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剣のような細長い葉が根元から立ち上がる「ニューサイラン」。スタイリッシュな姿と葉色の豊富なバリエーションが魅力の観葉植物です。寒さに強いことから玄関先やお庭でニューサイランを育てている方も多いのではないでしょうか。そんなニューサイランですが、育てていると大きくなりすぎることがあります。 この記事では、
- ニューサイランの特徴とは
- 大きくなりすぎた時の対処法①:剪定
- 大きくなりすぎた時の対処法②:株分け
- ニューサイランの育て方のポイント
- 植え替えのやり方
- ニューサイランが枯れる原因とは
- 根腐れを起こした時の復活方法
- ニューサイランとコルジリネの違い
そもそもニューサイランってどんな植物?
ここでは、ニューサイランという植物の特徴について解説します。人の背丈を超えるほど大きくなりすぎることがあるニューサイランですが、実は「木」ではありません。ニュージーランド原産の多年草で細長い葉が根元から立ち上がる観葉植物
ニューサイランは、ニュージーランド原産の多年草です。たくさんの細長い葉が根元から立ち上がるスタイリッシュな姿が人気の観葉植物です。プランターや花壇、玄関前、ガーデンの植栽などさまざまな場所に合い、ニューサイランを飾るだけでおしゃれな雰囲気を演出することができます。色のバリエーションが豊富で、銅葉や赤葉、斑入りなど様々な種類がある
ニューサイランの魅力は、スタイリッシュな外見に加えてカラー・バリエーションが豊富なことにあります。品種によって銅葉や赤葉、斑入りなど様々なカラーがあり、葉っぱの色によって雰囲気がガラリと変わります。ピンク色に縁取られた葉っぱをもつ「ピンクストライプ」という種類も人気があります。耐寒性があり、寒さや病害虫に強い
ニューサイランは耐寒性があるため、屋外で栽培しても冬越ししやすい植物です。寒さや病害虫に強くたいめ屋外で育てやすく、ガーデニングによく用いられます。たくさんの細長い葉が立ち上がる独特の姿が空間を引き締める効果があり、庭を飾るほどよいアクセントになります。日本の生育環境ではめったに花が咲かない
ニューサイランは6月から7月にかけて赤やオレンジ色のお花を咲かせることがあります。ただし、日本の生育環境ではめったに花は咲きませんから、なかなかお花を見ることはできません。ニューサイランの花言葉は「素直」ですが、スッと細長く伸びる葉っぱから「素直」という花言葉を連想することができますね。ニューサイランが大きくなりすぎた時の対処法:剪定
ここでは、ニューサイランが大きくなりすぎた時の対処法として「剪定」について解説します。適度に剪定を行うことによって、ニューサイランが大きくなりすぎることを防ぐだけではなく、古い葉から新しい葉っぱへの新陳代謝を促すことができます。ニューサイランは大きいもので3mを超えるものも存在する
ニューサイランはもともと大型になる植物です。大きいものでは3mを超えるものも存在しますから、自然のままに育てると大きくなりすぎることがあります。大きくなりすぎても問題ない場合もありますが、スペースの問題もありますから大きくなりすぎると困るケースも多いことでしょう。大きくなりすぎている場合は大きくなった葉の株元部分を剪定する
ニューサイランが大きくなりすぎている場合は「剪定」を行います。大きくなりすぎた葉っぱは株元部分を剪定しましょう。剪定を行うことによって、ニューサイランの大きさをコントロールしてコンパクトに育てることができます。剪定に適した時期は春(3~5月)の夏前
ニューサイランの剪定に適した時期は、3月から5月にかけての春から夏前の時期です。生育期に当たるこの時期に剪定を行えば、剪定のダメージからすぐに回復して元気に成長します。ニューサイランは暑さに強くないため、夏の暑い時期は剪定に適していません。また、休眠期に当たる冬の時期の剪定も避けましょう。ニューサイランが大きくなりすぎた時の対処法:株分け
