成長期の終わりを迎える9月の下旬には全体が混み合うほどに茂ります。 そこで、新芽が増えた5月の下旬ごろに1回、伸び切った9月の下旬ごろに1回の剪定がおすすめです。成長スピードが早いためこまめに剪定して大丈夫
アイビーは成長スピードが早い植物のため、気になった時にこまめに剪定をする形でも大丈夫です。元気なアイビーであれば、5月の下旬ごろに3分の1程度の大きさまで切っても、夏の間に元に戻る以上に成長します。 弱ってしまっているアイビーの場合でも、剪定することで元気になることがあります。育てているアイビーの元気がないと感じた際にも、剪定を試してみてください。冬の剪定は避けたほうが良い
アイビーは寒さに強い植物ですが、冬場の剪定は避けた方が無難です。夏に成長期を迎えるアイビーは、逆に冬場は成長が遅くなります。そのタイミングで剪定を行うと、思ったように枝が伸びないことがあります。冬の剪定は避けて、春になってから剪定を行うことが理想的です。アイビーの切り戻し剪定のやり方
アイビーの剪定のやり方はいくつかあります。中でもメジャーな、伸びた枝を切る「切り戻し剪定」は、アイビーの見た目を整えるために最も重要な剪定です。メリット:バランスが良くなる
切り戻し剪定のメリットはアイビーの全体のバランスを良くできる点です。切り戻し剪定よって伸びすぎた枝をカットすることで、アイビーの見た目を美しく整えられます。気になった場所をカットする
アイビーの切り戻し剪定の基本は、気になった場所をカットすることです。育てているアイビーの成長に合わせて、混み合っている部分やヒョロヒョロと伸びている場所をカットしましょう。 この時すでに木質化している部分を切ってしまうと、そこから新しい枝葉が伸びることはないので注意してください。アイビーの透かし剪定のやり方
アイビーの剪定方法には「透かし剪定」というものもあります。この透かし剪定は病気や害虫の予防につながる、アイビーの健康に欠かせない剪定方法です。メリット:風通しが良くなる
透かし剪定を行うことで、混み合った枝葉を取り除き、風通しを良くすることができます。風通しを良くすることで、病害虫を予防できるため、透かし剪定は成長期の5月から9月に、こまめに行うのが好ましいです。枝を根元の位置から切る
透かし剪定では、伸びた枝を根元の位置から切ります。特に枯れた枝や変色している枝は根本から切り落としましょう。茂りすぎている部分を透かしたい場合は、健康な枝でも根本から切って大丈夫です。アイビーの剪定のポイント
アイビーの剪定のポイントについて解説します。アイビーの剪定をする際に知っておいた方が良い知識になりますので、しっかり確認しましょう。徒長した葉や枯れた葉を選ぶ
剪定の際には、徒長した枝や枯れた葉を選びましょう。徒長した枝とは、その年に伸びた枝で、伸びすぎてしまった枝です。ヒョロヒョロと細長く、葉があまりつかないことも特徴です。アイビーの全体的なバランスを見て、好ましくない場合には思い切ってカットしましょう。木質化した部分まで切らない
アイビーの枝は基本的に緑色をしていますが、古くなった枝は木質化してきます。木質化した枝は、硬く茶色になり木の枝のような見た目になります。木質化した枝からは、新芽が出ません。そこで木質化した枝の部分を切ってしまうと、茶色の枝が剥き出しの状態になってしまいます。見た目が悪くなってしまうので、剪定の際は新しい緑色の枝をカットするようにしましょう。清潔なハサミを使う
アイビーに限らず、植物の剪定では清潔なハサミを使いましょう。アイビーの前に切った植物が病原菌を持っていた場合、ハサミをそのまま使うとアイビーも病気になってしまう可能性があります。ハサミは消毒液につけるか、もしくはバーナーで炙るなどして消毒するように心がけましょう。剪定後のアイビーの育て方
剪定が無事終わった後も、引き続き健康に生長してもらうために、アイビーの育て方を確認しましょう。日当たりと風通しの良い場所で管理
アイビーは日陰でも育ってくれる植物ですが、剪定後も元気に育ってもらうためには、置き場所は日向が好ましいです。日当たりの悪い場所だと、アイビーがヒョロヒョロと力なく徒長してしまうことがあります。しかし日当たりの悪い場所で育てていたアイビーを、突然日当たりの良い場所へ移動することは避けましょう。葉焼けの原因になります。さらにアイビーの枯れる原因として病害虫がありますが、多くのものが風通しを良くすることで予防できます。アイビーを置く位置は日当たりと風通しを確認しましょう。基本は土の表面が乾いてから水やり
