肥料と堆肥の違いとは?特徴やデメリットを理解して効率的に使おう!

肥料と堆肥の違いとは?特徴やデメリットを理解して効率的に使おう!
記事内に商品プロモーションを含む場合があります  #PR

目次

肥料と堆肥は、いずれも植物を大きく成長させるために重要な役割を果たしてくれるガーデナーや農家さんには重要な存在です。しかし、肥料と堆肥の違いをはっきりと分かっている方は少ないのではないでしょうか。「家庭菜園で作物を育てたいけれど肥料と堆肥のどちらを与えればいいの?」「花をたくさん咲かせるためには堆肥だけでな不十分?」と、迷っている場合はぜひこの記事を参考にしてみてください。 この記事では、
  • 肥料と堆肥の共通点や違いは?
  • 肥料の定義
  • 堆肥の定義
  • 肥料に分類されるものをご紹介
  • 堆肥に分類されるものをご紹介
  • 牛糞のメリットとは?
  • 肥料と堆肥の効果の違い
以上のポイントを中心にご紹介していきます。 肥料と堆肥の違いを明確に知ることで、育てている植物にとってどちらが適切なのか効率よく選ぶことができるようになるはずです。植物を育てる環境を整えるとともに適切に栄養分を与えることで、大切な作物を枯らすことなく元気に成長させてあげられるので、ぜひ最後まで記事をご覧ください。

肥料と堆肥の共通点や違いは?

肥料と堆肥の共通点や違いは?

まず初めに、肥料と堆肥の共通点や違いについて解説していきましょう。肥料も堆肥も農業や園芸にとって重要なものであると認識していても、その違いを明確に言える方は少ないのではないでしょうか。肥料も堆肥も植物を健康に育てるための共通点があり、違いも存在するのです。

堆肥は肥料の中の一種

堆肥は大きく分別すると、肥料の中の一種だと考えて良いでしょう。「肥料」という言葉は、多くの場合は化学的にもしくは人工的に配合された化成肥料のことを指す場合が多いのではないでしょうか。しかし、肥料を大きな分類で見た場合にはその中に有機肥料も含まれています。堆肥に代表される有機肥料は、自然界にある有機物が分解されてできるよりナチュラルな肥料とも言えるのです。

肥料と堆肥は使用する目的が異なる

堆肥が肥料の一部だと分かったところで、その違いについてご紹介します。肥料と堆肥は使用する目的が異なることが大きな違いなのです。簡潔にご説明するならば、肥料は植物に栄養素をピンポイントに与える「食」であり、堆肥は土壌改良によって生育環境を整える「住」の側面が強いと考えて良いでしょう。

肥料の目的は植物に栄養を与えること

肥料の目的は植物に直接栄養を与えることです。そのため、植物にすぐに吸収されるような工夫がなされているので即効性が高いのが大きなメリットと言えるでしょう。植物にどのような種類の栄養を与えたいかによって、肥料の配分や配合、種類を選ぶと良いですね。

堆肥の目的は土壌を整えること

堆肥の目的は土壌の微生物に作用することによって、土を肥やし環境を整えることにあります。堆肥を与えることで、土中の微生物が適度に活性化されますのでその影響で植物も元気になるのです。土壌にしみこみ、微生物に良い影響を与えることによって環境を改善していきますので堆肥は持続性が期待できる肥料なのです。

肥料とは何か?

肥料とは何か?

肥料の目的は植物に直接栄養素を補給することだとご紹介しましたが、実際に肥料の定義とはどのようなものなのでしょうか。この項目ではズバリ「肥料とは何か?」について解説していきます。

植物の成長に必要な栄養分を供給するもの

肥料は植物の成長に必要な栄養素を供給するものです。肥料の多くは化成肥料であり、科学的に配合された窒素・リン酸・カリの三大要素から構成されています。植物の葉や根、実の成長に必要な栄養分を肥料を与えることでピンポイントに補給していきますので元気に育ち、枯れることを防いでくれるのです。

