シャクヤクとシャクナゲの違いとは?それぞれの特徴や違いを紹介!

シャクヤクとシャクナゲの違いとは?それぞれの特徴や違いを紹介!
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目次

言葉の響きが似ている「シャクヤク」と「シャクナゲ」。言葉の響きだけではなく見た目もよく似ているため、どちらがシャクヤクでどちらがシャクナゲかわからなくなることも。しかし、シャクヤクとシャクナゲは別の植物ですから、それぞれの違いを知っていれば簡単に見分けることができます。 この記事では、
  • 見た目が似ているシャクヤク(芍薬)とシャクナゲ(石楠花)
  • シャクヤク(芍薬)の特徴
  • シャクナゲ(石楠花)の特徴
  • シャクヤクとシャクナゲの違いとは
  • シャクヤクとシャクナゲの見分け方
  • ボタンとも似ているシャクヤクとシャクナゲ
についてわかりやすく丁寧に解説します。 この記事を読んでシャクヤク(芍薬)とシャクナゲ(石楠花)のそれぞれの特徴と違いがわかるようになれば、シャクヤクとシャクナゲを簡単に見分けることができます。実は、シャクヤクとシャクナゲはボタン(牡丹)ともよく似ています。ボタンの特徴なども解説しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

シャクヤク(芍薬)とシャクナゲ(石楠花)は見た目がよく似ている!

シャクヤク(芍薬)とシャクナゲ(石楠花)は見た目がよく似ている!
どちらがシャクヤクでどちらがシャクナゲかわからなくなるのはなぜでしょうか。言葉の響きが似ていることも理由のひとつですが、何といってもシャクヤクとシャクナゲとは見た目がよく似ています。

シャクヤクとシャクナゲは、その花姿や背丈が似通っていることから間違えられやすい

シャクヤクとシャクナゲは別の植物です。しかし、シャクヤクとシャクナゲは、花姿や背丈が似通っているため、間違えられやすいです。また、言葉の響きが似ていることも間違えられやすい理由のひとつです。

シャクヤクとシャクナゲの違いから見分け方まで紹介!

花姿や背丈が似通っているため間違えられやすいシャクヤクとシャクナゲですが、それぞれの違いと見分け方を知っていれば簡単に見分けることができます。この記事では、シャクヤクとシャクナゲのそれぞれの特徴を解説した後、それぞれの違いと見分け方を詳しく丁寧に解説します。

シャクヤク(芍薬)とはどのような植物?

シャクヤク(芍薬)とはどのような植物?
ここでは、シャクヤク(芍薬)という植物について解説します。シャクヤクとシャクナゲそれぞれの特徴を押さえておけば、見分けるときに役に立ちます。また、シャクヤクの人気の品種についてもご紹介します。

シャクヤクは、冬に地上部が枯れて春にまた芽を出すボタン科の宿根草

シャクヤクはボタン科ボタン属の宿根草です。ボタン科の植物ですから、実は同じボタン科のボタン(牡丹)とも花姿や雰囲気が似ています。ボタンは低木ですがシャクヤクは宿根草ですから、冬には地上部が枯れてしまいます。地上部が枯れてしまっても、春にはまた芽を出して5月から6月にかけて美しい大輪の花を咲かせます。

シャクヤクの基本情報

シャクヤクの原産地は中国東北部からシベリアにかけてです。耐寒性が強い性質で涼しい気候の方が育てやすい植物です。5月から6月にかけて白色やピンク色など大輪の美しい花を咲かせます。シャクヤクは古来より美しい花として知られてより、「貌(かお)が佳(よ)い」という意味で貌佳草という別名があります。また、シャクヤクの花にはバラのような甘い香りにも特徴があります。
科・属名 ボタン科ボタン属
原産地 中国東北部~シベリア
開花時期 5月~6月
花の色 赤、ピンク、白、黄、薄紫
別名 貌佳草(かおよぐさ)

シャクヤクの人気品種

美しい大輪の花を咲かせるシャクヤクには、世界中で多くの品種がつくられています。ここでは、シャクヤクの人気品種として
  1. コーラルチャーム
  2. サラベルナール
  3. かぐや姫
  4. ソルベット
の4つの種類をご紹介します。 それでは、それぞれ見ていきましょう。

