アネモネの球根の正しい植え方は?掘り上げから保存方法まで解説

アネモネの球根の正しい植え方は?掘り上げから保存方法まで解説
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目次

春の花壇にはたくさんのお花が咲き誇りますよね。特に球根植物は非常に人気が高く、チューリップなどが春に花を咲かせる球根植物の代表例なのではないでしょうか。しかし、春の球根植物はチューリップ以外にもあります。 春に花を咲かせる球根植物の一つに、アネモネというお花があります。アネモネは様々な色や形の花を咲かせることから春に咲くお花の中でガーデナーの中でも人気が高い園芸植物として知られています。 今回は、
  • アネモネとはどのような特徴を持つ植物なのか
  • アネモネの球根の購入方法や植え付けの方法
  • 球根の休眠と保存の方法やコツ
  • アネモネを上手に育てる方法やポイント
についていて解説いたします。 この記事を読むことでアネモネの球根をどのように扱えばよいのかや、花を咲かせるためのポイント、そもそもアネモネがどのような植物なのかといった情報をたくさん知ることができるでしょう。アネモネの栽培に挑戦してみたいという方には特におすすめの記事です

アネモネってどんな植物なの?

まずはアネモネがどのような植物なのかについて解説いたします。原産地や形態を知ることでアネモネが好む環境について知ると、おのずと上手に育てるためのポイントを掴むことができますよ。育て方のポイントを知るだけでなく、より親しみを持ってアネモネと接することができるでしょう。

アネモネの基本情報

アネモネはヨーロッパ南部から地中海沿岸が原産の球根植物です。日本では春の花として親しまれ、たくさんのアネモネが栽培されています。花壇に植える植物としてだけでなく、切り花として販売されることもあります。
園芸分類 球根植物
形態 多年草
原産地 ヨーロッパ南部~地中海沿岸
開花時期 3月~4月
耐寒性/耐暑性 耐寒性:強い 耐暑性:弱い

アネモネは初心者でも育てやすい植物

アネモネは病気や害虫も少なく、初心者でも育てやすい植物です。いくつかある育て方や植え方のコツを抑えることで初心者の方でも問題なく綺麗に花を咲かせることができるでしょう。

アネモネの名前の由来

アネモネという名前はギリシャ語の「アネモス」という言葉が由来となっています。アネモスは「風」を意味する言葉で、これはアネモネが春風が吹くころにならないと花を咲かせないことから名づけられたと言われています。この由来から、イギリスでは「wind flower」(風の花)と呼ばれることもあるようです。

アネモネの花言葉は「はかない恋」「恋の苦しみ」「見放された」

アネモネの花言葉は「はかない恋」「恋の苦しみ」「見放された」です。この少しネガティブな花言葉は神話を基に付けられていると言われています。

アネモネは毒性を持つため注意

また、アネモネは毒性を持つ植物としても知られています。小さなお子様やペットがいる家庭では気を付けるようにしましょう。

アネモネの種類を知っておこう

アネモネにはたくさんの種類があります。そのどれもが花の色や模様はもちろんのこと、花の形、花の付き方、耐病性など育てやすさなどに直結する点などの違いを持っています。自分好みのアネモネの品種を探してみるのもきっと面白いはずですよ。

アネモネは地中海沿岸などの北半球を中心に約100種が分布

アネモネは地中海沿岸や南ヨーロッパが原産の植物で、原産地である北半球を中心に約100種が分布していると言われています。様々な原種が確認されており、それらを品種改良して生まれたものが現在アネモネとして栽培されています。

毎年のように新しい品種が誕生している

アネモネはその美しい花を咲かせることから世界中で人気の高い植物です。そのため毎年のように新しい品種が誕生しています。アネモネの流通時期にはぜひ毎回球根売り場を除いてみてくださいね。

園芸品種として出回っている主な品種

園芸品種として出回っている主な品種は以下の通りです。花の色や形、草丈、生育の仕方など様々な違いがあります。

アネモネ・コロナリア

アネモネ・コロナリアは現在園芸品種として最も一般的なアネモネです。アネモネ・ホルテンシスとアネモネ・パボニナを交雑させ、さらにアネモネ・フルゲンスを掛け合わせて誕生しました。

アネモネ・ホルテンシス

アネモネ・ホルテンシスは原種系のアネモネと呼ばれています。現在主に園芸品種として育てられているアネモネ・コロナリアの基となっています。花は小さめでありながら、美しい花を咲かせます。

