インテリア性が高いだけでなく、初心者でも育てやすいと人気の「パキラ」。掌を広げたような葉や三つ編み様の幹が特徴的な観葉植物です。そんなパキラですが、茎や葉が伸びて形が崩れてしまい剪定した、もしくはこれから剪定しようと思っているという方も多いのではないのでしょうか。 しかし、いざ剪定するとなると剪定後の育て方の違いや手入れのコツについて、どうしたらいいんだろう?と気になりますよね。 そこでこちらの記事では、
- パキラの剪定に適した時期
- 剪定後の置き場所や注意点
- 剪定後の水やりや肥料の与え方
- ハイドロカルチャーへの植え替え(応用)
などについて詳しく紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
関連記事:パキラの育て方|枯らさないお手入れ方法や栽培方法のコツを紹介
パキラを剪定した後はどうするのか
まずはじめに、剪定した後のパキラの成長過程や基本のお世話について確認していきましょう。
成長期の剪定で新しく芽が出てくる
パキラは生命力が強いため、
成長期の日当たりの良い環境であれば数日で新芽を出します。丸坊主にして樹形を整える剪定方法もあるくらいなので、時期さえ適切なら何も気にせず
いらない部分はカットして大丈夫なパキラですが、より早く新芽を出したいときには茎の成長点の少し上をカットするのが剪定のコツです。
剪定後はどうやって世話したらいいの?
新芽が早く出るように、日光に当ててあげましょう。ただ、8月などの真夏の直射日光は
葉焼けを起こすこともありますので避けたほうが良いです。 もし、切った断面からの病気への感染が心配な際には、断面を保護する癒合剤(ゆごうざい)を塗るのもおすすめです。
そもそもパキラの剪定は暖かい時期に行う
元々熱帯で育つパキラ。その剪定に適した時期は、同じように暖かい時期に行うのが基本といわれています。では、暖かい時期とは具体的にいつがいいのか見ていきましょう。
パキラの成長期にあわせて剪定を行うのが一般的
パキラの成長期は初夏~秋ですので、
その直前の5月~6月頃に剪定して形を整えていくのが効率的です。成長期には新芽が早く伸びてくるため、剪定後の形が早く整います。また
成長期はパキラも元気な時期なので、負担が少なく回復に時間のかからない時期でもあります。 5月〜6月以外でも剪定は可能ですが、成長期は秋までですのでそれまでに剪定しましょう。
冬に剪定すると、パキラに大きな負担がかかる
冬の寒い時期はパキラが休眠期に入る時期です。この時期はパキラの生育が緩慢になるので、剪定は株への
負担が大きい作業であるため、避けたほうがいい時期とされています。成長期と比較すると、剪定後からの回復に時間も負担もかかります。 特に、気温が低くなりやすい11月以降は剪定を控えるようにしましょう。
パキラの剪定後の育て方【置き場所】
剪定後のパキラの置き場所について、適切な環境はどういった場所か見ていきましょう。
風通しが良い場所を選ぶ!
剪定後に限らずですが、パキラは
風通しのいい環境で管理してあげましょう。風通しの悪い環境だと、病気や害虫が発生しやすくなります。特に剪定は株に負担のかかる作業ですので、普段より病気にかかりやすくなっています。剪定後の環境は特に注意してあげましょう。
窓際など空気の循環しやすい場所がおすすめです。
日当たりのよさも忘れずに!
新芽が出やすいように、日当たりのいい環境にパキラを置いてあげましょう。日光はパキラの成長を促すために、とても重要です。注意したいのは葉焼けが起きないように真夏の直射日光は避けて管理する必要があります。
日当たりのいい窓際やテーブルの上などがおすすめです。
パキラの剪定後の育て方【水やり】
剪定後の水やりに違いはあるのでしょうか。パキラの剪定後の水やり方法について、詳しくみていきましょう。
剪定後のパキラはたくさんの水を吸えない
パキラの剪定後の水やりで失敗しがちなのは水のやりすぎです。剪定で葉や茎が取り除かれると、その分パキラが必要とする水分も少なくなります。特に丸坊主などの強剪定を行うとパキラの株の水分消費も大幅に減るため、今まで通り水を与えると水を吸いきることができずに過剰になってしまいます。
鉢土の状態を見ながら適切に水やりをしてあげましょう。
水やりのタイミングは土が乾いてから
水やりの適切なタイミングは、鉢土の表面が乾いたタイミングです。鉢土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりをしてあげましょう。この時、受け皿に水がたまったままだと根腐れの原因になりますので、受け皿の水は忘れずに捨てます。
剪定前とは水を吸い上げるスピードが変わってきているので、剪定後の株にあった水やりのタイミングをつかんであげてください。
