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庭木として人気のサルスベリ。フリルがかった可愛らしい花と育てやすい性質から人気の花木です。一度見ると、その可愛らしさから「育て方を知りたい」と思うことでしょう。サルスベリの育て方について気になりませんか。
そこでこちらの記事では
- サルスベリはどんな植物なのか
- サルスベリの育て方における置き場所・水やり・肥料
- サルスベリの育て方における植え替えポイント
- サルスベリの育て方における剪定ポイント
サルスベリ(百日紅)ってどんな観葉植物なの?
サルスベリ(百日紅)と聞いて、どんな植物かパッと思いつくでしょうか。花が好きな方は、意外とイメージが付くかもしれません。サルスベリについて見ていきましょう。サルスベリは中国南部を原産とするミソハギ科サルスベリ属の多年草
サルスベリは中国南部を原産とするミソハギ科サルスベリ属の多年草です。園芸上では草花というよりも樹木や花木の分類になります。樹高は最大で10mほどになる中高木。耐寒性・耐暑性に優れて育てやすい特徴があります。庭木としてもよく利用されているため、花を見たことがある方は多いかもしれません。サルスベリは夏から秋まで長い期間開花する
サルスベリは夏から秋まで長い期間開花します。「百日紅」の別名は開花期が長いことが由来です。開花期は7月~10月の約100日間。花色はピンクや赤、白など品種によってさまざまです。どの花色も美しく人気があります。ザラザラの樹皮の下にツルツルの樹木がある
サルスベリはざらざらの樹皮の下にあるツルツルの樹木が特徴的です。サルスベリの名前は、樹皮を一皮むけば、猿も滑ってしまうくらいなめらかでツルツルである様子から名付けられています。サルスベリの花言葉は「雄弁」「饒舌」「あなたを信じる」
サルスベリの花言葉は「雄弁」「饒舌」「あなたを信じる」です。「雄弁」「饒舌」の花言葉は、枝先に花が群生して咲く姿が華やかで堂々としていることから名付けられています。「あなたを信じる」の花言葉の由来は、「百日紅」の名前の由来にもなった韓国の悲恋の言い伝えから名付けられたそうです。サルスベリは熱意を上げる風水効果がある
サルスベリは熱意を上げる風水効果があります。サルスベリは風水では五行でいう火のエネルギーを持っているそうです。そのため、火の活発なエネルギーが活力を高め、居住空間の運気に効果的とされています。サルスベリの育て方のポイント①:置き場所
サルスベリのことを知ると、育ててみたいと思いませんか。サルスベリの育て方における置き場所のポイントを解説します。日当たりと風通しの良い場所で育てる
サルスベリは日当たりと風通しの良い場所で育ててください。花木なので、基本的に屋外で育てます。日当たりが悪いと花が咲かなかったり病気になったりするので注意しましょう。サルスベリは日当たりや風通しが悪いとうどんこ病と呼ばれる病気になりがちです。うどんこ病は葉に白い粉を振りかけたような病気で、見栄えが非常に悪くなるので置き場所には注意してください。見栄えだけでなく、生育が弱くなると害虫被害にも合いやすくなります。害虫による被害が確認できたら、消毒をして日当たりの良い場所に移動させてください。矮性種は鉢植えで盆栽としても育てられる
サルスベリの矮性種は鉢植えで盆栽としても育てられます。矮性種とは、樹高が大きくならない品種のことです。本来は中高木の分類なので、いずれ大きくなります。しかし矮性種は大きさが抑えられているので、盆栽としても育てやすく小さな状態でも花を楽しめるでしょう。サルスベリの育て方のポイント②:水やり
サルスベリの水やりにおける育て方のポイントを見ていきましょう。地植えの場合は根が張ったら水やりの必要はあまりない
サルスベリを地植えした場合は根が張ったら水やりの必要はあまりありません。地植えした時の植えつけ直後と雨が降らない夏の時期にだけ水やりをしてください。苗木のころは土の表面が乾いたらたっぷりと水をやる
サルスベリの苗木の頃は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしてください。地植えであっても、苗木から育てる場合は、水やりには気を付けましょう。まだ根がしっかり張っていない苗木は、水切れで枯れる恐れがあるためです。鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと水をやる
鉢植えで育てる場合は、基本的には土の表面が乾いたら水やりします。特に、若い苗木は水切れするとすぐに枯れてしまう恐れがあるので、夏の暑い時期の水やりには注意して育てることがポイントです。サルスベリの育て方のポイント③:土
サルスベリの育て方における土のポイントについて見ていきましょう。水はけの良い土で育てる
サルスベリは水はけの良い土で育ててください。鉢植え・地植えどちらも水はけが重要です。粘土や砂っぽい土は水はけが悪く、根腐れしやすくなります。元気に栽培するためにも、保水機能はありつつ水が溜まらない土で育てましょう。市販の培養土などで十分に育てることができる
サルスベリは市販の培養土で十分に育てることができます。植木の土や基本培土と呼ばれる土がおすすめです。鉢植えの場合は、鉢に鉢底石を敷いて、培養土で植えつければ問題ありません。地植えでの栽培の場合は、土壌改良として培養土を混ぜ込む対策方法がよいでしょう。サルスベリの育て方のポイント④:肥料
