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鋭いトゲが生えた茎の先端に可愛らしい花を咲かせるハナキリン。その個性的な花姿が人気の多肉植物です。種類によって花姿はさまざまですが、暖かい環境であれば一年中花を咲かせます。花の少ない季節でも、お部屋を鮮やかに彩ってくれるハナキリンを育てたいと考えている人も少なくないと思います。しかしハナキリンは種類が多く、それぞれの特徴や育て方が分からないと花を咲かせることができるか不安ですよね。
ハナキリンにはどのような種類があって、育て方のポイントには何があるのでしょうか。
そこでこの記事では、
- ハナキリンの特徴
- ハナキリンの種類
- ハナキリンの注意点
- ハナキリンの育て方
ハナキリン(花麒麟)とはどんな植物?
独特な雰囲気を持つハナキリンですが、どのような植物なのでしょうか。ここからは、ハナキリンの特徴について詳しく見ていきましょう。トウダイグサ科に分類される多肉植物
ハナキリンは、マダガスカル原産のトウダイグサ科の多肉植物です。気候条件がそろっていれば大きいものでは草丈が100cm以上になり、樹木のように立派な姿になります。茎に生えた太いトゲが特徴的
茎全体に長さが2cmほどの太く鋭いトゲがびっしりと生えています。若いうちはトゲが柔らかいのですが、成長とともに徐々に硬くなっていくので取り扱いには注意が必要な植物です。ユーフォルビアの仲間
ハナキリンはユーフォルビアの仲間になります。ユーフォルビア属は2000種以上もあり、花の鑑賞のできる種類から低木の種類まで多様に存在します。日本国内でもユーフォルビア属のさまざまな形態の植物が自生しています。6月~10月が開花の時期
開花時期は基本的に6月~10月ですが、地域によって異なります。ハナキリンの開花温度は15℃なので、暖かく適した環境で育てましょう。管理方法次第で、一年中花を咲かせることが可能です。乾燥や暑さに強く、寒さや湿気は苦手
砂漠の厳しい環境でも適応できる植物なので、乾燥や暑さには非常に強く夏の日差しにも耐えられます。一方で寒さや湿気は苦手です。冬の気温が低い時期は、室内の日当たりの良い場所に移動して管理するようにしましょう。ハナキリンにはどんな種類がある?
ハナキリンは種類が多く、さまざまな雰囲気で人々の目を楽しませてくれます。種類によって花姿や株の大きさに違いがあり、置き場所やお部屋のイメージに合わせて選択できる植物です。赤、ピンク、白、黄など様々な色のバリエーション
花の色は種類によって赤やピンクの他に白や黄色もあり、バリエーション豊富です。花びらのように見える部分は苞という葉の一部で、実際の花は中心の部分のみになります。花は丸く小さいフォルムが可愛らしく、たくさんのトゲの生えた太い茎とのギャップがハナキリンの魅力といえます。小さなものから大型品種まで様々な大きさ
草丈は小さいもので20cmほどですが、種類によっては100cm以上に大きく生長します。購入する時は、将来的な大きさも考慮して品種を選ぶ必要があります。冬は室内で管理することが多いため、一般的には大きさに関わらず鉢植えで育てます。班入りの品種やトゲが無いものもある
色や大きさの違いだけでなく、班入りの種類も個性的で人気です。また、トレードマークであるトゲが無いタイプもあり、トゲナシハナキリンと呼ばれています。トゲナシハナキリンの葉は、小さく丸い形をしていて表面に光沢があるのが特徴です。ハナキリンの主な人気種類一覧
ハナキリンの特徴が分かったところで、ここからは主な種類一覧を見ていきましょう。数多くの種類の中から、特に人気のある7種をご紹介していきます。スプレンデス
ハナキリンは、トウダイグサ属分類のスプレンデスとその仲間の総称になります。スプレンデスはハナキリンの中で最もポピュラーな種類なので、多く栽培されており見かける機会も多いでしょう。草丈2mほどに成長し1~2cmの花を咲かせます。花数が2輪、4輪、6輪と倍に増えていき、多いものでは、茎の先端に32輪もの花を付けます。赤っぽいピンク色の花がとても鮮やかで可愛らしい印象です。ミリー
ミリーはハナキリンでは主要なタイプになります。他の変種との違いを比較するための、基準変種として用いられることが多い品種です。広く栽培されているものではないので見かけることは少ないですが、鮮やかな濃い赤色の花は小さめですが人の目を引く存在感があります。ミリーは株を大きく育てると枝が湾曲して伸びる特徴があります。ヒスロピー