パキラの剪定後の育て方【肥料】
パキラの剪定後の手入れでは、肥料についてもどうすべきなのか気になりますよね。ここでは肥料の与え方や注意点について確認していきましょう。
剪定直後は肥料を与えるのは控える
剪定直後は株に負担がかかっている状態です。そう聞くと肥料をあげたほうがいいと思ってしまいがちですが、
2~3週間ほどは肥料は与えないようにしてください。 土の中の肥料の濃度が高過ぎるのも、根への負担となってしまうためです。
剪定後の植物は繊細な状態ですので刺激が強すぎる肥料は控えましょう。
2~3週間したら使う肥料の扱い方
2~3週間して新芽が生え、パキラの状態が安定したら肥料を使ってあげてください。パキラの生育に使用する肥料には、主に固形と液体の2種類があります。
固形肥料を使う場合
固形肥料は、手間が少なく安定した効果が2か月続くので管理が
簡単にできます。製品表示に従ってですが、大体2か月に1回程度肥料を与えます。
液体肥料を使う場合
液体肥料は、即効性が高いのが特徴です。製品表示の使い方に従いますが、おおよそ
2週間に1回程度肥料を与えましょう。
【元気が足りない】剪定後に元気がない時は活力剤を使う
剪定後のパキラに元気が足りないといった場合には、活力剤を使用するのも効果的です。肥料と活力剤の違いや、おすすめの活力剤についてみていきましょう。
肥料は観葉植物にとっての栄養素
肥料とは肥料取締法において「
植物の栄養に供すること又は植物の栽培に資するため土壌に化学的変化をもたらすことを目的として植物に施されるもの」という定義があります。肥料は、植物の生育を促す効果が期待でき、
植物をさらに大きくするために必要な栄養素のようなものです。
活力剤は観葉植物にとってのサプリメント
活力剤とは、
肥料成分は含むものの、含有量が肥料の規定以下のもので、アンプルタイプやそのまま使用するシャワータイプなどが多くあります。肥料は与えているけど少し元気がないな…といったときなどに、
肥料にプラスαで使用することが多く、肥料だけでは補えない部分を補填するような役割があります。
おすすめの活力剤
おすすめの活力剤4選を紹介しています。
ハイポネックス ガーデンエッセンス
ハイドロ石や培養土の上に置くだけで、植物に活力を与え葉の色を良くします。大切にされている可愛くてお洒落な『ミニ観葉植物』や『ハイドロカルチャー』などの観葉植物をもっと元気に
葉色をきれいにしたい!そんな時におすすめの活力錠剤です。
植物が吸収しやすくなっているので、与えてすぐに効果を発揮します。
商品名 |
ハイポネックス ガーデンエッセンス |
価格 |
638円 |
特徴 |
かわいいハート型が特徴のインテリアグリーン向けの活力錠剤。ハイドロ石や培養土の上に置くだけで、植物に活力を与え葉の色を良くします。 |
ハイポネックス ハイグレード活力液
植物の生理的活性を高める15種類(鉄・カルシウムなど)の各種要素をバランス良く配合。花や葉の色を良くしたい時に効果的。植物の植え付け、植え替え、日光不足、元気がない時、花・葉色を良くしたい時におすすめです。
観葉植物に必要な栄養素を程よく配合しています。水で薄めて使うことが出来ます。
商品名 |
ハイポネックス ハイグレード活力液 |
価格 |
1100円 |
特徴 |
植物の生理的活性を高める15種類(鉄・カルシウムなど)の各種要素をバランス良く配合。花や葉の色を良くしたい時に効果的。 |
アイリスオーヤマ 全植物用活力剤10本入り
あらゆる植物に適した活力剤。土に差し込むだけで、1本で10日~30日活力を補給し続ける。チッソ・リン酸・カリウムなどの栄養素を
バランスよく配合しています。特に生育・開花に効果のあるアミノ酸をプラスしています。また、発芽・発根を促すバイオ活性酸素をプラスしています。
商品名 |
アイリスオーヤマ 全植物用活力剤10本入り |
価格 |
197円 |
特徴 |
あらゆる植物に適した活力剤。 土に差し込むだけで、1本で10日~30日活力を補給し続ける。 |
LAND PLANTS 観葉植物 リキダス 活力剤
植物の生育に必要な養分の吸収を高める
コリン、フルボ酸、アミノ酸、各種ミネラルを配合した、活力液です。3種類の有効成分コリン、フルボ酸、アミノ酸を配合。3つの相乗効果で植物本来が持っている力を引き出し、元気な植物を育てます。カルシウムをはじめ、各種ミネラル(鉄・銅・亜鉛・モリブデンなど)が、植物に活力を与えます。またリキダスの各種成分は、
土壌中で植物が吸収しやすくなっているので、与えてすぐに効果を発揮します。
商品名 |
LAND PLANTS 観葉植物 リキダス 活力剤 |
価格 |
NET160ml 572円 NET450ml 825円 NET800ml 1,056円 |
