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観葉植物には土植え以外にもさまざまな育成方法があり、そのひとつがハイドロカルチャーです。すでに観葉植物を育てている方の中には、「ハイドロカルチャーにも挑戦してみたい」と考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、ハイドロカルチャーには向いている植物と、そうでない植物があります。
本記事では、以下の内容を詳しく解説しながら、「ハイドロカルチャー 向いている植物」についての理解を深めていきます。
- ハイドロカルチャーの基本情報
- ハイドロカルチャーに向いている植物の条件(特徴)
- インテリアとしてのハイドロカルチャーの機能性
- ハイドロカルチャーに向いている植物の具体例
- おすすめのハイドロカルチャー商品
- 初心者でもわかるハイドロカルチャーの育成方法と注意点
どんな植物がハイドロカルチャーに向いているのかを知り、ハイドロカルチャーへの理解を深めましょう。コツさえ掴めば、ハイドロカルチャーは清潔で簡単に管理でき、見た目もおしゃれ。部屋の中でも映えること間違いなしです。土植え以外の育成方法に挑戦したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
ハイドロカルチャーに向いている植物って何があるの?

ハイドロカルチャーにはどのような植物が向いているのでしょうか。植物の特徴を知る前に、まずはハイドロカルチャー自体の基本を押さえておきましょう。
そもそもハイドロカルチャーとは?
ハイドロカルチャーとは土を使わない育成方法のこと。水と人工の土を使用して植物を育てます。人工の土にもさまざまな種類がありますが、定番はハイドロボール。ハイドロボールは粘土を高温で焼いて発泡させた小さな石で、細かな孔が無数にあり、孔内の空気が根へ酸素を供給します。別名「発泡煉石(はっぽうれんせき)」とも呼ばれます。
なお、「ハイドロ」は水、「カルチャー」は栽培を意味する言葉ですが、ハイドロカルチャーは水だけで育てる水栽培や、肥料を混ぜた水で育てる水耕栽培とは異なる点に注意しましょう。
土なしなので虫なども寄り付きにくい最先端の育成方法
土を使わないハイドロカルチャーでは、虫が寄り付きにくいというメリットがあります。一般的な観葉植物用の土には堆肥や腐葉土などの有機物が含まれるため、植物の成長を促す一方で害虫を呼び込みやすくなります。しかし、ハイドロボールのような人工の土は無機質で無菌・清潔。そのため、虫の発生が少なく、安心して植物を育てられます。
どんな種類の品種がハイドロカルチャーに向いている植物なのかを徹底的に解説
土を使わずに育てられるハイドロカルチャーですが、すべての植物がハイドロカルチャーに適しているわけではありません。次の章から、ハイドロカルチャーに向いている植物の特徴や具体例を解説します。
ハイドロカルチャーに向いている植物の特徴

ハイドロカルチャーに向いている観葉植物には、いくつか共通する特徴があります。これから育てたい植物が以下に当てはまるかチェックしてみてください。
日陰でも育つ耐陰性が高い観葉植物
ハイドロカルチャーに向いている植物は、耐陰性が高い植物です。ハイドロカルチャーでは直射日光を避ける必要があります。直射日光が当たると水温が上がり、根腐れを起こす可能性があるからです。明るい日陰など、柔らかな光で管理できる植物を選ぶと安心です。
サボテンとは逆で水分を好む性質のある観葉植物
水を好む性質があるかどうかも重要なポイント。ハイドロカルチャーは慣れるまで水分量の管理が難しく、最初は水を与えすぎてしまうことも。そのため、サボテンなど乾燥を好む植物は不向きです。水を好む観葉植物なら、多少水を与えすぎても枯れにくく、安心して育てられます。
あまり大きくならない植物
ハイドロカルチャーにはコンパクトな植物を選ぶのがおすすめです。人工の土は土に比べて植物を固定する力が弱いため、植物が大きく育つと支えきれず鉢が倒れる危険があります。小型〜中型の品種を選ぶとバランスよく育てられます。
暑さ・寒さなどに比較的強い品種
耐暑性・耐寒性に優れていることも、ハイドロカルチャーに向いている植物の特徴です。ハイドロカルチャーは土植えよりも気温変化に敏感になりやすいため、環境の変化に強い品種を選ぶと管理しやすくなります。
インテリアとしてもハイドロカルチャーは優秀

