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切り花は手軽にお花を楽しめる手段のひとつ。バラやユリなどを花束でもらった際に切り花として飾った経験のある方も多いでしょう。手軽にお花を楽しめる手段として人気の切り花ですが「せっかく花束を貰ったけど、切り花ってすぐ枯れちゃうんだよな...」と残念に思っている方も多いでしょう。ですが、漂白剤に使う『ハイター』を利用することで切り花を長持ちさせることが可能なんですよ。
そこで今回は、ハイターを使った切り花を長持ちさせる方法を解説します。本記事を読めば以下のことが分かりますよ。
- ハイターを使った延命剤の作り方
- より効果的な延命剤にする方法
- ハイター以外のもので切り花を長持ちさせる方法。
切り花を長持ちさせるためには水が重要
結論から説明すると、切り花を長持ちさせるためには水が重要です。切り花は切り口から水を吸い上げるため水の衛生環境を受けやすく、水が悪ければその分切り花の寿命は短くなっていきます。詳しく解説しますね。水の環境を整えると切り花は長持ちする
先述した通り、切り花を挿す水の環境を整えると切り花は長持ちします。切り花にとって水の環境は命と言ってもよいほど重要なポイントだからです。 例えば、古くなった水と新鮮な水で切り花を挿しただけでも、寿命は数日単位で変わってきます。また、毎日水替えした切り花は長持ちしやすく、水替えしなかった切り花はすぐに元気がなくなることも珍しくありません。なので、切り花を長持ちさせるには水の環境を整えるのが重要といえるでしょう。延命剤などを入れると水の環境が良くなる
切り花を長持ちさせるには、延命剤などを入れると水の環境が良くなります。延命剤を利用すると、切り花への栄養補給と水を綺麗に保ちやすくするための成分が含まれているからです。基本的に切り花の管理では、水に何も入れないのがほとんどでしょう。しかし、何も入っていない水は栄養分がなく、切り花が挿してあるため水が傷みやすく、バクテリアや雑菌が繁殖しやすいという特徴があります。 ですが、延命剤を利用するとこで、切り花への栄養補給が可能になり水の環境を整える働きが期待できます。そのため、延命剤を利用することで、切り花を長持ちさせる効果が期待できますよ。また、栄養補給ができるため、お花も綺麗に開花します。可能なら延命剤を利用したいですね。適した水を作って切り花を長持ちさせよう
切り花に適した水を作ることで、切り花を長持ちさせることができます。切り花は手軽お花を楽しむのに適した鑑賞方法ですが、切り花自体の寿命が短いという欠点があります。 ですが、延命剤を利用することで短い寿命を延ばすことが可能になります。寿命が延びるだけでなく、お花が綺麗に咲かせる効果もあるので、延命剤を利用しないのはもったいないですよ。これから切り花を楽しむ際は、延命剤を利用して適した水をつくことから始めてみてくださいね。ハイターを使って切り花を長持ちさせよう
切り花を長持ちさせるためには『ハイター』を利用するのが手軽でおすすめです。「ハイターなんて使って大丈夫なの?」と不安になる方もいいでしょう。確かにハイターは、植物にとっても決していいものではありません。ですが、植物にとって良くない物でも、量や利用方法を考えれば優れた補助剤になりますよ。詳しく解説しますね。ハイター(塩素系漂白剤)で延命剤は作れる
ハイター(塩素系漂白剤)から切り花の延命剤が作れます。ハイター(塩素系漂白剤)の成分が、水を清潔に保つ役割を担ってくれるからです。そもそも「数日しか持たない切り花にお金を出して延命剤を購入したくない...」「頻繁に切り花を飾らないから、延命剤が余ったらもったいない」という方も多いでしょう。 ですが、切り花に利用する延命剤はご家庭にある、ハイター(塩素系漂白剤)で代用が可能になります。塩素系漂白剤なら、比較的ご家庭にある方も多いでしょう。ハイター(塩素系漂白剤)を利用すれば誰でも簡単に延命剤が作れるのでぜひ、チャレンジしてくださいね。ハイターがバクテリアの増殖を抑えてくれる
ハイターを切り花の水に入れることで、ハイターがバクテリアの増殖を抑えてくれるため、切り花の寿命が延びます。水が傷む原因であるバクテリアが、ハイターに含まれる塩素のおかげで、増殖を防いでくれるからです。 イメージ的にはプールのようなイメージ。花と人間では違いますが、水の衛生管理という意味では塩素を使う理由は同じです。そのため、塩素が含まれるハイターを利用すると水が傷みにくく切り花の寿命が延びるんですね。ハイターを使った延命剤の作り方を紹介
