目次
- プルメリアの基本情報
- プルメリアは適した時期に剪定を行うことが必要
- 目的に合わせてプルメリアを剪定しよう
- プルメリアの剪定にあたって注意すべきポイント
- 剪定した枝を再利用して挿し木に挑戦してみよう
- プルメリアの栽培で注意が必要な病気と害虫
プルメリアはどんな植物なの?
はじめに、プルメリアという植物の基本情報について解説します。ハワイのレイにも使われる可愛らしい花が特徴のプルメリアとはどんな特徴を持った植物なのでしょうか。アメリカ原産の熱帯植物
プルメリアはアメリカ原産の熱帯植物です。日本では鉢植えで栽培されることが多い植物ですが、本来は10メートルほどの高さまで育つ花木です。寒さが苦手ですから屋外での冬越しは難しく、気温が低下する冬の時期には暖かい室内に取り込んで管理することが基本です。また、乾燥に強い一方で、過湿には弱いためお水を与え過ぎると根腐れなどのトラブルの原因になります。葉っぱは輪状で厚く光沢がある
プルメリアは葉っぱの生え方に特徴があり、茎の先端に輪状に集まって生えます。葉っぱには厚みがあり、つやつやと光沢があります。周年開花性のある植物ですが、自生地よりも気温の低い日本では6月から10月頃まで花が咲きます。プルメリアの種類は豊富
プルメリアは100種類以上あり、種類が豊富です。プルメリアの花色といえば白や黄色を連想しますが、ピンクや赤など色のバリエーションが多くあります。また、プルメリアは香りも魅力のひとつですが、南国ムード溢れる甘い香りのほかにも柑橘系の爽やかな香りの品種など香りにもバリエーションがあって楽しめます。プルメリアの剪定が必要な理由と適した時期はいつ?
ここでは、プルメリアの剪定が必要な理由と剪定に適した時期について解説します。プルメリアを剪定せずに放置してはいけないのはなぜでしょうか。また、プルメリアの剪定に適した時期はいつ頃なのでしょうか。プルメリアは育ちすぎて大きくなりやすい
プルメリアは自生地では樹高が10メートルほどに育つ花木ですから、育ちすぎて大きくなりやすい性質があります。つまり、プルメリアを剪定せずに放置すると管理が難しくなるほど大きく育ち過ぎてしまいます。寒さが苦手なプルメリアは気温が下がる時期には、暖かい室内に取り込んで管理する必要があります。寒い時期には室内でコンパクトな樹形にして管理するためにも剪定は欠かせません。また、生育期に肥料を与えることによって花つきが良くなりますが、肥料によってプルメリアの成長が促される側面もあります。9から10月ごろと春先が剪定に最適!
プルメリアの剪定に適している時期は9月から10月頃です。寒さが苦手なプルメリアは冬に向けて気温が低下する前に暖かい室内に取り込む必要があります。室内でコンパクトな樹形にして管理するためにも、9月から10月頃が剪定に最適です。また、冬ごしを終えた春先の時期もプルメリアの剪定に適しています。冬の間に枯れた枝や徒長した枝などは春先に剪定するとよいでしょう。目的に合わせた剪定の仕方
ここでは、目的に合わせたプルメリアの剪定の仕方について解説します。剪定の目的には主に- 形を整える剪定
- 冬越しで室内に取り込むための小さくする剪定
- 花が咲いた後の剪定
剪定に必要なもの
プルメリアの剪定に必要なものは、剪定ハサミと軍手などの手袋だけです。プルメリアの樹液には毒性がありますから、剪定作業には樹液対策が必要になります。また、できれば癒合剤も用意しましょう。剪定によって生じた切り口に癒合剤を塗ることによって、切り口から雑菌等が侵入するのをしっかりと防ぐことができます。剪定ハサミ
剪定には切るための刃物が必要になりますが、専用の剪定ハサミがおすすめです。剪定ハサミは切れ味が鋭いため、切断面を押しつぶさずにスパッと切断することができます。なお、切り口から雑菌などが侵入することを防ぐため、清潔な剪定ハサミを使いましょう。軍手などの手袋
プルメリアの樹液には毒性がありますから、剪定作業中に樹液が皮膚などに触れないように軍手などの手袋を用意します。形を整える剪定
