ダリアの挿し木の方法とは?適した時期からその後のケアまで解説!

ダリアの挿し木の方法とは?適した時期からその後のケアまで解説!
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目次

色鮮やかな花姿で、見る人に元気と癒しを与えてくれるダリア。耐暑性があり比較的育てやすい性質を持っているので、昔からさまざまな場所で栽培され親しまれている植物です。育てているダリアが綺麗な花を咲かせると、お家でもっと増やしたいと思う人も多いのではないでしょうか。ダリアは挿し木や株分けで増やすことができますが、適期や正しい方法が分からないとうまくできるか不安ですよね。 そこで今回は、ダリアの増やし方で多く行われる挿し木について説明していきます。 ダリアの挿し木は、いつどのような手順で行うと良いのかを中心に以下の内容を詳しく解説していきます。
  • ダリアの特徴と基本情報
  • ダリアの増やし方
  • ダリアの挿し木の適期
  • ダリアの挿し木の手順
  • ダリアの挿し木のコツ

この記事を最後まで読んで頂ければ、ダリアの挿し木に適した時期や正しい方法が分かります。また挿し木の際のコツや、挿し木後の冬越しについてもお話ししていきます。これからダリアを育てようとしている人や、お家のダリアを増やしたいと考えている人の参考にして頂ければ幸いです。

関連記事:ダリアの育て方|球根の植え付け方法から人気の品種まで徹底解説

ダリアとはどんな植物?

多種多様の花姿でお部屋や庭をにぎやかに彩ってくれるダリアですが、どのような特徴を持った植物なのでしょうか。日本には江戸時代にオランダから渡来しており、育てやすく美しい花として人々に親しまれてきました。庭植えはもちろん、切り花としても人気で通年出回っています。ここからはダリアの持つ性質や、基本情報などを見ていきましょう。

メキシコやグアテマラに自生する多年草

ダリアは冷涼な気候を好む多年草の植物で、メキシコやグアテマラの高地で多く自生しています。丈夫で育てやすいのが特徴で、世界中のさまざまな場所で栽培されています。現在も新品種が誕生しており、3万を超える品種が存在していると言われています。

ダリアの基本情報

ダリアはキク科ダリア属で、天竺牡丹(てんじくぼたん)という和名を持っています。品種が非常に多く可憐な小輪咲きのものもあれば、大輪咲きの代表格である皇帝ダリアは花径が15cm程にもなります。また花色もバリエーション豊富で、切り花の主役にもぴったりです。ダリアはどの品種も比較的開花の時期を長く楽しむことができる植物です。
科・属名 キク科・ダリア属
原産地 メキシコ
開花時期 7~10月頃
花の色 赤、白、黄、ピンク、オレンジ、アプリコット、紫、複色など
別名 天竺牡丹

鉢植えか地植えの2種類の育て方

ダリアは鉢植えでも地植えでも栽培可能です。春と秋は病害虫が発生しやすいので、日当たりと風通しの良い場所で、水はけの良い土壌で育てましょう。夏の高温は苦手なので、鉢植えの場合は日陰に移動して管理します。地植えであれば日よけをしておくと安全です。冬の寒い時期は基本的に土の中で球根が休眠しますが、湿度が高く凍結の可能性がある場合は屋内に取り込みます。地植えのダリアは球根を掘り起こして春までほかんすることをお勧めします。

ダリアは2種類の方法で増やすことができる

ダリアの特徴が分かったところで、ここからは増やし方を解説していきます。ダリアは挿し木と株分けの方法で増やすことができます。どちらも一般的な手法ですが、植物を増やす場合はその特性に合わせた方法で行うことが大切です。

挿し木

挿し木は植物の増やし方のなかでも、最も簡単でポピュラーな方法になります。

植物の茎やの一部を切り取り、土にさして発根・発芽させる方法

挿し木は状態の良い株から若い枝や茎を切り取って、土や水に挿して発根させる方法です。草花の場合は5㎝程度、樹木であれば10cm程度を切り取り土に挿します。十分に根が生えたら鉢などに植え替えて新しい株として育てることができます。

種から増やしにくい植物に向いている

挿し木は種の採取が難しい植物や、種から育てると開花までに時間がかかる植物を増やす場合に適しています。また、園芸品種などは採取した種を撒いても、親と同じ性質のものができるとは限りません。同じ株を増やしたいのであれば挿し木が良いでしょう。

