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皆さんはシクラメンの毒性について知っていますか?シクラメンは大変綺麗な花を咲かせる植物で、観賞用としても人気が高いです。ところが美しい花とは打って変わり、シクラメンの茎や根元に毒が含まれています。とはいえ、毒にも強さがありますし、ペットが万が一食べてしまったらどうなるんだろうと心配されている方も多いと思います。 そこでこの記事では、
- シクラメンとはどんな植物か
- シクラメンの毒性はどの程度の強さか
- シクラメンを飼い犬や飼い猫が食べてしまったら
- シクラメンの中毒性と症状
などについてご紹介していきたいと思います。この記事を読み進めながら、シクラメンの毒性と注意すべき点について理解を深めてくださいね。
関連記事:シクラメンの育て方|初心者向けのお手入れから室内での栽培方法まで
シクラメンはどのような植物?
まず初めに、そもそもシクラメンとはどんな植物なのかというところからご紹介していきたいと思います。シクラメンを既に知っている方も初めて聞いたという方も、シクラメンの基本情報からみていきましょう。シクラメンはサクラソウ科の多年草
シクラメンはサクラソウ科の多年草で、葉はハート形をしており厚みがあるという特徴を持っています。花色は赤・ピンク・白などの定番色および黄色・紫などの珍しいカラーも揃っています。花の形は八重咲き・花弁にウェーブが入るタイプ・ロココ咲き・香りを持つタイプなど、様々な珍しい品種もあります。シクラメン基本情報
ではシクラメンの基本情報から見ていきましょう。シクラメンは冬に多くの花を咲かせてくれる球根植物で、茎先に花冠が5つに裂けた花が1輪ずつ咲くという特徴があります。またシクラメンの花は花びらが上を向いていますが、実は花の向きは下向きに咲きます。シクラメンの花言葉には「遠慮」「気後れ」というものがありますが、これは花が下を向いて咲きながら花粉を守っている姿が、恥ずかしがっているように見えるところからつけられたのではないかといわれています。 またシクラメンは水分をそれほど必要としないため、土が湿っているうちに新たな水分を与えることは禁物です。一方で気温には大変敏感なため、昼と夜の気温差が10℃がベストです。この気温差が20℃以上になると株が傷むため、必ず10℃~15℃までの範囲で収まる場所で管理するように心がけてください。科・属名 | サクラソウ科・シクラメン属 |
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原産地 | 地中海沿岸 |
開花時期 | 10月~4月頃 |
花のあ | 赤・ピンク・白・黄色・紫 |
別名 | 豚の饅頭・篝火花 |
色や葉の模様、香りまで品種改良で様々な種類が楽しまれる
シクラメンには花色・葉の模様・香りに至るまで、品種改良で様々な種類が生まれています。原種のシクラメンももちろん素敵ですが、品種改良されて様々な特徴を持つシクラメンを集めてインテリアとして飾っても大変映えます。また毎年のように新し品種が発表されるところも、シクラメンならではの魅力といえます。変わった品種ではシルバーリーフ・プラチナリーフと呼ばれる銀色の葉をつけるものもあり、花のみならず葉も楽しめる植物です。シクラメンには毒性がある?
このように美しい花や特徴のある葉が楽しめるシクラメンですが、毒性は本当にあるのでしょうか?シクラメンに毒性があるのかについて、項目別にみていきたいと思います。全草が有毒であり、特に球根の部分に多く含まれる
シクラメンは全草が有毒で、特に球根部分に毒が多く含まれています。シクラメンの毒は「シクラミン」と呼ばれ、摂取すると様々な症状を起こし、最悪の場合は命を失うこともあります。特に人間より体の小さい犬や猫が口にしてしまうと大変危険なため、シクラメンの近くにペットが近づかないようにすることが大切です。シクラメンの樹液にも毒性があるため注意が必要
シクラメンの樹液にも毒性があるため、剪定を行ったり肥料を与える際などは樹液に直接触れないようにすることが大切です。もし剪定や肥料を与える時に皮膚にシクラメンの白い樹液が触れてしまうと、かゆみを伴う皮膚炎・かぶれを起こす可能性が高くなるため、必ず軍手やゴム手袋などをつけるように心がけてください。シクラメンの毒性はどの程度の強さ?
