目次
マーガレットは、白い花びらと黄色い花柱が特徴の可憐な花で、多くの人々に愛されています。丈夫で育てやすく人気が高いマーガレットですが、似た花がたくさんあることをご存知ですか? そこで今回は
- マーガレットの基本情報
- マーガレットに似ている花の特徴
- マーガレットと似た花の見分け方とは?
マーガレットってどんな植物なの?
春の訪れを告げる花として親しまれているマーガレット。その清楚な花姿は、多くの人々を魅了しています。しかし、マーガレットってどんな植物なのか、詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。特徴や種類などの基本情報をご紹介します。マーガレットの基本情報
マーガレットは、キク科モクシュンギク属の植物です。白やピンクなど色とりどりの花を咲かせます。原産地はカナリア諸島で、日本には明治時代に伝わりました。半耐寒性の多年草ですが、一年草として扱われることもあります。 冬から春にかけた季節に開花します。日当たりが良い場所で育てることで、長期間美しい花を楽しむことができます。鉢植え管理が主な栽培方法ですが、花もちが良いため切り花にも向いています。 花占いの花としても有名ですね。マーガレットの花びらを一枚ずつちぎりながら、「好き、嫌い、好き、嫌い…」と言って、最後に「好き」が出ると相手に想いが伝わるという言い伝えがあります。しかし、マーガレットの花びらの数は品種によって違いますが、ほとんどの場合は21枚で奇数のため、「好き」から始めれば必ず「好き」で終わります。マーガレットの恋占いは、乙女たちの夢を裏切らない占いなのです。 花言葉は「純潔」「美人」「平和」「希望」などがあります。花色や本数によっても意味が変わってくるため、多様なメッセージを込めた贈り物として活躍しています。 マーガレットという名前は、ギリシャ語の「真珠」を意味する「Margarites(マルガリテス)」に由来します。白い花びらに縁どられた花の形が、真珠に似ていると考えられたからでしょう。植物名 | マーガレット |
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学名 | Argyranthemum frutescens |
草丈 | 30cm~100cm |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 弱い |
和名はモクシュンギク
マーガレットは、和名では「モクシュンギク(木春菊)」と呼ばれています。茎の下部が木質化していることと、葉っぱの形がシュンギクに似ていることに由来しています。スペインのカナリア諸島が原産の低木
マーガレットは、アフリカ北西海岸付近の大西洋上にあるスペインのカナリア諸島が原産の低木です。カナリア諸島は、温暖な気候で年間を通して降水量が少なく、マーガレットの環境に適しています。日本では、明治時代にヨーロッパから伝来しました。現在では、観賞用として広く栽培されています。 ご自宅で栽培する場合は、苗から育てるとよいでしょう。鉢植えにする場合は、3~5月頃に水はけのよいアルカリ性の土に植え付けます。地植えにする場合は、南向きの日だまりなど、寒風の当たらない日当たりのよい場所に植えつけます。水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと行いますが、花に水がかからないように注意する必要があります。肥料は開花中は液体肥料を2~3週間に1回程度与えますが、7~8月は肥料を与えません。寒さに弱いため、12~3月頃までは室内の窓際など暖かい場所で管理します。4月中旬~下旬頃に室外に出し、11月までは風通しの良い場所で半日ほど日光に当てて育てます。生育がよく根詰まりを起こしやすいため、育て始めて1年以上たっているなら一回り大きなサイズの鉢へ植え替えを行います。植え替えの適期は暖かくなった3月~5月です。 育てやすく色とりどりの花を長く楽しめるため、園芸初心者の方にも人気があります。白やピンクや赤など様々な花色の種類をもつ
マーガレットの花色は、白・ピンク・赤などさまざまあります。また、花色が咲き進むにつれて変化する品種もあります。色味が変化する主な品種はこちらです。- マーガレット・シンプリーコーラル:ピンクがかったクリーム→縁取りがピンク→コーラルピンク
- マーガレット・ストロベリーホイップ:濃いピンク→ピンク→白
- マーガレット・デイジーイエロー:黄→薄い黄→白
- マーガレット・バブルカムブラスト:濃いローズピンク→淡いピンク
- マーガレット・あんずな気持ち:あんず色→ピンク
- マーガレット・ハナマルホワイト:寒い時期は淡いピンク・暖かい時期は白に、気温によって花色が変化する。
