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皆さんはハナミズキという植物を知っていますか?ハナミズキは赤く色づく実や紅葉など、一年を通して様々な魅力がある植物のため、街路樹としても使われています。そんなハナミズキですが、実は「うどんこ病」にかかりやすい特徴を持っています。一体どんな方法でハナミズキのうどんこ病対策を行えば良いのだろうと思っておられる方も多いと思います。
そこでこの記事では、
- ハナミズキがかかりやすい「うどんこ病」とは?
- うどんこ病にかかったハナミズキを放置すると花が咲かなくなる
- うどんこ病になったハナミズキの治療方法
- ハナミズキを剪定でうどんこ病から守る方法
という項目を中心にご紹介していきたいと思います。
この記事を読み進めながら、ハナミズキをうどんこ病から守るベストな方法について理解を深めてくださいね。
ハナミズキがかかりやすい病気うどんこ病とは?
ハナミズキがかかりやすい「うどんこ病」という病気には、どのような特徴があるのでしょう?項目別に順にご紹介していきましょう。
葉っぱの表面にうどん粉のような白いカビが生える病気
「うどんこ病」とは、ハナミズキのみならず様々な植物がかかり得る病気で、若い葉や茎の表面にうどん粉のような白いカビが生える病気です。葉の表面がこのカビで覆われると、光合成の阻害や葉から栄養を吸収できなくなるなどの症状が現れ、生育不良に陥り、ひどい場合には植物を枯らしてしまう恐れもあります。
うどんこ病の原因は糸状菌というカビ
うどんこ病になる原因は、葉や茎に「糸状菌」という白いカビが発生し、菌糸が植物の組織の中に入り込み、栄養分を吸収するためです。症状が進行すると、茎や葉がねじれて萎縮し、更に悪化すると葉が黄色くなり枯れてしまうため、見つけ次第早めに対処する必要があります。
窒素が多いことやカリウム分が不足しているとかかりやすくなる
うどんこ病にかかりやすい理由は、ハナミズキ自体が窒素を多く含んでいたり、カリウム分が不足していることが挙げられます。また上記でご紹介した糸状菌は、春や秋の涼しく乾燥した時期に風に乗って運ばれ、ハナミズキに付着することでどんどん繁殖していきます。体力的にバランスを崩して弱り気味のハナミズキに付着すると、どんどん栄養を吸い取り勢力を増殖させていくため注意が必要です。
うどんこ病の発生時期は5から6月や9から11月頃
ハナミズキにうどんこ病が発生する時期は、5から6月もしくは9から11月頃です。梅雨明け後から発生し始めるうどんこ病の症状の特徴は、新芽や葉の表面が白い粉をまぶしたような状態になります。症状が現れたからといって、すぐ枯れてしまうわけではないですが、徐々に弱っていくと同時に葉が黄色くなり、最終的には落葉します。
うどんこ病の対策や予防法を学んで、元気なハナミズキを育てよう
ハナミズキがかかりやすい病気として良く知られている「うどんこ病」の対策や予防法を学ぶことで、元気なハナミズキを育てられます。うどんこ病の予防方法としては、冬期のうちに石灰硫黄合剤を1度散布して置き、越冬させている間に付着している菌糸を除去しておく方法が有効です。そうすることで、今年一年うどんこ病にハナミズキがかかるのを事前に予防できます。
うどんこ病にかかったハナミズキを放置すると花が咲かなくなる
うどんこ病にかかってしまったハナミズキをそのまま放置しておくと、花が咲くはずの時期に咲かなくなります。はじめは少ししかついていない白い粉末状のうどんこ病のカビも、放置することでどんどん増大し、ついにはハナミズキを以下の状態にさせてしまうため、注意が必要な病気の一つです。
白い部分は光合成をおこなえないため、葉が枯れる可能性が高い
ハナミズキについたうどんこ病のカビは白い色をしており、この白い部分により光合成の能力が低下させられます。その結果、ハナミズキ全体にこの悪影響が及び、花の美しさが損なわれるだけでなく葉が枯れていく可能性が高くなります。うどんこ病にかかったからといってすぐ枯れるわけではありませんが、そのまま放置することで症状が重症化し、ハナミズキの生命力が弱まり枯れてしまうこともあります。そのため、ハナミズキがうどんこ病にかかった場合は、早急な対策が必要です。
繁殖した菌が他の植物に移り被害が拡大することもある
