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ダリアという植物はご存じでしょうか?ダリアはキク科の球根植物です。現在は品種改良を重ねられており、様々な品種のダリアが存在しています。たくさんの花色と花姿からたくさんの人に愛され、ガーデ二ング初心者でも育てやすい植物です。 そんなダリアですが、良い状態を楽しむのに必要なのが「剪定」です。もし、この剪定を怠ってしまうと、ダリアが弱ってしまったり、病気になったりといろんなことが起こってしまいます。 ですが、ダリアの剪定の仕方なんてわからないよ!という方も多いと思います。 そこで、この記事では「ダリアの剪定」について詳しく説明していこうと思いますので、ダリアを育てている方はぜひ参考にしてみてください!
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ダリアはどのような植物?

メキシコやグアテマラに自生する多年草
ダリアはメキシコやグアテマラに多く自生している多年草の球根植物です。基本的に春植えする植物で、ソメイヨシノが開花する頃から梅雨が明ける前に植え付けるのが適期とされています。 花色も豊富で、赤やオレンジ、ピンク、黄色、白色、紫色、複色など様々です。ダリアの基本情報
ここでは、ダリアの基本情報について説明していきます。科・属名 | キク科ダリア属 |
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原産地 | メキシコ・グアテマラ・中央アメリカ |
開花時期 | 5月~11月(真夏は咲きにくい) |
花色 | 赤・ピンク・オレンジ・黄・白・紫・黒・複色 |
別名 | 天竺牡丹 |
鉢植えか地植えの2種類の育て方
ダリアを栽培するときに、鉢植えか地植えの2種類の育て方があります。 地植えで栽培する場合は、芽が地表から5~10cmの深さの穴を掘り、ひと株ずつ植えましょう。もしたくさん植える場合は、間隔を30~40cmほどあけましょう。大型の品種の場合は50~60cmほどあけます。 鉢植えで栽培する場合は、ひとつの鉢にひとつ植えましょう。ダリアは根っこが地中の中で大きく広がるので、どちらで育てる場合もこうしてあげるほうがよいでしょう。 植え付けが終わったら、しっかりと水をあげ、その後は発芽するまで水やりを控えましょう。元々球根にたくさん水分が含まれているため、与えすぎると腐る可能性があります。 また、大きく育つ品種を植えた場合は、植え付けたときに一緒に支柱を立てておくとよいでしょう。ダリアは枝も茂ることが多いため、支柱がないと倒れてしまうこともあります。発芽点を中心に4本の支柱で囲むのがよいでしょう。剪定とは?

植物の姿形を整えたり、風通しをよくしたりする作業
剪定とは、植物の姿形を整えて、風通しをよくしたりする作業のことです。剪定をしてあげることによって、植物を長く楽しむこともできますし、病気の予防や健康を保つことにも繋がりますよ!剪定の効果
では、剪定の効果について詳しく解説していきましょう。見た目を美しくする
まずは見た目が美しくすることができます!たくさんの枝が茂っていたり、もさもさになっていると見た目がよくないですよ!ガーデンをきれいに見せるためにも、剪定はしてあげてください。養分を効率よく利用させて生育を促進させる
見た目だけではなく、余計な枝や葉っぱが減りますから、必要な養分を効率よく利用することができて、生育を促進させることができます!これを放置すると、小枝に養分がいってしまうので、花が弱くなります。開花や結実の調整をする
剪定をすることで、開花や結実の調整をすることもできます!初夏に咲き始めるダリアですが、自由に生長させていると、草丈がどんどん伸びて風や豪雨で倒れやすくなります。それを剪定して開花を控えさせると、猛暑も乗り切れることができます。病害虫の繁殖を予防する
剪定をしておけば、葉っぱや枝が混み合うことがなくなるので、病気や病害虫の繁殖を予防することができます。混み合ったままにしておくと、過湿状態になり、病気や病害虫の繁殖に繋がってしまいます。ダリアに剪定は必要?

きれいな花を楽しむために、剪定は欠かせない
ダリアの花を楽しみたいのであれば、剪定という作業は欠かせないのです。ダリアを剪定しないとどのようなリスクがあるのかを解説します!放っておくリスク①小枝が多くなる
剪定を放置しておくと、小枝が多くなってしまいます。この小枝が多い状態だと、たとえ大輪品種を育てていても、花が大輪になりません!放っておくリスク②栄養分が分散され貧弱になる
小枝を剪定せず放置しておくと、そこに栄養分が分散されてしまい花が育ちにくく貧弱になってしまいます。きれいなダリアを咲かせたいならしっかり剪定しましょう。放っておくリスク③枝が上に伸び、風雨により倒れやすくなる
もし枝を剪定しないでおくと、どんどん枝が上に伸びていってしまい、風雨によって倒れやすくなってしまいます。倒れて茎が折れてしまうと、そこから傷んでしまい病気になったりすることもあります。そうならないためにも剪定はしっかりとしてあげます。ダリアは1茎1輪咲かせるのが原則
ダリアは基本的に、1茎に1輪咲かせるのが原則です。たくさん花が付きすぎてしまうと、花が弱るため剪定は必要な作業なのです。ダリア剪定のやり方:大輪種は天花仕立て