ではシクラメンの毒性はどの程度の強さなのでしょう?毒性は強さの程度で注意すべきことが異なってきますので、是非しっかり把握し理解を深めてください。シクラメンの毒性はかなり強い
シクラメンの毒性はかなり強く、間違いやすい植物も存在するため見分けるにはかなり注意を払う必要があります。例えば、シクラメンのタネは「ゴマ」と間違いやすいですし、蕾は「オクラ」・葉は「モロヘイヤ」「アシタバ」・根は「ごぼう」と間違いやすいです。いずれも食べられる植物と間違いやすいため、自然に生えているシクラメンらしきものは口にしないようにすることが大切です。毒成分はサポニン配糖体のシクラミンを含む
シクラメンに含まれている毒性分はサポニン配糖体の「シクラミン」で、摂取すると様々な症状を引き起こします。特にペットは毒性の効果が出やすく、毒素を含んでいる茎や根を食べなくても、葉や花を口に入れるだけで症状にあらわれるほどです。では、シクラメンの毒性を摂取するとどのような症状が現れるのか具体的にみていきましょう。シクラメンの中毒性と症状
ここからはシクラメンの中毒性と症状について、項目別にご紹介していきたいと思います。シクラメンの毒性の摂取量によりみられる症状を詳しく解説していきますので、いざという時のためにしっかり把握をしておいてくださいね。少量の摂取で見られる症状
シクラメンの毒を少量摂取してしまった時に見られる症状には、嘔吐・下痢・胃腸炎・食欲の低下などがあります。特に消化器に影響を及ぼすことが多く、もしペットにこれらの症状がみられた場合は、飼い主さんが無理に吐かせることは禁物です。必ず動物病院に連絡し獣医師の指示を受けてください。嘔吐
「嘔吐」はシクラメンの毒性であるシクラミンの影響による中毒で、胃や腸の粘膜に炎症を起こすことで症状として現れます。この症状が現れたら、自己判断をせず医者に相談して適切な指示を仰ぐようにしてください。また誤食をしないように心がけることが大切です。下痢
「下痢」はシクラメンの毒、シクラミンの毒性によるもので、かつては下剤として食用されていたようです。とはいえ、常食ではないため食べることは禁物です。ペットが摂取した場合は、下痢という症状以外にもよだれを流し意識が混濁する可能性もあるため、注意が必要です。胃腸炎
「胃腸炎」は、シクラメンの毒性のシクラミンを摂取することで起こる症状です。口に入れることで口の内部はもちろんのこと、胃や腸に炎症が広がり症状として現れます。嘔吐・下痢などの症状を合わせて胃腸炎とまとめて呼ぶ場合もあります。症状は、摂取量や個体差、摂取した部分などにより症状の強弱がありますが、いずれも短絡的に考えないことが大切です。食欲の低下
シクラメンの毒性を摂取したとき、胃腸炎以外に「食欲の低下」という症状があります。これも基本的にシクラミンの影響で胃腸に炎症が起こって現れますが、しゃっくりなどとして現れる場合もあります。秋に犬を散歩させる場合は、誤食させないためにも特に周辺に生えている植物に注意を払いながら行うことが大切です。多量の摂取で見られる症状
次にシクラメンの毒性であるシクラミンを多量に摂取したときに見られる症状について、項目別にご紹介していきたいと思います。シクラミンを摂取した量で症状もより重篤なものになるため、対処もより慎重に行う必要があります。痙攣
シクラミンを摂取することで「痙攣」が起こった場合は、すぐに適切な判断のもと対処を行う必要があります。犬や猫の場合は、すぐに動物病院に連れていき、獣医師に診察してもらってください。ペットが少し葉を食べただけだからそのうち良くなるだろうと簡単に考えるのは間違いです。不整脈
シクラミンの影響で「不正脈」を起こしている場合も、即病院に連れていく必要があります。時間が経てば経つほど手遅れになる可能性も高くなりますし、対処しても効果がみられない場合もあります。病院での基本的な対処方法は、胃の洗浄・点滴・投薬で治療が行われます。痙攣や不整脈などの神経症状が現れている場合には、それに合った治療法を行ってもらうのが得策です。場合によっては、死に至ることもある
摂取した毒の量や摂取した部位の毒性の強さにもよりますが、場合によっては死に至ることもあります。そのため、シクラメンをインテリアとして飾る場合・屋外でプランターで育てる場合などは、ペットや子供の行動範囲や周囲の環境に注意を払って置き場所を決める必要があります。子供や犬・猫等ペットが誤飲しないようにする
シクラメンの毒性は大変強く、万が一にも事故の発生があっては一大事です。そのため、子供や犬・猫などのペットが誤飲しないようにする必要があります。シクラメンを育てるうえで、シクラメンの置き場所を決めることは、子供や犬・猫などのペットの命を守ることでもあるため、必ず様々な面を考慮に入れつつ、慎重に考えるようにしてください。シクラメンを飼い犬や飼い猫が食べてしまった時
ここからは、万が一シクラメンを飼い犬や飼い猫が食べてしまったという事故が発生した時の対処方法について、項目別にわかりやすくご紹介していきたいと思います。もしもの時に慌てずに済むように、理解を深めておいてくださいね。自己判断はせず、できるだけ早く動物病院へ連れて行こう
