沈丁花の葉が落ちるのはどうして?原因から復活方法までご紹介!

沈丁花の葉が落ちるのはどうして?原因から復活方法までご紹介!
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春に咲く薫り高い花として有名な沈丁花をお庭で楽しんでいる方も多いのではないでしょうか。春咲きに甘い香りを漂わせる沈丁花は、成長もゆっくりであまり大きくならないメリットも人気のひとつになっています。そんな沈丁花ですが、育てているうちに葉が落ちるといったトラブルに見舞われる方も少なくありません。沈丁花は常緑樹なので、葉が落ちると枯れてしまったような印象を受けて焦ってしまいますね。実は、そのままにしていると本当に枯れてしまうこともあるのです。 そこでこの記事では、
  • 沈丁花とはどんな植物?
  • 沈丁花の葉が落ちる原因とは?
  • 沈丁花の葉が落ちたら復活できるのか
  • 知っておきたい沈丁花の特徴
  • 沈丁花を枯らさないための育て方
  • 沈丁花の葉が落ちる以外のトラブルとは?
  • 沈丁花の増やし方を解説
以上のポイントを中心にご紹介していきます。 この記事を読めば、沈丁花の葉が落ちるトラブルについて詳しくなるだけでなく、大切に育てるためのポイントや他のトラブルについても知ることができます。初めて沈丁花を育ててみたいという方も、育てている沈丁花の元気がなくなってしまったという方もぜひ、この記事を参考にしてみてください。

沈丁花とはどんな植物?

沈丁花とはどんな植物?
まずは、沈丁花がどんな植物なのかをご紹介します。春先に薄いピンク色の花を咲かせる沈丁花。ひとつひとつの花は小さいのですが、丸く集まって咲くのでまるで手まりのように見えるのも魅力のひとつでしょう。

沈丁花の基本情報

沈丁花の基本的な情報は以下の通りです。暖かい地域では、2月下旬の春先から花を咲かせる沈丁花は庭木としても、園芸愛好者だけでなく初めてお庭を作る方にも好まれています。
科・属 ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属
タイプ 庭木、樹木
原産地 中国、ヒマラヤ地方
開花時期 2月下旬から4月上旬

三大香木の一つとして知られる

沈丁花は夏のクチナシ、秋の金木犀と並んで園芸界では三大香木の一つして知られています。集まって咲く花は小さくとも、庭一杯に深みのある香りを漂わせてくれるので愛好家も多い植物なのです。春咲きにどこからか甘い匂いが漂ってきたら、沈丁花が近くに植えられているのかもしれませんね。

沈丁花には性別がある

沈丁花には人間でいうところの性別があります。雌雄異株なので、必ず雄か雌に分別されるのです。日本に流通しているのは雄株が多いので、雌株の沈丁花は珍しいのです。雌雄を見分けるには、赤い実がなるのかどうかがポイントです。赤い実をつける雌株はなかなか見かけることがなく、貴重ですが実に毒性があるので注意しましょう。

沈丁花は有毒成分が含まれる

ご紹介した沈丁花の赤い実だけでなく、根や葉、樹液に有毒成分がありますので取り扱う時には注意が必要です。樹液に素手で触れるとかぶれたり、アレルギーのような状態になる可能性もあるので気を付けましょう。お子様やペットがいるご家庭では、触れやすい通り道に沈丁花を植えない方が無難と言えるのです。

沈丁花の花言葉

毒性があることでマイナスなイメージを受けがちな沈丁花ですが、花言葉には「永遠」や「不滅」「不死」などとても縁起の良いものが選ばれています。これは沈丁花の濃い緑色の葉が冬場でも枯れることなく、瑞々しく輝いていることからイメージされた言葉なのです。これらの縁起の良い花言葉から、沈丁花は庭植えにも好まれているのでしょう。

沈丁花の葉が落ちる原因とは?