特徴 |
植物のパワーを引き出したい時に、うすめて使うだけ。土壌中で植物が吸収しやすくなっているので、与えてすぐに効果を発揮する。 |
【応用編】剪定後のパキラをハイドロカルチャーで育てる
剪定に慣れてきた方には、
剪定後のパキラをハイドロカルチャーで育てることもおすすめです。こちらではハイドロカルチャーで育てる際のメリットや植え替えの方法について紹介していきます。
ハイドロカルチャーで育てるメリット
パキラは、ハイドロカルチャーで育てるのにも人気の観葉植物です。パキラをハイドロカルチャーで育てるメリットについてみていきましょう。
清潔で土栽培のような臭いがない
ハイドロカルチャーは、
土を使用しない栽培方法のため、土独特の臭いがありません。土の代わりに使用するハイドロボールは洗うこともできるため、
清潔を保ったまま育てることができます。ハイドロボールは無菌なので、
虫がわきにくいのもメリットですね。
水やりが簡単
ハイドロカルチャーの水やりは、鉢内が完全に乾いてから鉢の1/5程度与えるのが基本です。そしてそのタイミングは、透明な鉢を用いたり、水位計を用いて管理をするため、
目で見てわかるようになっています。このように水やりのタイミングに明確な目安があるので、
土栽培と比較して簡単に水やりを行うことができます。
ハイドロカルチャーに植え替える方法
パキラをハイドロカルチャーで育てるメリットがわかったところで、植え替えの方法について紹介していきます。
植え替えに必要なモノ
パキラの土植えからハイドロカルチャーへの植え替えに必要なものは以下の通りです。
- ハイドロカルチャー用の土(ハイドロボール、レカトン、カラーサンド等)
- 根腐れ防止剤(イオン交換樹脂、焼成ゼオライト、珪酸塩白土等)
- 穴の空いていない容器(初心者はガラスなど中の見えるものがおすすめ)
- 水分計(透明でない容器に植え付ける場合に必要)
植え替える手順
ハイドロボールは、最初に水洗いしておきます。 パキラを鉢植えから取り出し、根の周りについている土をできるだけ取り除いたら、水を使って優しく振り洗いします。
土が残っていると水が腐りやすいため、落とし切るまで何度も洗いましょう。 根腐れ防止剤を製品の用法に従って容器の底から敷き詰め、ハイドロボールなど使用する用土を容器の1/3程度入れます。 そこへ洗い終えたパキラの苗を植え込み、しっかり固定されるように容器に用土を足します。
不透明の容器へ植え替えた際には、水位計を設置します。 容器の1/5〜1/4まで水を入れたら、パキラの葉に霧吹きで水を与え、最初は
肥料を与えないようにしましょう。
パキラの剪定後によくある質問にお答えました!
最後に、パキラの剪定後によくある質問について回答していきます。
Q. パキラを剪定してから日光浴させていますが、葉が黄色くなってました。これって何の失敗ですか?
A,直射日光による葉焼けが考えられます。 パキラの葉が黄色くなってしまう原因はいくつかあります。一番多いのは日光不足ですが、今回は日光浴をさせていたのに黄色く変色してしまったとのことなので、直射日光による葉焼けが原因ではないかと考えられます。 パキラの生育に日光は必要ですが、真夏の強い日差しなどを浴び続けると、逆に葉焼けを起こしてしまいます。
レースカーテン越しの日差しなどが適切ですので日光浴の場所を変更してみてもいいかもしれません。
Q. パキラの丸坊主を水挿しにしてますが、肥料はどうしたらいいですか?
A,すぐに肥料は不要です。新芽が生えてきたら水耕栽培用の肥料を与えましょう。 丸坊主後のパキラは繊細なので、すぐに肥料は与えません。日当たりのいい場所で水の入れ替えをこまめに行いつつ、新芽が育つのを待ちましょう。
新芽が出て株の状態が安定してきたら水耕栽培用の肥料を与えます。水差しを継続する場合は水の入れ替えのたびに肥料もいれましょう。
パキラを剪定した後はどのようなケアをすればいいの?置き場所や注意点を紹介のまとめ
いかがでしたか?パキラの剪定後の育て方について、
-
剪定はパキラに負担のかかる作業なので成長期に行う
- 剪定後は日当たり・風通しのいい場所で管理する
- 剪定後の水やりは土の状態を確認して行う
-
肥料は剪定後2~3週間経ってから与える
- パキラはハイドロカルチャーで育てるのもおすすめ
ということがわかりました。 パキラは生命力が強く、初心者でも育てやすい観葉植物です。成長が早い分、剪定は不可欠な植物ですが、時期さえ間違えなければ失敗も少ないので、素敵な樹形に育つよう剪定してみてください。 剪定した葉や茎から株を増やしてみるのもいいですね。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。