不足する17種類の必須栄養素を簡単に与えることが出来る

やせた土に植物を植えるだけでは、元気に成長せずに枯れてしまうこともあるはずです。これは土中の栄養素が失われたり、もともと少なかったりするからなのですが植物に必要な17種類の必須栄養素は肥料を通して補給する必要があるのです。17種類の必須栄養素は、たくさん必要になる要素として炭素・酸素・水素・窒素・リン・カリウム・石灰・マグネシウム・硫黄、少量ですが必要な微量要素として鉄・銅・亜鉛・ほう素・マンガン・モリブデン・ニッケル・塩素が挙げられます。

化学肥料と有機質肥料の2種類ある

肥料には化学肥料と有機質肥料の2種類があります。化学肥料は化成肥料とも呼ばれ、科学的に生み出された人工的な肥料なのです。こちらはコスパが良く、必要な栄養素を的確に与えることができるメリットがあります。有機質肥料は油粕や有機質配合肥料、家畜の糞を主原料とする鶏糞・牛糞などの種類があり、堆肥がこちらの有機質肥料に分別されることもあるのです。

堆肥とは何か?

堆肥とは何か?

では次に「堆肥とは何か?」についてご紹介します。栄養素を植物に供給するのが肥料の役割であるならば、堆肥にはどのような効果があるのでしょうか。

有機物を微生物の力を使い分解・成熟させたもの

堆肥は家畜の糞や落ち葉を発酵させた有機物を微生物の力を使って分解・成熟させたものを指します。そのため、非常に自然に優しくより、ナチュラルなガーデニングや農業を行うことができるのです。微生物の力で発酵させることで安定化させている堆肥は、土壌の環境を良くする効果が高いメリットがあります。

土壌の物理性や科学性や生物性改善させる

前述したように、土壌の物理性や科学性、生物性を改善させることができる堆肥は土づくりとして欠かせません。土壌の物理性が良くなると、保水力や栄養素の保有力が上がりますし、生物性が改善されることによって微生物のバランスが取れる効果が期待できます。

土に混ぜ込んで使用する

堆肥はそれ単体で使うのではなく、土に混ぜ込んで使用することで土壌を改善することができます。化学肥料だけを使っていると土が固くなって保水力や通気性が失われてしまうのですが、適度に堆肥を与えることによってふかふかの植物が好むような土に変化させることができるのです。

肥料に分けられるもの

肥料に分けられるもの

では、実際に肥料にはどのような種類が分類されているのでしょうか。この項目では肥料に分けられる種類についてご紹介するとともに、使い方や性質、メリットを解説していきます。

緩効性化成肥料

緩効性化成肥料はゆっくりと効果を発揮する化成肥料です。即効性が高い化成肥料が多い中で、緩効性とつくものはじっくりと溶け込むように工夫されていますので持続性が高いのがメリットと言えるでしょう。強い化成肥料を与えてしまうと栄養分が残って肥料やけの症状を引き起こしてしまうことがあるのですが、緩効性肥料の場合はそんな心配もありません。主に観葉植物や、シーズン中に花を咲かせる草花にも適しています。

ハイポネックス

ハイポネックスジャパンから発売されているハイポネックスは、液肥の代表的な存在です。薄めて使うのでコスパが良く、初心者や少しだけガーデニングを楽しみたいという方にもおすすめのハイポネックス。15種類の栄養素を適切に配合してありますので、植物の種類を選ぶことなく用途が広いのもメリットのひとつでしょう。ハイポネックスはリン酸成分が多めに配合されていますので、野菜の実の付きが良くなったりたくさんの花を咲かせたりという効果が期待できます。

油粕

油粕(あぶらかす)はアブラナ植物が由来の有機肥料で、窒素成分が多いのでたくさんの葉を茂らせる効果があります。堆肥と同じく、有機性がありますが油粕は基本的には発酵していないという違いがあります。(発酵済油粕も流通しています)ゆっくりと効果が表れるので、元肥としても最適で堆肥と合わせて使うことも多い肥料です。

鶏糞

鶏糞は油粕と同じように有機質肥料に分類されています。鶏糞堆肥という商品もあるように、鶏糞を堆肥として用いることも多いのですが鶏糞にはカルシウムがたくさん含まれているので土をアルカリ性に傾けすぎてしまうデメリットもあります。鶏糞は臭いのする場合が多いのですが、コスパが良く元肥としても追肥としても使う農家さんも多いのです。使用する際には頻度や容量をしっかりと確認することをおすすめします。