ハイドロカルチャーはインテリア性にも優れ、部屋をおしゃれに彩ってくれます。飾り方の自由度が高いのも魅力のひとつです。
天井から吊るすなどレイアウトの幅を広げられる
ハイドロカルチャーは、鉢底穴のない容器を使うため水が垂れにくいのが特徴です。さらに、人工の土は一般的な土よりも軽量で扱いやすいため、天井から吊るして飾ることも可能。水やりの頻度も少ないので、水やりのたびに鉢を下ろす手間も減らせます。置くだけでなく、吊るす・引っ掛けるなど、多彩なレイアウトが楽しめます。
直射日光が苦手だから食卓の上などにも置きやすい
ハイドロカルチャーの植物は食卓など日陰になりやすい場所にも気軽に飾れます。直射日光を避けて育てるため、日陰の多いダイニングテーブルやキッチンにも置けて衛生的。食卓にグリーンを添えて、空間をおしゃれに演出しましょう。
種類は多くないが大型のハイドロカルチャーも存在
大きく育つ植物はハイドロカルチャーに不向きとお伝えしましたが、実は大型でもハイドロカルチャーで販売されている商品はあります。大型の植物は部屋の雰囲気を一新してくれ、インテリアとしての効果も抜群。ただし、倒れないように工夫したり、栄養管理・剪定をこまめに行う必要があります。土植えとは異なる雰囲気を味わえるため、上級者は挑戦してみても良いでしょう。
ハイドロカルチャー栽培に向いている植物

ここでは、先に紹介した特徴を踏まえ、ハイドロカルチャーに向いている植物を9種類ご紹介します。
ポトス
ポトスは水差しでも根付く丈夫さがあり、ハイドロカルチャーにも向いています。耐陰性があるため、日陰でも安心して育てられます。ただし、日光浴は成長に重要なので、たまには日光に当ててあげましょう。
アイビー
アイビーは耐暑性・耐寒性に優れた丈夫な植物です。室内でコンパクトに育てる場合は強い日光を必要としないため、ハイドロカルチャーでも十分育成できます。枯れにくく初心者にもおすすめです。
テーブルヤシ
テーブルヤシは株がコンパクトで成長がゆっくりなのが特徴で、ハイドロカルチャーとの相性が良い植物です。日陰でもしっかり育つため、食卓やデスク周りに置いて楽しめます。
フィロデンドロン
フィロデンドロンは半日陰を好み、水分を好む性質を持つため、ハイドロカルチャーに非常に向いています。多少水を与えすぎてもすぐに枯れることがなく、安心して育てられるのが魅力です。
ガジュマル
ガジュマルは丈夫で耐陰性があることで知られる観葉植物です。明るい日陰で育てるハイドロカルチャーとの相性も良好。ただし、本来は日光を好む性質があるため、適度に日光浴をさせてあげると元気に育ちます。
モンステラ
モンステラは耐暑性・耐寒性が高く、日陰でも育つため、ハイドロカルチャーに向いています。大きく育つ植物ですが、成長に合わせて大きな鉢へ植え替えたり、こまめに剪定したりすれば管理可能です。
パキラ
大型からコンパクトサイズまで幅広く流通するパキラ。根があまり張らず、室内の明るさでも育つため、ハイドロカルチャーとの相性が良いです。100円ショップなどでも手軽に入手できます。
コーヒーの木
コーヒーの木は小型サイズも多く、ある程度耐陰性があるためハイドロカルチャーに向きます。ただし寒さには弱いので、特に冬場の温度管理には注意してください。
サンスベリア
サンスベリアは初心者向けの育てやすい植物です。耐陰性・耐寒性ともに高く、ハイドロカルチャーにも適しています。日光を好む性質がありますが、明るい室内であれば問題なく育つので安心です。
ハイドロカルチャー向いている植物の中でもおすすめの人気商品

ハイドロカルチャーに向いている植物の中から、特におすすめしたい人気商品をご紹介します。購入時の参考にしてください。
パキラ
パキラは別名「発財樹」と呼ばれ、風水的にも良い効果が期待できる植物です。仕事運・金運・恋愛運の向上などの効果があるとされ、花言葉は「勝利」「快活」。縁起がよく初心者でも育てやすいので、ハイドロカルチャー初心者にもおすすめです。
商品名 | パキラ |
---|---|
価格 | 2,680円 |
花言葉 | 勝利、快活 |
風水効果 | 仕事運、金運、恋愛運アップ |
特徴 | 縁起の良い観葉植物、初心者の方にもおすすめ |
テーブルヤシ
テーブルヤシはヤシの仲間で、室内でもリゾートのような雰囲気を楽しめます。強い日光を必要としないため、部屋の好きな場所に飾れます。仕事運アップの風水効果もあり、書斎やデスクに置くのもおすすめ。空気清浄効果も期待できます。
商品名 | テーブルヤシ |
---|---|
価格 | 2,680円 |
花言葉 | あなたを見守る |
風水効果 | 仕事運、健康運アップ |
特徴 | そこまで日光量を必要としない、書斎などに飾ると仕事運アップ、空気清浄効果もある |
サンスベリア
サンスベリアはパキラ同様、初心者向けの育てやすい植物です。花言葉は「永久」「不滅」で、縁起物の贈り物にも喜ばれます。鋭い葉には厄除け・魔除けの風水効果があるとされ、気の入り口である玄関や、悪い気が溜まりやすいトイレに飾るのがおすすめ。空気清浄力にも優れています。
商品名 | サンスベリア |
---|---|
価格 | 2,680円 |
花言葉 | 永久、不滅 |
風水効果 | 厄除け、魔除け、仕事運アップ |
特徴 | 初心者向け、玄関やトイレに飾るのがおすすめ、空気清浄効果がある |
初心者でもわかりやすい!ハイドロカルチャーに向いている植物の育成方法

