ほとんどの植物を育てる際に必要な肥料には「有機肥料」と「化成肥料」があります。しかし初心者の場合、有機肥料の種類は幅広く、何が良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は
- 有機肥料ってどんな肥料?
- 有機肥料の種類
- 有機肥料の作り方
- 有機肥料の使い方
- 有機肥料のメリット・デメリット
- 有機肥料と無機・化成肥料の違い
を詳しく解説します。
有機肥料の特徴だけでなく、メリット・デメリット、化成肥料との違いを知ることで植物にどれが適しているのか判断しやすくなります。有機肥料のおすすめ10選もご紹介しているため、迷ったときの参考にしてみてくださいね。
有機肥料ってどんな肥料?
そもそも有機肥料の「有機」とは化学肥料に頼らず、自然由来のもので作られたものを指します。つまり、有機肥料は自然由来の有機物を原料に作られた肥料ということ。これだけ聞くとオーガニックで素晴らしい肥料ということがわかりますが、有機肥料にはさまざまな自然由来のものが使用されているのをご存じでしょうか。まずは有機肥料はどんな肥料なのか、特徴を詳しく解説します。
有機肥料は植物性または動物性の有機物を原料にした肥料
有機肥料は植物性または動物性の有機物を原料にした肥料です。有機肥料を使用することで、土に栄養を与えて微生物を活性化させ、緩やかに土壌を改良する効果があります。土壌改良に繋がることで、植物が必要な栄養分を吸収できて丈夫に育つというわけです。
一方、化成肥料は鉱物などの無機物を原料に加工された肥料を指します。有機肥料は緩やかに効果を発揮するのに対し、化成肥料は即効性があるのが特徴です。これだけ見ると化成肥料のほうがよさそうにも思えますが、実はどちらにもメリット・デメリットがあります。有機肥料と化成肥料のメリット・デメリットはのちほど詳しく解説します。
魚粉、動物かす粉、骨粉、植物油かすなどが使用されている
有機肥料には主に魚粉や動物かす粉、骨粉や植物油粕などの有機物が使用されています。つまり自然由来のものを原料に作られた肥料。微生物によって分解し変化することで、植物の土壌環境を改善し、効率的に栄養を運ぶ役割を果たします。
芝生やレモンやオクラなど幅広い植物の肥料として使われている
有機肥料は芝生やレモン、オクラなど幅広い植物の肥料として使われています。とくにオクラは肥料を好むため、有機肥料を使用することで立派な作物に成長するでしょう。化成肥料を使わずに、有機肥料だけで作られた野菜は「有機野菜」になります。
その中でも農林水産省の「有機JAS規格」の条件を満たすと「有機JASマーク」を表示することが可能です。このように有機肥料は安全な作物作りにも必要な肥料となっています。
窒素成分含量を分析して有機質肥料か評価される
有機質肥料は窒素成分含量を分析して評価されます。分析される窒素は肥料の三大要素の一つであり、植物の生育になくてはならない栄養素です。窒素は別名「葉肥(はごえ)」と呼ばれ、植物が生育する初期の段階で効果を発揮し、作物などの成長に大きく関係します。
有機肥料の種類
有機肥料は窒素成分含量が重要とお伝えしましたが、使用する種類によって成分割合は異なります。それぞれに特徴があるため、育てたい植物に合わせて選んだり混合して使用しましょう。有機肥料の種類は以下のとおりです。
油粕
油粕は大豆や菜種などから採取した油を絞ったあとに出る絞りかすのことで、窒素を多く含むのが特徴です。
窒素を多く含む油粕は葉や茎を丈夫にしてくれます。ただし油粕は撒きすぎるとガスが発生し、生育を遅らせてしまうこともあるため、効果的に使用するには適切な量を守る必要があります。またコバエが発生する要因にもなるため、使用量には注意が必要です。
鶏糞
鶏糞は名前のとおりニワトリの糞を乾燥して発酵させたものです。植物に必要な肥料の三大要素である