魚粕

魚が由来の魚粕(ぎょかす)は窒素成分が豊富で、比較的に即効性が期待できるので元肥や追肥に用いられることの多い有機質肥料です。魚のうまみ成分の元でもあるアミノ酸が含まれているため、甘みを引き出してくれることで野菜や果実の品質を改良してくれる効果が期待できるのが魚粕のメリットと言えるでしょう。

堆肥に分けられるもの

堆肥に分けられるもの

肥料に分類される種類をご紹介したところで、次に堆肥に分けられるものについて解説していきましょう。一口に堆肥と言っても、いくつかの種類が販売されていますので使いやすさなどに注目して選んでみると良いですね。

バーク肥料

バーク肥料は樹皮を発酵させて作った有機質肥料の堆肥です。バークチップを発酵させているので、用途が異なり土壌改良資材として用いることができます。バーク肥料は家畜の糞と違い、植物性なので繊維質がとても多く土をふかふかにしてくれる効果が高いのもメリットのひとつでしょう。バーク肥料は堆肥としての用途だけでなく、雑草対策や乾燥対策などのマルチング資材としても有効です。

腐葉土

腐葉土は広葉樹や針葉樹の落ち葉を集めて発酵させた堆肥です。腐葉土は肥料ではないので、植物に栄養素を補給する効果はありませんが土壌に混ぜることで保水性や通気性を上げてくれるので微生物に富んだ良い土を作り出してくれます。腐葉土は黒くふかふかで土のようにも見えますが、土壌改良剤なので直接植物を植えるのではなく土に混ぜ込んで用いましょう。

籾殻堆肥

籾殻堆肥(もみがらたいひ)とは、米の籾殻と廃物を積み重ねて発酵されることで作られる堆肥です。腐敗されてできた堆肥ですが、窒素成分が少ないので使用する時には米ぬかや鶏糞と混ぜて使うのがおすすめと言えるでしょう。籾殻堆肥は初心者でも作りやすいので、自作してエコに農業や家庭園芸を楽しんでいる方も増えています。

牛糞は肥料と堆肥の両方の性質を持つ

牛糞は肥料と堆肥の両方の性質を持つ

堆肥に分類されるものの項目ではご説明しませんでしたが、牛糞は肥料と堆肥の両方の性質を併せ持つ有用な存在です。植物性のバーク肥料に対して、動物性の堆肥である牛糞は栄養素も豊富なのです。この項目では、牛糞の特徴やメリットについて詳しくご紹介していきましょう。

牛糞のイメージは肥料成分の多い腐葉土

樹皮などを腐食させて作り出すバーク堆肥と違い、牛糞は家畜由来の有機質なので肥料成分が非常にたくさん含まれています。腐葉土には栄養分がほとんど含まれてはいませんが、牛糞は有機質肥料としての側面が強いので農家さんなどは愛用している方も多いのです。

炭素を多く含み植物性の有機物が含まれている

牛糞は豚糞や鶏糞よりも炭素が多く含まれていて、植物性の有機物もたっぷりと入っています。炭素が多く含まれていることは、微生物の活動をより活発化してくれることにつながるのです。植物性が含まれていることによって長期的に土壌改良の効果を発揮してくれるので、大規模な面積もカバーしてくれる有効性もあります。

肥料と堆肥の効果の違い

肥料と堆肥の効果の違い

最後に、肥料と堆肥の効果の違いについてご紹介します。「肥料の中の一種類が堆肥である」「堆肥には微生物を活性化させて土壌改良することで植物の育ちやすい環境を作り出してくれる」と、ここまでの項目で解説してきましたが効果の違いはどのようなものなのでしょうか。