沈丁花の葉が落ちる原因とは?
では、肝心の沈丁花の葉が落ちる原因について解説していきましょう。せっかく縁起の良い花言葉が付けられていても、葉が落ちてしまうと心配になってしまいますよね。沈丁花の葉が落ちる原因を知って、もしもの時にはすぐに対応できるようにしておきましょう。

沈丁花は常緑樹なため葉が落ちるのには原因がある

前述したように、沈丁花は常緑樹なので基本的には葉が落ちることなく冬場でも青々しく枯れることはありません。にもかかわらず、沈丁花の葉が落ちることがあるのはどうしてなのでしょう。それにはいくつかの原因が考えられるのです。

原因① 寿命によるもの

まず、一つ目の原因は寿命によるものです。樹木なので、何年でも成長していきそうに思える沈丁花ですが年々、木は老化していますのでどうしても寿命を避けることはできないのでしょう。

沈丁花の寿命は20年〜30年と短い

沈丁花の寿命は樹木にしては短く、20年~30年と言われています。数十年育てていても、沈丁花はどんどん大きくなる植物ではないのでコンパクトな姿のまま、寿命を迎えてしまうこともあるのです。

栽培10年ほどで突然枯れてしまうことも

沈丁花の寿命は20年~30年とご紹介しましたが、これは沈丁花が好む環境を維持した場所で栽培した時の最大寿命と考えられています。そのため、お庭や鉢植えの環境によっては栽培してから10年ほどで突然枯れてしまうこともあるのです。予兆がなく、いきなり枯れてしまうこともあるので驚かれる方も実は少なくないのですよ。

長く育てていた場合は寿命を迎えた可能性がある

沈丁花を長くお庭で育てていた場合には、寿命を迎えてしまった可能性もあります。葉の勢いが元気がなかったり、幹が老化している様子が見れたら寿命が近くなってきてしまった可能性もあるのです。寿命で枯れてしまうことはどうしても避けられませんので、その時のために後ほどご紹介するような増やし方を試してみても良いかもしれません。

原因② 水切れを起こしている

二つ目の原因として、沈丁花が水切れを起こしている可能性が挙げられます。水切れを起こしてもすぐに枯れるわけではありませんが、葉がしなだれてきたり落ちてきたりする状態が続くと弱ってしまうことも考えられるのです。

沈丁花は根の分布が浅く乾燥に弱い

沈丁花は植え付ける時に根の取り扱いに気を付けなければならないほど、繊細で広がりにくい特徴をもっています。そのため、栽培していても根の分布が浅く十分に吸水できないので乾燥に弱い特性があることを覚えておきましょう。

乾燥しやすい成長期の春や夏は十分に水を与える

沈丁花は根が浅く乾燥しやすいので、特に成長期の春や夏は水切れに注意が必要です。鉢植えの場合は、朝と夕方のチェックがかかせませんし庭植えの場合でも、乾燥が続く日には水やりをして保水性を高めてあげるようにしましょう。ただ、根腐れにも気を付ける必要があるため鉢植えの時は十分に土が乾いてから水を与える必要があります。

環境に合わせて正しい水やりを心がける

前述したように、沈丁花は環境に合わせて正しい水やりを心がける必要があります。春から秋にかけての要点をまとめると、鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えること、庭植えの場合は乾燥が続く場合にのみ水やりを行うのがポイントです。常に土が湿っていないように、メリハリのつけた水やりを心がけましょう。

原因③ 病気によるもの

三番目の原因として、病気によるものが挙げられます。寿命でもなく、乾燥でもない場合は病気の可能性が高いので他の植物にも感染してしまう前にすぐに対処してあげる必要があるのです。

葉が落ちる原因で一番多く見られる

実は、沈丁花の葉が落ちる原因としては病気によるものが一番多く見られるのです。土壌によるものであったり、沈丁花がもともともっていた要因であったりで病気が発生してしまうので予防と早めの対策が欠かせないと覚えておきましょう。

沈丁花はもともとウイルスを持っていると言われる

沈丁花はもともとウイルスを持っていると言われていて、詳しくは解明されていないのですが株の状況や環境によって、隠れたウイルス因子が発現してしまうこともあるのです。また、沈丁花を植えた土にもウイルスが潜んでいる可能性も捨てきれません。菌が付着した沈丁花を購入の段階で見分けることができないのが、難しいところですね。

沈丁花は白紋羽病にかかりやすい

沈丁花は白紋羽病(シロモンパビョウ)にかかりやすい植物です。この病気に感染してしまうと、根元の枝や幹に白いカビのようなものが発生して株が弱ってきてしまいます。葉がしおれてきたり、全体的に弱ってきた場合はこの病気を疑いましょう。

病気に侵された場合は諦めて早めの対処を行う

残念ながら白紋羽病にかかった沈丁花を回復させることはできません。それだけでなく、そのままにしていると土壌汚染が進んでしまいますので、病気に気づいた時点で早めに対処するようにしましょう。被害を受けた沈丁花だけでなく、できれば周りの用土も焼却殺菌することが望ましいのです。ホームセンターなどで殺菌剤も販売されていますので、散布するのも効果的ですね。