窒素・リン酸・カリウムをバランスよく含んでいるうえに、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルも多く含有しています。他の有機肥料に比べて即効性があり、低価格で入手できるため、初心者でも扱いやすいのも特徴です。鶏糞は独特の臭いがありますが種類があり、ペレット鶏糞や炭素鶏糞など臭みが少ないものもあります。
魚粉
魚粉は別名「フィッシュミール」とも呼ばれており、主に缶詰工場などで残った食べられない部分の加工残滓(かこうざんさい)を乾燥させたものです。魚粉に使用される主な魚にはアジやサンマ、サバなどがあります。
魚粉は窒素やリン酸が豊富で、野菜や果物の栽培に最適です。微生物により分解されやすく、即効性も期待できるため扱いやすい一方で、臭いが強いのも特徴。種類によっては臭いが少ない魚粉も登場しているため、気になる方は見極めて使用することをおすすめします。
骨粉
骨粉は家畜の骨を熱水処理したあとに粉砕してつくられた有機肥料です。主に豚や鶏、牛などの骨を使用しています。
骨粉はリン酸を多く含んでいるため、植物の発芽や果実の成熟を促すのに効果的です。リン酸は豊富な一方で、窒素やカリウムはメーカーによって含量が異なるのも骨粉の特徴。緩効性のためゆっくりと効果を発揮して持続性があり、リン酸の他にもカルシウムが豊富なため、植物の株全体を丈夫に育ててくれます。
米ぬか
米ぬかは玄米を精米した際に出た粉(外皮)のことで、
発芽や生育に必要なリン酸を多く含み、窒素・カリウムの他にも、ミネラルやビタミンを含んでいるのが特徴です。有機肥料としてだけでなく、ぼかし肥料や発酵させるものとして堆肥づくりにも使用されています。栄養分は非常に豊富な一方で、肥料として効果を発揮するまでに時間がかかるのも米ぬかの特徴。元肥として使用できるものの、すぐに植え付けをする場合は使用できないため注意が必要です。
バットグアノ
バットグアノは何千年も前のコウモリの糞が化石化した肥料です。コウモリの糞のリン酸とカルシウムが何千年もの時間をかけて結晶体となっているため、貴重な肥料として知られています。バットグアノには
リン酸や腐植酸、石灰が多く含まれており、植物の根を強くして生育を促す効果が期待できます。痩せた土を丈夫にしたいときや果物や野菜の栽培にも最適。ただしバットグアノは窒素やカリウムが少ないため、バランスよく栄養を補うには油粕などを混合して使うのがおすすめです。
ボカシ肥
ボカシ肥は油粕や米ぬか、魚粉など他の有機肥料に、土やもみ殻などを混合して発酵させた肥料のこと。名前のとおり土に肥料分を混ぜて薄めた(ぼかす)ものです。そのままでも効果のある米ぬかや油粕などの有機肥料をぼかすのには理由があります。直接土壌に有機肥料を施して微生物に分解された際、アンモニアガスなどが発生し、植物の生育に悪影響を及ぼす可能性があるためです。
油粕や米ぬかなどの有機肥料を薄めることで、効率よく植物の生育をサポートできるようになります。ボカシ肥は成分濃度などの定義がないため、植物に合わせた種類や量を調節する必要があります。
草木灰
草木灰(そうもくばい)は落ち葉や枯れ葉などの草木を燃やして作った灰のことです。石灰分が豊富で、
土をアルカリ性に土壌改良し、微生物を活性化させて害虫予防の効果も期待できます。ちなみに草木灰の色には白や灰色がありますが、白くなるほどアルカリ性が強くなるのも特徴。さらには水に溶けやすく、有機肥料の中でも即効性があります。他にもリン酸やカリウムが多く含まれているため、根を太く育てて花や果実の生育を促してくれるでしょう。
有機石灰
有機石灰とはカキ殻やホタテ殻などの貝殻や卵の殻などを原料にしたものです。炭酸カルシウムが主な成分で、酸性土壌の中和にも使用されます。
有機石灰は穏やかな効き目の一方で土をフカフカにし、散布後すぐに植え付けが可能です。基本的に有機石灰には窒素やリン酸、カリウムなどの栄養分は含まれていませんが、堆肥や元肥に混ぜて使用できます。
有機肥料の作り方