もし飼い犬や飼い猫がシクラメンを摂取してしまった場合は、自己判断せず速やかに動物病院へ連れていくことが大切です。なぜこんな場所に置いてしまったのだろうと、症状が出ているペットを見て後悔する気持ちもわかりますが、まずはとにかく動物病院に駆け込むのが先決です。もし対処が遅れると、助かる命も助からなくなる可能性もあるため、このことをしっかり心に刻んでおいてください。犬猫がシクラメンのいつ・どの程度食べたのか記録しておこう
いざ動物病院に駆け込むとき、気持ちもパニックになっているでしょうが、犬や猫が「いつ」シクラメンの「どこ」を「どの程度」食べたのかという原因について記録したものを持参するようにしてください。このメモがあることで、獣医師は原因について把握できるとともに、適切な診断と対処を行うための情報をより多く得られるため、大変重要なポイントです。毒性が強いシクラメンに注意して育てよう
ここまで読み進めて、シクラメンを育てたいと思っていたけれど、これだけ毒性が強いなら諦めようかなと思っている方もおられるでしょう。でも、毒性が強いシクラメンだからこそ、慎重に注意して育てることで様々なリスクを回避できます。シクラメンを屋外で育て、誤飲の機会をなくす
まず注意すべき最初のポイントは、シクラメンを屋外で育成長させ、誤飲の機会をなくすことです。シクラメンが好む環境から考えても、屋内より屋外での育て方がおすすめです。また冷たい風・強い霜が直接当たらない軒下などで管理すると、株が傷みにくく、連続で開花しやすくなるというメリットもあります。シクラメンの生育環境は、直射日光を避けた日当たりの良い場所
シクラメンは、直射日光を避けた日当たりの良い場所を好み、生育温度は10~15℃です。そのため暖房が効いた屋内で花や葉の成長に良い影響を与えません。ですから涼しく風通しの良い程よく乾燥する屋外の温度環境で管理するほうが、シクラメンにとっても喜ばしいことなのです。 またシクラメンを屋外で育てることで、「軟腐病」などの病気にかかりにくくするためにも有効です。シクラメンが軟腐病という病気にかかると、薬剤が効きにくく治療が難しいため、この病気にかからない環境で乾燥気味に育てることが大切です。また、季節に応じたシクラメンの管理が重要
シクラメンの花をたくさん咲かせるには、季節・時期に応じた方法でシクラメンを管理することが重要です。これは日光を当てることも関係し、暑さの厳しい梅雨から夏にかけては半日陰で、夏に休眠させた場合には日陰の雨の当たらない場所で管理することが大切です。また春・秋・冬は日の良く当たるところで管理することでシクラメンの健康を守れます。 シクラメンは決して耐寒性が強いわけではなく、地植えにすると寒さに耐えきれずに枯れてしまうこともあります。そのため屋外で管理する場合も必ず鉢植えで、常に最適な場所に移動させて育てられる方法がシクラメンを健康に育てるうえで大切なポイントです。シクラメンを室内で育てる場合は、天井吊るしやカバー等の工夫を
シクラメンを室内で育てる場合は、天井から吊るしたりカバーをかけたりするなどの工夫をすることが重要です。猫の場合は中途半端に高いところなら、ピョンと飛び乗ってしまう可能性もあるため、シクラメンを天井から吊り下げ、周りに足場になりそうなものを置かないことでシクラメンを室内で育てられます。 普段は植物に見向きをしない犬や猫でも、遊びの延長でつい葉っぱをかじってしまったなんていうこともあり得ます。そのため、もしもの可能性を考慮に入れつつ、シクラメンを置く場所を決めるように心がけてください。普段から可愛がって大切に育てている犬や猫のことは一番飼い主さんがよくわかっていることは重々承知ですが、シクラメンを置くことに関しては、ペットを過信せず問題回避と危機管理を十分しておくようにしてくださいね。犬猫の散歩コースにシクラメンが咲いていないか確認
特に秋のシーズンに注意してもらいたいことですが、犬猫の散歩コースにシクラメンが咲いていないかを確認しておくことも重要なポイントです。散歩途中でシクラメンとは気づかずに誤って葉をかじってしまい問題が発生したという事態に陥らないように、散歩コースにどんな植物が生えているかを十分把握しておくことで危険回避ができます。【まとめ】シクラメンの毒性は強い?綺麗な花だがサクラソウ科で唯一の毒性がある
この記事ではシクラメンの毒性や万が一のベストな対処方法について解説してきましたがいかがでしたか?- シクラメンはサクラソウ科の多年草である
- シクラメンは全草に毒があり、特に球根の部分に多く含まれている
- シクラメンの樹液にも毒が含まれているため、注意する必要がある
- シクラメンはかなり強い毒性を持っている
- シクラメンの毒性はサポニン配糖体のシクラミンを含んでいる
- シクラメンを少量摂取した場合に見られる症状は「嘔吐」「下痢」「胃腸炎」「食欲の低下」である
- シクラメンを大量摂取した場合に見られる症状は「痙攣」「不整脈」で場合によっては死に至ることもある
- シクラメンを飼い犬や飼い猫が摂取してしまった場合は、自己判断せず速やかに動物病院に連れていくことが大切である
- 犬や猫が「いつ」シクラメンの「どの部分」を「どの程度」食べたかを記録しておき持参することが大切である
- シクラメンを屋外で育てることで誤飲の危険回避が可能である
- シクラメンを屋内で育てる場合は、天井から吊り下げたりカバーをかけたりして管理することで、危険回避が可能である
- 普段の犬猫の散歩コースにシクラメンが植わっていないかをチェックしておくことも危険回避につながる