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優しい色合いの可憐な花を咲かせるスカビオサ(マツムシソウ)。ブルー系を中心に花色も豊富で切り花として人気がありますが、スカビオサを自分で育てることもおすすめです。自分で育てれば、スカビオサの花が風に揺れる涼しげな姿やつぎつぎと花を咲かせる姿を身近に眺めることができます。 この記事では、
- スカビオサ(マツムシソウ)とは
- スカビオサの育て方のポイント(①置き場所)
- スカビオサの育て方のポイント(②水やり)
- スカビオサの育て方のポイント(③土作り)
- スカビオサの育て方のポイント(④肥料)
- 病害虫の被害への対処法
- 上手な手入れのコツと植え替え方法
- スカビオサを増やすには
- スカビオサの夏越しには注意が必要
- スカビオサの人気品種9選
スカビオサ(マツムシソウ)とはどんな植物?
ここでは、スカビオサ(マツムシソウ)という植物について解説します。日本では「マツムシソウ」の名前で知られているスカビオサですが、どんな特徴を持つ植物なのでしょうか。アフリカやヨーロッパ原産のスイカズラ科の植物
スカビオサは、アフリカやヨーロッパなどを原産とするスイカズラ科の植物です。品種によって1年草、2年草、多年草のものがありますが、多年草の品種であっても日本の高温多湿な環境では夏を越すのは難しいとされています。日本では「マツムシソウ」の名前で知られている
日本ではスカビオサの近縁種「マツムシソウ」が山地の草原などに自生しています。そのため、日本ではスカビオサのことを「マツムシソウ」の名前で呼ぶことがあります。マツムシソウの名前は松虫が鳴く秋の季節に花を咲かせることに由来すると言われています。春咲きや秋咲き、四季咲きの品種がある
スカビオサは多くの園芸品種があることでも知られています。品種によって、春咲きや秋咲き、四季咲きのものがありますから、さまざまな季節に花を楽しむことができます。ブルー系の花が多くピンクなども存在する
スカビオサの花はやわらかく優しい色合いが特徴ですが、薄紫、紫、赤、ピンク、白、黄色など多くの花色があります。ブルー系の花が多く流通していますが、ピンクや黄色などの色も存在します。暑さに弱いため鉢植えでの栽培がおすすめ
スカビオサは野山の冷涼な環境で自生するため、暑さに弱い植物です。特に高温多湿な環境を苦手としますから、夏越しするためには鉢植えでの栽培がおすすめです。スカビオサの育て方①:置き場所
ここでは、スカビオサの育て方として「置き場所」について解説します。寒さに強く、暑さに弱いスカビオサの性質に合った置き場所を選びましょう。日当たりと風通しの良い場所で管理
スカビオサは、日当たりと風通しの良い場所で管理しましょう。ただし、夏の直射日光に当てないようにします。夏の直射日光を避けるなどのため、置き場所を移動できる鉢植えが便利です。高温多湿に気を付ける
スカビオサは夏の暑さ、特に高温多湿な環境が苦手な植物ですから、夏越しが育て方のポイントです。日本でも地植えで夏越しすることができる冷涼な地域はありますが、暑さや蒸れを避けるため日陰や室内に移動させることができる鉢植えでの栽培がおすすめです。耐寒性は強く冬越し可能
夏の暑さには弱いスカビオサですが、耐寒性は強い植物です。地植えでも冬を越すことができるほどですから、スカビオサはあまり冬越しの心配をする必要はありません。スカビオサの育て方②:水やり
ここでは、スカビオサの育て方として「水やり」について解説します。暑さと蒸れに弱いスカビオサには、どんな点に気をつけて水やりをすればよいのでしょうか。土の表面が乾いたら水やり
