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公園や花畑などで、紫色のきれいな花をたくさんつけてくれるラベンダー。一面に広がる光景は実に圧巻で、とてもきれいなものですよね。 そんなきれいな紫色の花を開花させてくれるラベンダーですが、一面にラベンダー畑を作ろうと植えてみたら、思っていたよりも巨大化してしまい、こんな感じになると思っていなかったと後悔した人も多いのではないでしょうか?
そこで、今回は
- ラベンダーってどんな花?
- ラベンダーが巨大化してしまう原因とは?
- ラベンダーが巨大化してしまった時の対処法や予防法は?
- ラベンダーが木質化してしまう原因って?
ラベンダーとはどんな花?
ラベンダーってどんな花なのか、イマイチよくわかっていない人も多いと思います。そこで、まず最初にラベンダーがどのような花なのか、紹介していきたいと思います。ラベンダーの基本情報
まず、ラベンダーの基本情報について紹介していきましょう。ラベンダーは鮮やかな紫色の花をつけ、香りもとてもいい匂いがするハーブです。色んな系統のラベンダーがありますが、開花時期は初夏である4月~7月ごろとなっています。育てる系統によっては、北海道のような寒い地域でも育てることができるものや、高温に強い品種があるなど、ラベンダーによって育てられる季節が違ったりします。 ちなみに、ラベンダーは常緑低木ですが、草花として扱われることが多い植物で、花壇の植え込みや公園など、一面に広がるように育てると、ラベンダー畑を作ることができます。同じような感じでガーデニングすると、きれいな畑になるかもしれません。ラベンダーの花言葉は「あなたを待っています」「沈黙」など
そんなラベンダーの花言葉には、「あなたを待っています」「沈黙」などの意味があります。「あなたを待っています」は、ヨーロッパに伝わる物語が由来となっており、「沈黙」はラベンダーの香りにはリラックス効果が期待できるため、怒りなどで高ぶっているときに匂いを嗅ぐと、落ち着くことができることからつけられたとされています。 また、ラベンダーには紫の花以外にも白やピンクなどの花もありますが、花の色で意味が変わることはありません。ラベンダーの品種によっては、違う花言葉があったりしますので、プレゼントなどに贈る際は、意味を調べてから贈るのがよいかもしれません。ラベンダーが巨大化する原因
では、どうしてラベンダーが巨大化してしまうのでしょうか?その巨大化になってしまう原因について紹介していきたいと思います。
剪定せずほったらかしにした
実はラベンダーは、剪定が必要な植物となっています。ラベンダーは木本性という性質があり、ラベンダーを長く育てていると木質化していき、巨大化になりやすいです。茎部分が木のようになっていき、木質化した場合は元に戻ることがないため、剪定をしてあげればそれを防ぐことができます。 選定を行う時期は、5月~6月ごろの春先か開花後の8月以降に行うのがおすすめ。また、2月~3月ごろには強剪定をすることがポイントです。剪定をすれば、きれいな形姿をキープすることができますし、巨大化して株が弱っていくことも防ぎ、きれいな花が咲きやすくなります。大きくなりやすい品種を育てている
ラベンダーが巨大化してしまったとき、もしかしたら大きくなりやすい品種を育ててしまっている場合があります。ラベンダーで巨大化しやすい品種についてみていきましょう。グロッソ
グロッソという品種は、ラバンディン系のラベンダーの香りと言えばこの品種、といわれるほど昔からハーブとして使用されてきました。耐寒性に優れた品種で、地域を問わずに育てられる品種となります。初心者でも育てやすいのですが、大株でとても巨大化しやすく、放置しておくと大変なことになるかもしれません。剪定してあげることで、風通しもよくなり、病気などもしにくくなり巨大化も予防できます。プロバンス