原因④ 植え替えや剪定などの環境変化

4番目の原因として、植え替えや剪定などの環境変化に沈丁花が適合できなかったことが挙げられます。沈丁花は移植や頻繁なお手入れを嫌う植物だと知った上で、栽培していくのが良いでしょう。

沈丁花は植え替えや移植を嫌う

沈丁花は根をいじられることを嫌うので、頻繁に植え替えや移植の作業をしない方が良い植物です。植え付け後は、なるべくその場所から動かさないようにするとともに、植木鉢であれば最初に大きめの鉢を選んでおくなどの対策が必要になってきます。庭植えにする場合は植える場所をしっかりと吟味してから植え付けを行いましょう。

強剪定や刈り込みをすると枯れてしまう

沈丁花は剪定などの刈り込み作業も嫌う植物です。もともと、葉を多く茂らせていく植物ではありませんので強く樹形を変えるような剪定や、全体を刈り込むような作業は行わないようにしましょう。葉が変色したり傷んだりした場合や風通しを改善したい時のみ、軽くカットするだけにしておくことをおすすめします。

植え替えや剪定を行わなければいけない時は細心の注意を払う

どうしても植え替えや剪定を行わなければならない時は、細心の注意を払って行いましょう。根や茎、枝をいじりすぎないようにするとともに、葉にもなるべく傷をつけないように心がけます。剪定も深く刈り込まずに、間引いて剪定するのみにとどめておきましょう。

沈丁花の葉が落ちたら復活できる?

沈丁花の葉が落ちたら復活できる?
沈丁花の葉が落ちる原因がわかったところで、実際にそのような症状がみられてしまった場合に復活できるのかどうかについて回答します。沈丁花はいきなり葉が落ちることがあるので、育てる前に知っておくのがおすすめです。

復活できる場合は少なく、そのまま枯れてしまうことがほとんど

沈丁花の葉が落ちる症状が表れたときは、残念ながら復活できる可能性が少なくそのまま枯れてしまうことがほとんどなのです。ご紹介した葉が落ちる原因の中でも特に、寿命や病気は気づいたときにはどうしようもない状態のことが多いのです。

沈丁花の植え替えや根を切るなど環境変化で弱ってしまう

沈丁花は特に環境の変化に弱いので、植え替えを頻繁に行ったり植え付け時に根を切るなどしてしまうとあっという間に弱ってしまうのです。そのため、沈丁花の植え付けや植え替え、根を取り扱う時には細心の注意を払うようにしましょう。

沈丁花の葉が落ちないように予防することが大切

沈丁花を長く楽しむためには、葉が落ちることのないように予防することが重要です。水切れや過湿を起こさない注意が必要になるとともに、万一、弱ってしまった時のために後ほどご紹介するような増やし方を試して、予備の苗を作っておくことも大切な作業と言えるでしょう。

沈丁花を育てる上で知っておきたい特徴

沈丁花を育てる上で知っておきたい特徴
沈丁花の葉が落ちる症状についてわかったところで、栽培する中で知っておきたい特徴についてご紹介します。沈丁花の特徴を把握した上で、育て方に気を付けるとより長く花を楽しめるはずですよ。

沈丁花は短命でとても繊細な植物

しっかりとした葉と茎をもつ沈丁花ですが、実は短命でそても繊細な植物なのです。根を丁寧に取り扱うとともに、葉や茎、枝に傷をつけないように大切に育ててあげましょう。また、寿命が長くても20年~30年だと念頭に置いて枯れた時のバックアップを考えておくのもおすすめです。

環境変化や根が傷つくと落葉したり枯れてしまう

繊細な沈丁花は、環境の変化や根が傷つくと落葉したり枯れたりしてしまいます。環境変化は、温度の高低や日差しの当たり方、植木鉢を頻繁に動かしたりした時に発生してしまいまうのです。根が傷つくのを防ぐとともに、なるべく同じ場所で管理してあげるようにしましょう。

ウイルス病にかかりやすい

沈丁花はもともと、ウイルスの因子を持っているとともに土壌汚染によるウイルス病にかかりやすい植物です。沈丁花の特性としてもっているウイルス因子を見分けることはできませんから、せめて植え付ける時には清潔な用土を選ぶようにしましょう。地植えにする時には、新品の用土を移植するのも効果的です。

