沈丁花に毒性はあるの?注意したいポイントや予防方法を解説!

沈丁花に毒性はあるの?注意したいポイントや予防方法を解説!
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目次

香りの良い花を咲かせる沈丁花。庭木としても育てられるこの多い花木でもあります。しかし、沈丁花には毒があるため、注意しなければならない点が多いです。沈丁花の毒について気になりませんか。 そこでこちらの記事では
  • 沈丁花はどんな植物なのか
  • 沈丁花の毒の症状
  • 沈丁花の安全な楽しみ方
  • 沈丁花は薬にも使用される
について解説しています。 この記事を読んでいただければ、沈丁花の毒について知識が身に付きます。沈丁花を育てるときに、毒の注意するべき点について詳しくなるでしょう。沈丁花以外の毒をもつ植物について紹介しているので、ぜひご覧ください。

沈丁花とはどんな植物なの?

沈丁花と聞いて、どんな植物なのか想像できない方は多いのではないでしょうか。ここでは、沈丁花について詳しく見ていきましょう。

沈丁花の基本情報

沈丁花(ジンチョウゲ)は香り高い花を咲かせる春の代表的な樹木です。高温度低温度にも強い常緑低木で成長すると、春先に小さな花が毬のようなボール状になって枝先に咲きます。開花時期の3月~4月には、園芸店やホームセンターでもよく見かける植物です。日陰でも生育するため、日陰で楽しむシェードプランツとしても人気があります。生育はよく、自然とこんもり育つので初心者にもおすすめの植物と言えるでしょう。
科・属 ジンチョウゲ科・ジンチョウゲ属
タイプ 庭木
原産地 中国
開花時期 3月~4月
 

沈丁花の名前の由来

沈丁花の名前の由来は、花の香りが沈香(ちんこう)に似ていること、十字架の花が丁子(クローブ)に似ていることに由来します。

三大香木の一つとして知られる

春に咲く沈丁花は香りが良いことで有名な花で、三大香木の一つです。夏の梔子(クチナシ)、秋の金木犀(キンモクセイ)と合わせて、三大香木と呼ばれています。

沈丁花は有毒成分を含む植物

沈丁花は可愛らしい花を付け、香りが良いですが、有毒成分を含む植物です。成長歩合にかかわらず非常に強い毒を持っているので、口に入れないように注意しないようにしてください。

沈丁花の花言葉

沈丁花の花言葉は「永遠」「不死」「不滅」「栄光」です。常緑樹であり、1年を通して肉厚な瑞々しい葉を付けることから名付けられました。素敵な花言葉を持ってはいますが、毒を持っているのでプレゼントには不向きです。

沈丁花には毒があるって本当?

沈丁花の可愛くて香りの良い花を見ると、ほんとに毒があるのか疑うかもしれません。沈丁花の毒について解説します。

沈丁花には葉や花、樹液、根、果実など全体的に毒性を持つ

沈丁花は葉や花、樹液、根、果実など全体的に毒性を持ちます。沈丁花は雌雄異株で雄株と雌株がありますが、どちらにも毒があるので、気を付けましょう。流通している沈丁花のほとんどは雄株なので、果実を付けることはないですが、果実を付けた雌株にも注意してください。

沈丁花の有毒成分は「エステルダフニン」や「メゼレイン」

沈丁花には、「エステルダフニン」「メゼレイン」と呼ばれる有毒成分が含まれています。樹液が肌に触れただけでも炎症を起こす可能性が高いので気を付けてください。誤食した場合、口唇や舌の腫れ・のどの渇き・嚥下困難・悪心・嘔吐などを引き起こす毒性成分なので、注意しましょう。

雌木がつける赤い実が毒性が凝縮され一番危険とされる

沈丁花の雌木が付ける赤い実が毒性が凝縮され一番危険とされます。一般的に流通している沈丁花は雄木なので、果実は付けません。しかし、まれに赤い実を付ける雌木もあるので、注意してください。果実は種を守るための栄養や毒性が凝縮されます。果実を触ったり、口にしたりしないようにしましょう。

ヨーロッパに分布するローレルジンチョウゲは植物の中でトップクラスの猛毒

ヨーロッパに分布するローレル沈丁花は植物の中でトップクラスの猛毒を持ちます。ローレル沈丁花はライトグリーンの花を咲かせ、香りも良いので人気のある花です。しかし、沈丁花だけでなく植物の中でもトップクラスの猛毒を持つので、取り扱いには注意が必要です。

沈丁花の毒による症状とは?