庭木の一部として植えているハナミズキの近くで育っている他の植物でうどんこ病が発生し、繁殖した菌がハナミズキに移り庭木全体に被害が拡大することも考えられます。そのため、ハナミズキがうどんこ病にかからないように予防しておくことは、今年一年ハナミズキを元気に育てるための一手段です。それでは、うどんこ病にかかったハナミズキの治療方法を項目別にみていきましょう。
うどん粉病になったハナミズキの治療方法①薬剤で消毒する
うどんこ病になったハナミズキを治療する1つめの方法は、「薬剤で消毒する」という方法です。早期発見をし、早めの治療を行うことでうどんこ病からハナミズキを復活させられます。
早めに薬剤を葉の裏表と枝に万遍なく、何度か塗布することが効果的
ハナミズキがうどんこ病にかかっていると気付いたら、早めに適した薬剤を葉の裏表と枝に万遍なく、何度か繰り返し塗布することで効果が発揮されます。この際に注意すべきポイントとして、薬剤抵抗性を防ぐためにも、同じ有効成分の薬剤を繰り返し使うことは避け、何種かの薬剤をローテーションで塗布することが大切です。
また過剰な塗布や有益な昆虫に影響を与える時間に使用することは避け、環境への配慮も心掛けつつハナミズキのうどんこ病を撃退することが必要です。ハナミズキに薬剤を塗布する場合、薬剤の選択に細心の注意が必要になるため、薬剤の知識は必要不可欠です。ハナミズキの特徴や病気の進行具合を考慮しつつ、適した薬剤を選ぶように心掛けてください。
おすすめの殺菌剤①ベニカX
ハナミズキのうどんこ病治療剤として良く知られているのが、この「ベニカX」です。ベニカXは「殺虫殺菌剤」のため、害虫・病気の両方に効果の高い薬剤です。スプレー式のため浸透移行性が高く、ハナミズキへの付着性および安定性にも優れた効果を発揮する薬剤のため、重複散布・多量散布をしないことが重要です。
商品名 |
住友化学園芸 殺虫殺菌剤 ベニカXファインスプレー |
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価格 | 1430円 |
容量 | 1000ml |
形状 | スプレー |
おすすめの殺菌剤②GFオルトランC
ハナミズキのうどんこ病治療薬として、おすすめの雑菌剤の2つめは「GFオルトランC」です。この薬剤をスプレーすることで、広範囲に広がっているうどんこ病を早期に撃退できます。通常の殺虫剤である「オルトラン」「スミチオン」の害虫駆除剤に加え、うどんこ病・黒星病に効果的な「サプロール」が配合されているため、うどんこ病の予防や治療に適しています。
商品名 |
住友化学園芸 殺菌剤 GFオルトランC |
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価格 | 1010円 |
容量 | 420ml |
形状 | スプレー |
おすすめの殺菌剤③ダコニール
ハナミズキのうどんこ病を治療する殺菌剤として、3つめのおすすめは「ダコニール」という薬剤です。この薬剤は治療剤としてだけではなく、予防剤としてもよく知られています。うどんこ病を発病する前から発病初期に散布しておくことで、未然にハナミズキをうどんこ病から守る効果もあるため、一本は持っておきたい薬剤ともいえます。また、うどんこ病のみならず様々な病気への防除効果も高いため、活用しやすい薬剤といっても過言ではありません。
商品名 |
住友化学園芸 殺菌剤 STダコニール1000 |
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価格 | 935円 |
容量 | 30ml |
形状 | 液状、希釈型 |
うどん粉病になったハナミズキの治療方法②病変を切り取る
ハナミズキがうどんこ病にかかった際の薬剤以外の治療方法としては、「病変を切り取る」というものが挙げられます。この方法は重症化した場合に有効な方法ですが、この治療方法は最終手段のため、行わなくても良い時点で対処してしまうことがベストです。それでは項目別に分かりやすく病変を切り取る方法をみていきましょう。
重症化した場合は、枝や葉を取る必要がある
うどんこ病が重症化した場合は、ハナミズキの枝や葉っぱを取る必要があります。直接被害箇所を切り取ってしまうことで、他の部分への拡大を防ぐことが可能です。カビが付着しているハナミズキの枝や葉を取る作業をした後、カビに犯された部分は植物の近くに放置するのではなく、必ず一般ごみで処分する・焼却処分を行うなどの対策を行ってください。また使用したハサミはカビが付着してるため、奇麗に洗ったのち、アルコールなどでしっかり消毒しておくことが重要です。