プロバンスブルーとも呼ばれるこちらの品種は、こちらもラバンディン系となっており、先ほど紹介したグロッソより遅咲きの品種となりますが、耐寒性・耐暑性に優れており、初心者の方でも育てやすい品種となっています。成長も早く、大株になりやすいため、巨大化しやすいです。こちらも剪定をしっかりとしてあげると、巨大化を防ぎやすくなるでしょう。インプレスパープル
インプレスパープルという品種は、同じくラバンディン系で、ラベンダーの中でも花穂がとても大きく、香りが強い品種となります。こちらも耐寒性と耐暑性に優れており、育てやすい品種となります。こちらも放置しておけば巨大化しやすくなり、病気などを引き起こしたりしますので、剪定はしっかりとしておくことをおすすめします。日当たりと風通しが悪い
ラベンダーは、日当たりがよく風通しの良い場所が好みの植物です。そのため、日当たりが悪かったりすると徒長しやすく、その結果巨大化してしまいます。また、風通しが悪いと病気や害虫を寄せやすくなり、植物が悪くなる原因となります。 地植えの場合は、日当たりが6時間以上ほど当たるくらいの場所に植え付け、鉢植えなどの場合は適宜日当たりの良い場所に移動させるなどしましょう。また、風通しを良くするために剪定を怠らないようにしましょう。風通しが良くなれば、病原虫も予防できます。水の過不足
ラベンダーの原産地は、地中海からアフリカ北部の乾燥した地帯で育ちます。そのため、乾燥している環境が好みですが、水やりをしすぎると、株が弱っていき逆に株が徒長して巨大化してしまう恐れがあります。また、ラベンダーは水はけの良い土壌を好みます。 そのため、水はけがよい場所に植え付けてあげ、水やりは基本的に土が乾燥してから上げるようにしましょう。屋外で育てているなら、雨水のみで十分なので水やりは必要なく、鉢植えなら土が乾燥してからたっぷりとあげるようにしましょう。 また、ラベンダーは寄せ植えに向いていない植物なので、他の花と一緒に寄せ植えをしてしまうと、あげた水をラベンダーが吸い取ってしまう恐れもあります。ガーデニングで栽培するときは注意してくださいね。肥料の与えすぎ
ラベンダーは、もともと成長が早い植物のため、肥料を与えすぎてしまうと徒長が進み、巨大化しやすくなります。肥料を与えるのは、成長が進む春ごろと、開花が終わった後にもう一度成長する秋ごろに、緩効性肥料を少量与えるくらいで十分です。病害虫の影響
病害虫には強いラベンダーですが、病害虫の影響で巨大化してしまうこともあります。どんな病害虫で大きくなってしまうのか、見ていきましょう。アブラムシ
4月から5月ごろにかけて、アブラムシの発生には注意しましょう。新芽や茎などについて、吸汁して株を弱らせてしまうため、巨大化しやすくなる原因となります。見つけたらつぶすか、殺虫剤をかけて対処するようにしましょう。ハダニ
アブラムシと同じ時期に、ハダニが発生することもあります。こちらも葉っぱの裏などに発生して吸汁し、株を弱らせて巨大化してしまう可能性があります。見つけたら殺虫剤などで対処する必要があります。うどんこ病
葉っぱに白い粉のようなものが付くうどんこ病も、巨大化を引き起こす原因となります。葉っぱの光合成を妨げてしまい、株が弱る原因となります。多湿の環境が嫌いなラベンダーは、風通しが悪いと、うどんこ病を引き起こしやすくなるため、剪定をして風通しをよくしてあげましょう。また、うどんこ病は周りの園芸植物に影響も与えてしまうため、薬剤を撒いておくと予防になります。葉っぱだけ育ってしまう原因にも
また、上記で説明した原因が重なってしまうと、花が付かなくなり逆に葉っぱだけ大きく育ってしまう原因となりえます。なるべく上記で説明した栽培方法にならないよう、改善できるのであれば改善し、対処できる部分は対処しておくと、巨大化し葉っぱだけのラベンダーになりにくくなるでしょう。ラベンダーの巨大化を防ぐ方法
では、ラベンダーの巨大化を防ぐには、どのような方法を取ればよいのでしょうか。紹介していきたいと思います。適切に剪定を行う
まず、風通しが悪いのを防ぐために適切な剪定を行いましょう。その方法を紹介します。剪定の時期は開花後と春先!