根が浅いため乾燥に弱い

根が浅い沈丁花は深い地中から水分を吸収することができないので、すぐに乾燥して水切れを起こしてしまいます。乾燥を防ぐためには、落ち葉やウッドチップで土の表面を覆うのも良いですね。また、乾燥が続いた日には適切に水やりを行うように気を付けてあげましょう。

沈丁花を枯らさないための育て方

沈丁花を枯らさないための育て方
沈丁花の特徴をご紹介したところで、枯らさないためにはどのような育て方を心がければよいのでしょうか。この項目では、沈丁花を枯らさないための育て方についてポイントを解説していきます。

置き場所

まずは、日当たりや風通しなどの置き場所についてご紹介していきましょう。乾燥に弱い沈丁花はどのような環境で育てればよいのでしょうか。

日当たりがよく風通しが良い場所に置く

沈丁花は日当たりが良く、風通しも良い場所を好む植物です。直射日光が強すぎると土が乾きやすくなってしまうので適度に風通しが良く、夏には日陰になるような落葉樹の下も適しています。

極端な日陰や強い西日が当たる場所は避ける

沈丁花はある程度の耐陰性もありますが、極端な日陰や強い西日が当たる場所は避けるようにしましょう。西日に当たり続けると乾燥しやすいとともに、葉焼けを起こしてしまう可能性があります。また、極端な日陰では日照不足で花が咲かなくなってしまう可能性もあるのです。

土壌環境

次に土壌環境についてご紹介します。根が浅くしか張れないので乾燥しやすい沈丁花はどのような土壌環境を好むのでしょうか。

水はけ、水持ちの良い土を使用する

沈丁花は水はけと水持ちの良い土を使用するようにしましょう。相反する特性のようにも思えますが、販売されている草花の培養土は適度に保水性が富んでいて水持ちが良いように、そして、水はけが良いようにも配合されていますので迷う場合にはそちらを選ぶようにしましょう。

鉢植えの場合

鉢植えの場合には、新品の草花培養土を用いるとともに排水性を上げるために鉢底石や赤玉土を入れるようにしましょう。なるべく多めの土を入れて、浅く広く根が張れるように植え付けを行います。選ぶ鉢は深さのあるものよりも、広さがあるものを選ぶと良いですね。

地植えの場合

地植えの場合には、腐葉土やたい肥を入れてある程度肥やした土を使いましょう。ただし、何年も他の植物を植えている場所であったり、土壌感染が疑われるような場所であるときは除菌された市販の用土を移植して病害虫の発生を防ぐようにします。

水やり

沈丁花の育て方の三番目のポイントとして、水やりについてご紹介します。沈丁花は乾燥しやすいので、特に水やりには気を付けてあげましょう。

鉢植えの場合

鉢植えの場合には、用土が少なく保水性が低いので乾燥しやすい状態です。土の表面がしっかりと乾いたら、たっぷりと水を与えるようにしましょう。土が乾ききっていない状態で水やりを行うと根腐れを起こしてしまうので、注意が必要です。

地植えの場合

地植えの場合にはほとんど水やりの必要はありません。降雨だけで問題ないのですが、何日も乾燥が続く場合などは涼しい時間帯に水やりを行うようにしましょう。

肥料

基本的な育て方の最後のポイントとして、肥料についてご紹介します。

基本的には肥料は与えなくても育つ

沈丁花は基本的には肥料を与えなくても育つ植物です。そのままほったらかしでも育つので、過剰な肥料は避けるようにしましょう。肥料やけなどを起こして、弱ってしまう可能性もあります。

与える場合は緩効性肥料を4月〜5月、9月に与える

植木鉢などで育てている場合には、肥料を与えて栄養分を補給してあげるのも効果的です。与える場合には、ゆっくりと効果があらわれる緩効性肥料を生育期の4月~5月、9月に施します。夏と冬場は温度変化によって植物にストレスがかかっている状態ですので、肥料は与えません。

剪定

次に定期的なお手入れの一つとして、剪定についてご紹介します。樹木であれば、健全な成長を促すために定期的な剪定は欠かせませんが環境変化に弱い沈丁花には適度な剪定が必要になってくるのです。

沈丁花は病気や害虫の予防として間引き剪定を行う

沈丁花を剪定するときは、病気や害虫の予防として間引き剪定を行うことを目的としましょう。葉が混みあっている場所や蒸れやすい場所を中心に、風通しを良くするために枝を間引いて剪定しましょう。