ヒスロピーは茎の太さが3~4cmほどにもなり、ハナキリンの中で最も大型の種類になります。一般的に初めは緑褐色の茎が次第に灰褐色になり、最終的に茶褐色に変わっていきます。茎の色が成長とともに変化しすることで異なる雰囲気を楽しむのも、ヒロスピーの魅力のひとつと言えます。花の色は赤や淡いピンクでとても華やかです。ヒスピローは「千里紅」という別名を持っています。ブレオニー
ブレオニーは濃い赤色の花を咲かせ、葉柄が少し入っている種類です。茎の頂点で放射線状に葉をつける姿が特徴的です。ハナキリンでは葉柄が付いているタイプは珍しく、花はもちろん葉の美しさも楽しむことができるので人気の種類です。ブレオニーは「竜血鬼」という園芸名を持っています。トゲナシハナキリン
トゲナシハナキリンはハナキリンとは同属別種になります。見た目はそっくりですが、その名の通り茎にトゲがありません。葉は楕円形の形をしており交互に付く単葉で、表面に光沢感があり上品な印象です。扱いやすいため人気の種類ですが、ハナキリンに比べて花の数が少なく寒さに弱い性質を持っています。シャインキッス
シャインキッスはハナキリンの交配・改良品種になります。従来品種よりトゲの量がかなり少なく柔らかいのでその扱いやすさから人気の種類です。葉が大きいうえに白やピンクの大輪の花を咲かせるのでとても華やかです。また乾燥に非常に強く丈夫で育てやすいので、園芸初心者の人にもおすすめできます。ムーンキッス
ムーンキッスもシャインキッス同様、交配・改良品種です。従来品種は小輪の物が多くありますが、ムーンキッスは月を連想させるような黄色の大輪の花を咲かせます。優しい色合いが落ち着いた雰囲気を醸し出しています。丈夫な性質のため、栽培難易度は比較的易しい種類です。ハナキリンのトゲと樹液に注意
多種多様な姿で人々の目を楽しませてくれるハナキリンですが、栽培には注意すべきポイントがあります。お手入れの際は以下の2点に注意してください。茎にあるトゲは長さ2cmほどある
先にお話しした通り、ハナキリンは茎全体に太くて鋭いトゲがびっしり生えています。トゲの長さは約2cmで、素手で触れると怪我をしてしまう可能性があり大変危険です。小さなお子さんがいる場合は、手が届かない場所に置くなど工夫しましょう。剪定をするときに有毒成分を含む樹液が出る
ハナキリンを剪定すると、切り口から白い樹液が出てきます。この樹液は有毒成分を含んでおり、体質によっては皮膚に付くと痒みやかぶれを引き起こす恐れがあります。作業の際には必ずゴム手袋を着用するようにしてください。ハナキリンの育て方
ハナキリンの栽培の注意点をふまえて、ここからは栽培に適した環境や水やりについてなど基本的な育て方をご紹介していきます。管理方法次第で、より健康的で美しいハナキリンを育てる事が出来ます。種類によって育て方に大きな違いはありませんので参考にしてください。日当たりの良い場所で管理
ハナキリンは日光不足の環境ではうまく育ちません。日差しがたっぷり降り注ぐ明るい場所に置くと、元気に成長します。また湿気に弱いので、風通しのよさも考慮する必要があります。冬は室内に取り込んで育てる
寒さに弱い性質のため、冬の時期に気温が5℃以下になるような場合は室内に移動します。日光が十分に当たる窓際などで管理するのが理想的です。気候条件が適していれば、冬でも毎日花を咲かせます。夏は2~3日に1回、冬は10日に1回を目安に水やり
乾燥気味を好むため、こまめな水やりは必要ありません。夏の暑い時期は土の表面が乾いて白っぽくなったら水を与えましょう。2~3日に1回程度が目安になります。生育が止まる冬の水やりはさらに頻度を減らし、10日に1回軽く与える程度で十分です。必要以上に与えると株を弱らせてしまうことがあるので適量に気を付けましょう。生育期の5月~11月に3回ほど肥料を与える
ハナキリンは多くの肥料を必要としません。基本的には生育期である5~11月に液体肥料を3回ほど与えます。植え替え時に緩効性肥料を施していれば、他の時期の施肥は特に必要ありません。肥料を与えすぎるとかえって株が弱り、害虫が付いたり病気になったりする恐れがあります。また、花付きも悪くなってしまうので注意が必要です。【まとめ】ハナキリンの様々な種類を徹底解説!それぞれの特徴や注意点まで
ハナキリンの種類について詳しく解説してきました。 本記事の内容は、- マダガスカル原産のトウダイグサ科ユーフォルビア属の多肉植物
- 小型から大型までさまざまな草丈の種類があり、同属のトゲが無いタイプも存在する
- 代表格であるスプレンデスをはじめ、ヒスロピーやトゲナシハナキリンなどが人気
- 切り口から出る樹液に触れると、痒みやかぶれを引き起こすことがある
- 日当りと風通しの良い環境で、乾燥気味に育てる