アネモネ・パボニナ

アネモネ・パボニナも原種系と呼ばれるアネモネです。素朴ながらアネモネらしいかわいいお花を咲かせます草丈も低めのためコンパクトに育てることができます。

アネモネ・フルゲンス

アネモネ・フルゲンスは原種系と呼ばれるアネモネの中でも色幅があり、群生させるととても美しい品種です。花壇や寄せ植えで栽培することをおすすめします。

八重咲きの品種

アネモネは八重咲きの品種も多く存在します。主な八重咲き品種について解説いたします。

アネモネ・セントブリッジ

アネモネ・セントブリッジは花びらが2~3重に重なることでより華やかな見た目をした花を咲かせるようになったアネモネです。寄せ植えにすると花束の様に美しいですよ。

アネモネ・モナーク

アネモネ・モナークは細い花びらを沢山つける花を咲かせるのが特徴の品種です。繊細さを持ち合わせたシルエットをしており、切り花として飾るのもおすすめです。

一重咲きの品種

原種系に近い雰囲気を持つ一重咲きの品種も存在します。一重咲き品種としてよく知られる品種は以下の通りです。

アネモネ・ポルト

アネモネ・ポルトはかなり大きな花びらを付けることが特徴の品種です。一重咲きでありながら華やかさとボリュームを兼ね備えたアネモネ・ポルトは人気の高い品種でもあります。

アネモネ・デカーン

アネモネ・デカーンはとてもカラフルで愛らしい見た目をした花を咲かせる品種です。アネモネらしいビビットカラーの花は春の訪れを感じさせてくれます。

アネモネの球根はどこで買える?

アネモネを育てたいと思った時には、どこで球根を購入すればよいのでしょうか。アネモネは一般的な園芸植物のためホームセンターや園芸店だけでなく様々な場所で販売させれていることがあります。それぞれの場所でメリットやデメリットがあるためしっかりと調べておきましょう。

園芸店やホームセンター

園芸店やホームセンターはアネモネの球根を購入することができる代表的な場所です。お店によっては欲しい品種が見つからないことがあるものの、実際に球根を手に取って確認することができるためカビや傷のついた球根を避けることができます。価格もそこまで高価ではありません。

楽天やamazonなどの通販サイト

楽天やamazonなどのネットショップや通販サイトでもアネモネの球根を購入することができます。特に珍しい品種や特に欲しい品種が決まっている場合には楽天やamazonといった通販サイトを探した方が良いでしょう。ショップによっては送料などがかかることがあったり、配送時の事故が起こることがあるためレビューなどを確認することが大切です。

ヤフオクやメルカリなどのフリマサイト

ヤフオクやメルカリなどのフリマサイトでもアネモネの球根が取引されていることがあります。ヤフオクやメルカリなどのフリマサイトでは、他のショップで購入するよりもお得な価格で購入することができたり、レアな品種を見つけることができる場合があります。しかし、相手は個人のため事故などが起きた時の対応に不安が残ることがあります。

アネモネの球根は夏頃から販売されることが多い

アネモネの球根は地域によるものの夏ごろから冬の初めまでが販売時期です。人気が高い品種の場合は早めに売り切れてしまうこともあるため販売時期の初め頃、早めに購入しておくか予約をしておくと良いでしょう。

アネモネの球根を植えるのはいつ?

アネモネのお花は春に咲きます。それでは、球根はいつ頃植えればよいのでしょうか。下記ではアネモネの球根を植える時期や注意点について解説いたします。適期に植えつけて、綺麗なお花を楽しみましょう。

気温が下がる10月〜11月が適期

アネモネを植える時期は気温が下がり始める10月~11月頃に行いましょう。十分に気温が下がる秋ごろがアネモネの生育が良い気候となるため球根の植え付け適期となります。

気温が下がりきらない時期に植えると腐ったり、発芽率がかなり下がる

早めに球根を購入するなどして、気温が下がりきらない時期に植え付けを行うと球根が腐ってしまったり発芽率が大きく下がることがあります。早く植えたい気持ちもわかりますが、綺麗な花を咲かせるためにすこしだけ我慢しましょう。

アネモネの球根を植える前に知っておきたいこと

アネモネの球根を植えつける時には植え付け時期以外にも大切なことがあります。特に育てる地域などによって植え付け方を変える必要があったり、最初は戸惑ってしまうかもしれません。この記事を読みながら確認しつつ作業していきましょう。

地域による球根を植える深さ

アネモネの球根は地域によって植え付けの深さを変えるようにします。

寒冷地は土表面から7cm〜8cmの深さ

霜が降りたり雪が積もるような寒冷地で育てる場合、アネモネの球根は土表面から7cm~8cmと深めに植え付けを行います。霜などで球根が持ち上がってしまうとそのまま根が傷み枯れてしまうため深植えにするようにします。

東京以南は土表面から約3cmほどの深さ

反対に東京以南では土表面から約3cmと浅植えにします。深植えにしすぎると腐りやすくなってしまうため避けましょう。

球根を植える間隔や向き

球根を植える感覚や向きもしっかりと確認して植え付けを行いましょう。

間隔:25×25cm四方に1球ほどの割合

アネモネの球根は25×25cm四方に1球を目安に植え付けを行います。あまりに過密にすると来年の花が楽しめなくなってしまったり、病気や害虫が発生しやすくなるため避けましょう。