夏以降に剪定を行うと翌年に花が咲かなくなる

早春に花を咲かせる沈丁花の花芽は夏以降に形成されるので、そのタイミングで剪定を行ってしまうと翌年に花が咲かなくなってしまいます。そのため、剪定の作業を行う時は花が終わった後の春の時期を選んで行いましょう。

強剪定は株が弱る原因になるため避ける

樹形を大きく変えるような強剪定は、沈丁花に負担をかけて株が弱る原因にもなってしまいます。沈丁花はそれほど成長が早くないので、無駄な枝を間引く程度の剪定にとどめておくように心がけましょう。

病害虫

沈丁花は病気に弱い植物だとご紹介しましたが、実際にどんな病気や害虫に注意すればよいのでしょうか。

病気:白紋羽病やウイルス病に注意

沈丁花は白紋羽病やウイルス病に特に注意が必要ですので、風通しを良くして蒸れを防ぐとともに病気を蔓延させてしまう害虫がつきにくい環境を作り出すのが効果的です。沈丁花をよく観察して、症状が見られたら完全に枯れてしまう前に被害を受けた葉を処分するとともに殺菌剤などで対処しましょう。

害虫:アブラムシやハマキムシに注意

沈丁花につきやすい害虫として、アブラムシやハマキムシが挙げられます。いずれも葉の裏やつけ根に発生することが多いので、こちらもよく観察して見つけ次第、殺虫剤などで対処しましょう。

夏越し・冬越しの方法

沈丁花は耐寒性がある植物ですが、夏越しや冬越しをするときにはどのようなポイントに心がければよいのでしょうか。

夏越し

暑い日差しで沈丁花の葉が傷んでしまうことがあるので、夏越しの作業として遮光があげられます。鉢植えで育てている時は、半日陰の場所に移動してあげましょう。地植えの栽培では、近くに影ができるものをおいたり遮光ネットなどで日差しを遮ってあげるのが効果的です。

冬越し

沈丁花は耐寒性がありますので、東北より南の地域では地植えでも育てることができます。ただし、耐寒温度は-5℃ほどなのでお住いの地域の温度によって地植えにするか鉢植えにするか選ぶと良いですね。鉢植えで育てている場合は冬越しのひとつとして、霜や寒風の当たらない日当たりの良い場所で管理してあげるようにしましょう。

沈丁花の葉が落ちる以外の起こりうるトラブル

沈丁花の葉が落ちる以外の起こりうるトラブル
ここまで、沈丁花の葉が落ちるトラブルについてご紹介してきましたが、この項目では他のトラブルについて解説していきましょう。葉が落ちる以外にも沈丁花にはいくつかのトラブルが見られます。

葉が変色する

沈丁花の葉が黄色く変色してしまうトラブルには、いくつかの原因が挙げられます。日照不足であったり乾燥が原因であったりすれば、栽培環境を見直してあげましょう。また、根詰まりによって葉が変色することもあるので、何年も植え替えをしていない植木鉢で栽培している沈丁花は気を付けながら植え替えを行う必要があります。

葉が萎れている

沈丁花の葉がしおれてくる原因は、葉が落ちるトラブルと同じように病気が影響を与えている可能性もあります。白紋羽病の場合は、根元近くにカビがないか観察しましょう。土から異臭がする場合は根腐れの可能性も考えられます。根腐れであれば植え替えを行うことによって、復活する可能性も捨てきれないので清潔な用土に植え替えするのがおすすめです。

大きくならない

沈丁花が大きくならない原因は日照不足か栄養不足が考えられます。日照不足であれば栽培する場所を日当たりの良い場所に変えることで、大きくなる可能性もあるのです。また、栄養不足であれば肥料を生育期に与えることで改善します。ただし、肥料をすでに与えている場合は過剰になってしまうことがあるので追肥は行わないようにしましょう。

花が咲かない

沈丁花の花が咲かない、花のつきが悪い場合には大きくならない時と同じように日照不足や栄養不足が考えられます。リン酸が多めの肥料を春と秋に与えるとともに、剪定などを行ってすべての葉にまんべんなく光が当たるように見直してあげましょう。

沈丁花を長く楽しむために挿し木で増やそう!