ここでは、ニューサイランが大きくなりすぎた時の対処法として「株分け」について解説します。株分けを行うことによって、大きくなりすぎたニューサイランのボリュームを減らすことができるだけではなく、株を増やすことができます。大きくなりすぎた株を小さくしたい場合は株元を割って株分けする
ニューサイランが大きくなりすぎて、株のボリュームが増えすぎることがあります。増えすぎたボリュームを減らして株を小さくしたい場合には、株元を割って「株分け」します。ニューサイランは「株分け」で簡単に増やすことができるのでおすすめです。株分けに必要な道具
株分けに必要な道具は多くありません。ニューサイラン、スコップ、清潔な園芸バサミだけです。園芸ばさみはスコップで代用することもできます。①:ニューサイラン
株分けを行うには、よく育ってボリュームのあるニューサイランが必要です。②:スコップ
土を掘りますから、スコップが必要です。大きくなりすぎたニューサイランを株分けしますから、手作業で土を掘り返すのは大変です。③:清潔な園芸バサミ(スコップで代用可)
株元を切り分けるために、清潔な園芸バサミが必要です。ただし、スコップの種類によっては先端で株元を切り分けることができますから、その場合はスコップで代用が可能です。株分けの手順
ニューサイランの株分けは、次の手順で行います。株分けでは株元の部分を割る必要がありますが、必要以上に根を痛めないように作業を進めることが大切です。①:株分けしたいニューサイランをスコップで掘り起こす
株分けしたいニューサイランをスコップで掘り起こします。根を痛めないように気をつけながら土を掘りましょう。②:ニューサイランの株元の部分をを園芸バサミかスコップを使用して半分に割る
掘り起こしたニューサイランの株元の部分を半分に割ります。清潔な園芸バサミを使用すればキレイに切ることができますが、株のサイズによってはスコップで割った方が良い場合もあります。③:半分に割ったニューサイランを土に植える
半分に割ったらニューサイランは、それぞれを土に植えます。これだけで株分けの作業は終わりです。④:株分けして土に植えたらすぐに水やりを行う
株分けしたニューサイランを土に植えたら、すぐに水やりを行います。水やりを行うことによって、ニューサイランの根っこと土をなじませます。大きくなりすぎるのを防ぐ!ニューサイランの育て方の基本
ここでは、ニューサイランの育て方の基本について解説します。剪定や株分けを行った後は、育て方の基本をおさえてニューサイランを元気に育てましょう。置き場所:日当たりが良く風通しの良い場所
ニューサイランの置き場所は、日当たりが良く風通しの良い場所が適しています。日当たりと風通しが良い場所であれば、プランターや花壇、玄関前、ガーデンの植栽など場所を選ばずに置いて育てることができます。春~秋の生育期間の水やり:土の表面が乾いたらたっぷり水やりをする
ニューサイランは生育期と休眠期で水やりを変えることがポイントです。春から秋にかけての生育期は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。ただし、水を与えすぎると「根腐れ」を起こすおそれがあります。必ず土の表面が乾いたことを確認してから水やりするよることが必要です冬の休眠期の水やり:土が乾いてから3日ほどしたら水やりをする
冬はニューサイランの休眠期に当たります。生育期と比べると多くの水分を必要としませんから、土が乾いてから3日ほどしたら水やりをします。冬の休眠期に生育期と同じように水を与えると「根腐れ」を起こす原因になります。また、冬の時期は生育期よりも土が乾くのに時間がかかりますから、しっかりと土が乾いたことを確認しましょう。用土:水はけの良いもの
ニューサイランの用土は水はけの良いものを選びます。市販の草花用培養土であれば、水はけが良く通気性もありますからおすすめです。自分で用土を配合することもできます。自分で配合する場合には、赤玉土6:腐葉土3:軽石1の割合で配合するとよいでしょう。肥料:春~秋の生育期間中、月1回の頻度
