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南国の雰囲気漂う、マンデビラの花をご存じでしょうか。鉢植え、花壇で育てられるのはもちろんですが、病気や夏の暑さにも強いため、緑のカーテンにされることもある植物です。そんなマンデビラについて、見たことはあっても育て方がよく分からないという方も多いのではないでしょうか。今回は、開花時期も長く、夏でも楽しめるマンデビラの魅力と育て方についてご紹介したいと思います。
そこでこの記事では
- マンデビラってどんな植物なの?
- マンデビラの育て方のポイント4つとは?
- 植え付けや植え替えの方法は?
- マンデビラの株は増やせるの?
- マンデビラに欠かせない3つのお手入れとは?
そもそもマンデビラってどんな植物なの?
そもそもマンデビラとは、どんな植物なのでしょうか。マンデビラの基本情報についておさらいしてみましょう。中央アメリカなどが原産のキョウチクトウ科チリソケイ属のつる性植物
マンデビラ(ディプラデニア)は、中央アメリカ、アルゼンチンが原産のキョウチクトウ科チリソケイ属に属する、つる性の植物です。開花時期は、5月~10月頃と非常に長く楽しめ、近年の品種改良によって、赤、ピンク、白、黄など様々な花色が楽しめます。毎年5月前後は、マンデビラが鉢物として市場に出回る時期です。エキゾチックな雰囲気を持つマンデビラの花は人気がありますので、気になる方は、時期になったら園芸店をチェックしてみてください。 マンデビラは冬越しも可能ですが、耐暑性が強い一方で、耐寒性がやや弱く、一年草として楽しむ方が多いようです。以前はデプラニデア属に分類され、デプラニデア(ディプラデニア)と呼ばれていた
以前はデプラニデア属に分類されており、旧属名のデプラデニア(ディプラデニア)の名で流通していました。その時代は、「ローズ・ジャイアント」と「サンデリ」の2種類が主流でしたが、現在は、品種改良が進み、花姿や、葉の模様が個性的なものも多数出てきています。マンデビラの育て方のポイント①置き場所
マンデビラの育て方のポイントは4つあります。順にご説明していきたいと思います。 1つ目のポイントは、置き場所です。マンデビラは、どのような場所で育てるのが好ましいのでしょうか。日光がよく当たる場所を好む
マンデビラは、熱帯地域原産の植物であるため、日光が良く当たる場所を好みます。また、風通しの良さも大切です。置き場所に関しては、これさえ注意すれば、マンデビラは病気に強い植物ですから、元気にすくすくと生長してくれるでしょう。半日以上日光が当たらないと開花しなくなる
最低でも、半日以上は日光が当たり、かつ風通しの良い場所で管理しましょう。マンデビラは、日光不足になると、花が咲かなくなったり生育不良を起こしてしまいます。地植えの場合:水はけのいい場所か
また、日当たりの良さに加えて、マンデビラは過湿が苦手な植物です。地植えで栽培する場合、水はけの良い場所かも重要なポイントとなります。周りよりも少し高くした場所に植え付けましょう。鉢植えの場合
一方、鉢植えの場合はどうでしょうか。春~秋は日当たりの良い場所で管理する
鉢植えの場合、マンデビラの生育期である春~秋は、屋外の十分に日当たりの良い場所で管理しましょう。鉢をベランダに置く場合は、室外機の風が当たらないように注意しましょう。11月頃には室内に取り込むとよい
しかしながら、マンデビラは、耐寒性が低く、10℃以上の環境でないと生育不良を起こすだけでなく、冬越しが難しくなります。暖地でも、11月頃には、室内に取り込むと良いでしょう。マンデビラの育て方のポイント②水やり
2つ目のポイントは水やりです。どのような水やりを行っていけばよいのでしょうか。乾燥に強く、過湿に弱い
マンデビラは、乾燥に強く、過湿に弱いという性質があります。 土の表面が乾いてから水を与えます。土が湿っている状態で水やりをしてしまうと、根腐れを引き起こしてしまいます。地植えの場合:根付いた後は基本的に不要
地植えで栽培する場合、植え付け直後を除き、マンデビラが根付いたら水やりは基本的に不要です。真夏の暑さで乾燥している様子の際は、水切れを起こしてしまいますので水やりを行いましょう。鉢植えの場合
鉢植えの場合の水やりは、季節によって調整してあげると良いでしょう。春~秋:土の表面が乾いたらたっぷりと
マンデビラの生育期である春~秋は、土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。受け皿に流れてきた水は、毎回捨てましょう。夏は葉水を行うとよい