上下の向き:尖った方を下に、平らな方を上に

アネモネの球根には上下の向きがあります。上部からは芽が、株からは根が出るため正しい向きで植え付ける必要があります。基本的にはコマのように尖った方を下に、平らな方を上にして植えつけます

植える向きに迷ったら横に植えると良い

しかし、球根には個体差があるため上下が分かりにくく植える向きに迷ってしまうこともあるかもしれません。そのようなときには横向きに植えることで発芽を抑制することなく植え付けを行うことができます

アネモネの球根の植え方の方法

それでは、アネモネの球根を実際に植えつける手順について解説いたします。アネモネの球根を植え付ける時に必要な用品や具体的な植え方を初心者の方にもわかりやすいようにご紹介いたします。

アネモネの植え付けで準備するもの

アネモネの植え付けで準備する用品は以下の通りです。

鉢植えの場合

  1. 鉢植え
  2. 軽石
  3. 植え付ける用土
  4. 霧吹き

地植えの場合

  1. 水苔か新聞紙
  2. トレーなどの容器

アネモネの植え付けの手順

アネモネの植え付けの手順は以下の通りです。

鉢植えの場合

  1. まずは用土に霧吹きなどで水をスプレーして吸水させます
  2. 鉢底に軽石を敷き詰め、湿らせた土を入れます
  3. 球根を置き、2~3cmを目安に土をかけます
  4. 二週間程度日陰の涼しい場所で管理します
  5. 二週間程度経ったら水を与え始め、葉が伸びたら日向に出します

地植えの場合

  1. トレーなどの容器に十分に湿らせた水苔や新聞紙を詰めます
  2. そこに乾燥した球根を並べ日陰の涼しい場所で48時間~72時間を目安に吸水させ、芽出しします。気温が高いとカビが発生しやすいためご注意ください
  3. お住まいの地域に応じて植え穴を掘り、芽出しした球根を植えます
  4. 基本的には自然の雨水に任せて、乾燥が続くようであれば水を与えましょう

発芽後の管理方法

アネモネが発芽したら肥料を与え始めます。

葉が増え始めたら肥培に務める

葉が増え始めたら液体肥料を水やりの際に与えるようにします。肥料切れを起こすと花付が悪くなってしまうためしっかりと肥料を与えることがポイントです

黄ばんだ葉はすぐに取り除くようにする

また、黄ばんだ葉は見た目が悪いだけでなく病気の原因になるためすぐに取り除きます。取り除いた葉っぱは花壇や鉢から離して処分しましょう。

アネモネの休眠期には球根はどうすればいい?

花が終わり、しばらくするとアネモネは休眠期に入ります。休眠期は一見なんの管理も必要がないと思われてしまいがちです。しかし、実際には来年も花を楽しむためには休眠期の管理がポイントとなります。休眠期にはどのような管理が必要なのかについて解説いたします。

花後の休眠期は「掘り上げる」か「植えっぱなし」で保管する

花を咲かせた後の球根は、掘り上げるか植えっぱなしの二種類によって保管することができます。今回は二つの方法についてそれぞれの特徴を解説いたします。

球根を掘り上げる場合

アネモネの球根を掘り上げる場合の管理について解説いたします。

アネモネを地植えしている場合は掘り起こして管理した方が良い

アネモネを地植えしている場合、雨などが降ると腐ってしまいやすいため掘り起こして管理した方が来年も楽しむことができるためおすすめです。

アネモネの球根を掘り上げるタイミング

アネモネの球根を掘り上げるタイミングは葉っぱがすべて枯れた頃です。葉っぱが枯れる前に掘り上げてしまうと十分な光合成ができず来年の花が咲かなくなることがあります。

アネモネの球根を掘り上げたらすること

アネモネの球根を掘り上げたら、まずはカビが生えないように雨の当たらない場所で陰干しをしましょう。しっかりと乾燥させたらネットなどに入れて涼しい日陰で管理します

球根を植えっぱなしにする場合

球根を植えっぱなしにする場合の管理について解説いたします。

雨の当たらない半日陰の場所で管理する

鉢植えで育てている場合、雨の当たらない半日陰の場所に鉢を移動させます。風通しがよく涼しい場所を選ぶとなお良いでしょう。

葉が枯れ始めたら水やりをストップする

葉が枯れ始めたら休眠に入る合図のため水やりをストップしましょう。この状態で水を与え続けると腐って枯れてしまいます。

植えっぱなしで管理する時は腐るのを防ぐために過湿に注意

植えっぱなしで管理するときには腐るのを防ぐために過湿環境にならないような管理が必要となります。涼しく風通しの良い場所を選ぶことができれば植えっぱなしでも管理しやすいですよ。