肥料は春から秋にかけての生育期間中、月1回のペースで緩効性肥料を与えます。冬の休眠期はたくさんの栄養分を必要としませんから、肥料は控えます。ニューサイランの植え替え
ここでは、ニューサイランの植え替えについて解説します。根詰まりを起こしやすいニューサイランには定期的な「植え替え」が必要です。手順をよく確認して植え替えの作業を行いましょう。ニューサイランは太い根がよく回り根詰まりを起こしやすい
ニューサイランは太い根を伸ばすため、根がよく回って根詰まりを起こしやすい植物です。根詰まりを防ぐためには、定期的に植え替えを行うと良いでしょう。また、鉢底から根が出ているなど根詰まりの症状がある場合には、速やかに植え替えが必要です。植え替えに適した時期は春の3~4月
ニューサイランの植え替えに適した時期は、春の3月〜4月です。この時期に植え替えを行えば、ニューサイランはすぐに回復して生育期の間にしっかりと成長します。植え替えの手順(鉢植え)
ニューサイランの鉢植えを植え替えるには、次の手順で行います。①:根を傷つけないように掘り起こす
まずは、根を傷つけないように気をつけながら、ニューサイランを掘り起こします。根を傷つけると回復に時間がかかるだけではなく、ニューサイランが枯れる原因となる可能性があります。②:傷んだ根があればハサミなどで切り落とす
根っこの周りの土を軽く落として、傷んだ根があればハサミなどで切り落とします。切り口から雑菌などが侵入するのを防ぐため、清潔なハサミを使うようにしましょう。③:新しい鉢植えに植え替えをし、その後に水やりをする
掘り起こしたニューサイランは、新しい鉢植えに植え替えをします。ひと回り大きいサイズの鉢植えを選ぶことがポイントで、大きすぎるサイズの鉢は「根腐れ」を起こす原因になります。植え替えを終えたら、水やりをして根っこと土を馴染ませます。ニューサイランが枯れる原因
ここでは、ニューサイランが枯れる原因について解説します。ニューサイランが枯れる主な原因は「水のやりすぎによる根腐れ」「植え付けや植え替え時に根を傷つけてしまう」「根詰まりを放置したままにする」です。いずれも注意していれば避けることのできる原因ばかりですから、未然にニューサイランが枯れるのを防ぎましょう。①:水のやりすぎによる根腐れ
ニューサイランが枯れる原因としてよくあるのが、水のやりすぎによる根腐れです。水やりをこまめに行うほどニューサイランがよく育つというわけではありません。水を与えすぎると土の中が過湿になり、根腐れを起こすことがあります。ニューサイランの水やりは、春から秋にかけての育成期と冬の休眠期で水やりを変えることがコツです。育成期には土の表面が乾いたらたっぷりと、休眠期には土が乾いてから3日ほどしたら水を与えましょう。②:植え付けや植え替え時に根を傷つけてしまう
ポットからの植え付けや大きな鉢へ植え替えの際に、根を傷つけたことが原因でニューサイランが枯れることがあります。植物にとって水分や栄養を吸収する「根」はとても重要な部分です。普段土の中に隠れている根っこに不要な刺激を与えないように、ポットからの植え付けや植え替えを行うときには細心の注意を払いましょう。③:根詰まりを放置したままにする
根詰まりを放置したままにすることでニューサイランが枯れることがあります。根詰まりした状態では、根っこから必要な水分や栄養を吸収することができません。鉢底などから根っこが出るなどの根詰まりの症状があったら、植え替えが必要です。根詰まりによる急な植え替えを避けるためには、植え替えに適した3月〜4月の時期に定期的に植え替えするのがおすすめです。ニューサイランの根腐れは復活出来る?
ここでは、ニューサイランが根腐れを起こした時の復活方法について解説します。根腐れを放っておくと枯れることがあります。どのように対処したらニューサイランを復活させることができるのでしょうか。早期の発見なら復活することが出来る!
