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初夏の絶景スポットとして人気のラベンダー畑。フローラルな優しい香りが特徴のラベンダーは、鉢植えや庭植えでの栽培も人気があります。そして、ラベンダーを栽培する上での悩みのひとつが、茎が木の幹のようになってしまう「木質化」。育てているラベンダーの木質化を防ぐためには、どう対処すればよいのでしょうか。 この記事では、
- ラベンダーの木質化とは
- ラベンダーが木質化する原因
- ラベンダーの木質化を防ぐ方法
- 木質化したラベンダーの対処法
- ラベンダーを剪定した後の楽しみ
- ラベンダーのおすすめ品種
ラベンダーの木質化とは?
はじめに、ラベンダーの木質化について解説します。ラベンダーが木質化するとはどういうことなのでしょうか。木質化とは茎が木のようになってしまうこと
木質化とは、茎が木の幹のように茶色く固くなることです。ラベンダーの木質化は自然に起きるものですが、木質化によって生育に悪影響を及ぼすことがあります。枝や葉が生えなくなる
ラベンダーの茎が木質化することによって、木質化した部分から枝や葉が生えなくなることがあります。枝や葉が生えなくなることによって木質化した部分が露出するため、見た目も悪くなります。根元が枯れる原因にもなる
ラベンダーの茎は根元から上に向かって木質化が進みます。ラベンダーの根元が木質化することによって、根元が枯れる原因になることがあります。夏は乾燥した気候を好むラベンダーですから、夏の時期の蒸れには特に注意が必要です。そもそもラベンダーってどんな植物?ハーブの一種?
ラベンダーは地中海沿岸地域を原産とするシソ科の植物です。草花として扱われることの多いラベンダーですが、実は「草」ではなく「低木」です。原産地の地中海沿岸地域では夏は乾燥した気候になるため、ラベンダーは日本の高温多湿な夏が苦手です。乾燥した気候を好むラベンダーは特に梅雨時の蒸れを避けることがポイントです。 また、フローラルで爽やかな香りのラベンダーはアロマにもよく使われ、芳香ハーブとしても知られています。開花時期は4月から7月にかけてで、紫色、ピンク、白色のお花を咲かせます。ラベンダーが一面に開花する北海道のラベンダー畑は、夏の絶景スポットとして有名です。ラベンダーは代表的な品種「イングリッシュラベンダー」の他にも「フレンチラベンダー」「ラバンディン」など豊富な品種があります。フレンチラベンダーは、花穂がうさぎの耳のような形をしており写真映えします。ラベンダーが木質化する原因は?
ここでは、ラベンダーが木質化する原因について解説します。ラベンダーの木質化は自然に起こるものですが、日当たりが悪い場合や風通しが悪い場合にも木質化が起こることがあります。自然に起こるもの
ラベンダーはシソ科の低木です。「草」ではなく「木」ですから木質化は自然に起こるもので、木質化を避けることはできません。成長するにつれて茎が根元から上に向けて木質化することは自然なことですからトラブルではありません。しかし、梅雨の時期の蒸れなどによってストレスがかかり、ストレスによって木質化することがあります。ストレスによって木質化した場合には、木質化した部分から枝や葉が生えなくなる原因や根元が枯れる原因になりラベンダーの生育に悪影響を及ぼします。木質化によって見た目も悪くなり、写真写りもやや悪くなります。日当たりが悪い
ラベンダーは日当たりと風通しが良い場所で栽培することが基本です。日当たりが悪い場所で栽培すると、ラベンダーが木質化する原因になります。ラベンダーの栽培に適していない環境で育てることによって、ラベンダーに大きなストレスがかかり木質化が進行します。風通しが悪い
ラベンダーは過湿な環境が苦手です。風通しが悪い場所で管理するとラベンダーが蒸れやすく、木質化する原因になります。日本の夏は高温多湿な環境になるため、特に梅雨の時期の蒸れには注意が必要です。ラベンダーを木質化させない!防ぐ方法は?