株分け

株分けは育てている植物を増やしたい時や、大きく育ちすぎた株を分割して更新したい時にも行われる手法です。ダリアの場合は球根と茎の間にある「クラウン」と呼ばれる部分の発芽点ごとに切り分けます。

親株から根や茎を切り離して、新しい株をつくる方法

株分けはしっかり育った植物の根や茎を切り離し、新しい株として育てます。根や茎に傷がついてしまうと、切り分けた株がうまく育たないため慎重に取り扱うことが大切です。

根を掘り返して、株を2つ以上に分けて分けた株を別の場所に植える

親株を掘り起こして、基本的にや新芽ごとに切り分けます。植物の種類や株の大きさによっては10株ほどに分けることも可能です。切り分けた株を定着させたい場所に植えて、新しい株として育てることができます。皇帝ダリアのような大株はクラウンが大きい分、新芽の数も多いので株分け作業が比較的簡単になります。

宿根草(冬になっても根は枯れず、毎年花を咲かせる植物)に向いている

一般的に宿根草を増やす場合は、株分けが行われることが多いです。適期は植物によって異なりますが、地上の部分は枯れている時期でも、根は土の中で生きているので株分けが可能です。

ダリアの挿し木について知ろう:適期

ここからは、ダリアの挿し木について具体的に解説していきます。挿し木を成功させるにはまず作業に適した時期に行うことが重要です。花が咲いていない時期に行うのが一般的ですが、ダリアの挿し木の適期はいつなのでしょうか。

花が咲く時期が秋ごろであり、冬は霜が降りると枯れる可能性も

ダリアは10月~11月の秋ごろが花の時期になります。寒さに弱い性質のため、冬になり霜が降りるとすぐに枯れてしまう可能性があります。地上部分が枯れてしまうと挿し木ができないため、暖かくなるのを待ちましょう。

春がベストな時期、4-5月に植えると秋ごろに開花する

霜が降りなくなって暖かい日が続くようになったら、ダリアの挿し木の適期です。4月~5月の春の時期に植えて正しく管理すれば、秋ごろには綺麗な花を咲かせます。

ダリアの挿し木について知ろう:準備するもの

実際にダリアの挿し木をする際に必要なものをご紹介します。事前に準備しておくことで作業がスムーズに進み、ダリアの負担を最小限に抑えることができます。

ダリアを鉢植えで育てる場合は、挿し木の段階で直接鉢に植えます。後に植え替えの必要が無いように、品種にあった大きさの鉢を用意しましょう。

挿し木用土(赤玉土やバーミキュライトなど肥料分のない新しい土)

清潔で水はけが良く、肥料分のない新しい用土が適しています。赤玉土やバーミキュライトの他に、市販の挿し木用の土を用いても良いです。

剪定用ハサミ

茎を切るのに園芸用の剪定バサミを使用します。茎の組織や導管を潰してしまわないようによく切れるものを準備してください。使用時には消毒をして清潔な状態にしておきましょう。

穴あけ用の細い棒

切り取った茎を挿しやすいように土に穴を開けるため必要になります。割りばしなど、茎より一回り太い棒が適しています。

ダリアの挿し木について知ろう:方法

必要な道具が揃ったら、正しい方法で挿し木をしていきましょう。挿し木の詳しい手順を説明していますので参考にしてください。

①ダリアの脇芽の付いた茎を切り取る

まず生育状態の良い健康なダリアを選びましょう。選んだダリアの茎を脇芽をつけて切り取ります。切り取った茎のことを「挿し穂」と言います。

②剪定用ハサミで10㎝程にカットする

挿し木の切り口が大きくなるように、良く切れる剪定バサミでさらに斜めにカットします。切り口の面積を大きくすることで効率よく水分を吸収できるので、挿し穂をより良い状態に保つことができます。挿し穂の長さは10cm程になるようにしてください。

③乾燥しないように管理する

挿し穂は水分不足にならないように管理する必要があります。乾燥を避けるため切り口を1時間ほど水につけておくか、水をしっかりしみ込ませたミズゴケを巻いておきましょう。この時、葉は水に浸さないように注意しましょう。

④用土は湿らせて、挿し穂を植えやすいよう穴をあける

挿し木の用土はたっぷりの水で十分に湿らせておきます。土にあらかじめしっかり水分を含ませておくと挿し穂となじみやすく、水分をスムーズに吸収することができます。さらに挿し穂を植えやすいように、細い棒を使って土に穴を開けておきます。