ニューサイランの根腐れは放っておくと枯れてしまうことがあります。しかし、早期に発見すれば復活させることができます。気づくのは早ければ早いほど良いですから、葉っぱの変色や株元の異臭など根腐れのサインを見逃さずに速やかに対処することが大切です。植物を掘り起こし、根腐れした部分を取り除く
根腐れした部分は元に戻りません。根腐れした部分は取り除くことによって対処します。根を痛めないようニューサイランを丁寧に掘り起こし土を落としてから、根腐れした部分を清潔なハサミでカットしましょう。根腐れがおきると茎や葉が変色する
ニューサイランが根腐れを起こしているときには、茎や葉が変色します。他の原因で葉が変色することもありますが、葉の変色のほかに株元から異臭がする場合には根腐れが原因の可能性が高いです。ニューサイランとコルジリネの違いは?
ここでは、ニューサイランとコルジリネの違いについて解説します。コルジリネはニューサイランと間違えやすい植物ですが、どのような違いがあるのでしょうか。コルジリネはキジカクシ科コルジリネ属の木本の植物
コルジリネはキジカクシ科コルジリネ属の木本の植物です。ニューサイランと同じくニューージーランド原産ですが、ニューサイランは「草」でコルジリネは「木」です。いずれも細長い葉が立ち上がる独特の姿が魅力で、ガーデニングではアクセントとしてよく用いられます。コルジリネは中心の茎が上に伸びるが、ニューサイランの茎は伸びない
コルジリネは「木」ですから、中心の茎が上に高く伸びて成長します。一方、ニューサイランは「草」で茎は上に伸びない性質を持っています。高い位置で葉を茂らせたいならコルジリネ、地面に近い位置で葉を茂らせたいならニューサイランというように使い分けすることもできます。ニューサイランは寒さに強いがコルジリネは寒さに弱い
ニューサイランは寒さに強い植物ですが、コルジリネはニューサイランほどの耐寒性はありません。品種によって違いはありますが、コルジリネは寒冷地での冬越しは難しく、寒冷地では冬は室内へ移動させるなどの対策が必要になります。【まとめ】ニューサイランが大きくなりすぎる!?おおきくなった時の対処法や育て方を解説
ここまで、ニューサイランが大きくなりすぎた時の対処法として「剪定」と「株分け」の2つの方法を解説しました。また、育て方のポイントや植え替えのやり方、枯れる原因、根腐れを起こした時の復活方法、コルジリネとの違いまで幅広く解説してきましたがいかがだったでしょうか。 この記事のポイントは、- ニューサイランはニュージーランド原産の多年草で、細長い葉が根元から立ち上がる観葉植物。銅葉や斑入りなど葉色のバリエーションが豊富で、寒さや病害虫に強い
- ニューサイランは高さが3mを超えることもあるため、大きくなりすぎた時には「剪定」する。剪定に適した3月〜5月の時期に、大きくなりすぎた葉っぱの株元部分を剪定するとよい
- 大きくなりすぎた時には「株分け」も有効。株分けなら大きくなりすぎたニューサイランのボリュームを減らすことができるだけではなく、株を増やすことができる
- ニューサイランの育て方のポイントは、①日当たりと風通しの良い場所に置く、②水やりは生育期と休眠期で変える、③用土は水はけのよいもの、④肥料は生育期に月1回のペースで与える
- 根詰まりを起こしやすいニューサイランは、植え替えに適した3月〜4月に植え替えを行うとよい
- ニューサイランが枯れる原因は、①水のやりすぎによる根腐れ、②植え付けや植え替え時に根を傷つけてしまう、③根詰まりを放置したままにする
- 根腐れを起こした時には早期の発見なら復活することができるため、茎や葉が変色するなど根腐れのサインを見逃さないことが大切。ニューサイランを掘り起こして、根腐れした部分を取り除くことにより対処する
- ニューサイランとコルジリネは同じくニュージーランド原産で葉が似ているが、ニューサイランは「草」で茎を伸ばさず寒さに強いのに対して、コルジリネは「木」で上に茎を伸ばし寒さにあまり強くないといった違いがある