ここでは、ラベンダーの木質化させないための方法について解説します。ラベンダーが木質化することを防ぐために、どんな方法があるのでしょうか。春や秋などの時期に剪定をする
ラベンダーの木質化を防ぐための方法は「剪定」です。春や秋などの剪定に適した時期にラベンダーの剪定を行うことによって、木質化を防ぐことができます。特に梅雨の時期にはラベンダーが蒸れて木質化しやすいため、梅雨の前に剪定を行って日当たりと風通しをよくしてあげることがおすすめです。夏は気温が高すぎるためNG
ラベンダーの木質化を防ぐために有効な「剪定」ですが、一年中どの時期に行ってもよいわけではありません。ラベンダーは暑さが苦手ですから、気温が高すぎる夏の時期に剪定を行うのは適していません。暑い夏の時期の剪定はラベンダーに大きな負担がかかるため、生育に悪影響を及ぼします。冬は生長が止まっているため不適切
冬の時期もラベンダーの剪定には適していません。冬はラベンダーの生長が止まっているため、剪定による大きなダメージから回復することが難しいです。ダメージの大きい冬の時期の剪定は避けましょう。木質化したら元に戻らない
ここまで、ラベンダーの木質化を未然に防ぐ方法について解説してきましたが、ラベンダーの木質化した部分を元に戻すことはできません。そのため、ラベンダーを木質化させないために、春や秋など適した時期に「剪定」を行うことが大切です。木質化するラベンダーを放っておくと、木質が進行してしまいます。ラベンダーが木質化した時の対処法は?
ここでは、ラベンダーが木質化した時の対処法について解説します。ラベンダーの木質化した部分は元に戻りませんが、木質化した後でもできることがあります。木質化を放置しない
ラベンダーが木質化した時の対処法として、まずは木質化を放置しないことが大切です。木質化した部分が元に戻らないことは事実ですが、ラベンダーの木質化を放置せずにしっかりと対処することがポイントです。木質化したラベンダーをそのまま放置すると、次第に木質化は進行していきます。切り戻しをする
ラベンダーの木質化を未然に防ぐためには「剪定」が有効ですが、木質化した時の対処法としては切り戻し剪定が基本です。木質化の進行を遅らせる
「切り戻し剪定」は脇芽の上の部分を切ることによって、脇芽から新しい茎を伸ばします。新しく伸びた茎はすぐに木質化することはありませんから、木質化の進行を遅らせることができます。清潔なハサミを使う
切り戻し剪定を行うときは、清潔なハサミを使うようにしましょう。ハサミが汚れている場合には、切り口から雑菌が侵入して病気などの原因になります。挿し木をする
ラベンダーが木質化した時の最後の手段が「挿し木」です。木質化が進行してしまった場合には「挿し木」によってラベンダーを復活させましょう。木質化が進行してしまった場合に行う
木質化がそれほど進んでいない場合には、「切り戻し」により木質化の進行を遅らせることが基本です。しかし、木質化が進行してしまった場合には「切り戻し」ではなく「挿し木」による対処が適しています。若い株を古い株の代わりに埋める
挿し木は木質化が進んでしまった古い株の代わりに、新しく若い株を育てるための方法です。ラベンダーは挿し木で簡単に育てることができるため、木質化した古い株をリセットして新しい株を育てる方法として適しています。「挿し木」はカットした茎を土に挿して管理して発根を促す方法ですが、挿し木の成功率は100%ではないため一本の茎ではなく多くの茎を埋めることがおすすめです。多くの茎を埋めることによって、全滅を避けることができます。植え替えをする
ラベンダーが木質化する原因として「日当たりが悪いこと」と「風通しが悪いこと」があります。ラベンダーが木質化した時には、植え替えによって栽培環境を整えることが有効です。植え替える時には、日当たりと風通しのよい場所に植え替えをします。タイミングに注意
ラベンダーの植え替えには適したタイミングがあります。ラベンダーの植え替えは4月から5月にかけて、または10月頃の時期が適しています。植え替えは一年中いつでもできる方法ではないため、タイミングに注意が必要です。手間と時間がかかる
ラベンダーの植え替えは剪定に比べて、時間と手間がかかります。植え替えにあたっては肥料を与えた方が生育が良くなるため、遅効性化成肥料を施すなどの手間も必要です。また、植え替えに適した時期を待つ必要があります。強剪定をする
ラベンダーが木質化した時の対処法として「強剪定」をする方法もあります。適切な方法で強剪定を行えば、切り戻し剪定よりも木質化の進行を大幅に遅らせることができます。切り戻しよりも思い切って刈り入れること