⑤用土に切り口を2-3㎝差し込み、土を寄せる

用土に挿し穂の切り口を2~3cm挿しこみ、すき間を埋めるように優しく土を寄せて固定します。この時、ミズゴケが付いたまま植え付けても良いです。挿し穂を土にねじ込むと傷めてしまうので丁寧に扱いましょう。

⑥日陰で土を乾燥させないよう水やりを続け、徐々に日向に移動

植えた後は日陰で2週間程水やりを続けます。土が乾燥しないように管理し、少しずつ日に当てる時間を増やしていきます。最初は半日陰で慣らし、徐々に西日の当たらない日向へと移動させて挿し穂の発根を促します。

挿し木のコツ

植物を挿し木で増やす時は、その特性に合わせた方法で行います。ダリアの挿し木の際に注意すべきポイントやコツについてご紹介します。

ダリアは植え替えが苦手なため、庭か鉢に挿し木しよう

一般的に植え替えは植物にとって負担のかかる作業です。ダリアは特に植え替えが苦手で、株が弱ってしまうことも少なくありません。そのためダリアの挿し木をする場所は、後で植え替えをしなくても済むような庭や鉢植えにしましょう。

葉の蒸散による水分損失に注意しよう

挿し穂は根が無いため、水分が不足するとしおれてしまいます。ダリアの挿し木では、挿し穂を乾燥させないように保つことがその後の順調な発根につながります。

挿し木する前に挿し穂の葉や脇芽を少なくする

挿し穂にたくさん葉がついているままだと、その分葉から水分が蒸散されてしまいます。挿し穂がしおれてしまう可能性があるにで、下の方についている葉や余分な脇芽は取り除きましょう。

挿し木後すぐ日向に置かず、切り口から水が吸収できるよう日陰で育てる

挿し木をしたダリアをすぐに日当たりの良い場所に置くと、蒸散量が多くなり水分不足になってしまいます。挿し木後は日陰で管理し、乾燥しないように水を与えます。2週間程で切り口からしっかり水分を吸収できるようになるでしょう。

挿し木後のダリアの冬越しはどうする?

ダリアの原産地は冬の時期も比較的暖かいので、日本の寒さには弱いです。環境や管理方法によってはダリアの球根が腐ってしまうことがあります。ここでは挿し木後のダリアを、無事に冬越しさせるために大切なポイントをご紹介します。

霜が降りる気温では、ダリアの球根が腐ってしまう可能性がある

ダリアは冬には枯れてしまいますが、球根は土の中で生きています。温暖な地域では球根を植えたままで問題なく冬越しができますが、霜が降りる地域では難しいです。球根が腐ってしまう可能性があるので適切な管理が必要です。

鉢植えした挿し木は冬場は屋内に取り込もう

鉢植えにした挿し木の場合は、冬の寒い時期は霜が発生する前に屋内に移動させましょう。管理場所は玄関などの、風通しが良く気温が5℃以上ある場所が理想的です。

地植えで球根ができ始めている挿し木は掘り返して冬越しするのがおすすめ

地植えの挿し木の場合は、球根ができ始めている状態であれば掘り返してほかんした方が安心です。球根は通気口を開けたビニール袋にピートモスを入れて、その中で管理します。段ボールに入れ10℃前後の場所に保存してください。

【まとめ】ダリアの挿し木の方法とは?適した時期からその後のケアまで解説!

ダリアの挿し木について詳しく解説してきました。 本記事の内容は、
  • メキシコ原産で、キク科ダリア属の多年草
  • 挿し木と株分けの方法で増やすことができる
  • 霜が降りなくなった4~5月が挿し木の適期
  • 挿し穂を乾燥させないように土に植え、発根させて新しい株として育てる
  • 植え替えの必要が無いように庭や鉢に挿し木する
  • 挿し穂の水分を保つため余分な葉や脇芽を取り除き、日陰で管理する
ダリアの挿し木の作業自体は簡単ですが、時期を間違えるとうまく発芽しないため注意が必要です。また、挿し穂を乾燥させてしまうと発根しないこともあるので、しっかりと水分管理をすることが大切です。あとは正しい手順で行えば、順調にダリアを増やすことができるでしょう。是非今回解説した挿し木の方法を実践してたくさんのダリアに囲まれてお花の鑑賞を楽しんでくださいね。 東京寿園では、他にも植物に関するたくさんの記事をご用意しております。植物の育て方やその他気になることがあればぜひ参考にしてください。最後までお読みいただきありがとうございました。