沈丁花を長く楽しむために挿し木で増やそう!
最後に、沈丁花を長く楽しむためにどのような工夫をしたらよいのかをご紹介します。沈丁花は、いきなり葉が落ちる・枯れるなどの状態が発生しやすいことを念頭において、いざという時のために新しい苗を作っておくのがおすすめなのです。

繊細で突然枯れてしまうこともある沈丁花は挿し木で増やしておくと安心

根も株も繊細で、ちょっとしたストレスによって突然かれてしまうこともある沈丁花は挿し木などの作業を行って増やしておくと安心です。沈丁花に適した環境であっても、寿命によって葉が落ちることもありますのでまだ、元気で生育力が旺盛なうちに挿し木で増やしておくことをおすすめします。

沈丁花の挿し木の適期は4月か7月〜8月

沈丁花を挿し木するにあたって、適した時期は4月か7月~8月です。特に4月の花が咲き終わった後は、挿し木をするのに良い時期と言えるでしょう。葉がたくさん茂り、新芽が出やすい春から夏にかけては、挿し木した後の根付きも良くなることが期待できます。

沈丁花の挿し木で準備するもの

では、沈丁花の挿し木で準備するものを簡単にご紹介します。一番大切な沈丁花の挿し穂は、若々しく元気に成長した沈丁花の枝をカットして用意しましょう。太い枝をカットするともともとの株に負担がかかってしまいますので、間引き剪定をするつもりで余分な枝を見つけられると良いですね。また、切り口に塗る発根促進剤や挿し木専用土か赤玉土、鉢や育苗トレーも用意しましょう。

沈丁花の挿し木の方法

沈丁花の挿し木の方法についてわかりやすくご紹介します。
  1. 挿し木を行う前日に沈丁花の株にたっぷりと水を与えておく
  2. 若々しい枝を選んで10㎝~15㎝ほどカットする
  3. 切り口を斜めに切り直し、葉を2枚~3枚にしておく
  4. 数時間、切り口を水につけて十分に吸水させる
  5. 切り口に市販の発根促進剤を塗布する
  6. 鉢に入れた用土に吸水させた後、割りばしなどで穴を空ける
  7. 沈丁花の挿し穂を挿し、倒れないように土を寄せておく
  8. 水やりをした後に、乾燥しないように気を付けながら半日陰の場所で管理する

沈丁花の挿し木の後の管理方法

沈丁花の挿し木の後の管理方法としていくつかのポイントがありますので、覚えておくと成功率が上がるはずです。乾燥することによって差し穂が枯れてしまうことを防ぐために、直射日光を避けた場所で管理しましょう。また、土の表面が乾いたら優しい水流で水やりをして保湿状態を保ってあげるようにするのも効果的です。

【まとめ】沈丁花の葉が落ちるのはどうして?原因から復活方法までご紹介!

いかがだったでしょうか。 沈丁花の葉が落ちる原因や対策についてご紹介させていただきました。何度もご紹介したように、沈丁花はいきなり枯れてしまうことが多い植物です。葉が落ちる症状が表れた時には手遅れの場合も多いので、沈丁花を育てて数年経ったら挿し木をして新しい苗を作っておくことをおすすめします。 この記事のポイントは以下の通りです。
  • 沈丁花は中国地方が原産の常緑樹で、「永遠」「不滅」などの縁起の良い花言葉がある
  • 沈丁花の葉が落ちる原因は、「寿命」「水切れ」「病気」「環境変化」が挙げられる
  • 沈丁花の葉が落ちたら復活できないことも多いので注意が必要
  • 沈丁花の特徴として、繊細で根が浅く張ること、ウイルス病にかかりやすいことなどが挙げられる
  • 沈丁花を枯らさないための育て方として、乾燥を防ぐ水やりや過剰にならない肥料を施肥することに心がける
  • 沈丁花の葉が落ちる以外のトラブルとして日照不足や栄養不足、病気の影響で葉がしおれえるなどが挙げられる
  • 沈丁花の増やし方は挿し木がおすすめ
春に甘い香りでお庭を満たしてくれる沈丁花は、香木としても人気の植物です。上手に育てるコツは、根や枝などを触りすぎないことと風通しを良くして病害虫を予防すること、水切れを防ぐためのメリハリのついた水やりにあります。沈丁花が好む環境を作り出せば、寿命の限り、美しい花を咲かせてくれるはずです。ぜひ、今回の記事を参考に沈丁花を長く楽しんでみてくださいね。 最後まで記事を読んでいただいてありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENでは他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。