ラベンダーが木質化した時の対処としては「切り戻し剪定」が基本ですが、強剪定では切り戻しよりも思い切って刈り入れます。茎をより短く切り詰めることによって、木質化の進行を大幅に遅らせることができます。その分、ラベンダーには大きな負担がかかりますから、強剪定を行う時期には特に注意が必要です。新芽のギリギリを切る
木質化した部分をより短くするためには茎をなるべく短く切ることがポイントですが、新芽がなくなってしまっては新しい茎が伸びなくなります。ラベンダーの株に新芽が残るように、新芽の上のギリギリのところを切りましょう。剪定後のラベンダーの楽しみ方
ここでは、剪定後のラベンダーの楽しみ方について解説します。ラベンダーを剪定した後には、- ドライフラワー
- 押し花
- ポプリ
- 切り花
ドライフラワー
ラベンダーを長く楽しむなら、ドライフラワーがおすすめです。ドライフラワーに加工するためには手間がかかりますが、加工済みのドライフラワーなら美しいラベンダーの花と優しい香りを長く楽しむことができます。押し花
ラベンダーは押し花として楽しむこともできます。押し花をしおりに加工すると、世界にひとつだけのおしゃれなラベンダーのしおりが仕上がります。押し花に加工するためにはレポート用紙で挟んで重しを載せるだけでも十分です。レポート用紙でなくても身近にある紙を利用して気軽に押し花にチャレンジしてみましょう。ポプリ
ハーブとしても人気があり、香りが強いラベンダーはポプリにも向いています。ポプリに加工済みのラベンダーは素敵なインテリアになるだけでなく、ラベンダーの香りが漂う天然の芳香剤にもなります。切り花
剪定したラベンダーを気軽に楽しむなら、切り花がおすすめです。お花を花瓶に生けてお部屋に飾るだけで花のある暮らしが楽しめます。ラベンダーの切り花は良い香りが漂うのも魅力です。おすすめのラベンダーの品種
ここでは、おすすめのラベンダーの品種について解説します。おすすめするラベンダーの品種は、- モナ
- メルロー
- グロッソ
モナ
プレクトランサス「モナラベンダー」は、シックな濃紺色の美しい花を咲かせる園芸品種です。草丈は70cmほどですから、鉢植えで観葉植物としても楽しむことができる園芸品種です。落ち着いた雰囲気でインテリアとしても部屋に馴染むため、プレゼントとして贈るのもおすすめです。メルロー
メルローは斑入りの葉っぱも楽しめる品種です。ノコギリの刃のようにギザギザした形をした葉っぱには、外側にライムイエローの斑が入ります。ラベンダーは夏の高温多湿な環境を苦手としますが、メルローはラベンダーの中では暑さや多湿に強く育てやすい品種です。育てやすくておしゃれな品種ですから、プレゼントとしても適しています。グロッソ
庭植えにおすすめの品種がグロッソです。グロッソは草丈が1m以上になるため、庭に植えると存在感があります。ラベンダーの中では暑さや寒さにため育てやすいのも特徴です。また、香りが強い品種で、爽やかでありながら甘い香りが漂います。まとめ
ここまで、ラベンダーが木質化する原因と木質化を防ぐ方法から、木質化したラベンダーの対処法、剪定したラベンダーを利用して楽しむ方法、ラベンダーのおすすめの品種まで詳しく解説してきましたがいかがだったでしょうか。 この記事のポイントは、- ラベンダーの木質化とは茎が木のようになること。木質化した部分から茎や葉が生えなくなるだけでなく、根元が枯れる原因にもなる
- 草花として扱われるラベンダーは実は「低木」。成長するにつれて木質化することは自然なことであり避けられない。ただし、日当たりが悪いことや風通しが悪いことが原因で木質化することもあり、その場合は生育に悪影響を及ぼす
- ラベンダーの木質化を防ぐには、春や秋など適した時期に「剪定」を行うことが基本。暑い夏やほとんど生長を止める冬の時期は剪定に適していない。なお、一度木質化した部分は元には戻らないため、木質化させないことが大切
- 木質化したラベンダーはそのまま放置しないことがポイント。対処法としては、①切り戻し剪定、②挿し木、③植え替え、④強剪定などがある。切り戻し剪定が基本となるが、木質化が進んでいる場合には挿し木によって新しく若い株を育てることもできる
- ラベンダーを剪定した後に捨ててしまうのはもったいない。剪定したらラベンダーを再利用して、①ドライフラワー、②押し花、③ポプリ、④切り花として楽しむのがおすすめ
- ラベンダーのおすすめ品種は、①モナ、②メルロー、③グロッソ