ラベンダーの剪定の適期は、開花後と春先に行うのが良いでしょう。梅雨時期に入る前に、開花した後の花を剪定しておくことで、巨大化を防ぎやすくなります。開花後の剪定は花つきを良くする
また、開花後の8月ごろに剪定することで、花つきをよくする効果も期待できます。品種によっては、秋にもう一度花を楽しむことができるかもしれません。春先の剪定は全体をすいて風通しを良くする
開花する前の春先に剪定するときは、全体をすくように剪定しましょう。風通しが良くなり、病害虫を予防することに繋がります。また、全体のボリュームも見た目もよくなってくれるでしょう。新芽の位置によってどこを切るかを変える
剪定すると言っても、新芽を切ってしまえば、花が咲くことができなくなるため、切る場所は新芽の位置で変えるようにしましょう。剪定する場所は、花茎の下、新芽ができはじめている少し上で切るようにしましょう。適切な株間で植える
ラベンダーはとても根っこが詰まりやすい植物です。そのため、株間が狭い状態で植え付けてしまうと、根っこが詰まってしまい巨大化しやすくなります。 地植えで育てる場合は、品種によりますが株間の間を50~60cmほどあけて植え付けましょう。鉢植えの場合は、鉢の大きさで株数を調整して栽培するようにしてあげましょう。適切な日当たりと水やり
ラベンダーは適切な日当たりと水やりが必要です。日当たりが悪いと徒長しやすくなったり、水やりをしすぎると根腐れを起こし、巨大化しやすくなります。日当たりは6時間以上当たる場所に植え付け、水やりは土が乾燥しきってからたっぷりとあげるようにしましょう。 地植えで育てている場合は、とても暑い日を除いて、雨水だけで十分なので、水やりの必要はありませんよ。肥料を控える
ラベンダーは肥料を与えすぎると徒長し、巨大化しやすくなります。肥料は開花前の春と、開花後の秋に、緩効性肥料を少量与えるだけで十分です。もし植え替えをするのであれば、大きくなりにくい品種を選ぶ
また、大きくなりにくい品種を選ぶのもよいかもしれません。大きくなりにくい品種を紹介します。ヒドコート
イングリッシュラベンダーとも呼ばれるヒドコートは、草丈が40cm~50cmほどの大きさにしかならず、大きくなりにくい品種となります。ですが、濃紫色の小さな花をたくさんつけてくれて、育てやすいラベンダーとなっています。耐暑性は弱く、寒冷地向けで育てる植物となります。マンステッド
同じイングリッシュラベンダーとして知られるマンステッドは、草丈が30~60cmほどの大きさにしかならない植物です。開花すれば、きれいな紫色の花をつける植物で、香りもよく乾燥しても色が色あせないため、ドライフラワーにも最適な品種です。小さく育つため、鉢植えでも楽しむことがしやすいでしょう。リトルレディ
リトルレディは、上記で紹介した2つよりも葉っぱや茎などが細く、花も小さめの品種となります。ただ、茎や花穂の数はとても多く、香りもよいため育てると癒されることでしょう。耐寒性・耐暑性も強いため、育てやすいラベンダーと言えます。ラベンダーが巨大化した時の対処法
では、ラベンダーが巨大化してしまった時の対処法について紹介していきたいと思います。対処をしておけば、巨大化を予防することにも繋がりますので、参考にしてみてください。強剪定をする
剪定をすることは大事ですが、その中でも強剪定をしてあげることも巨大化してしまった時の対処法となります。強剪定を行うときのポイントを説明していきましょう。2月〜3月に行う
強剪定を行う時期は、品種によって違ったりしますが、2月~3月ごろに行うのが良いでしょう。強剪定をせず、放置してしまうと切り戻しなどができなくなり、たとえ無理に強剪定しても新芽が出ない可能性があります。定植して2~3年経っているラベンダーは、その時点で強剪定を行ってあげ、その後は毎年強剪定を行ってあげるようにしましょう。暑い地域で育てている場合は毎年、寒冷地で育てている場合は隔年くらいの頻度で強剪定を行いましょう。新芽のギリギリ上の部分を切る