アイビーはつるを長く伸ばすため、水を良く吸う植物です。しかし秋冬の水のやりすぎは根腐れの原因になります。根腐れを防止するため、土の表面が乾いたのを確認して水やりをしましょう。夏はたっぷりと水やり
アイビーにとって成長期の夏場は、特に多くの水が必要になります。たっぷりのお水をあげるようにしましょう。しかし暑い日にはあげた水が高温になり、根が痛みやすくなります。そのため、日中の水のあげすぎにも注意が必要です。また乾燥によって葉の元気がなくなることもあります。室内ではエアコンなどから乾燥することもあるため、霧吹きで葉に直接水を吹きかけると良いですよ。肥料を与えなくても十分に育つ
アイビーは培養土を用土として使用している場合、肥料を与えなくても十分に育ちます。しかしアイビーを「全体的に大きく育てたい」、「茎をもっと伸ばしたい」などの希望があるのであれば、肥料を与えると良いでしょう。肥料を与える際には、成長期の4月〜9月に月に2回ほど与えてあげると良いですよ。しかし肥料を与える分、生長も早いため、剪定もこまめに行うようにしましょう。剪定した枝を使ったアイビーの増やし方
剪定したアイビーをそのまま捨ててしまうのはもったいないですよね。そこで剪定した枝から、アイビーを増やす方法についてご紹介します。剪定したアイビーは水挿しで増やすことができる
剪定したアイビーは水挿しという方法で増やすことができます。水挿しはコップなどに水を張り、茎の切り口を水につける方法です。ある程度伸びたら土に植え替えたり、水挿しのままにして水耕栽培(ハイドロカルチャー)として育てることもできます。ハイドロカルチャーのメリットは、土を使わないため手や周りが汚れない点です。そのため室内でアイビーを生育させている方におすすめですよ。アイビーの増やし方には、水挿しでなく、土に植える方法で増やす「挿し木」という方法もあります。水挿しのやり方
アイビーを水挿しで増やすと決めたら、下記のものを用意しましょう。- コップ
- 水
- 発根促進剤
- 10cmほどでアイビーのつるをカット
- 葉を2~3枚残し、その他は取り除く
- コップに水をいれ、適量の発根促進剤を混ぜる
- カットしたアイビーのつるをコップに挿す
アイビーのつるを活かした巻き方アレンジ
アイビーは長く伸びたつるとその丈夫さからアレンジも豊富です。アイビーを庭で育てている方の中には門や塀に巻きつかせたり、観葉植物として育てている方なら、ハンギングポットを使い垂れ下げて楽しんだりと人それぞれの楽しみ方があります。アイビートピアリーに挑戦してみよう
アイビートピアリーとはフレームにツタを這わせるアイビーのアレンジ方法です。フレームの形によってイメージがガラリと変わるため、庭や室内のイメージとしっかり照らし合わせて形を選ぶといいですよ。 人気な形としてタワー型やハート型などがあります。動画で作り方を上げている人もいるため、実際に作業する際には参考にするのも良いですよ。アイビートピアリーの作り方
庭や部屋を彩るアイビートピアリーの作り方についてご紹介します。まずは下記を準備します。- アイビー
- 鉢植え
- 支柱
- 培養土
- 鉢底の石
- 鉢植えにアイビーを植える:この時大きな鉢植えを使う場合は、水はけが悪くならないように、鉢底の石をしっかり入れておくこともポイントです。
- 鉢に支柱を立てる:好みの形の支柱を立てます。支柱にアイビーが絡まると重くなり、鉢が倒れる原因になるため、土に20cmほど埋め込むようにしましょう。
- アイビーのつるを支柱に這わせる:アイビーの植え替えと支柱を立て終わったら、しっかり根が張り、新しい葉が出るまで待ちます。根が張る前に支柱につるを這わせてしまうと、土に根がつきにくくなるため注意が必要です。
- いつも通りのお世話をする:つるを支柱に這わせたら、その後はいつも通りのお世話をしましょう。
【まとめ】アイビーの剪定のやり方を紹介!剪定後の育て方から増やし方まで
ここまでアイビーの剪定やアレンジについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか? この記事のポイントは- アイビーは夏の成長期に剪定が必須
- アイビーの剪定には見た目を良くし、病害虫を予防する効果がある
- 剪定したアイビーの枝から水挿しでアイビーを増やすことができる
- アイビートピアリーでより一層アイビーを楽しめる