球根から出た主茎を伸ばし、天花1花のみを咲かせ、他はかき取る方法
ダリアの大輪種を剪定する場合は、天花仕立てというやり方となります。このやり方は、「球根から出た主茎を伸ばし、大きな1番花を1輪だけ咲かせて、他はかき取ってしまう」方法となっています。皇帝ダリアが大輪種となります。 定植後、3~4週間して芽が2~3本出てきたら、太くて元気な芽のみ残して、他は間引きます。摘芯時期:5-6節に伸びたとき
この剪定の摘芯時期は、主茎が5~6節ほどに伸びたときに行います。すべてを摘み取らず、わき芽を残しておいて、これを生長させて2番花を咲かせておきます。仕立て方
では、仕立て方について細かく解説していきます。下2節の芽を残しそれ以上の節のわき芽はかき取る
まず、伸びてきたら地面から下2節までの芽を残しておき、それ以上の節のわき芽はすべてかき取っておきましょう。このまま1番花を咲かせていきます。頂点の花が咲いたら、株元から2~3節の位置で主茎を切り戻す
1番花が咲きましたら、伸びた主茎を株元から2~3節の位置で切り戻しをしておきます。こうすることで株を休めて、秋に再びきれいな花を楽しめますよ!脇芽かきの方法と目的
植え付けを行った後、脇芽かきをしておくとダリアにとってよいことなのですが、その方法と目的を解説しましょう。方法:頂芽ではない生長点をカットすること
植え付けした後に茎が伸びてきて5節ほどになったら、この時に脇芽かきをしてあげます。方法としては、根元から2~3節の脇芽は残しておき、それより上をすべて摘み取ります。目的:栄養分が分散し、花が貧弱になる原因を防ぐ
脇芽かきをする目的は、栄養分が分散し、花が貧弱になる原因を防ぐためです。すべての栄養分を1番花に集中させ、しっかりと花を咲かせてくれるようにするのです。ダリア剪定のやり方:中小輪種は摘心仕立て

一番花から複数の花を咲かせ、摘心することで枝数を増やしていく方法
摘心仕立てとは、「一番花から複数の花を咲かせて、摘心することで枝数を増やす方法」となります。定植後、3~4週間して芽が2~3本出てきたら、太目で元気な芽を残して他は間引きましょう。仕立て方
では、仕立て方について解説していきましょう。下から3節を残してそれ以上は摘芯する
3節以上になってきたら下から3節を残してそれ以上は摘心します。残した脇芽を生長させていきましょう。脇芽が2-3節になったら先端の芽を摘む
この脇芽が2~3節になったら、先端の芽を摘みます。天花仕立てと同じやり方となります。摘芯の方法と目的
摘芯の方法と目的について解説していきます。方法:茎の先端にある芽(頂芽)を摘み取ること
方法は、茎の先端にある芽を摘み取ることです。ここで枝となる部分か、つぼみの部分を間違えてカットしてしまうと、花姿や開花に影響がでてきますので注意しましょう。目的:伸び放題になりやすい草丈を抑制する
目的としては、ダリアは上にどんどんと伸びていく植物です。その伸び放題になりやすい草丈を抑制するために行います。ダリア剪定のやり方:切り戻し

切り戻しとは伸びた枝や茎を短く切り詰めること
まず、切り戻しとは「伸びた枝や茎を短く切り詰めること」です。切り戻しをしておけば、長くダリアを楽しむことができますよ!時期:秋に花を咲かせるため7月下旬~8月上旬ごろ
切り戻しをする時期は、秋に花を咲かせる7月下旬~8月上旬ごろに行いましょう。本格的な夏が来る前に切り戻しをしておくことで、ダリアの苦手な高温多湿の時期でも管理がしやすくなりますよ!方法:株元から30cm~40cmの位置ですべての茎を切断
切り戻しの方法は、株元から30~40cmほどの位置ですべての茎を切ってしまいましょう。大胆にカットしましょう!こうしておくと、株を休めることができ、秋にはまたきれいな花を咲かせてくれるでしょう。ポイント:緑色の葉っぱを必ず3~4枚くらい残しておく
切り戻しをする際に、葉っぱを必ず3~4枚ほど残しておきましょう。そうすることで、草姿も整えることができ、秋に花をさらに楽しむことができます!注意点:切り口に雨除けをする
実は、ダリアの茎は空洞になっており、切り口をそのままにしておくとそこから病気になったり、腐ったりしてしまいます。切り口をそのままにせず、乾燥させてから雨よけにアルミホイルなどで覆ってあげて、紐で飛ばないように縛ります。 もし、茎の中に水が残ったまま覆ってしまうと、茎自身から水分が出てきて蒸れてしまい、結局腐敗する原因となりますので、万が一、水が溜まってしまったら、節の上にたてに切れ目を入れて排水してあげてください。剪定したダリアは挿し木にできる

