目次
- 朝顔を水耕栽培(ハイドロカルチャー)で育てることはできる?
- ペットポトルを使って朝顔を水耕栽培する方法
- 朝顔を水耕栽培で育てるメリットとは
- 朝顔を水耕栽培で育てるデメリットと注意点
朝顔の水耕栽培(ハイドロカルチャー)とは
はじめに、朝顔の水耕栽培(ハイドロカルチャー)について解説します。日本の夏の代名詞とも言える「朝顔」は、水耕栽培で育てることはできるのでしょうか。朝顔の特徴
朝顔(アサガオ)はヒルガオ科サツマイモ属の1年草です。花を咲かせた後は種をつけて枯れるというサイクルを繰り返すため、毎年種から育てる必要があります。また、つるを長く伸ばすつる性植物ですから、支柱などに巻きつかせて育てる方法が一般的です。朝顔が咲く時期とは
「朝顔やつるべ取られてもらひ水」という俳句でも有名な朝顔は夏の代名詞とも言える植物です。ただし、朝顔の開花時期は意外と長く6月から10月まで。小学校で朝顔を栽培したことのある方は、夏休み前に咲き始めた朝顔が夏休み後もしばらく咲いていたことを覚えている方もいるのではないでしょうか。水耕栽培できる朝顔の品種
朝顔は水耕栽培で育てることができる植物です。しかし、すべての品種が水耕栽培に向いているわけではありません。西洋アサガオは日本アサガオに比べてツルがより伸びますから、水耕栽培で育てる場合には日本アサガオの品種から選ぶとよいでしょう。ツルがあまり伸びない「サンスマイル」や「つばめ朝顔」であれば、支柱なしでも育てられます。朝顔で水耕栽培(ハイドロカルチャー)は可能?
朝顔を水耕栽培(ハイドロカルチャー)で育てることは可能です。朝顔は初心者でも簡単に育てられる育てやすい植物ですから、鉢植えやプランターでの栽培と同様に水耕栽培でも育てることができます。水耕栽培(ハイドロカルチャー)と聞くと難しく感じる方がいるかもしれませんが、ペットボトルなど身近なものを使って簡単に朝顔を水耕栽培で育てることができますから、ぜひ朝顔の水耕栽培にチャレンジしてみてくださいね。【図解】ペットボトルを使った朝顔の水耕栽培のやり方
ここでは、ペットボトルを使った朝顔の水耕栽培のやり方について図解入りで解説します。馴染みがないため水耕栽培の植え方をイメージしにくいかもしれませんが、植え方も含めて丁寧にペットボトルでの育て方を解説しますからご安心ください。準備するもの
ペットボトルを使った朝顔の水耕栽培に必要なものは- 朝顔の種
- ペットボトル
- カッター
- スポンジ
- 水耕栽培用の液体肥料
- 支柱
1.ペットボトルの加工
ペットボトルを使った水耕栽培では、植木鉢の代わりにペットボトルを容器として使用します。ペットボトルを上部と下部を切り離して、上部をひっくり返して下部に差し込んで容器にします。 手順としては、- カッターを使用してペットボトルの上部と下部を切り離す。目安は上から8cmほどの位置
- ペットボトルのキャップを外す(キャップは使いません)
- ペットボトルの上の部分を上下ひっくり返して、下の部分に差し込む
2.スポンジや発泡スチロールで植え込み容器の準備と種まき
ペットボトルの容器が完成したら、次は種まきです。朝顔の種はペットボトルの飲み口にスポンジをセットして、スポンジに種をまきます。手順としては、ペットボトルとスポンジで植え込み容器を作ってから、スポンジに種まきします。スポンジで植え込み容器を作る
ペットボトルの飲み口にスポンジを差し込んで植え込み容器を作ります。なお、スポンジは台所用のものでもOKです。 植え込み容器を作る手順は、- スポンジを飲み口よりやや大きいサイズにカットする
- 種を差し込むために、スポンジに十字の切り込みを入れる
- カットしたスポンジをペットボトルの飲み口にはめ込む
植え込み容器に種まきをする
次に、植え込み容器に朝顔の種を蒔きます。 種まきの手順は- あらかじめスポンジに十分な水を含ませる
- スポンジの十字の切り込みに数粒の種を差し込む
- スポンジに吸水させるため、ペットボトル下部に飲み口が浸るくらいまで水を満たす
- 水を入れたペットボトルの下部に、逆さにしたペットボトルの上部をセットする
3.植え付けと養液の準備