では、ハイターを使った延命剤の作り方を紹介します。非常に簡単なので誰でも問題なく延命剤を作ることができますよ。ぜひ、チャレンジしてくださいね。水200ミリリットルに対してハイターを1滴入れる
延命剤の作り方は本当に簡単です。水200ミリリットルに対してハイターを『1滴』入れるだけです。たったこれだけで、切り花を長持ちさせる延命剤が作れますよ。 注意点としては、ハイターを入れる『量』です。水200ミリリットルにハイター1滴と少なすぎるように感じますが、この比率は絶対に守るようにしてください。塩素はバクテリアの増殖を防止する役目のある成分ですが、入れすぎは切り花の寿命を大きく縮めてしまうのでNGですよ。砂糖を小さじ1入れるとさらに良くなる
水200ミリリットルに対してハイター1滴の延命剤を作ったら、砂糖を小さじ1入れるとさらに効果アップが期待できます。なぜなら、糖類を摂取して栄養補補給しているからです。延命剤の成分を見ると分かるのですが、延命剤の種類によっては糖類(ブドウ糖やショ糖)が含まれている延命剤が販売されています。 もともと、植物は自分である程度の糖類を生成できたのですが、切り花になったことで糖類の生成ができなくなります。糖類の生成ができないと栄養の補給が困難になるため、切り花が長持ちしにくくなり元気がなくなってしまうんですね。 そこで、糖類の補給のため水200ミリリットルに対してハイター1滴に砂糖を小さじ1入れることで、切り花の栄養補給が可能になり元気で綺麗な切り花を維持しやすくなるんですね。ハイターを使用した延命剤を作るならぜひ、砂糖を入れてより延命剤として効果を発揮しやすくなるようにしてあげてくださいね。ハイターの入れすぎには注意する
自作の延命剤でよくある失敗が「ハイターの入れすぎ」です。先述しましたが、延命剤の作り方は水200ミリリットルに対してハイター1滴+砂糖小さじ1という割合が基本です。なぜ、この比率が重要なのか詳しく解説しますね。ハイターは適量を守るのが大事
先述しましたが、自作の延命剤はハイターの適量を守るのが大切です。「バクテリアの繁殖を防ぐなら多い方がいいじゃん!」「量が多い方が殺菌効果が期待できそう!」と思うのは分かります。 ですが、薬と同じでなんでも量を多くすればいいというものではありません。少量なら有益なものも大量入れれば毒になります。ハイターの入れ過ぎが原因で切り花の寿命が短くなっていることも。 なので、ハイターを入れる比率は水200ミリリットルに対してハイター1滴の割合を守るようにしましょう。繰り返しますが「多めに入れた方が効果が期待できそう!」と思い多目にハイターを入れるのはNGですよ。ハイターを入れすぎてしまうと花が傷んで枯れてしまう
自作の延命剤にハイターを入れすぎてしまうと花が傷んで枯れてしまいます。適量なら、ハイターが雑菌の繁殖を抑えて適した水を作ることが可能ですが、多すぎると逆に植物にとって悪影響を与えるのが『塩素』だからです。塩素は殺菌作用が強いですが、濃度が高いと人間にも害が出るほど殺菌能力が高い成分です。 植物は人間よりデリケートなので、濃いハイターが致命傷になり、そのまま枯れることも珍しくありません。延命させるために作った延命剤が逆に寿命を減らしていたら悲しいですよね。なので、延命剤を自作する場合は水200ミリリットルに対してハイター1滴の比率を必ず守って自作してくださいね。ハイター以外にも切り花を長持ちさせる方法は多い
実はハイター以外にも切り花を長持ちさせる方法は多いです。一人暮らしの方は「ハイターなんて常備してないんだけど...」という方もいるでしょう。ですが、ハイター以外にも長持ちさせる方法はいくつもあるので、自分に合った方法を見つけてみてくださいね。詳しく紹介しますね。切り花を長持ちさせる方法はいろいろある
先述しましたが、切り花を長持ちさせる方法はいろいろあります。方法の中には、本当に花瓶の中の水にポンっと入れるだけで効果が出るものがあります。では、どのような方法があるのか見ていきましょう。10円玉を使う方法
切り花の入った花瓶に10円玉を使う方法があります。10円玉から出るごく少量の銅イオンという成分が、バクテリアや細菌の繁殖を防ぐので水が傷む速度が遅くなります。 ただし、バクテリアや細菌の繁殖を防ぐ銅イオンは10円玉からごく少量しか溶けだしません。なので、10円玉で切り花の延命をする場合は複数枚の10円玉を入れる必要があります。 また、黒く酸化した10円玉では効果が薄いので、綺麗な10円玉を選別して入れる必要性があります。10円玉は誰でも持っているものですが、枚数が必要だったり、黒ずんだ10円玉では効果が薄かったりとやや難易度が高いので、注意してくださいね。重曹を使う方法