有機肥料の種類をご紹介しましたが、ホームセンターで購入するだけでなく、自分で作ることもできます。ご家庭で栽培する植物に合わせて有機肥料が作れたら、成長がより愉しみになること間違いなしですよ。ここからは有機肥料の作り方を詳しく解説します。
家庭で作りやすいのは「ぼかし肥料」
有機肥料は手作りできるといっても、油粕や魚かすなどは作れません。ご家庭で作りやすい有機肥料は「ほかし肥料」。他にも生ゴミを利用した堆肥やバナナの皮で液体肥料を作ることも可能です。
ぼかし肥料は複数肥料をブレンドし発酵させた肥料
ご家庭でも作れるぼかし肥料は先ほどの有機肥料の種類でもご紹介したように、複数の肥料をブレンドして発酵させたものです。微生物の分解が進んだぼかし肥料は栄養素が吸収されやすく、即効性も期待できます。
肥料づくりに必要なもの
肥料づくりに必要なものは以下の9つです。
米ぬか
リン酸が豊富でミネラルやビタミンも含まれる米ぬかは、ぼかし肥料や堆肥づくりには欠かせない原料です。今回使用する原料の中ではもっとも多く使用します。
油粕
油粕は窒素を多く含むため、茎や葉を丈夫に育てます。油粕は多すぎるとコバエが発生する可能性もあるため、植物に合わせて多くなりすぎないように量を調節しましょう。米ぬかに対して半分程度の量でも問題ありません。
草木灰
草木灰は根を丈夫にして、害虫予防にも効果的です。そのため油粕を使用するときに一緒に使うのがおすすめ。草木灰は米ぬか・油粕と合わせたときに1割程度の分量でも十分です。
EM菌
EM菌とは善玉菌の集合体で、乳酸菌や酵母など環境にやさしいのが特徴です。EM菌には土壌改良や水の自浄作用を向上する働きがあります。EM菌を使用することで植物の成長を効率よくサポートしてくれるでしょう。EM菌を使用したぼかし肥料は「EMボカシ」とも呼ばれています。
糖蜜(砂糖や蜂蜜で代用可能)
糖蜜は事前にお湯で溶かして、EM菌と混ぜ合わせてから使用すると混ぜ込みやすくなります。糖蜜は砂糖や蜂蜜などご家庭にあるものでも代用可能です。
容器
容器は作る量に合わせたものを用意してください。大量に作るときはポリバケツや衣装ケースを使用しても問題ありません。木枠などすき間がある容器に入れる場合は、ビニールシートを敷いて、密閉できる状態にしておきましょう。ビニールシートは保温効果もあります。
水
水は塩素を取り除いたものを使用するのがおすすめです。浄水器を使用した水、もしくは一度沸騰させたものを使用しましょう。水を入れる際は、じょうろなどがあると便利です。
ジップロック
ジップロックは作った肥料を発酵させる際に入れるときに使用します。ポリ袋でも問題ありませんが、密閉性を高めるためにもジップロックがおすすめです。
保温材
ぼかし肥料作りで大切な発酵を促すためにもビニールシートや発泡スチロールなどの保温材を使用しましょう。保温材は微生物が活性化する温度を保ってくれます。容器にビニールシートを敷く以外にも冬場は40℃程度のお湯が入ったペットボトルを入れて保温するのもおすすめです。
肥料づくりの手順
それではいよいよ肥料づくりの手順をご紹介します。肥料づくりの手順は6ステップです。
①:用意した材料をすべて容器に入れる
用意した材料をすべて容器に入れます。その際、米ぬかや油粕、EM菌などの原料をよく混ぜ合わせておきましょう。
②:材料の40%を目安に水を用意する
次に材料の40%を目安に水を用意してください。水はじょうろなどに入れておくと入れすぎることなく、混ぜ込みやすくなります。
③:水が多いと腐る原因になるので少しずつ入れる
材料が入った容器に水を入れていきます。このとき水が多いと腐る原因になるため、少しずつ入れてください。水分が均一に馴染むように、混ぜ合わせながら入れていきましょう。
④:手で握って崩れるぐらいを目安に水を調整する
水分量の目安は手で握って崩れるくらいが最適です。水分が多いと発酵しにくくなるため、必ず手で握れる硬さで、触れると崩れるような柔らかさもあるかを確認しましょう。
⑤:用意したジップロックに入れ空気を抜く