朝顔の種が発芽したら、植え込み容器を日の当たる明るい場所に移動させて根が育つのを待ちます。根が飲み口から出るくらいまで育ったら、いよいよ植え付けを行います。ペットボトルに液体肥料を入れて養液を作る
朝顔の水耕栽培では水ではなく、液体肥料を入れた養液を土の代わりにして朝顔を育てます。ペットボトル(下部)に養液を入れますが、養液は水耕栽培用の液体肥料を水で薄めて作ります。どのくらいの量の水で薄めるのかは製品の説明書をよく読んで、規定の量で薄めることが大切です。肥料は多ければ多いほどよいというものではありませんから、製品ごとに決められた希釈濃度で養液を作りましょう。ペットボトルに植え込み容器を入れる
養液を作ってペットボトル(下部)を養液で満たしたら、ペットボトル(上部)の植え込み容器をセットします。これで植え付けまで終了です。4.植え込み容器の管理と手入れ
朝顔の植え付けが終わった後も、継続的な植え込み容器の管理と手入れが必要になります。日当たりの良い場所にペットボトルを置く
朝顔は日光を好む植物ですから、植え込み容器は日当たりの良い場所に置いて管理します。ただし、強すぎる日差しで枯れてしまうことがあるため、昼間の直射日光や夕方の西日には注意が必要です。適宜養液の水換えをする
水耕栽培では定期的な養液の水換えが必要です。1週間に1回を目安に養液をすべて新しいものに入れ換えましょう。養液を入れ換える時には、ペットボトルをよく洗うことがポイントです。なお、養液の水換えをせずに放っておくと、水が腐る、藻が発生するなどのトラブルが発生します。5.ツルの誘引や摘心
朝顔が成長するにつれて、ツルの誘引や摘心、花がら摘みが必要になります。朝顔の姿形を美しく整え、花つきを良くするためには、ツルの誘引や摘心、花がら摘みが欠かせません。支柱を立ててツルを誘引・剪定する
朝顔はつる性植物ですから、つるがよく伸びます。鉢植えや地植えと同じように支柱を立ててツルを誘引します。支柱はペットボトルに差し込むのではなく、ペットボトルの植え込み容器とは別に外側に支柱を組みます。水耕栽培では養液の水換えが必要ですから、水換え作業の邪魔にならないよう工夫して支柱を組みましょう。なお、支柱を必要としないツルが短い品種を選ぶのもおすすめです。また、伸びすぎたツルがあれば剪定を行います。剪定を行うことによって姿形が整うだけでなく、不要なツルに栄養を取られることもありません。摘心をする
花数を増やしたり、花姿を整えたりするために「摘心」は重要です。摘心とはツルをカットすることですが、摘心をすることによって脇芽(ツル)が分れて朝顔の花数が増え、ボリューム感のある花姿になります。本葉が5枚から6枚に増えた頃を目安につるの先端をカットしましょう。脇芽が伸びたら同じように脇芽の先端をカットします。花がらを取り除く
花がらはこまめに取り除きましょう。花がら摘みを行うことによって栄養が行き渡って花つきがよくなります。花が咲き終わった後そのまま放っておくと、種をつけるために栄養を取られてしまいます。ただし、種が必要な場合には、すべての花がらを摘んでしまってはいけません。開花時期の終わりに花がらを取り除かず残しておき、種ができるまで待ちましょう。朝顔の花の管理や植え替え
朝顔を大きく育てるためには、間引きや植え替えが必要になります。適宜間引きを行う
苗が混み合っていると生育に悪影響を及ぼします。苗が混み合っている場合には、丈夫な苗を選んで残してその他の苗は間引きします。間引きするタイミングは、本葉が出始める頃が適しています。なお、間引きした苗は別のペットボトルに植え付けて栽培することもできます。朝顔が育ってきたら植え替える
朝顔の水耕栽培には多くの養液が必要になります。最初は500mlのペットボトルで栽培しても、朝顔が大きく育ってきたらより大きなサイズのペットボトルに植え替えるようにします。土で栽培した方が大きく成長しますから、大きく育てたい場合には鉢植えに植え替えするのもおすすめです。朝顔を水耕栽培するメリット
ここでは、朝顔を水耕栽培するメリットについて解説します。朝顔を水耕栽培するメリットは- 家にあるもので気軽に始めることができる
- 鉢植えやプランターが不要
- 土の管理や毎日の水やりが不要
家にあるもので気軽に始めることができる