沈丁花の毒性についてわかりましたね。それでは、沈丁花の毒による症状を詳しく見ていきましょう。

樹液や樹皮に触ってしまった場合

樹液や樹皮に触ってしまった場合は、以下の症状が発生する可能性があります。
  1. 皮膚炎
  2. 水膨れ

皮膚炎

皮膚炎とは、皮膚の上層の炎症のこと。かゆみや発赤、腫れなどを生じ、じくじくしてかさぶたになります。かぶれや蕁麻疹、あせもに似た症状です。

水膨れ

水膨れは、水疱とも呼ばれる皮膚炎の一つです。皮膚に赤みが現れて、その赤みの中で皮膚が膨らむような症状。広い範囲に広がることがあるので、火傷が大きくなったように見える場合もあります。

沈丁花の毒を食べてしまった場合

沈丁花の毒を食べてしまった場合は、以下のような症状が現れる可能性が高いです。
  1. 下痢や嘔吐
  2. 腎臓や循環器系に損傷
  3. 心臓障害

下痢や嘔吐

沈丁花の毒を口にした場合、下痢や嘔吐に悩まされます。血が混じることも多いので、決して口にしないようにしてください。

腎臓や循環器系に損傷

沈丁花の毒の主成分である「エステルダフニン」「メゼレイン」は、非常に危険な毒です。腎臓や循環器系にダメージを与えます。少量でも危険なので、口にしないでください。

心臓障害

沈丁花の毒を口にすると、心臓障害を引き起こす場合があります。特に、心臓に疾患がある方は命にかかわるので注意が必要です。

沈丁花の毒に触れたり、食べたりした場合はすぐに病院へ

沈丁花の毒が危険であることが伝わったかと思います。沈丁花の毒に触れたり、食べたりした場合はすぐに病院へ行きましょう。「口にしてないから大丈夫」ではなく、樹液に触れた場合でも病院へ行った方が安心です。樹液に触れたら、すぐに水で洗い流して病院へ行きましょう。

沈丁花の毒は人間だけでなく犬や猫にも有毒なの?

沈丁花には危険な毒があることがわかりました。しかし、「犬や猫にも危険なのかな」と疑問に思いませんか。その疑問にお答えします。

沈丁花の毒は犬や猫にとっても有毒で中毒症状を引き起こす

結論として、沈丁花の毒は犬や猫にとっても有毒で中毒症状を引き起こします。犬や猫のペットを飼っている方は、庭に沈丁花を植えていたり、室内で沈丁花の切り花を飾っていたりする場合は気を付けなければなりません。

中毒症状の例

犬や猫の中毒症状の例は以下の通りです。
  1. 口腔内の痛み
  2. 口腔内の水疱と浮腫
  3. 流涎
  4. 下痢や嘔吐
  5. 腎不全

口腔内の痛み

沈丁花の葉や茎、花を口にすると、口腔内の痛みを発症します。人間と同様です。犬や猫は、痛みから鳴いたり食事ができなくなったりするかもしれません。

口腔内の水疱と浮腫

口腔内の痛みと同時に、水疱と浮腫(ふしゅ)が発生します。水疱とは、水膨れのことです。浮腫とはむくみのことであり、皮膚のしたに水分が溜まる症状です。口が膨れている状態になります。飼い主からしたらわかりやすい症状なので、気づいたらすぐに動物病院へ行きましょう。

流涎

流涎(りゅうぜん)とは、文字通り、よだれが流れ続ける症状です。犬や猫の口からよだれが流れ続ける場合は、何かしら問題があると考えましょう。お庭や室内で、沈丁花を飾ったいるのであれば、かじったりして口にした可能性があります。

下痢や嘔吐

下痢や嘔吐も引き起こします。こちらも人間の症状と同様で、血が混じる可能性が高いです。すぐに動物病院へ行きましょう。

腎不全

沈丁花の毒は、犬や猫などのペットの腎臓にもダメージを与えます。結果的に腎不全になることも多いので、上記の症状を確認したら、すぐに動物病院へ行きましょう。腎不全になった場合は、今までのように元気な姿に戻る可能性は低いです。寿命も短くなるので注意して下ださい。