切り取った茎を挿し穂にして土に植え付けよう
剪定で切り取ったダリアの茎を、土に植え付けましょう。ダリアは植え替えは苦手なので、動かさなくてもよい鉢植えか庭がオススメです。植え付けるタイミングは、湿度の高い梅雨の時期がいいでしょう。挿し穂を乾かさずに管理しやすいからです。手順
では、挿し木の手順について分けて解説していきましょう。挿し穂の切り口は1時間ほど、水につけておく
まず、挿し穂の切り口は1時間ほど水につけておきましょう。この時、挿し穂の葉っぱは少なくしておくと、葉っぱから蒸散する水分量を減らすことができます。挿し木をした際に土に埋まってしまう葉や脇芽を切り取る
挿し木をする際に、土に埋まってしまう葉っぱや脇芽は切り取っておきます。また、上についている葉っぱも枚数が多ければ、切り取っておいて半分くらいに減らしておきます。挿し木用土を湿らせ、穴をあける
あらかじめ、挿し木用土は湿らせておきます。挿し木用土は肥料が含まれていないものを用意するのがポイントです。そして、細い棒や指などで穴をあけておきましょう。挿し穂を傷めないよう差し込み、土を寄せる
挿し木用土に植えるときに、挿し穂を傷めないよう無理に押し込まずに挿し込みみましょう。切り口を2~3cmほど挿し込んでから、そっと土を寄せてあげましょう。ダリアの蕾が開かない原因

原因①日光不足
ダリアは日当たりが大好きな園芸植物で、きれいな花を咲かせるには日光に当てることが大事です。それでも、場所によって日光不足に陥ることもあります。その原因を見ていきましょう。夏の直射日光は苦手だが、日陰ではうまく育たない
日光は好きでも、夏の直射日光は苦手なのです。日本の夏の高温や日差しには耐えられず、そのまま弱ってしまったり、枯れることもあります。 鉢植えの場合は、日陰に移し、地植えの場合は日よけを作りましょう。ただし、日陰では日光不足に陥ることもありますので、場所を移動させたり日よけをよけやすいようにするなど工夫しましょう。葉がしげりすぎた場合は剪定をして日当たりをよくする
ダリアは高温多湿の環境も苦手ですので、葉っぱが茂っていると風通しが悪くなり、病気になったりすることもあります。葉っぱがたくさん茂ってしまった場合は剪定して日当たりをよくしてあげましょう。原因②株の勢いがない
ダリアの蕾が開かないときは、単純に株に力がなくなっていることもあります。肥料などが足りず、栄養不足の可能性がありますので、追肥をしてみてもよいかもしれません。原因③蕾が多くつきすぎている
蕾の数があまりに多いとうまく咲かない原因となってしまいます。そのままにせず、元気そうな蕾を2~3個ほど残して他は間引いてしまいましょう。残した蕾の花を1番花にするのがよいですね。原因④水はけが悪い
ダリアは水はけの悪い用土に植えていると、根っこが伸びずに栄養が吸収できない原因となります。ダリアは乾燥に強いので、水をたくさんあげる必要はありませんので、土がしっかり乾燥してから水やりをするくらいでちょうどよいですよ。 水はけの良い用土にあらかじめ植えておくことがよいですね。ダリアの花を咲かせるためにも剪定を適宜行い、適した環境で育てよう
ダリアの花を咲かせるには、適宜剪定をしてあげることが重要になります。ダリアの品種によって「摘心仕立て」や「天花仕立て」をしてあげることが大切です。 ダリアを長く楽しむためにも、しっかりとダリアに適した環境を整えて剪定をしてあげることがガーデンを楽しむうえで重要なことだと思いますね!【まとめ】ダリアの正しい剪定方法をご紹介!適した時期からその後のケアまで
ダリアはしっかりと剪定をしてあげれば、きれいな花を咲かせてくれる園芸植物です。放置して剪定を怠ったりすると、ダリアの蕾が開かない原因やそもそも枯れてしまう可能性もあります。 ダリアは庭に植えておくと、和風でも洋風でもマッチしやすい華やかな花ですから、しっかりと仕立ててあげて美しいガーデンを作り上げましょう! この記事では以下のことを重点的に解説させていただきました。- ダリアはメキシコやグアテマラに自生する多年草
- ダリアは剪定が必要不可欠!
- 剪定を怠ると、花が咲かなかったり枯れてしまったりすることも!