スカビオサの水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりすることが育て方の基本です。乾燥には比較的強いスカビオサですが、ジメジメと湿った環境は苦手です。水の与え過ぎには注意しましょう。夏は蒸れやすい日中を避けて水やり
スカビオサに夏の暑さと蒸れは大敵です。日差しが強く気温が高い夏の日中に水やりを行うと、スカビオサが蒸れてしまいます。夏の季節は、日中を避けて早朝や夕方の比較的涼しい時間帯に水やりを行いましょう。スカビオサの育て方③:土作り
ここでは、スカビオサの育て方として「土作り」について解説します。暑さと蒸れが苦手なスカビオサにはどんな土が適しているのでしょうか。水はけの良い土が適している
蒸れが苦手なスカビオサには、水はけの良い土が適しています。用土には、市販の草花用培養土を使っても構いません。市販の草花用培養土であれば、自分で配合する手間がかかりませんから手軽で便利です。配合する場合は赤玉土4:軽石砂4:腐葉土2がおすすめ
スカビオサの栽培に適した水はけの良い土を自分で配合することもできます。用土を自分で配合する場合には、赤玉土4:軽石砂4:腐葉土2の割合がおすすめです。スカビオサの育て方④:肥料
ここでは、スカビオサの育て方として「肥料」について解説します。スカビオサにはどんな肥料をどのタイミングで与えると良いのでしょうか。生育期に液体肥料を与える
スカビオサの肥料は、生育期にだけ与えましょう。生育期に液体肥料を1週間から10日に1回ほどのペースで与えます。なお、用土に培養土が含まれている場合には、それほど肥料は必要としません。真夏や休眠期は肥料を与えない
スカビオサがあまり成長しない時期には肥料を与えないようにしましょう。暑さに弱いスカビオサですから、休眠期だけではなく株が弱っている真夏にも肥料は与えません。スカビオサに多い病害虫と対処法
ここでは、スカビオサに多い病害虫と対処法について解説します。スカビオサは「灰色かび病」と「アブラムシ」に注意が必要ですが、灰色かび病は育て方のポイントを押さえれば予防することができます。灰色かび病
灰色かび病は梅雨の時期などジメジメとした環境で発生しやすい病気です。灰色かび病にかかると花や葉っぱ、茎に小さな斑点ができて、次第に灰色のカビが広がっていきます。発症している箇所は回復しませんから、病気が周囲に広がる前に見つけたらすぐに切り取って捨てましょう。日当たりと風通しの良い環境で育てることで灰色かび病の予防につながります。アブラムシ
スカビオサにはアブラムシがつくことがあります。アブラムシは葉っぱなどから吸汁してスカビオサの生育に悪影響を与えますから、見つけたらすぐに取り除いて駆除しましょう。スカビオサのお手入れのポイント
ここでは、スカビオサのお手入れのポイントについて解説します。スカビオサを美しい状態に保つためには、ちょっとしたコツを押さえてお手入れすることが大切です。草丈が高くなったら支柱を立てる
スカビオサの草丈は品種によって高さが違いますが、背丈が高くなる品種は成長するについれて倒れてしまうことがあります。背丈が高くなったら、支柱を立てて倒れるのを防ぎましょう。花が咲き終わったら花がら摘み
花が咲き終わった後の花がらはなるべく早く摘み取るようにしましょう。花がらをそのままにせず花がら摘みを行うことによって、次から次へと花が咲きやすくなります。スカビオサの植え替えのポイント
ここでは、スカビオサの植え替えのポイントについて解説します。スカビオサにも植え替えは必要なのでしょうか。多年草タイプは植え替えが必要
スカビオサには1年草、2年草、多年草の品種があります。1年草や2年草の品種には植え替えは必要ありませんが、多年草タイプの品種には植え替えが必要です。定期的に植え替えを行うことによって、多年草タイプのスカビオサは長く楽しむことができます。植え替えのときに、根が少ない場合は根鉢を崩さないように植え付けし、根がしっかり張っている場合は根鉢から土を落としてから植え付けをします。2年に1度のペースが目安