サルスベリの育て方における肥料のポイントについて解説します。地植えの場合は植え付ける前に堆肥を混ぜる
地植えの場合は、植え付ける前に堆肥を混ぜることがポイントです。サルスベリはふかふかの土を好むので、水はけが悪い粘土や砂の土ではうまく育ちません。たい肥や培養土をしっかり入れて土壌改良してください。水はけがよい土であれば、たい肥を透き込むだけで十分です。2月頃に寒肥として追肥をする
サルスベリは2月頃に寒肥として追肥をしてください。植え付け前に堆肥を与えただけでは、生育に不十分です。春の芽生えに重要な栄養分を補給するためにも、寒い冬の2月頃に肥料を与えるとよいでしょう。寒肥は速効性のある化学肥料よりもゆっくり持続的な効果のある有機肥料が効果的です。7~9月頃にお礼肥をすると元気に開花する
サルスベリは7月~9月にお礼肥をすると元気に開花します。お礼肥とは、開花後に「お花を咲かせてくれてありがとう」の意味で与える肥料です。7月~9月に開花して咲き終わったサルスベリの樹勢を回復するために窒素やカリの多い肥料を与えると、来年の花付きがよくなるでしょう。サルスベリの植え替えのポイント
サウルべりの育て方における植え替えのポイントを見ていきましょう。鉢植えの場合は2年に1度程度植え替えをする
サルスベリの鉢植えの場合は、2年に1度程度植え替えをします。ただし生育が早い植物なので、鉢底から根が出ていたり、水やり後に吸水が悪かったりする場合も植え替えタイミングです。根詰まりすると生育に悪影響を及ぼすので注意してください。サルスベリの植え替えは3月から4月が適期
サルスベリの植え替えは3月から4月が適期です。春になって新芽や根が伸び始めるときに植え替えてください。3月~4月であれば、植え傷みからの回復も早く枯れにくいためです。なるべく開花前に植え替えは終わらしておくことをおすすめします。大きくしたいなら大きな鉢に、そうでなければ同じ大きさの鉢に植え替える
サルスベリを大きくしたいなら大きな鉢に、そうでなければ同じ大きさの鉢に植え替えてください。ただし、大きすぎる鉢に植えると、水やり後に土が乾かず根腐れする可能性があります。植え替えは元の鉢より2回り大きいくらいにとどめて管理してください。また、大きくしたくない場合は、根と枝を植え替え時に切り詰めて、元と同じ大きさの鉢に植え替えましょう。ただし、本来は大きくなる植物なので、矮性種でなければ、少しずつ大きな鉢に植え替えて管理する必要があります。サルスベリの剪定のポイント
サルスベリの育て方における剪定のポイントを解説します。サルスベリは毎年2回程度の剪定が必要
サルスベリは毎年2回程度の剪定が必要とされています。生育が早く枝が伸びやすいためです。とはいえ、必ず2回剪定しなければならないわけではありませんので安心してください。1回でも十分です。1回目の剪定は花が終わった10月下旬頃におこなう
2回剪定を行う場合は、1回目の剪定は花が終わった10月下旬頃に行います。このタイミングでは、花終わりの枝先を切る程度です。房になって咲くサルスベリは開花後をそのままにしておくと見栄えが悪いので見栄えをよくするための対策方法として切り戻しておくとよいです。早めに剪定すると2番花が咲いて、より花を長く楽しめることもあります。2回目は落葉期にあたる11~3月頃におこなう
サルスベリの剪定2回目は落葉期に当たる11月~3月頃に行います。本来は落葉期の剪定だけでも十分です。冬に込み合った枝や伸びすぎた枝を切り戻しましょう。浅く切ると、小さな枝が多く伸びて、小さな房の花芽がたくさん咲きます。深く切る強剪定を行うと、太い枝を伸ばして大きな房の花芽を付けるでしょう。育て方や場所に合わせた剪定を心がけてください。サルスベリの種類の分類
サルスベリの種類の分類を紹介します。育て方を見て、育てたくなった場合は、下記の種類を参考にしてみてください。①矮性サルスベリ(一才サルスベリ)
矮性サルスベリとは、通常のサルスベリに比べて樹高が低く生育が遅い品種です。別名で一才サルスベリとも呼ばれます。一才とは、園芸用語で若木のうちから花を付ける性質の呼び名です。サルスベリのほかにも、一才桜などもあります。②銅葉(ブラックリーフ)系
サルスベリは緑色の葉ですが、品種によっては銅葉(ブラックリーフ)系の葉色もあります。以下の2品種を紹介します。- ブラックリーフダイヤモンド
- ブラックパール
ブラックリーフダイヤモンド
「ブラックリーフダイヤモンド」は、アメリカで生まれた新しいタイプのサルスベリです。印象的な黒葉と華やかな花色のコントラストが美しく人気があります。ブラックリーフダイヤモンドはシリーズ化しており、さまざまな花色があるので、ぜひお気に入りの花色を見つけてください。ブラックパール
「ブラックパール」は完全な黒葉ではなく、ややバーガンディ色の入る点が特徴的です。さらに光沢のある葉は、花がない時期も美しいため、庭木としても人気があります。通常のサルスベリに比べ、コンパクトな樹形なので剪定作業も簡単でしょう。ブラックパールも花色が豊富で、ホワイト・レッド・ルージュ・ライトピンク・ルビーなどがあります。③ペパーミントレース(夏祭り)
「ペパーミントレース(夏祭り)」は、赤色の花に白覆輪が入るサルスベリです。見た目が非常に爽やかで、夏の花にぴったり。ペパーミントレースの名前や夏祭りの別名も納得できるでしょう。変わったサルスベリを育てたい方は、ぜひ育ててみてはいかがでしょうか。サルスベリ(百日紅)を植えてはいけないって本当?