栄養供給が目的なら肥料、土壌改良が目的なら堆肥を選ぶ

ご説明したとおり、植物への栄養供給が目的であるならば即効性・緩効性のいずれの効果も選べる肥料が適しています。植物を植えるための環境を整える土壌改良が目的であるならば堆肥を選ぶようにしましょう。容量や頻度を守れば、堆肥で土を肥やした後に植物を植える時に肥料を与えるのもおすすめですよ。また、ぼかし肥料や牛糞などは肥料と堆肥の両方の効果を有しています。ぼかし肥料は安全で自作もできるので、家庭菜園で用いている方も多いのではないでしょうか。

堆肥の効果

肥料と堆肥の目的や効果の違いがわかったところで、堆肥の効果についていくつかの項目を挙げて解説しておきましょう。

植物の成長促進

堆肥には植物の成長促進の効果が期待できます。とはいえ、肥料のようにピンポイントに栄養素を供給するのではなく植物の根の周りの土壌環境を良くすることで成長の促進が望まれるのです。また、牛糞堆肥などの動物性のものは栄養素も含まれていて植物の成長を促してくれます。

収量・品質の向上

土が富むことによって、植える植物の根もしっかりと張るのでより葉がたくさん茂り、実もなることが期待できます。堆肥の効果によって、収穫量や品質が向上するためプロの農家さんでも堆肥を厳選して与えているのです。

病害虫に強くなる

土の中の環境が整うことによって、結果的に病害虫に強くなります。土がやせていたり、微生物が少なかったりするとどうしても病害虫の被害を受けやすくなってしまうのです。堆肥によって土壌改良することによって、病害虫に強い健康な植物を育てることにつながりますのでガーデニングや家庭菜園には堆肥が欠かせません。

堆肥の効果

堆肥の効果には、簡単に言えば以下の通り「土壌改良効果」「肥料効果」「環境保全効果」が期待できるのです。様々な効果があるため、堆肥は肥料に分類されることもあり、土壌改良資材に分類されることもあります。

土壌改良効果

堆肥による土壌改良効果として、水分の保持力である保水効果、肥料の保持力である保肥効果が期待できます。堆肥によって土が肥えることによって土の粒同士の間に空間ができるので保水性・保肥性が高まるのです。土の間の隙間は根も伸びやすくなるので、結果的に植物が元気に育つことになります。

肥料効果

堆肥には化学肥料には劣るものの、ある程度の肥料成分が含まれていますので根からその成分が吸収されることによって植物が元気に育ちます。しかし堆肥だけで、植物の栄養分のすべてを補うことはできないので化成肥料・化学肥料などと併せて使用することがポイントです。

環境保全効果

堆肥の環境保全効果として大きいのは、土中の微生物を増やす・活性化するということです。発酵された堆肥は微生物の餌にもなりますので、土がやせることなくふかふかになります。化学肥料だけで植物を育てていると、土が固く痩せてしまうので環境にも良くないのです。

肥料と堆肥の違いとは?特徴やデメリットを理解して効率的に使おう!のまとめ

いかがだったでしょうか。 作物や野菜、果樹をたくさん収穫するためには堆肥が欠かせない存在であることをわかってもらえたでしょうか。肥料と堆肥は混同されがちですが、目的や効果には違いがありますので双方を上手に使うことがガーデニングを成功させるコツとも言えるはずです。 この記事のポイントは以下の通りです。
  • 肥料と堆肥は植物を元気にする栄養素を補給する共通点があるが、堆肥は持続的に土の環境を整えるという違いがある
  • 肥料は化学肥料と有機質肥料があり、17種類の栄養素を植物に供給するもの
  • 堆肥は土に混ぜ込むことで土壌を物理的、科学的に改善する効果がある
  • 肥料に分類されるものには緩効性肥料や油粕、鶏糞などがある
  • 堆肥に分類されるものにはバーク肥料や腐葉土がある
  • 牛糞には単純な堆肥と違い、栄養素を補給する効果と土壌改良の効果が期待できる
  • 肥料と堆肥の効果の違いとして、栄養補給が目的なら肥料を土壌改良が目的なら堆肥を選ぶことが挙げられる

植物が健康に育つためには、栄養分としての肥料だけでなく土中の環境を整える堆肥が欠かせません。今回、ご紹介した肥料と堆肥の違いを把握してより効率的にガーデニングや家庭園芸を行ってみてはいかがでしょうか。

最後まで記事を読んでいただいてありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。