適度な柔らかさになったら、用意したジップロックに入れて空気を抜いて密閉します。密閉する際は、袋が破れていないかも確認しましょう。
⑥:最後に保温材に入れ1か月間発酵させる
最後に保温材に入れて1ヶ月ほど発酵させたら完成です。発酵は45日以上で期間が長いほど良い肥料が仕上がります。ただし温度が10℃以下、もしくは50℃以上になると発酵が進まないためしっかり密閉されているか注意してくださいね。
有機肥料の使い方
有機肥料の作り方までご紹介しましたが、ここからは実際にどのように使用するのか使い方を詳しく解説します。有機肥料の特徴がわかれば施し方も理解しやすくなるため、これから使用する方はぜひチェックしてみてくださいね。
有機肥料は緩効性や遅効性に優れている
有機肥料は緩効性や遅効性に優れているため、ゆっくりと長く効果を発揮するのが特徴。そのため元肥として使用する場合は、植え付けの1ヶ月前に施すのが一般的です。効果を早めたい場合は、堆肥と混ぜて使用することもできます。
元肥・追肥どちらにも使用できる
有機肥料は元肥・追肥のどちらにも使用可能です。元肥・追肥のどちらにも使用できる一方、成分によって適した使い方もあります。たとえば窒素やリン酸、カリウムがバランスよく配合されている場合は、元肥として効果的。追肥として使用する場合は何でも良いわけではなく、ほかし肥料や有機の液体肥料を使うのがおすすめです。
液体肥料の場合は必要に応じて希釈して施す
液体肥料を使用する場合は即効性はあるものの、効果が続く期間が1週間程度と短いため、追肥として必要に応じて希釈して散布してください。液体肥料は水耕栽培に適した肥料の一方で、有機液体肥料は有機質が含まれているため、
藻が発生しやすいデメリットがあります。有機液体肥料は通常の液体肥料と異なり、水耕栽培には向かないためご注意ください。
土栽培で有機液体肥料を使用する場合は、固形肥料と組み合わせて使うとより効果的です。
固形肥料の場合は土壌に混ぜ込んで施す
有機固形肥料は土壌に混ぜ込んで施しましょう。有機固形肥料は元肥として事前に混ぜ込んでおくとより効果的です。追肥としても使用できますが、効き目が遅いため植物が弱っていないかなどよく観察しながら与えてください。
有機肥料のメリット・デメリット
有機肥料は 環境にも植物にも優しい一方で、メリットだけでなくデメリットもあります。有機肥料を使用する前に良いところと悪いところもしっかりチェックしておきましょう。有機肥料のメリット・デメリットをそれぞれ詳しく解説します。
有機肥料のメリット
まずは有機肥料のメリットからご紹介します。有機肥料のメリットは以下の3つです。
長期間効果が持続する
有機肥料は効果が長期間持続するメリットがあります。微生物によって分解されてようやく植物が吸収できるようになるため即効性はありませんが、緩やかに効果を発揮するのが特徴。効果が長く続くため、施肥の回数を減らすことが可能です。
銅や亜鉛やカルシウムなどの微量な必須要素も供給できる
有機肥料の2つ目のメリットは、微量な必須要素も供給できる点です。
微量要素とは作物の成長に必要な微量の栄養素のこと。微量要素には銅や亜鉛、カルシウムなどがあります。微量栄養素は雨で流れてしまうため、有機肥料を与えて補うことが可能です。
土に微生物が増え環境が良くなる
有機肥料には土壌環境を良くする効果も期待できます。有機肥料を使用することで、土に微生物が増えて作物が栄養を吸収しやすくなるため、効率よく植物の成長をサポートしてくれるでしょう。そのため有機肥料は芝生の成長にも使用される肥料です。芝生に使用する際は3月~9月に散布します。
有機肥料のデメリット
有機肥料のデメリットには以下の3つがあげられます。
効き目の即効性は薄い
有機肥料は緩やかに効果を発揮するため、即効性は薄いのがデメリットの一つです。先ほどもお伝えしたように、有機肥料は散布してから微生物に分解されて初めて植物に栄養素を与えられるようになります。そのため植物が弱っているときに追肥するのには向きません。有機肥料は基本的には元肥として使用するように、計画的に使用しましょう。