犬猫が食べてしまったら、状況確認を行いすぐに動物病院へ

犬猫が沈丁花を食べてしまったら、状況確認をしてすぐに動物病院へ行きましょう。症状が軽いと安心していたら、命にかかわるので注意してください。犬や猫は、植物をかじることも多いので、沈丁花を庭に植えている場合は、近づけさせないか引き抜くか考えた方が良いかもしれません。

沈丁花を安全に楽しむために

人間や犬猫のペットにも深刻な毒をもつ沈丁花。安全に楽しむために気を付けたいことを見ていきましょう。

沈丁花の剪定や挿し木を行うときは手袋や保護メガネなどを使用する

沈丁花の剪定や挿し木、肥料やり、移植などのお手入れを行うときは、手袋や保護メガネなどを使用しましょう。沈丁花を育てている場合は、お手入れは必須です。特に大きさや形を整えるための剪定は重要なお手入れの一つ。枝葉を切る作業では、樹液が肌に付く可能性があるので、長袖長ズボンに手袋や保護メガネをしておく方法が万全です。樹液に触れた手で目を触ると失明の危険性があるので注意してください。剪定した枝で挿し木するときも同様に気を付けましょう。剪定や挿し木以外でも、肥料やりや水やり、移植も気を付けてください。

沈丁花にはできるだけ触らない、食べない

沈丁花にはできるだけ触らない、食べないことが重要です。沈丁花はそもそも食材になるものではないので、食べようとはしないと思いますが、小さな子や犬猫は口にしてしまうかもしれません。沈丁花を育てていたり飾っていたりする場合は、手の届かない場所へ置いたり、触れない方法を対策してください。育てている方は、お手入れ以外では積極的に触らないことが重要です。

沈丁花の雌木の実は、子供やペットが口に入れないように注意する

沈丁花の雌木の実は、子供やペットが口に入れないよう注意してください。そもそも、雌木はあまり見かけませんが、赤い実がついている沈丁花を見つけたら、特に注意しましょう。珍しいからと言って、持ち帰って子供やペットが口にすると非常に危険です。命にかかわるので、子供やペットが口にしないようにしてください。

小さな子供やペットがいる家庭は沈丁花の栽培は避けた方が良い

小さな子供やペットがいる家庭では沈丁花の栽培は避けた方がよいです。沈丁花は香りがよい花として人気ですが、小さな子供やペットは、その危険性がわかりません。ふとしたきっかけで口にするかもしれないので、沈丁花の栽培はやめて引き抜いておくと安心です。沈丁花を楽しめなくなるのは残念ですが、命にかかわるので、もしもに備えておくとよいでしょう。

沈丁花の他に毒性を持つ植物を知っておこう!

沈丁花には危険な毒があります。意外に思った方も多いのではないでしょうか。しかし、実は身近な植物には毒をもつものが多くあります。ここでは、沈丁花以外に毒性のある植物を紹介します。

アジサイ

毒がある意外な植物としてアジサイがあります。アジサイの葉や花、根などには青酸配糖体が含まれており、食べると胃腸の酵素と反応。遊離した青酸によって、嘔吐や失神、昏睡などの中毒症状を引き起こします。アジサイを食べる方は少ないと思いますが、剪定や挿し木で手に付いた樹液を口にしないように気を付けてください。

アセビ

庭木としても人気のアセビにも毒性があります。アセビは「馬酔木」とも書き、馬が酔う木です。葉や花、実、根のすべてにグラヤノトキシンⅠやアセボプルプリシンなどの毒性成分が含まれています。症状は、血圧低下や腹痛、下痢、嘔吐、呼吸麻痺を引き起こす危険性があるので、口にしないように気を付けましょう。

イチョウ

イチョウも毒性がある植物です。イチョウは銀杏として種を食用します。銀杏が好きな方も多いと思いますが、食べすぎには気を付けなければなりません。特に子供は、銀杏によって中毒になりやすいので、気を付けてください。いくつ以上食べると、中毒になるとわかっているわけではなく個人差があるので、判断が難しいです。毒性は弱いですが、中毒になると嘔吐や痙攣を引き起こす可能性があるので、気を付けてください。