似た花が多く中には雑草として扱われるものまで存在する
マーガレットは似た花が多く、中には雑草として扱われるものまで存在します。マーガレットと似た花を見分けるには、花弁の形や茎の形、葉の形などをよく観察するとよいでしょう。例えばヒメジョオンはマーガレットによく似ていますが、雑草として扱われます。ヒメジョオンは北アメリカ原産のキク科の一年草または越年草です。もともと観賞用として日本に導入されましたが、明治初期には雑草化しました。ヒメジョオンが雑草として扱われる理由は繁殖力が強く、放っておくとあっという間に広がってしまうからです。また、ヒメジョオンの種子は、鳥などの動物によって運ばれるため、除草が難しいという特徴もあります。マーガレットによく似た花【ノースポール】
マーガレットによく似た花として、ノースポールが知られています。ノースポールは、春に白い花を咲かせるキクの仲間で、マーガレットと似た花を咲かせます。ノースポールの特徴や育て方についてご紹介します。ノースポールは黄色が中心の白いキク
ノースポールは黄色が中心の白いキクです。白い花びらと黄色い花芯を持つマーガレットに似た花を咲かせます。キク科フランスギク属に分類され、北アフリカ原産の一年草です。雪のように白い花が北極を連想させることからノースポールという名前がつけられたと言われています。花言葉は、「純真」「清潔」「清純」など。真っ白の花が清潔で汚れのない様子をイメージされています。冬から初夏まで花を楽しむことができるのが特徴
ノースポールは冬から初夏まで花を楽しむことができるのが特徴です。12月~5月までの季節に長く咲き続けるため、冬の花壇や寄せ植えにおすすめです。ノースポールは、日当たりと風通しの良い場所で育てるとよく咲きます。水やりは土が乾いたらたっぷりと行い、開花期間中は10~15日に1回液体肥料を与えます。ノースポールは寒さに強い植物ですが、高温多湿に弱く梅雨時に枯れてしまうことがあります。そのため、一年草扱いになっています。マーガレットと比べて花びらが丸っこく大きい
ノースポールの花径は3cm程度で、マーガレットよりも小さい白い花を咲かせます。また、細長くとがった花びらのマーガレットに対し、ノースポールの花びらはこじんまりと丸い形をしています。花自体の大きさはマーガレットが大きいですが、ノースポールの花びらは幅があり丸みがあるため、マーガレットよりも大きく見えます。マーガレットによく似た花【デイジー】
マーガレットとデイジーは、どちらもキク科の花で見た目がよく似た花です。そのため、よく間違われることもありますが、いくつかの違いがあります。デイジーについて、特徴や種類などを詳しくご紹介します。和名はヒナギク
デイジーの和名はヒナギク(雛菊)で、キク科ヒナギク属に分類される一年草です。ヨーロッパや地中海沿岸が原産で、日本では明治初期に渡来しました。マーガレットもキク科キク属に分類される一年草でデイジーとよく似ているため、混同されることがあります。 なお、デイジーは英語で「daisy」と呼ばれ、これは「day's eye(デイズ・アイ)」が語源と言われています。おひさまの光を感じると花が開き、夜になると花が閉じることからこのような名前がつけられました。習性と花姿から、デイジーは太陽に似ているとも言われています。紫や黄色などマーガレットには珍しい花色をもつものもある
デイジーには、紫や黄色などマーガレットには珍しい花色をもつものもあります。デイジーの花色は、白が一般的ですが、近年では品種改良が進み、ピンク・赤・黄色・紫・青など、さまざまな色のデイジーが販売されています。 デイジーの花言葉は、「希望」「平和」「純潔」「美人」など。花の色によっても異なる花言葉があります。たとえば、白のデイジーの花言葉は「無邪気」、赤のデイジーの花言葉は「無意識」です。 デイジーの開花時期は12月下旬~5月上旬と長く、最盛期は4月頃です。寒さに強い花ですが、強い霜に当たると傷むため、冬越しをさせるには霜よけをする必要があります。 増やし方は、種まきか挿し木で行います。種まきは8月下旬~9月が適期です。挿し木はいつでもできます。マーガレットと比べて花びらが細長く小さい
デイジーはマーガレットはよく似た花ですが、見分け方があります。まず、マーガレットのほうが花のサイズが7cm~8cmと大きく、花びらが細長くてくっきりしています。デイジーは花のサイズが2cm~4cmほどのものがほとんどで小さく、花びら短くてがふんわりしています。また、葉の形にも違いがあります。マーガレットの葉にはギザギザとした切れ込みがありますが、デイジーの葉は切れ込みがなく楕円形でなめらかです。マーガレットによく似た花【オステオスペルマム】