コーラルチャーム

コーラルチャームは、名前のとおりコーラルカラーの花色が最大の特徴です。オレンジみのあるピンクの大輪の花がなんとも上品な品種です。咲き方は半八重咲です。

サラベルナール

サラベルナールはヨーロッパで生まれた西洋シャクヤクの一種で、最大の特徴は花径20cm〜25cmにもなる巨大輪です。八重咲きの巨大輪でありながら、花びらが淡いピンク色をしているためエレガントな印象の品種です。

かぐや姫

かぐや姫もサラベルナールと同様に、花径20cmを超える巨大輪が特徴の品種です。八重咲きの品種ですが淡いピンク色の花びらは枚数が多くて重なっており、さながら十二単(じゅうにひとえ)のようです。

ソルベット

ソルベットの最大の特徴は、3段にわかれる花色にあります。ライトピンクの花びらの上にクリーム色の花びらがあり、さらにクリーム色の花びらの上にライトピンクの花びらをつけます。変わった品種ですが、花びらの色合いが優しく人気があります。

シャクナゲ(石楠花)とはどのような植物?

シャクナゲ(石楠花)とはどのような植物?
ここでは、シャクナゲ(石楠花)という植物について解説します。シャクヤクとシャクナゲそれぞれの特徴を押さえておけば、見分けるときに役に立ちます。また、シャクナゲの人気の品種についてもご紹介します。

シャクナゲは、ツツジ科の常緑性の低めの花木

シャクナゲは、ツツジ科ツツジ属の常緑樹です。樹高は50cmから5mほどですから、花木としては低めです。春には美しく豪華な花をたくさん咲かせるシャクナゲですが、低めの花木ですから美しい花々を間近に眺めることができます。白、赤、ピンク、パープルなど花色のバリエーションが豊富なこともシャクナゲの魅力のひとつです。

シャクナゲの基本情報

シャクナゲはヨーロッパやアジア、北アメリカなど広く分布しますが、もともとは高山に自生する植物です。そのため、耐寒性が強い一方で、暑さにはあまり強くありません。しかし、耐暑性の強い園芸品種も出回っており、シャクナゲは庭木として人気があります。シャクナゲは日本の高山でも自生しており、日本原産の品種もあります。
科・属名 ツツジ科ツツジ属
原産地 ヨーロッパ、アジア、北アメリカ
開花時期 3月〜6月
花の色 白、赤、ピンク、オレンジ、紫など
別名 石楠花

シャクナゲの人気品種

シャクナゲには多くの品種が存在します。ここでは、シャクナゲの人気品種として
  1. ツクシシャクナゲ
  2. アズマシャクナゲ
  3. ウェディングブーケ
  4. パープルスプレンダー
の4つの種類をご紹介します。 それでは、それぞれ見ていきましょう。

ツクシシャクナゲ

ツクシシャクナゲは日本原産の品種で、九州や四国、紀伊半島などに自生しています。低木ですが4mほどの大きさに育ちます。初夏に薄紅色のきれいな花をたくさん咲かせ、花の美しさで昔から人気があります。

アズマシャクナゲ

アズマシャクナゲもツクシシャクナゲと同様に日本原産の品種です。関東地方の山地に自生することからアズマの名を冠しています。紅色のきれいな花を咲かせますが、ツクシシャクナゲの花びらが7枚なのに対してアズマシャクナゲの花びらは5枚です。

ウエディングブーケ

結婚式で花嫁が手に持つ花束ウェディングブーケが名前になっている人気の品種です。淡いピンク色の花は次第に白みを帯びていきます。ラッパ状の花が集まって咲く姿はまさにウェディングブーケのような清楚な美しさがあります。暑さや病害虫に強く、庭木でも鉢植えでも育てやすい品種です。

パープルスプレンダー

紫色に輝くパーブルスプレンダーは、花色に特徴があります。名前のとおり美しい紫色の花びらに濃い紫色の斑点が入り、重厚で落ち着いた雰囲気の花姿が魅力の品種です。

シャクヤクとシャクナゲの違いは何?