夏場のマンデビラは、葉からも蒸散するため、霧吹きを用意して、葉の表はもちろん裏面にも葉水を行うと良いでしょう。夏以外は、葉水を行わなくても大丈夫です。秋以降は水やりを控えめにし、冬は乾燥気味に
気温が下がってくる秋以降は、水やりを控えめにしていきます。冬は乾燥気味を意識してあまり水を与えすぎないように管理していきましょう。具体的には、土の表面が乾いて、数日後に水を与えるくらいがベストです。この時期の水やりは、おおよそ1ヶ月に1回程度となるでしょう。花びらに水がかからないようにする
水やりの際は、花びらに水がかからないように、注意しましょう。マンデビラの育て方のポイント③土
3つ目のポイントは土です。マンデビラはどのような土を好むのでしょうか。清潔で水はけのよい土を好む
マンデビラは、清潔で水はけの良い土を好みます。市販品の培養土を使用するか、用土を自作することもできます。地植えの場合:腐葉土や堆肥を混ぜ込んで熟成させる
地植えの場合は、マンデビラを植え付ける場所に植え穴を掘り、掘った土に腐葉土や堆肥を混ぜ込んで熟成させた土を使いましょう。鉢植えの場合
鉢植えで育てる場合は、どのような用土を準備すればよいのでしょうか。市販の培養土が便利
初心者や鉢植えで栽培する方は、市販の培養土が手軽で便利です。最初から元肥が混ざっているものもあり、最初の肥料準備が不要になります。ネット通販や園芸店で購入できます。自作する場合は赤玉土7:腐葉土3の配合土など
用土をご自身で調製する場合は、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合がおすすめです。マンデビラの育て方のポイント④肥料
4つ目のポイントは、肥料です。肥料はどのように与えると良いのでしょうか。春~秋の成長期に緩効性の置き肥を施す
マンデビラの生育期である春~秋は肥料を与えることで、花が咲きやすくなります。この時期には2ヶ月~3ヶ月に1回程度、緩効性の置き肥を施しましょう。開花中は液肥を与える
マンデビラの花がよく咲いている時期は、液体肥料も1週間に1回程度を目安に、併用して与えると良いでしょう。マンデビラの植え替え・植え付け
マンデビラに限らず、観葉植物や草花を育てていると、定期的に、植え替えや植え付けが必要となってきます。ここからは、マンデビラの植え替え、植え付けについて解説していきます。植え付け
まずは植え付けについてです。植え付け時期:4月上旬~6月
マンデビラの植え付けに適した時期は、4月上旬~6月頃となります。マンデビラの耐寒性が弱いことは何度もお伝えしていますが、地植えする場合は、気温が8℃〜10℃以上に安定してきたことを確認してから行うと良いでしょう。 また、この時期は、アブラムシなどの害虫が発生しやすいため、植え付け時に害虫予防の薬剤を撒いておくと良いでしょう。つるを誘引する
植え付けの際、つるが伸びているようであれば、フェンスや支柱につるを誘引しておきましょう。誘引する際に、つるが折れてしまっても、軽度であれば問題なく回復できますので、安心してください。植え付けの手順
植え付けの方法についてご説明します。- 購入した苗を植え付ける場合には、まず、芽の先端部分を摘んで、わき芽を出させるようにしておきます。
- 一回り大きな鉢を用意し、鉢底にネット、軽石を入れます。
- 用土を鉢の半分程度入れ、その上に苗を置きます。
- 残りの用土を鉢に入れ、苗を固定します。
- 支柱を立てて、マンデビラのつるを反時計回りに誘引する。
植え替え
続いて、植え替えについてです。植え替えのタイミング:1年に1回
マンデビラは、基本的に1年に1回は植え替えを行いましょう。毎年4月〜5月頃(気温10℃〜15℃が目安)になったら植え替えの適期です。 一回り大きな鉢に植え替えることで、マンデビラの成長を促し、株全体の健康を保つ役割があります。植え替えの手順
植え替えの手順についてご説明します。基本的には、植え付け手順と同様です。- 鉢から、苗を引き抜いたら、古い土を優しく落とします。
- 一回り大きなサイズの鉢の中に、鉢底ネット、鉢底石、新しい用土をいれ、苗を入れます。
- 残りの用土を足して苗を固定します。
マンデビラの増やし方
マンデビラは、挿し木や種まきによって株を増やすことができます。それぞれ、どのような方法で行うのでしょうか。順にご説明していきたいと思います。挿し木
マンデビラの増やし方1つ目は、挿し木です。挿し木の時期:5月~9月
挿し木は、5月~9月頃が適期です。挿し木のしかた