鉢植えでスカビオサを育てている場合には、2年に1度のペースが植え替えの目安となります。植え替えを行うときには、ひと回り大きなサイズの鉢に植え替えるようにしましょう。なお、購入したときに苗がビニールポットに植えられている場合には、早めにビニールポットから植え替えします。適期は3月~4月と9月~10月
スカビオサの植え替えに適している時期は、3月〜4月と9月〜10月です。暑さが苦手なスカビオサですから、株が弱っている夏の時期は植え替えを控えましょう。スカビオサの増やし方
ここでは、スカビオサの増やし方について解説します。スカビオサを増やすには、種まきで増やす方法と株分けや挿し芽で増やす方法があります。一年草タイプは種まきで
一年草や二年草の品種は種まきで増やすことができます。種まきは3月〜4月、9月〜10月に次の手順により行って種から発芽させます。- 花が咲き終わったら種を採取する
- 容器にバーミキュライトを敷いて、種をまく
- 乾燥させないように気をつけて日陰で管理する
- 1週間ほどして発芽が確認できたら、根がしっかりと張るのを待って新しい鉢に植える
多年草タイプは株分けや挿し芽で
多年草タイプは株分けや挿し芽で増やすことができます。スカビオサの株分けは簡単です。株分けは3月から4月の時期に行いますが、根っこが痛まないように土を掘ってから、花芽が2つ〜3つずつになるように株をハサミで切り分けるだけです。 挿し芽の方法は種まきの方法に似ています。挿し芽は3月〜4月、9月〜10月に次の手順により行います。- 花芽がついていない茎を10cmほどの長さで切り取る
- 容器にバーミキュライトを敷いて、切り取った茎を挿す
- 乾燥させないように気をつけて日陰で管理する
- 発根が確認できたら、根がしっかりと張るのを待って新しい鉢に植える
夏に弱いスカビオサの夏越しの方法
ここでは、夏に弱いスカビオサの夏越しの方法について解説します。寒さに強いスカビオサは「冬越し」よりも「夏越し」が育て方の大切なポイントです。鉢植えで育てて夏場は涼しい場所に移動させる
夏に弱いスカビオサを簡単に夏越しさせるためには、鉢植えでの栽培がおすすめです。鉢植えであれば、季節の変化に合わせて苦手な環境を避けスカビオサに適した場所に移動させることができます。夏場には強い日差しの当たる場所は避けて、日陰や室内など涼しい場所に移動させましょう。地植えの場合は株元にワラや腐葉土を敷く
地植えの場合には、季節に応じて移動させることはできません。スカビオサが好む冷涼な場所に植え付けることが基本ですが、株元にワラや腐葉土を敷くことで夏の暑さの影響を和らげることができます。排水性の高い土壌作りをする
スカビオサは湿度の高い環境も苦手です。特に、夏の高温多湿な環境ではスカビオサが蒸れてしまいます。風通しの良い場所で育てることも大切ですが、用土も同じくらい大切です。スカビオサには水はけの良い土が適していますから、腐葉土をすき込むなど排水性の高い土壌作りをしましょう。スカビオサの人気品種一覧
ここでは、スカビオサの人気品種一覧について解説します。人気のあるスカビオサの品種を厳選して9品種ご紹介します。スクープ
スクープは宿根草で、ドーム状の大きな花が咲く華やかな品種です。スカビオサは夏越しが育て方のポイントになりますが、スクープは比較的暑さに強いため初心者の方でも育てやすい品種です。アメジストピンク
アメジストピンクは宿根草で、大輪のピンクの花を咲かせる品種です。存在感のある大輪の花は、ピンクの優しい色合いで可愛らしさに溢れています。花付きに優れた品種ですから、つぎつぎと素敵な花を咲かせてくれます。ムーンダンス