有機物を加工しているので臭いが強い場合がある
有機肥料は加工しているため、臭いが強い場合があります。とくに鶏糞などの動物の糞を使用したものや油粕を原料にしている場合は、発酵段階の
アンモニア臭が強くなる可能性も。
臭いが強いと害虫を発生させる原因にもなるため、あらかじめ予防しておくことも大切です。とはいえ、有機肥料の中には臭いが少ないものもあるため、気になる方は原料や商品レビューなども参考にしてから選ぶようにしましょう。
作成に時間がかかるので価格が高くなる
有機肥料は化成肥料に比べて作成に時間がかかるため、価格が高い傾向にあります。原料によっても価格にバラつきがあるため、使用する量も考えて計画的に選びましょう。価格が高いから必ずしも植物に適しているとは限りません。栄養素のバランスや量などしっかり確認してから選んでくださいね。
有機肥料と無機・化成肥料の違い
肥料には有機肥料の他にも無機・化成肥料があります。無機・化成肥料が有機肥料とどう違うのかも知っておくと、植物や栽培方法に合わせて肥料を選びやすくなりますよ。有機肥料と無機・化成肥料の違いについて詳しく解説します。
無機物を原料として化学的に製造した肥料が化成肥料
化成肥料とは無機物を原料とした2種類以上のものを化学的に製造し、粒状に加工した肥料のことです。ホームセンターなどで販売されている化成肥料には窒素・リン酸・カリウムの含量が表示されており、その成分合計値によって「普通化成肥料」と「高度化成肥料」に分類されます。窒素・リン酸・カリウムの合計値が30%以上の場合は「高度化成肥料」です。
窒素やリン酸を含む鉱石、塩化カリウムなどの無機物質を原料に作られる
化成肥料は窒素やリン酸を含む鉱石や塩化カリウムなどの無機物質を原料に作られた肥料です。化成肥料は名前だけ聞くとすべて人工的に作られているように思いますが、原料の鉱石や塩化カリウムなどは無機物質の一方、自然由来の物質でもあります。
化成肥料の特徴
化成肥料の特徴は以下のとおりで、有機肥料とは決定的な違いがあります。
有機肥料に比べ即効性がある
化成肥料は水に溶け込んで植物に行き届くため、即効性があります。ただし、即効性はある一方で、持続期間は1~2ヶ月程度です。そのため植物によっては、定期的な追肥をする必要があります。
NPKの3要素のバランスが明確
化成肥料は窒素・リン酸・カリウムの三要素のバランスが明確なため、初心者でも扱いやすいメリットがあります。市販の化成肥料の成分表示もわかりやすく、直感的に施肥できるのも魅力です。ただし、有機肥料のように土をフカフカにしたり土壌改良効果はなく、化成肥料が植物に直接触れると
肥料焼けを起こす可能性もあるため注意が必要です。
大量生産されているので安く手に入る
化成肥料は大量生産されているため、安く入手できます。ホームセンターでも簡単に購入できるでしょう。他にも化成肥料は臭いもほとんどしないため、室内栽培でも使用できます。
おすすめの有機肥料10選
ここまで有機肥料の魅力をお伝えしましたが、結局どれを選んだら良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで最後はおすすめの有機肥料10選をご紹介します。育てたい植物にはどれが合っているのかイメージしながら参考にしてみてくださいね。
①:サンアンドホープ ぼかし完熟有機100%肥料 5kg
ミネラルやビタミンの他に、微量要素も豊富なぼかし肥料です。ジュースの搾りかすや魚粕などが原料で、緩やかに効果を発揮するため効き目も持続します。内容量は5kgで元肥・追肥、置き肥などにも使用可能。ペレット状でまきやすく、完全発酵しているため肥料焼けの心配もありません。アミノ酸も豊富なため、野菜のうま味をアップしてくれる効果も。草花に使用すると色鮮やかなお花が楽しめますよ。
商品名 |
サンアンドホープ ぼかし完熟有機100%肥料 5kg |
価格 |