朝顔の水耕栽培に必要なものは、①朝顔の種、②ペットボトル、③カッター、④スポンジ、⑤水耕栽培用の液体肥料、⑥支柱だけです。朝顔の種や水耕栽培用の液体肥料を入手する必要はありますが、ほとんどのものは家にあるものです。ペットボトルやスポンジなど家にあるもので気軽に始めることができることが水耕栽培のメリットのひとつです。鉢植えやプランターが不要
水耕栽培では鉢植えやプランターは使いません。容器の底に穴が空いている必要がありませんから、さまざまな容器を使って朝顔の水耕栽培を行うことができます。水耕栽培には水量を把握するため透明な容器が適しており、手軽に入手できるペットボトルを使った水耕栽培がおすすめです。土の管理や毎日の水やりが不要
水耕栽培の最大のメリットが、日々のお世話の手間が省けることです。土を使いませんから衛生的で、さらに土の管理も必要ありません。キッチンやダイニングテーブルの周りなど衛生面が気になる場所でも水耕栽培なら朝顔を育てることができます。また、定期的な水換えは必要になりますが、毎日の水やりが必要ないのも嬉しいですね。水耕栽培での朝顔の育て方の注意点と欠点
ここでは、水耕栽培で朝顔を育てる上での注意点や欠点について解説します。メリットのたくさんある朝顔の水耕栽培ですが、水耕栽培にはデメリットや欠点もあります。水耕栽培という育て方のデメリットや欠点をよく理解して、注意すべきポイントを押さえて朝顔を育てましょう。病気になりやすい
水耕栽培で朝顔を育てる場合のデメリットのひとつが、病気になりやすいことです。室内で水耕栽培を行う場合には害虫による被害は受けにくいですが、カビを原因とした病気にかかることがあります。また、日照不足により徒長して病気にかかりやすくなることもあります。適切な植え方で植え替えをしなくてはいけない
鉢植えやプランターが不要な水耕栽培ですが、大きく成長するにつれて植え込み容器が小さくなりますから大きなサイズの容器に植え替えが必要になります。大きく成長しても植え替えせず、小さな容器で栽培し続けると元気に朝顔が育ちません。場合によっては、朝顔が枯れてしまうこともあります。養液管理が必須
朝顔の水耕栽培では毎日の水やりは不要ですが、養液管理は必須です。1週間に1回を目安に新しい養液に入れ換える必要があります。また、水換えに合わせて容器の洗浄も必要になります。水やりなど毎日のお世話は必要ありませんが、朝顔のお世話が一切不要になるわけではありません。まとめ
ここまで、ペットボトルを使って朝顔を水耕栽培する方法について詳しく解説するとともに、朝顔を水耕栽培で育てるメリットやデメリット・注意点などについて幅広く解説してきましたがいかがだったでしょうか。 この記事のポイントは、- 朝顔(アサガオ)はヒルガオ科サツマイモ属の1年草で、つる性植物のためツルを支柱に巻き付かせて育てる方法が一般的
- 初心者向きで育てやすい朝顔は、簡単に水耕栽培(ハイドロカルチャー)で育てることができる
- ペットポトルを使って朝顔を水耕栽培するには、①ペットボトルを加工、②スポンジなどで植え込み容器の準備をして種まき、③養液を準備して植え付け、④日当たりの良い場所で容器を管理し定期的に水換え、⑤成長したら支柱を立ててツルを誘引、摘心、花がら摘み、⑥間引きや植え替え といった手順で行う
- 朝顔を水耕栽培で育てるメリットは、①家にあるもので気軽に始めることができる、②鉢植えやプランターが不要、③土の管理や毎日の水やりが不要
- 朝顔を水耕栽培で育てるデメリットと注意点は、①病気になりやすい、②植え替えをしなくてはいけない、③養液管理が必要
でした。
小学生の授業に取り入れられていることからもわかるとおり、朝顔の栽培は初心者向きで簡単です。水耕栽培のやり方さえ知っていれば、鉢植えで育てる場合と同様に水耕栽培で朝顔を育てるのも簡単です。ペットボトルなど身近なもので気軽に朝顔の水耕栽培を始めることができますから、この記事を参考にして朝顔の水耕栽培に気軽にチャレンジしてみてください。水耕栽培は土を使いませんから、衛生面の気になるキッチンやダイニングテーブルの近くでも栽培できますよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。