シャクヤクとシャクナゲの違いは何?
ここでは、シャクヤクとシャクナゲの違いについて解説します。ここまで、シャクヤクとシャクナゲのそれぞれの特徴を解説してきましたが、それぞれの違いを整理して解説します。

植物としての分類が違う

花姿や背丈が似通っており間違えやすいシャクヤクとシャクナゲですが、実は植物としての分類が違います。シャクヤクは草本、シャクナゲは木本です。

シャクヤクは草本

シャクヤクはボタン科ボタン属の宿根草ですから「草本」です。草ですから冬になると地上部は枯れてしまいます。しかし、1年草ではないため、冬に地上部が枯れてしまっても春にはまた芽を出して5月から6月にかけて美しい大輪の花を咲かせます。

シャクナゲは木本

シャクナゲはツツジ科ツツジ属の常緑樹ですから「木本」です。木ですから冬になっても地上部が枯れてしまうことはありません。そして、シャクナゲは花木としては低めですが、年々育って5mほどの大きさまで育ちます

使用用途や取り入れた時の効果が違う

間違えやすいシャクヤクとシャクナゲですが、人体に取り入れた時の効果はまったく異なります。シャクヤクとシャクナゲでは使用用途が異なりますから、人体に取り入れるときには特に注意が必要です。

シャクヤクは薬効があり、漢方になる

シャクヤクには、様々な薬効があります。鎮痛、鎮静効果のほか、筋肉の緊張を和らげる、血管の働きを良くするなどの効果があるとされています。シャクヤクは漢字では「芍薬」と表記しますが、古くから薬効を知られており漢方でも用いられます。

シャクナゲには毒性があり、取り入れると危険

シャクナゲには毒性があり、人体に取り入れると危険です。シャクナゲには有毒成分のグラヤノトキシンが含まれています。有毒成分を摂取すると、嘔吐、下痢、血圧低下、めまい、けいれんなどの中毒症状を起こす可能性がありますから注意が必要です。セイヨウシャクナゲなどの園芸品種にも有毒成分が含まれていますから、誤って口に入れないようにしましょう。

シャクヤクとシャクナゲの見分け方

シャクヤクとシャクナゲの見分け方
ここでは、シャクヤクとシャクナゲの見分け方について解説します。シャクヤクとシャクナゲを見分けるときには
  1. 花姿で見分ける
  2. 開花時期で見分ける
  3. 植物の大きさ・色で見分ける
という3つのポイントを意識して見分けるとよいでしょう。開花時期が重なる時期もあるため、ひとつの見分け方だけではなく、複数の見分け方を組み合わせて見分けるのがおすすめです。

花姿で見分ける

シャクヤクとシャクナゲは花姿で見分けることができます。花だけを見るのではなく、少し引いて花姿全体を確認してみましょう。

シャクヤクはすっと伸びた茎に一輪の大輪が咲く

宿根草のシャクヤクは、すっと伸びた茎に一輪の大輪の花が咲きます。見分けるポイントは、
  1. 枝ではなく茎に花が咲く
  2. 一本の茎にひとつの花だけが咲く一輪咲き
の2つです。

シャクナゲは枝に複数の花が集まって咲く

シャクナゲは木ですから、枝に花が咲きます。枝に一輪だけ咲くのではなく、たくさんの花が集まって咲くのがシャクナゲの特徴です。

開花時期で見分ける

シャクヤクとシャクナゲは開花時期で見分けることもできます。ただし、5月から6月の期間は開花時期が重複しているため、5月から6月にかけては開花時期だけで見分けることは難しいです。

シャクヤクは5月から6月に開花する

シャクヤクの開花時期は、5月から6月にかけてです。ただし、シャクヤクが開花する5月から6月の時期はシャクナゲも開花する時期に当たりますから、5月から6月に開花しているからといってシャクヤクと判断することはできません。

シャクナゲは3月から6月に開花する

シャクナゲの開花時期は、3月から6月にかけてです。シャクヤクよりも早く3月から開花して、長い期間お花を楽しむことができます。シャクヤクとシャクナゲはともに春から初夏にかけて花を咲かせる植物ですが、3月から4月の期間に開花するのがシャクナゲ、3月から4月の期間は開花しないのがシャクヤクと見分けることができます。

植物の大きさ・色で見分ける

シャクヤクとシャクナゲは、植物の大きさや色で見分けることができます。宿根草のシャクヤクよりも木のシャクナゲの方が大きく育ちますが、シャクナゲが大きく育つまでは大きさだけでは見分けることはできません。大きさだけでなく、色などとあわせて見分けましょう。

シャクヤクは60㎝から120㎝で緑色の茎や葉が特徴

シャクヤクの草丈は、60cmから120cmです。シャクヤクは草ですから茎は木質化せず緑色のままです。葉っぱだけではなく茎も緑色をしていれば、シャクヤクと見分けることができます。

シャクナゲは50㎝から5mで茶色の幹や枝が特徴

シャクナゲの樹高は、50cmから5mです。シャクヤクの草丈は120cmほどの高さまでしか育ちませんから、120cmを超すような高さのものはシャクナゲと見分けることができます。大きく育っていないシャクナゲは樹高だけでシャクヤクと見分けることはできませんが、シャクナゲは草ではなく木ですから幹や枝があります。茶色の幹や枝でシャクナゲを見分けることができます

シャクヤクやシャクナゲはボタンにも似ている!