1,075円 |
ブランド |
サンアンドホープ |
肥料成分 |
窒素4・リン酸4・カリウム2 |
容量 |
5kg |
②:自然応用科学 野菜と花のまくだけ有機肥料 500g
窒素やリン酸、カリウムの三大要素をバランスよく含んだペレット状の有機肥料です。元肥・追肥に使用可能で臭いがややあるため、屋外での栽培におすすめ。植物の成長を促すアミノ酸も配合されているため、丈夫な野菜や花を育てます。元肥として使用する場合は、6号鉢で40g使用してください。もちろん、花壇にも使用可能な一方で、内容量が少ないため広さによっては買い足す必要があります。
商品名 |
自然応用科学 野菜と花のまくだけ有機肥料 500g |
価格 |
298円 |
ブランド |
自然応用科学 |
肥料成分 |
窒素5・リン酸5・カリウム5 |
容量 |
500g |
③:タクト 有機肥料 バイオゴールドオリジナル 900g
花付きや実付きに効果を発揮する天然素材100%の有機肥料です。特許純菌発酵で各種天然成分をじっくりと熟成して作られています。ビタミンやミネラルも豊富なため、草花や樹木、ハーブなど幅広い植物に使用可能。有機肥料の一方で、水をかけると無臭になるため、室内での栽培にもおすすめです。顆粒タイプで根元に撒くだけのため、初心者でも簡単に使用可能。水に溶けやすいため、液肥としても使用できます。一度撒くと効果は約2ヶ月です。
商品名 |
タクト 有機肥料 バイオゴールドオリジナル 900g |
価格 |
2,358円 |
ブランド |
Geosism & Nature |
肥料成分 |
窒素・リン酸・カリウム |
容量 |
900g |
④:オザックス バットグアノ 1kg
リン酸が豊富に含まれた花や野菜に使用可能なバットグアノです。リン酸の他にもカルシウムを25%程度含み、マグネシウムや鉄分などのミネラルもバランスよく含まれています。草花や球根植物、バラやツツジなどの花木にも施肥可能で、元肥として使用する際は、プランター65cm長角に対して、約70g使用してください。リン酸が多いため堆肥やぼかし肥料づくりにもおすすめです。
商品名 |
オザックス(Ozax) バットグアノ 1kg |
価格 |
436円 |
ブランド |
オザックス |
肥料成分 |
リン酸20%・カルシウム25%・鉄分・マグネシウム・ケイ酸など |
容量 |
1kg |
⑤:自然応用科学 おいしい野菜の肥料 2kg
魚粕や鶏糞などを使用した美味しい野菜作りにおすすめの有機肥料です。ペレット状で撒きやすく、アミノ酸の働きで野菜のうま味をアップさせてくれます。オクラやキュウリ、イチゴなどの野菜や果物に元肥として使用する際は、650型のプランターで一握り程度使用してください。パッケージの裏面には細かい使用量が記載されているため、初心者でも使いやすいでしょう。
商品名 |
自然応用科学 おいしい野菜の肥料 2kg |
価格 |
770円 |
ブランド |
自然応用科学 |
肥料成分 |
窒素5・リン酸4・カリウム4・マグネシウム3 |
容量 |
2kg |
⑥:東商 有機100% 野菜の肥料 4kg
野菜を美味しく育てる国産の有機肥料です。原料品質基準をクリアした魚粉や骨粉、油粕などを使用し、野菜のうま味をアップさせ丈夫に育てます。内容量は4kgでサラサラした粉末状のため混ぜ込みやすく、プランターや小さな畑にちょうどいい量です。有機肥料のため臭いはありますが、ミニトマトやスイカ、レモンの木も丈夫に育ちます。
商品名 |
東商 有機100% 野菜の肥料 4kg |
価格 |
1,373円 |
ブランド |
東商 |
肥料成分 |
窒素4%・リン酸4%・カリウム1.5% |
容量 |
4kg |
⑦:朝日アグリア 朝日工業 庭木・果樹の肥料 5kg
庭木や果樹などに使用可能な粒状の有機肥料です。リン酸を多く含んでいるため、ブルーベリーや梅、レモンなどさまざまな果樹やお花を立派に育てます。低木の果樹や庭木に使用する場合は、木のあいだに溝を掘り肥料を施してください。パッケージの裏面には肥料の与え方が細かく記載されているため、初めて使用する場合でも安心です。