初期段階であれば、薄めた酢や重曹をスプレーするだけで自然治癒することも
ハナミズキがうどんこ病にかかった初期段階であれば、薄めた酢や重曹をスプレーするだけで、薬剤を使うことなく自然治癒することも可能です。この際、薄めずに酢や重曹の原液をかけるのではなく、必ず水で薄め濃度を守って使うように心がけてください。重曹スプレーの作り方は、「重曹:水=1:1000」の割合(1000倍希釈)で溶かします。また酢のスプレーは、酢を水で約20倍に薄めて使うようにしてください。これらのスプレーをハナミズキに1週間おきくらいのペースで散布すると、自然治癒することもあります。
ハナミズキの剪定でうどんこ病を予防しよう
ここからは、ハナミズキの剪定でうどんこ病を予防する方法についてご紹介していきたいと思います。うどんこ病の原因になる菌糸状のカビは、湿気の多い梅雨の時期に発生することが多いため、蒸れやすい環境を避け、風通しの良い状態を保つことが大切です。
カビをはやさないために、剪定によって風通しを良くすることが重要
ハナミズキの葉同士が重なり密集していると、どうしても湿気が溜まりやすくなります。カビをはやさないためにも、毎年剪定を行い、風通しを良くすることが重要です。うどんこ病の胞子は他の糸状菌よりも水分を豊富に含んでおり吸湿性も良いため、乾燥条件下でも死滅することなく生き延びることができます。またうどんこ病は、生きている植物でしか発生しないという特徴も持っています。
ハナミズキの剪定の時期は、葉が落ちた11月から2月頃
ハナミズキを剪定するベストな時期は、葉が落ちた11月から2月頃の休眠期に行います。ハナミズキの休眠期に毎年剪定を行うことで、ハナミズキの樹木本体への負担を軽減できますし、生長が落ち着いている時期なので、剪定により枯らしてしまうリスクを低下させられます。
込み合っている枝を間引いて風通しを良くする透かし剪定を行おう
ハナミズキに行う剪定方法は、込み合っている枝を間引いて風通しを良くする「透かし剪定」がおすすめです。透かし剪定とは、樹木の樹形を整えるような剪定方法ではなく、不要な枝を間引く程度にとどめる剪定です。ハナミズキを剪定する際は、必ずハナミズキの成長にマッチしたやり方を考慮して行うことが大切です。
まとめ
この記事では、ハナミズキをうどんこ病から守る方法・かかってしまった際の治療方法などを中心にご紹介してきましたがいかがでしたか?
- ハナミズキがかかりやすい病気の一つに「うどんこ病」が挙げられる
- うどんこ病は、葉っぱの表面にうどん粉のような糸状菌の白いカビが生える病気である
- うどんこ病は、窒素が多かったりカリウムが不足しているとかかりやすい病気である
- うどんこ病の発生時期は、5月~6月・9月~11月頃である
- うどんこ病の白い部分は光合成を行えないため、葉が枯れる可能性が高い
- うどんこ病は繁殖した菌が、他の植物に移り被害が拡大することもある
- うどんこ病を治療するには、葉の裏表に万遍なく薬剤を何度か塗布すると効果的である
- うどんこ病の治療におすすめな薬剤は「ベニカX」「GFオルトランC」「ダコニール」である
- うどんこ病が重症化した場合は、葉や枝を切り取る必要がある
- うどんこ病の初期段階であれば、薄めた酢や重曹をスプレーすることで自然治癒させることも可能な場合がある
- カビを生やさないために、枝や葉を取る剪定を行い、風通しを良くすることが大切である
- ハナミズキの剪定時期は、葉が落ちた11月~2月頃の休眠期である
- ハナミズキの剪定方法は、込み合っている枝を間引く「透かし剪定」がおすすめ
ということが、この記事を読んで理解いただけたと思います。
これらのポイントを押さえ、ハナミズキをうどんこ病から守ることで、枯らすことなく元気にすくすく育てられることでしょう。うどんこ病に対処可能な薬剤の知識も身に付け、是非ハナミズキライフを楽しむ一助にしてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENでは、他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、併せてご覧ください。