挿し木のしかたについてご説明します。- 茎を2節くらいつけて切ります。(挿し穂)発根しづらいため、挿し穂は複数作りましょう。
- 挿し穂の切り口から出る白い液を洗い流します。
- バーミキュライトなどの清潔な土を湿らせて置き、挿し穂を挿しましょう。
- 1ヶ月程度で発根します。徐々に、日向に移動していき、新しい鉢に植え替えます。
種まき
マンデビラの増やし方2つ目は種まきです。苗から育てるのが一般的
マンデビラは、1年草扱いで苗から育てるのが一般的ですが、種から育ててみたい方は、マンデビラの花後につく種を採取してみましょう。種の採取方法
花後、花がら摘みを行わない場合、花後に綿毛がつきます。そこから種を収穫しましょう。種まきのしかた
4月上旬から6月頃に、種をまきます。とても小さい種なので、ピートモスに植え付けましょう。マンデビラのお手入れ
ここまで、マンデビラの基本的な育て方のポイントや、植え替え、植え付けについて解説してきました。それに加えて、マンデビラに欠かせないお手入れが3つありますので、ご紹介いたします。つるの誘引
1つ目はつるの誘引です。マンデビラはつる性の植物ですから、つるの処理が発生します。どのように行っていくのかご説明していきます。新芽が出始めた頃に行う
生長期に差し掛かる4月頃から、マンデビラの新芽が出始めます。その時期に、準備していただいた支柱に誘引しておくと、ぐんぐん上に向かって生長していきます。伸びすぎたつるの処理
マンデビラのつるが伸びすぎた場合は、支柱を飛び出してしまうこともあるでしょう。 その場合は、つるの先端を切ってしまいましょう。枝先を切り取ることで脇芽が増えるため、枝数や花数も増え、樹形のボリュームを出すことができます。剪定
2つ目は剪定です。マンデビラの剪定は、摘心と切り戻し剪定を行うことになります。摘心
摘心(ピンチ)は、新しく伸びてきた新芽を摘むことを指します。コンパクトに育てたい場合は、希望の高さになったら、適宜、摘心を行っていくと良いでしょう。切り戻し
つるが伸びている場合は、冬越し前(霜が降りる前)の10月頃に、株元から30cm程度残して切り戻します。冬越し
3つ目は冬越しです。マンデビラを冬越しさせたい場合、どのように管理すればよいのでしょうか。寒さに弱いため冬は耐えられない
マンデビラは、寒さに弱く、冬の屋外は耐えられません。また、霜に当たると枯れてしまいますので、冬越しをお考えの方は、本格的に気温が下がる前に室内に移動させなければなりません。地植えのものは冬が来る前に鉢上げをするとよい
地植えで栽培しているマンデビラは、冬が来る前に鉢上げ(鉢に移植すること)すると良いでしょう。室内に取り込んで越冬する
鉢植えのマンデビラを越冬させたい場合は、9月以降は、液体肥料を与えるのを止めます。また、前述いたしましたが、11月頃には暖かい室内に取り込みましょう。マンデビラの人気の品種を紹介
ここからは、マンデビラの人気品種を3つご紹介いたします。興味がある方は、どんなマンデビラを購入しようか迷われているかと思います。ぜひ参考にしてみてくださいね。リップギャル
リップギャルは、真っ赤な花が特徴です。草丈が鉢植えの場合は50cm~60cm、庭植えの場合は100cm程度まで成長します。つるの成長が遅い品種のため、支柱を立てずにそのまま育てることができます。リップギャルは7月末頃まで開花し、夏の高温期である8月~9月中旬頃は開花しません。サマードレス
サマードレスは、マンデビラ・ボリビエンシスの流通名です。その花は、白い花弁をしており、中心が黄色の美しい原種です。サマードレスは大輪種と比較すると、つるの伸びは緩やかなため、剪定方法によっては支柱なしで楽しめるマンデビラです。ピンクパフェ
ピンクパフェは、八重咲きの濃いピンクの花が特徴で、大輪の花が目を引きます。つるの伸びが早い品種で、支柱やトレリスに誘引して育てるのが基本です。ピンクパフェは深型のプランターに植え付けるほか、グリーンカーテンにも適しています。【まとめ】マンデビラの育て方を徹底解説!成長後のお手入れから人気品種まで
いかがでしたか。マンデビラの育て方について解説してきました。 この記事のポイントは- マンデビラは、中央アメリカなどが原産のつる性植物である
- マンデビラの育て方のポイントは4つ 「置き場所」「水やり」「水はけの良い土」「肥料」
- 植え付けは、4月上旬~6月につるを誘引する
- 植え替えは年に1回行う
- マンデビラは、挿し木と種まきによって株を増やすことができる
- マンデビラに必要なお手入れは3つ 「ツルの誘引」「剪定」「冬越し」