商品名 |
朝日アグリア 朝日工業 庭木・果樹の肥料 5kg |
価格 |
1,416円 |
ブランド |
朝日アグリア |
肥料成分 |
窒素3・リン酸7・カリウム4 |
容量 |
5kg |
⑧:朝日アグリア 朝日工業 有機化成肥料666(大袋) 5kg
即効性のある化成肥料に有機質肥料を配合した肥料です。窒素やリン酸、カリウムがバランスよく含まれており、オクラやほうれん草などの野菜の実付きや草花の花付きを良くします。即効性と持続効果を併せ持っているため、初めての家庭菜園にもおすすめ。独特の臭みはありますが、パラパラと撒きやすく使いやすさは抜群です。
商品名 |
朝日アグリア 朝日工業 有機化成肥料666(大袋))5kg |
価格 |
1,309円 |
ブランド |
朝日アグリア |
肥料成分 |
窒素6・リン酸6・カリウム6 |
容量 |
5kg |
⑨:MOO&PLANT(ムーアンドプラント) オーガニックの液肥 250ml ボトル 有機JAS適合資材
北海道の乳牛の液肥を3年以上かけて発酵熟成して作られたオーガニックの液体堆肥です。アミノ酸やホルモン、ビタミンなどが濃縮されており、植物の成長を効率よくサポートします。有機液体肥料ではありますが、臭いがしないため室内でも安心して使えるのも魅力です。土壌改良効果が高いため土をフカフカにして根張りを良くし、丈夫な植物を育てます。原液でも使用可能で、肥料焼けしないため安心です。土も固くならないため、プランター栽培など植え替えの頻度を減らしたいときにもおすすめですよ。
商品名 |
MOO&PLANT(ムーアンドプラント)オーガニックの液肥 250ml ボトル 有機JAS適合資材 |
価格 |
2,338円 |
ブランド |
MOO&PLANT |
肥料成分 |
各種アミノ酸・酵素・ビタミン・ホルモン |
容量 |
250ml |
⑩:醗酵アミノ有機肥料5-7-1 10㎏
アミノ酸が豊富で野菜や草花、果樹などさまざまな植物に使用できる有機肥料です。元肥・追肥として使用可能で、粒状のため初心者でも安心して使えます。草花の花は色鮮やかに咲かせ、オクラやトマトなどの野菜も実付き良く育ちます。内容量は10kgのため、プランターはもちろん、花壇にもたっぷり使用できるお得なサイズです。
商品名 |
サンガーデン 醗酵アミノ有機肥料5-7-1 10㎏ |
価格 |
2,736円 |
ブランド |
サンガーデン |
肥料成分 |
窒素5・リン酸7・カリウム1 |
容量 |
10kg |
【まとめ】有機肥料って何!?化成肥料との違いや知っておきたい効果を解説
今回は有機肥料の特徴や化成肥料との違いを詳しく解説しました。
今回のポイントは
- 有機肥料は植物性または動物性の有機物を原料にした肥料で、魚粉や油粕などが使用されている
- 有機肥料の種類にはニワトリの糞を発酵させた鶏糞や玄米の精米で出る米ぬかなどがあり、それぞれ肥料成分の特徴が異なる
- 家庭で作りやすいのはぼかし肥料で、米ぬかや油粕などを使用して、約1ヶ月発酵させて作る
- 有機肥料は緩効性で元肥・追肥どちらにも使用可能で、液体の場合は必要に応じて希釈し、固形肥料は土に混ぜ込んで使う
- 有機肥料は長期間効果が持続し微量の必須要素も供給できる一方で、臭いが強く価格が高い場合もある
- 化成肥料は無機物を原料として化学的に製造し、安価で即効性がある
でした。
有機肥料は環境に優しいだけでなく、土壌環境も良くしてくれる肥料ということがわかりました。化成肥料も即効性があり、臭いもしにくいメリットがあります。それぞれのメリットを活かして、植物を丈夫に育てられると収穫だけでなく土づくりも楽しめるようになりますよ。
東京寿園ではたくさんの植物の記事を掲載しております。植物にお困りの際はぜひご活用ください。最後までご覧いただき、ありがとうございました。