マーガレットとよく似た花として知られるオステオスペルマム。カラフルで個性的な花オステオスペルマムについてご紹介します。花の形がマーガレットそっくり
オステオスペルマムは、南アフリカやアラビアなどに原産です。マーガレットと見た目がよく似ていることから、よく間違われることもありますが異なる種類の花です。オステオスペルマムは、骨のように硬い種子をもつことから、「骨の種」という意味で名付けられました。ギリシャ語で「骨」を意味する「osteon(オステオン)」と「種子」を意味する「sperma(スペルマ)」を組み合わせが由来です。別名でアフリカンデージーとも呼ばれています。 花色はピンク・紫・白・オレンジ・黄色など豊富で、八重咲きやスプーン咲きなどの園芸品種もあります。オステオスペルマムの花期は3月~6月と9月~11月頃です。花は太陽と共に開き、曇りや夜には閉じますが、閉じない品種もあります。ステオスペルマムは日当たりと水はけを好みますが、夏場は直射日光と雨を避けてください。水やりは土が乾いたらたっぷりと行い、肥料は春と秋に施します。 ステオスペルマムの花言葉は、「元気」「無邪気」といったポジティブなメッセージがあります。発色の良い華やかなたくさんの花を次々と咲かせることから、そのような花言葉が生まれたそうです。マーガレットと比べると中心が黒っぽくなっている
オステオスペルマムとマーガレットは、どちらもキク科の花で、花びらの数や形が似ていますね。違いを見分けるには花芯を見てみるとよいでしょう。花芯とは花の中心の丸い部分のこと。マーガレットやオステオスペルマムの花芯は、筒状花(つつじょうか)と呼ばれる小さな花の集まりになっています。オステオスペルマムの花芯は黒っぽかったり紫色だったりしますが、マーガレットは花芯が黄色でフワフワとこんもりした見た目です。マーガレットによく似た花【ガーベラ】
マーガレットによく似た花のひとつ、最後にご紹介するのは色鮮やかな花を咲かせるガーベラです。ガーベラはマーガレットと似ていながらも違う魅力を持つ花です。ガーベラの特徴と、マーガレットとの見分け方をご紹介します。鮮やかな色合いが特徴の陽気な花
ガーベラの鮮やかな色合いは、見る人の気分を明るくしてくれるような、陽気な印象を与えます。キク科の多年草で、南アフリカやアジアなどが原産です。春と秋に花が咲きますが、品種改良によって四季咲き性のものもあります。花びらは細長くて色鮮やかで、赤・ピンク・白・黄・オレンジなど様々な色があります。花の形も一重咲きや八重咲き、スパイダー咲きやカール咲きなど多彩です。 ガーベラの花言葉は「希望」「常に前進」という意味があります。花色によっても花言葉が変わります。例えば、赤色は「愛」「挑戦」、白色は「希望」「律儀」、ピンク色は「熱愛」「崇高美」などを表します。ガーベラは、花束やアレンジメント、花壇など、さまざまなシーンで活躍する花です。 ガーベラの開花時期は春と秋の2回あり、3月~5月と9月~11月に咲きます。この時期は気温が20度前後と安定しているので、ガーベラにとって適した環境です。マーガレットよりも花茎が長く生長する
ガーベラとマーガレットの違いは、花茎の長さ・花びらの太さ・葉の形で見分けることができます。ガーベラはマーガレットよりも花茎が長く生長します。ガーベラの花茎は10~80cmですが、マーガレットは花茎が30~100cmです。 花びらの太さでも見分けることができます。ガーベラは花びらが太くて色鮮やかですが、マーガレットは花びらが細長くて淡い色です。葉の形でも見分けることができます。ガーベラは葉が根元から放射状に出ていますが、マーガレットは葉が羽状に分かれています。ガーベラとマーガレットは、どちらもキク科の花ですが、見分け方はたくさんありますね。まとめ
マーガレットに似た花を特徴とあわせていくつかご紹介してきました。 今回の記事のポイントは- マーガレットは、カナリア諸島原産のキク科モクシュンギク属の植物で、和名では「モクシュンギク(木春菊)」と呼ばれている。
- マーガレットは似た花が多く、ヒメジョオンなど中には雑草として扱われるものまで存在する。
- マーガレットに似た花の【ノースポール】は、マーガレットよりも小さい白い花を咲かせ、花びらの形は細長いマーガレットよりも丸みを帯びていて幅が大きい。
- マーガレットに似た花の【デイジー】は、花色の数が多く、花びらがマーガレットよりも細長くて小さい特徴がある。
- マーガレットに似た花の【オステオスペルマム】は、花の形がマーガレットそっくりだが、マーガレットの花芯の黄色に対し、オステオスペルマムの花芯は黒や紫のため、花芯で見分けることができる。
- マーガレットに似た花の【ガーベラ】は、マーガレットよりも花茎が長く生長する植物。花びらや葉の形でも見分けることができる。