重曹を使うことで切り花の延命が可能になります。重曹を入れることで、水中のPHが弱アルカリ性に傾きバクテリアや雑菌が繁殖しにくい環境を作ってくれます。重曹を使用する場合は、ひとつまみ程度の重曹を水に入れる程度でOKです。 ただし、重曹を入れすぎるとPHがアルカリ性に強く傾き、植物にダメージを与えてしまいます。人間ですら強いアルカリ性の成分が皮膚に付くと火傷や皮膚荒れが起きるほどです。植物はデリケートなので、ちょっと強めのアルカリ性でも致命傷になり枯れることもあるでしょう。 なので、重曹を使う場合はひとつまみ程度の量にして「ちょっと入れる量が少ないかな?」程度の量にしておきましょう。お酢を使う方法
食卓にあるお酢を使う方法もあります。お酢は強い殺菌効果をもつ食品なので、切り花を生けている水に数滴たらすだけで、水中のバクテリアや雑菌の繁殖を防いでくれます。利用方法は簡単で、数滴お酢を入れるもしくは切り花の切り口に1分程度浸けたあと花瓶に生ければOKです。 ただし、お酢はPHが強く酸性に傾いているので、植物の種類によってはお酢が合わない植物も多いです。お酢が合わない植物はすぐに枯れてしまうので、事前に調べるなどして対応する必要があるでしょう。【番外編】切り花を長持ちさせる水切りの方法
番外編として、切り花を長持ちさせる水切りの方法を解説します。切り花を長持ちさせるには延命剤を使用するのがおすすめですが、水切りの方法正しくおこなうことで、切り花を長持ちさせることができますよ。詳しく解説しますね。水切りとは?
水切りの方法を解説する前に、そもそも水切りとは何なのかを解説しますね。水切りと聞くと「石を使った遊び」を思い浮かべる人が多いですがまったく違います。では、水切りとはどのような作業なのか見ていきましょう。水の中で茎を切ること
水切りとは植物の茎を水の中で切ることを指します。水切りの目的は植物の水の吸収を助けるためにおこないます。なので、水きりは可能なら毎日おこなっても良い行為になります。 また、水の中で茎を切るのが重要です。水の中で茎を切ると茎から空気が侵入するのを防ぎ、水の吸収を助けてくれるんですね。可能なら、高い頻度で水の中で茎を切って切り花の吸水を助けてあげましょう。水切りの手順
水切りの手順は以下の通りでおこないます。- 清潔なハサミと広めの容器を用意する
- 広めの容器に水を溜める
- 水切りをおこなう部分の茎を水に浸ける
- 水中で切り花の茎を斜めに切る
水切りのポイント
一見簡単そうな水切りですが、いくつかポイントがあります。ですが、難しいポイントはないため、水切り前にちょっと覚えておくだけで簡単に実践できますよ。詳しく解説しますね。清潔なハサミや花器を用いる
水切りに使用するハヤミや花器は清潔な物を用意しましょう。とくにハサミは切り花の断面図にさわるので、ハサミが不衛生だと切り花の切り口から雑菌が侵入する可能性があります。使用するハサミは錆びていませんか?ベタベタしていませんか?水切りをおこなう前にハサミの確認をおこなってくださいね。斜めにスパッと切る
水切りをおこなうときは切り花の茎を斜めにスパッと切りましょう。植物には水を吸い上げる『導管』(どうかん)という部分が備わっています。 この導管を潰さないように綺麗に切るのが重要になります。茎が柔らかい植物の茎を「わざわざハサミでカットするの面倒だな...」という気持ちは分かります。しかし、面倒だからといって手でちぎったり、極端に切れ味の悪いハサミを使うと、水を吸い上げる『導管』が潰れてしまいます。導管が潰れると、切り花が水分を吸い上げることができなくなり、切り花の寿命が短くなってしまいます。 なので、導管を潰さないよう斜めにスパッと茎を切りましょう。【まとめ】ハイターで切り花を長持ちさせる方法!砂糖を使う方法や注意点まで
本記事では切り花を長持ちさせる方法として、ハイターを使う方法を紹介しました。ハイターは入手難易度が低く、日常にも使えるので切り花用に1つ用意しておくのもおすすめですよ。ただし、適量以上の量を入れると逆に毒になってしまうので、入れる量は必ず計りましょう。 本記事のポイントは- 水200ミリリットルに対してハイター1滴の割合が重要
- 砂糖を入れるとさらに効果的
- ハイター以外にも、10円玉・重曹・お酢も有効