プルメリアは観葉植物ですから見た目も大切です。伸びすぎて全体のバランスが悪くなった枝葉や混み合った枝、先端が枯れた枝、重なり合った葉っぱなどは見栄えが悪いだけでなく、日当たりや風通しが悪くなり病虫害の原因にもなります。定期的に剪定を行って形を整えることによって見た目が良くなるだけでなく、日当たりや風通しが良くなるため病害虫の予防にも繋がります。花芽ごと枝をカットすると花が咲かなくなりますから、花芽のついた枝をカットしないよう気をつけましょう。冬越しで室内に取り込むための小さくする剪定
熱帯植物のプルメリアは寒さが苦手ですから屋外での冬越しは難しく、冬は暖かい室内に取り込んで管理することが基本です。室内では日当たりの良い窓際などで管理しますが、窓際などに十分なスペースがなく大きく育ちすぎたプルメリアを室内へそのまま移動することは難しいケースがあります。冬越しのために室内に取り込む前には、室内で管理しやすいようにコンパクトにするための剪定が必要になります。コンパクトな樹形にするための剪定方法は「切り戻し剪定」が基本です。株元から30cm〜50cmほどの位置をばっさりと剪定しても大丈夫です。花が咲いた後の剪定
プルメリアは、花が咲いた後の剪定も大切です。プルメリアは花を咲かせた後も新しい枝を伸ばします。数本の新しい枝が出てきたら、1本から2本の枝を残して残りの枝を剪定します。枝が大きく成長する前に剪定を行うことによって、プルメリアへのダメージを軽減させることができます。プルメリアの剪定の注意点
ここでは、プルメリアの剪定の注意点について解説します。プルメリアの剪定にあたって注意するポイントは- 剪定しすぎて花が咲かなくなる
- プルメリアの樹液に触らない
- どこを切るかの位置や場所に注意する
- 切り口に癒合剤を塗る
- 剪定方法がわからなければ動画を調べる
剪定しすぎて花が咲かなくなる
プルメリアの剪定でよくある失敗が「剪定のしすぎ」です。「花が咲かないのはなぜ?」という質問はよくある質問ですが、剪定のしすぎも花が咲かなくなる理由のひとつです。プルメリアは定期的な剪定が必要な植物ですが、剪定しすぎると翌年花が咲かなくなるなどのトラブルが発生する可能性があります。強い剪定が植物に大きな負担をかけることを意識して、剪定しすぎによってプルメリアにすぐに回復できないほどの大きなダメージを与えないよう注意しましょう。プルメリアの樹液に触らない
プルメリアの樹液には毒性があります。触れるとかぶれるなどのトラブルの原因になりますから、剪定作業中にプルメリアの樹液に触らないよう樹液対策をしっかりと行いましょう。軍手などの手袋を着用して剪定作業を行うことはもちろん、樹液が飛び散って皮膚に触れたり目や口に入らないよう細心の注意が必要です。どこを切るかの位置や場所に注意する
剪定にあたっては、剪定の目的に合った位置や場所を選んで剪定しましょう。剪定の目的には①形を整えるための剪定、②冬越しで室内に取り込むための小さくする剪定、③花が咲いた後の剪定などがありますが、目的によって切る位置や場所が変わります。また、剪定しすぎて翌年花が咲かなくなることもありますから「剪定しすぎ」にも注意が必要です。切り口に癒合剤を塗る
剪定作業では清潔なハサミを使用して切り口から雑菌などが侵入することを防ぎます。しかし、剪定したばかりの切り口は雑菌などが侵入しやすい場所です。清潔なハサミを使用するだけでなく、剪定した切り口に癒合剤を塗ることによってしっかりと雑菌などの侵入を防ぐことができます。剪定方法がよくわからなければ動画を調べる
ここまで、目的に応じた剪定方法について詳しく解説してきました。しかし、中には剪定方法が具体的にイメージできないという方もいらっしゃることでしょう。そんな場合には、無料で公開されている動画を調べれば大丈夫です。インターネット上ではYouTubeなどでプルメリアの剪定方法を解説する動画がたくさん公開されていますから、時間のある方は動画を確認してみてはいかがでしょうか。剪定した枝を挿し木に使ってみよう!