強剪定をするときは、新芽のギリギリ上の部分を切り戻しするようにしてください。新芽や小さな芽が出ている部分まで切り落としてしまうと、新芽が出てこなくなり、枯れてしまう恐れがあります。まず土に近い枝を剪定し、次に古い枝や太い枝を剪定して、最後にざっくりと小さい芽があるギリギリの枝を剪定すると、きれいな剪定ができるかと思います。気になる人は、最後に形を整えてあげるとよいでしょう。殺虫剤などで病害虫対策をする
ラベンダーは病気に強い植物とはいえ、かからないわけではありません。対策として、殺虫剤などの薬剤を散布しておいて、病害虫対策をしておきましょう。病害虫によって株が弱り、巨大化することを予防できます。 ただし、薬剤を散布する際は、ラベルに書いてある用量をしっかり守り、ペットや小さいお子さんがいない場所で撒くようにしましょう。また、撒きすぎは逆に薬剤に耐性のある害虫を引き寄せる可能性もあるため、注意してください。周りの園芸にも気を付けて散布しましょう。ラベンダーの木質化について
さて、ラベンダーには木本性という木質化する性質があります。どうしてラベンダーは木質化するのでしょうか?その原因と対処法について説明していきたいと思います。ラベンダーの木質化の原因は自然現象
ラベンダーが木質化する原因は、自然現象で起こります。ラベンダーは低木という種類に属した植物であり、植えてから数年経つと株元が固くなっていき、木質化していきます。ラベンダーが木質化したら剪定をしよう!
ラベンダーが木質化した時点で、剪定を行いましょう。木質化した部分は元に戻ることはないため、新芽を出すために剪定を行ってあげるのが良いでしょう。剪定した部分に薬剤を撒いておくと、病原虫の予防になるため、忘れないように散布しておきましょう。剪定した枝で挿し木に挑戦しよう!
木質化した枝を剪定したら、その剪定した枝で挿し木をしてみましょう。ラベンダーが発根する温度が15~20℃ですので、挿し木をするときは、春の4月~5月もしくは9月~10月ごろが最適な時期です。また、生育するときは、無菌の土を用意するようにしてください。菌が入った土を使うと、切り口から菌が入り、苗が弱ったり病気になったりするためです。また、ラベンダーの発根率を上げたいのなら、発根促進剤を使用するのもよいでしょう。 ポットなどで挿し木したラベンダーは、水やりをして、明るい日陰において育ててあげましょう。土が乾かないように、表面の土が乾いたら水やりをしてあげましょう。うまくいけば1か月ほどで発根し、新しい芽を出し始めてくれます。梅雨明けか秋口ころの気温が落ち着いた時期に、ポットからプランターや地植えに植え替えをしてあげましょう。まとめ
今回は、ラベンダーが巨大化してしまう原因と対処法について紹介してきました。 今回の内容として- ラベンダーは低木に属するハーブであるが、草花として紹介されている
- ラベンダーが巨大化してしまうのは、主に剪定や大きくなる品種などが原因である
- ラベンダーが巨大化してしまった時は強剪定を行うようにしましょう
- ラベンダーが木質化してしまうのは自然現象で、植えてから数年経つと木質化してくるため、強剪定をしたり、剪定した枝で挿し木をして新しいラベンダーを植えるようにする
以上のことが分かっていただけたのではないでしょうか。 花壇一面にラベンダーが広がっていると美しい景色となりますが、しっかりと剪定を行っていないと巨大化してしまうこともあります。 しっかりと管理し、巨大化を防ぐようにしてみてくださいね!
最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。