これからハイドロカルチャーに挑戦する初心者の方に向けて、ハイドロカルチャーに向いている植物の基本的な育て方を紹介します。
基本的なハイドロカルチャーの生育方法
基本手順は以下の通りです。
- 容器の底に根腐れ防止剤を敷く。
- 人工の土(ハイドロボールなど)を容器の3分の1まで入れる。
- イオン交換樹脂栄養剤(※)を適量振りかける。
- 根の付いた植物を中心に入れ、人工の土の高さを調整する(容器の側面に根が当たらないよう注意)。
- 植物の周りに人工の土を入れて固定する。ぐらつかないよう、根と根のすき間にも詰める。
- 容器の5分の1~4分の1まで水を注ぐ。
(※)土植えでは土が植物から出る老廃物を分解しますが、人工の土には老廃物を分解する力がありません。そのため、老廃物は容器に溜まってしまいます。放置すると根腐れや枯死の原因になるため、ハイドロカルチャーではイオン交換樹脂栄養剤を使用して老廃物を吸収・分解させる必要があります。また、イオン交換樹脂栄養剤は植物に栄養を与える肥料としても機能するため、非常に有効です。
ここは気をつけたい!生育時の注意点
ハイドロカルチャーで植物を育てる際は、以下の点に注意しましょう。
直射日光が当たる場所には置かない
直射日光は葉焼けや根腐れの原因になります。また、コケや藻が発生しやすくなるデメリットも。明るい日陰で育てるのが基本です。
乾燥のさせすぎもNG。適宜チェックが重要
水を与えすぎると枯れますが、乾燥させすぎても枯れてしまいます。水分不足のサインは葉先の変色。変色が見られたら水分量を見直しましょう。空気中の湿度を補うには葉水が効果的です。
水位計を挿して水分量を数値化する
適切な水分量を維持するには水位計の使用が便利です。透明でない容器を使う場合でも、水位計があれば水分量の把握が容易になります。水のやりすぎ・不足を防ぐためにも積極的に利用しましょう。
植え替え時期と作業には注意
ハイドロカルチャーでは半年〜1年に1回程度の植え替えが必要です。人工の土や容器の洗浄、根腐れ防止剤の入れ替え、成長に応じた容器交換など、理由は複数あります。植え替えは植物にダメージを与えるため、時期選びが重要。基本的には5月〜6月に行いましょう。
慣れれば育てやすく虫も寄り付きにくいのでぜひ挑戦を
ハイドロカルチャーは注意点さえ押さえれば、清潔で手間の少ない育成方法です。虫も寄り付きにくく、初心者でもチャレンジしやすいので、ぜひ試してみてください。
Q&A

ハイドロカルチャーに向いている植物に関して、よくある質問にお答えします。
Q,ハイドロカルチャーに向いている植物じゃないものはサボテン以外に何がありますか?
A, サボテンのほか、草花やシダ類・コケ類などはハイドロカルチャーに不向きです。
日光や乾燥を好むサボテン以外にも、草花系は根が細く、ハイドロカルチャーでは開花に必要な栄養を十分に与えられないことが多いです。また、シダ類やコケ類は根の吸水力が弱いため、水を貯めるハイドロカルチャー環境では管理が困難。よって、これらの植物は避けましょう。
Q,ハイドロカルチャーに向いている植物は日陰がいいと聞きましたが、たまには日光に当てないと成長しないのですか?
A, 植物によっては日光浴をさせたほうが元気に育ちます。
基本は明るい日陰で管理が前提ですが、ポトスやガジュマルなど、日光を好む性質のある植物は時々日光浴をさせると良いでしょう。植物ごとの性質を理解したうえで管理することが大切です。
Q,ハイドロカルチャーに向いている植物でも根腐れはしますか?
A, 向いている植物でも管理方法次第で根腐れします。
ハイドロカルチャーで最も重要なのは水分量の管理。適量を守らないと、根腐れは起こり得ます。水位計を活用するなどして、常に水分量を把握しましょう。
虫がこない?お世話が楽?ハイドロカルチャー向いている観葉植物を紹介|まとめ
ハイドロカルチャーに向いている観葉植物について解説してきました。改めて本記事のポイントをまとめます。
- ハイドロカルチャーとは土を使わない最先端の栽培方法
- ハイドロカルチャー 向いている植物の特徴は「耐陰性が高い」「水分を好む」「大きく育たない」「耐暑性・耐寒性が高い」
- ハイドロカルチャーはインテリアとしても優秀で、レイアウトの幅が広い
- 育成のコツは、直射日光を避ける・水分量を適切に管理する・適期に植え替えること
ハイドロカルチャーはすべての植物に適応できるわけではないというデメリットはありますが、手軽で清潔に植物を育てられる魅力的な栽培方法です。土植えや水栽培、水耕栽培とは一味違う楽しみがあるので、ぜひ一度挑戦してみてください。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。