ここでは、剪定した枝を挿し木に使う方法について解説します。剪定した枝をそのまま捨ててしまうのはもったいないですから、剪定した枝を再利用して「挿し木」でプルメリアを増やしてみてはいかがでしょうか。最適な時期は春から夏の成長期が最適
プルメリアは「挿し木」で増やすことができますが、いつの時期でもよいわけではありません。プルメリアの挿し木に最も適した時期は春から夏にかけての成長期です。プルメリアの剪定には9月から10月又は春先の時期が適していますが、秋の時期は挿し木にはあまり適していません。プルメリアを挿し木で増やしたい場合には、春から夏の成長期に行いましょう。挿し木に用意するもの
プルメリアの「挿し木」に必要なものは、よく切れるハサミと樹液を拭き取る布や紙ナプキンです。よく切れるハサミ
よく切れるハサミを用意しましょう。専用の剪定ハサミがおすすめです。なお、切り口から雑菌などが侵入するのを防ぐため、清潔なハサミを使用しましょう。樹液を拭き取る布や紙ナプキン
プルメリアの挿し木にあたっては、樹液対策が必要です。枝や葉っぱを切ると毒性のある白い樹液が出ますから、樹液が出たらすぐに拭えるように樹液を拭き取る布や紙ナプキンを用意しましょう。挿し木の方法
プルメリアの挿し木は簡単な手順で行うことができます。手順は、- 葉っぱのついた枝を15cm〜20cmほどの長さで切る(剪定した枝でOK)
- 枝の先端の葉っぱ2〜3枚を残して残りの葉っぱは切り落とす
- 枝の切り口を一晩水につける
- 挿し木用の土に穴を開けてから、枝の先を穴に挿して土をかぶせる
- 土が乾かないよう明るい日陰で管理して発根を待つ
プルメリアの注意したい病気と害虫
ここでは、プルメリアの注意したい病気と害虫について解説します。プルメリアの栽培で注意したいのは- さび病
- カイガラムシ
- アブラムシ
- ハダニ
さび病
プルメリアの葉っぱに茶褐色の斑点を発見したら、さび病を疑います。さび病はカビが原因の病気ですから多湿な環境で発生します。乾燥した環境を好むプルメリアは多湿な環境が苦手です。多湿な環境でプルメリアを栽培するとさび病だけでなく根腐れなどのトラブルの原因になります。日当たりと風通しのよい環境で管理するとともに、お水のやりすぎに注意することで、さび病や根腐れなどのトラブルを避けることができます。カイガラムシ
プルメリアは、カイガラムシの虫害を受けることがあります。カイガラムシは葉っぱから吸汁し、被害が広がると枯れてしまうこともあります。葉っぱの上に白っぽい貝殻のようなものを発見したらカイガラムシですから、被害が広がる前に見つけ次第速やかに駆除しましょう。アブラムシ
プルメリアは、アブラムシの虫害を受けることがあります。アブラムシは葉っぱや茎などから吸汁し、プルメリアの生育に悪影響を及ぼします。被害が広がる前に速やかに駆除することが基本ですが、剪定によって風通しを良くすることが虫害の予防に繋がります。ハダニ
プルメリアはハダニの被害を受けることがあります。ハダニの被害が広がると葉っぱが白っぽくなり枯れていきます。ハダニは葉っぱが乾燥した状態を好むため、ハダニの予防には葉水が効果的です。葉っぱの表側だけでなく、葉っぱの裏側にもしっかりと水を吹きつけましょう。まとめ
ここまで、プルメリアを目的に合わせて剪定する方法や剪定に適した時期だけでなく、剪定にあたって注意すべきポイントや剪定した枝を再利用して挿し木で増やす方法など幅広く解説してきましたがいかがだったでしょうか。 この記事のポイントは、- プルメリアはアメリカ原産の熱帯植物で、厚く光沢がある葉っぱを枝の先に輪状に集まってつける。プルメリアは100種類以上あり、花色や花の香りのバリエーションが豊富
- プルメリアは樹高10メートルほどに育つ花木であり、育ちすぎて大きくなりやすいため剪定が必要。9月から10月ごろと春先が剪定に最適
- プルメリアの剪定には、①形を整える剪定、②冬越しで室内に取り込むための小さくする剪定、③花が咲いた後の剪定など目的に合わせた剪定の方法がある
- 剪定に必要なものは剪定ハサミのほか、毒性のある樹液対策として軍手などの手袋が必要
- ブルメリアの剪定の注意点は、①剪定しすぎて花が咲かなくなる、②プルメリアの樹液に触らない、③どこを切るかの位置や場所に注意する、④切り口に癒合剤を塗る、⑤剪定方法がよくわからなければ動画を調べる
- 剪定した枝を再利用してプルメリアを「挿し木」で増やすことができる。挿し木に適した時期は春から夏の成長期で、よく切れるハサミと樹液を拭き取る布や紙ナプキンを用意すれば、挿し木の手順は簡単
- プルメリアの注意したい病気と害虫は、①さび病、②カイガラムシ、③アブラムシ、④ハダニ。いずれも風通しの良い場所で管理することが病虫害の予防につながる
でした。 甘い香りと可愛らしい花が魅力のプルメリアですが、10メートルほどの高さに育つ花木ですから剪定をせずに放っておくと大きく育ちすぎます。寒さが苦手なプルメリアは気温が低下する時期には暖かい室内に取り込む必要がありますから、この記事で紹介した目的に合わせた剪定方法によって、適した時期に適した方法で剪定を行ってみてください。なお、プルメリアの白い樹液には毒性がありますから、剪定作業を行うにあたっては手袋の着用などしっかりと樹液対策をした上で行ってくださいね。
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