シャクヤクやシャクナゲはボタンにも似ている!
ここでは、シャクヤクやシャクナゲと似ているボタン(牡丹)について解説します。シャクヤクはボタン科の植物ですが、ボタンもボタン科の植物ですからシャクヤクとボタンはよく似た見た目をしています。

ボタンの大輪の美しい花姿もシャクヤクやシャクナゲに似ている

ボタンはシャクヤクやシャクナゲによく似た美しい花姿をしています。豪華な大輪の花を咲かせるため「百花の王」と呼ばれることもあります。

ボタンはボタン科の落葉低木で晩春に開花する

ボタンはシャクヤクと同じボタン科ボタン属の植物です。ボタンは木本植物、シャクヤクは草本植物という違いはありますが、同じボタン科の植物ですから花姿がよく似ています。ボタンは落葉低木ですからあまり大きくならず、樹高は100cmから150cmほどです。4月から5月にかけて開花しますが、ボタンには多くの品種があり白、赤、ピンク、オレンジなど花色が豊富です。

「立てば芍薬、座れば牡丹~」のことわざにもあるように牡丹は茎が花の重さに負け、座ったような姿

「立てば芍薬(シャクヤク)、座れば牡丹(ボタン)、歩く姿は百合の花」ということわざがあります。シャクヤクはスッとまっすぐに伸びた茎の先に一輪の花を咲かせる姿に由来しますが、ボタンは横に伸ばした枝に大輪の花をつける姿が花の重さに負けて座ったように見えます。シャクヤクもボタンもよく似た大輪の花を咲かせますが、それぞれの美しさがあります。

まとめ

ここまで、シャクヤク(芍薬)とシャクナゲ(石楠花)のそれぞれの特徴と違いから、シャクヤクとシャクナゲの見分け方、似ているボタン(牡丹)の特徴まで詳しく解説してきましたがいかがだったでしょうか。 この記事のポイントは、
  • シャクヤク(芍薬)とシャクナゲ(石楠花)は花姿や背丈が似通っているため間違えられやすいが、簡単に見分けることができる
  • シャクヤク(芍薬)は、冬に地上部が枯れて春にまた芽を出すボタン科の宿根草。美しい大輪の花を咲かせるシャクヤクの人気品種は、①コーラルチャーム、②サラベルナール、③かぐや姫、④ソルベット
  • シャクナゲ(石楠花)は、ツツジ科の常緑樹で花木として樹高は低め。庭木としても使われるシャクナゲの人気品種は、①ツクシシャクナゲ、②アズマシャクナゲ、③ウェディングブーケ、④パープルスプレンダー
  • シャクヤクとシャクナゲは植物としての分類が異なり、シャクヤクは草本植物、シャクナゲは木本植物。使用用途や人体に取り入れた時の効果も異なり、シャクヤクは薬効があり漢方に使われるが、シャクナゲは毒性があり人体に取り入れると危険
  • シャクヤクとシャクナゲの見分け方には、①花姿で見分ける方法、②開花時期で見分ける方法、③植物の色・大きさで見分ける方法がある
  • シャクヤクとシャクナゲはボタンとも似ている。ボタンはボタン科の落葉低木で4月から5月にかけて美しい大輪の花を咲かせる
でした。 言葉の響きだけではなく見た目もよく似ている「シャクヤク」と「シャクナゲ」。この記事で解説したとおり、シャクヤク(芍薬)とシャクナゲ(石楠花)のそれぞれの特徴を理解すれば、違いによって簡単に見分けられることがわかりましたね。今後はどちらがシャクヤクでどちらがシャクナゲか迷うこともなくなるのではないでしょうか。言葉の響きは似ていますがそれぞれの漢字での表記はまったく異なるため、どちらか迷った時には漢字を思い出してみるのもおすすめです。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。