レンゲツツジ

レンゲツツジの花や葉には、有毒なグラヤノトキシン、ロボジャポニンと呼ばれる成分をという毒性成分を含まれています。過剰摂取すると、嘔吐や痙攣、ふらつき、不整脈を引き起こすので気を付けてください。ツツジの甘い蜜を吸って遊ぶ子供も椅子が、レンゲツツジには注意して下さい。

キョウチクトウ

キョウチクトウは美しい花を咲かせる植物でもある反面、非常に強い毒性を持つ植物でもあります。オレアンドリンと呼ばれる毒を持っており、キョウチクトウの根や葉、茎、花などを口にすると、吐き気や嘔吐、下痢などを引き起こします。キョウチクトウは大気汚染に強いので、緑化樹として植えられていますが、オレアンドリンは命に係わる毒なので十分に注意が必要です。さらに、キョウチクトウを燃やすと、空気中に毒性成分は飛散します。呼吸によって毒性成分を吸収してしまうので、キョウチクトウを気軽に焼却しないようにしてください。

ドクウツギ

ドクウツギは、葉や茎、花すべてにシクトキシンというアルカロイドがあります。特に根の部分に多く含まれており、誤食すると嘔吐や腹痛を引き起こす可能性が高いです。さらに、中枢神経が侵され痙攣を引き起こして死に至る場合もあるので注意してください。小さなドクウツギは食用のセリと似ているので、十分に気を付けてください。

【豆知識】沈丁花は薬としても使われている?

沈丁花の毒性は非常に危険ですが、薬としても利用されています。毒と薬は表裏一体。薬としても使用される沈丁花について見ていきましょう。

沈丁花は「瑞香花」という漢方薬や民間療法の薬として使われた

沈丁花は「瑞香花」という漢方薬や民間療法の薬として使用されています。沈丁花の花の部分を漢方薬の瑞香花として利用しています。

漢方薬:歯痛、咽頭痛、乳がん初期、神経痛などの薬として使われた

漢方薬としては、歯通・咽頭痛・乳がん初期・神経痛などの薬として乾燥させた沈丁花の花が使われています。漢方を好む方にはなじみのある名前と効果かもしれません。

民間療法:花を煎じて歯痛や口内炎、うがい薬に使用された

民間療法では、乾燥させた花を煎じて歯痛や口内炎、うがい薬に使用されたそうです。民間療法ではありますが、知識を持っていない方が行うと、危険であるため注意してください。

沈丁花の香りには気分を和らげたり、精神疲労を落ち着かせる効果も

沈丁花の香りには気分を和らげたり、精神疲労を落ち着かせる効果もあります。梔子(クチナシ)や金木犀(キンモクセイ)と並び香りの良い花なので、リラックス効果が高いのでしょう。近年になって、沈丁花には120以上の香気成分が含まれることがわかっており、リナロール・シトロネロールなどが癒しをもたらしてくれます。今後、消臭剤や芳香剤で、沈丁花の香りを再現したものが出てくるかもしれません。

薬にもなるが沈丁花は有毒なため素人判断で使用するのは避けた方が良い

沈丁花は薬にもなるが有毒なため、素人判断で使用するのは避けた方が安心です。薬として素人が使うには危険すぎます。漢方として使用する場合も、専門の方からの用法容量しっかり守ってください。

【まとめ】沈丁花に毒性はあるの?注意したいポイントや予防方法を解説!

ここまで沈丁花の毒について解説してきましたがいかがですか。 この記事のポイントは
  • 沈丁花は中国を原産とする三大香木であり、非常に強い毒性を持つ
  • 沈丁花の毒の症状は、「皮膚炎」「水膨れ」「下痢」「嘔吐」「腎臓や循環器系の損傷」「心臓障害」など
  • 沈丁花を安全に楽しむためには、樹液に触れないように、長袖長ズボンに手袋、ゴーグルなどでしっかり保護をして剪定や挿し木などを行うこと
  • 沈丁花は、「瑞香花」と呼ばれる漢方薬や民間療法として、歯痛・口内炎・神経痛などの治療に利用された
です。 沈丁花の毒について詳しく知ることができたのではないでしょうか。この記事を参考に、沈丁花を育てる場合は注意してください。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENにはほかにもたくさんの記事を用意しておりますので、ぜひご覧ください。