サルスベリは庭木として人気があり、植えているご家庭が多い植物です。しかし、サルスベリ(百日紅)を植えてはいけないといった噂もよく聞きます。「噂は本当なのか」見ていきましょう。庭木として植えてはいけないと言われることもある
サルスベリは庭木として植えてはいけないと言われることもあります。しかし、いつ誰が言い出したのかは不明です。植えてはいけないと言われる理由5選
百日紅を植えてはいけないと言われる理由5選を解説します。①滑るという名前が縁起が悪いから
植えてはいけないと言われる理由の1つ目は、「滑るという名前が縁起が悪いから」です。サルスベリの「スベリ」の部分が縁起が悪いとする考え方から来ています。縁起を気にしすぎないことが一番ですが、もし受験生や就活生がいるご家庭で縁起を気にするようでしたら気を付けた方がよいでしょう。しかしながら、サルスベリは和名であって、英名ではCrape myrtle(クレープ・マ―トル)。花弁が縮れたガーゼの布(クレープ)のように見えることから名付けられた植物です。②子供が落ちてしまう可能性があり危ないから
サルスベリを庭木として植えてはいけないと言われる理由2つ目は、「子供が落ちてしまう可能性があり危ないから」です。サルスベリの幹や枝は樹皮がはがれると、ツルツルしています。大きくなぅったサルスベリに子供が登って落ちたら大変です。そのため、植えてはいけないと言われているのでしょう。しかしながら、庭木に上ることをしっかり注意していれば問題ないので、普段から子供に危ないことをさせないようにしてください。③ツルツルした樹木は風水的に良くないから
サルスベリを庭木として植えてはいけないと言われる理由3つ目は、「ツルツルした樹木は風水的によくないから」です。風水ではツルツルして滑るイメージのあるサルスベリは運気を下げると解釈することもあるようです。しかし、熱意を高めるともされているため、重要なのは気の持ちようです。風水にこだわりすぎないようにしてください。④お寺に植えられているイメージが強いから
サルスベリを植えてはいけないと言われる理由4つ目は、「お寺に植えられているイメージが強いから」です。中国原産のサルスベリは、日本に伝わった際に中国の役所や重要な施設に植えられていることも伝わっているためです。江戸初期に各藩は屋敷に競ってサルスベリを植えた結果、格式を重んじるお寺や神社にも植えられるようになりました。また、サルスベリは、仏教でありお釈迦様が入滅する際に傍にあった木に似ていたとされているためとも言われています。なぜお寺に植えられているかは、これらの2つの理由があるためです。お寺は仏様を祀っている仏教施設であり、住職や僧侶、尼さんが修行をする場でもあります。お寺に植えられているから、マイナスイメージになるわけではないので心配しないでください。⑤樹木が大きくなりすぎてしまうから
サルスベリを植えてはいけないと言われる理由5つ目は、「樹木が大きくなりすぎてしまうから」です。本来は10mほどの大きさになる中高木なので、庭に植えて大きくなると困ることもあるかもしれません。しかし、現在では大きくなりにくい矮性種のサルスベリが流通しているので、お庭に植えても困ることは少ないです。【まとめ】サルスベリの育て方|お手入れのポイントからトラブルの対処まで紹介
ここまでサルスベリの育て方について解説してきましたがいかがですか。 この記事のポイントは- サルスベリは中国原産でミソハギ科サルスベリ属の植物で、鮮やかな花を咲かせる花木
- サルスベリの育て方は、「置き場所:日当たりと風通しの良い場所」「水やり:土が乾いたら水やりが基本だが、地植えは根付いたら不要」「肥料:植え付けの時と11月~2月の寒肥、開花後のお礼肥」が重要
- サルスベリの育て方における植え替えは、「2年に一度」「3月~4月に行う」「大きくしたい時は大きな鉢に、大きくしたくないときは鉢を大きくしない」が重要
- サルスベリの育て方による剪定は、「10月下旬」「11月~2月」に2回程度行う