アネモネの育て方

アネモネの基本的な育て方についてまとめました。置き場所や水やりのポイント、好む土質などアネモネを元気に育てるための管理や花がら摘みや肥料の与え方など、より長くアネモネを楽しむためのポイントについても解説いたします。

置き場所

アネモネは日当たりが良く、風通しの良い場所を好みます。日陰で育てるとひょろひょろと徒長してしまうだけでなく花付きが悪くなってしまいます。綺麗な花を楽しむためにも日当たりの良い場所で育てましょう。

水やり

鉢植えの場合は土が乾いたらたっぷりと水を与えると良いでしょう。休眠期に入る前は水やりを止めることも忘れずに。地植えの場合は雨水で十分です。

土壌環境

アネモネは水はけがよく、肥えた土を好みます。水はけが悪い用土を使用すると球根が腐ってしまいやすいため腐葉土や赤玉土を配合した土を使用すると良いでしょう。市販の草花用培養土を使用しても問題なく育てられます。

肥料

チューリップとは異なりアネモネは成長してから花芽を作るため発芽してからいかに大きく育てられるかがポイントとなります。元肥として緩効性肥料を用土に混ぜ込むのに加え、数回に一度水やりの時に液体肥料を与えます

花がら摘み

アネモネの花が終わったら花がら摘みを行うことで次の花を咲かせやすくなります。種を採りたいなどの理由がない場合はこまめに花がら摘みを行うようにしましょう。

アネモネを増やして楽しもう

アネモネは簡単に数を増やして楽しむことができます。今回は二種類の増やし方についてそれぞれ解説いたします。アネモネが好きで、たくさんの花を咲かせてみたいという方はぜひ挑戦してみてくださいね。

アネモネの増やし方は「分球」と「種まき」の2種類ある

アネモネの増やし方は「分球」と「種まき」の二種類あります。それぞれの増やし方で特徴があるため確認していきましょう。

アネモネの増やし方【分球】

分球は、アネモネを増やす最も一般t系な増やし方です。

アネモネの分球の適期

アネモネの分球は植え付け直前の10月~11月に行います。早めに分けてしまうと傷口から腐ることがあるため避けましょう。

アネモネの分球で準備するもの

分球に必要なものは以下の通りです。
  1. ハサミかカッター
  2. 分球する親株の球根
  3. ネット

アネモネの分球の方法

  1. 古い球根にいくつかの子株がついています。それを分けるようにします
  2. 手やカッター、ハサミで子株を分けましょう
  3. あまりにも小さすぎるものは発芽しないため捨てましょう
  4. その後切り口を乾燥させるためにネットに入れて陰干しします

アネモネの増やし方【種まき】

アネモネは種でも増やすことができる球根植物です。種まきでの増やし方について解説いたします。

種をまいてから開花まで数年かかる

アネモネは種を蒔いてから開花までに数年かかります。気長に育てて花を咲くのを待つと良いでしょう。

アネモネの種まきの適期は9月〜10月

アネモネの種まきは9月~10月に行います。気温が高いと発芽率が下がるため注意しましょう。

アネモネの種まきで準備するもの

種まきに必要なものは以下の通りです。
  1. ポットやトレー
  2. 種まき用土や培養土
  3. ハサミ

アネモネの種まきの方法

  1. ポットやトレーに種まき用土を入れます
  2. 土を十分に湿らせましょう
  3. 種についている綿毛をハサミでカットし、飛んでいかないようにします
  4. 水切れに注意しながら管理しましょう

アネモネの球根の正しい植え方は?掘り上げから保存方法まで解説のまとめ

今回はアネモネについて育て方や球根の保存方法、購入方法などを中心に解説いたしました。球根の管理や植え方は地域によって変える必要があったりと少し複雑に感じてしまうところがあったかもしれません。 この記事のポイントは、
  • アネモネは10月~11月の気温が涼しくなってから植えつける
  • アネモネには多くの品種があり、通販サイトやフリマサイトでは珍しい種類のアネモネを購入することができることがある
  • アネモネの球根は雨の当たらない場所であれば植えっぱなしでも保存できる
  • アネモネは分球や種まきによって増やすことができる
です。 カラフルな花がとても美しく、春の花壇をにぎやかにしてくれるアネモネをぜひ自宅でも育ててみてくださいね。この記事を参考にすることできっと上手に育てることができるはずですよ。 最後になりましたがここまで読んでいただきありがとうございました。東京寿園は草花など植物に関する記事を中心に掲載しているメディアです。なにか園芸のことで困ったことや分からないことがある時にはほかの記事でヒントを見つけることができるかもしれません。ぜひほかの記事もチェックしてみてくださいね。