ムーンダンスは、月(ムーン)のような柔らかい黄色の色合いが特徴の多年草です。コンパクトな品種ですから、育っても45cmほどの草丈です。開花時期は6月から9月にかけてですが、風に揺れて涼しげな雰囲気を漂わせます。パーフェクタ
パーフェクタはコンパクトな品種ですが、10cmほどの大きさになる大輪の花が特徴です。花色はブルー系ですが、白色に近いものから濃い青色のものまで花色にバリエーションがあります。パーフェクタは多年草タイプですから、同じ株を長く育てることができます。ドラムスティック
ドラムスティックは春に花を咲かせる一年草の品種です。白に近いラベンダー色の小さな花を咲かせますが、花が咲き終わった後に見ることができる種の形がユニークです。ドラムスティックの名前はユニークな種の形から来ています。ピンクッション
ピンクッションは、やや小さめの淡い色の花をたくさん咲かせる宿根草です。花姿はドーム状で可愛らしく、開花時期が長いことが特徴です。ピンクッションはコンパクトな品種ですから、育っても35cmほどの草丈です。ピンクレース
ピンクレースは、大輪のピンクの花を咲かせる品種です。夏から秋に花をつぎつぎに咲かせますが、ピンクレースの名前のとおりピンク色のフリルをまとったような可憐な花姿が特徴です。夏の暑さが苦手なスカビオサの中では比較的暑さに強い品種です。エースオブスペード
エースオブスペードは、花色がユニークな品種です。ダークレッドの花色はほとんど黒に近く、シックで重厚感があります。エースオブスペードには夏から秋にかけておしゃれな花色をしたふんわりとした花がつぎつぎに咲きます。オクロレウカ
オクロレウカはムーンダンスの元となった品種で、6月から9月にかけてクリーム色の花を咲かせますムーンダンスはコンパクトな品種でしたが、オクロレウカは草丈が80cmほどまで育ち、花もやや大きい品種です。【まとめ】スカビオサの育て方を紹介!夏越しのポイントから人気の品種まで
ここまで、スカビオサの育て方のポイントだけではなく、よくある病害虫の対処法、手入れのコツや植え替え方法、増やし方、スカビオサの人気品種など詳しく解説してきましたがいかがだったでしょうか。 この記事のポイントは、- スカビオサはアフリカやヨーロッパ原産のスイカズラ科の植物で、日本では「マツムシソウ」の名前で知られている。春咲き、秋咲き、四季咲きなど品種も多く、ブルー系など花色が豊富。夏の暑さに弱いため、植木鉢での栽培がおすすめ
- スカビオサの置き場所は、高温多湿な環境を避けて日当たりと風通しのよい場所に置くことが育て方のポイント
- スカビオサの水やりは、土の表面が乾いたら水やりすることが基本。暑い夏には日中を避けて涼しい早朝や夕方に水やりを行うことが育て方のポイント
- スカビオサの土作りは、水はけの良い土が適しており市販の草花用培養土で十分。自分で配合する場合には、赤玉土4:軽石砂4:腐葉土2の割合で配合することが育て方のポイント
- スカビオサの肥料は、生育期に液体肥料を与える。夏や休眠期には肥料は与えないことが育て方のポイント
- スカビオサによくある病害虫は灰色かび病とアブラムシ。灰色かび病にかかると復活しないため感染した箇所を切り取る。アブラムシは見つけたらすぐに駆除する
- ①草丈が高くなったら支柱を立てる、②花が咲き終わったら花がらを摘むことが上手な手入れのコツ
- 1年草と2年草は植え替えの必要はないが、多年草の品種は2年に1回ほどひと回り大きい鉢に植え替えると良い
- スカビオサは種まきによって増やすことができる。多年草タイプの品種は株分けや挿し芽でも増やすことができる
- 暑さに弱いスカビオサを夏越しさせるためには、鉢植えで育てて夏には涼しい場所に移動させることが基本。地植えの場合には、株元にワラや腐葉土を敷くとよい
- スカビオサの人気のある品種は、スクープやアメジストピンクなど