みなさんは、パキラを育てる上で
植え替えをしたことはありますか? 実は植え替えをして土を古いものから新しい土に替えるのは、とても大切な工程なのです。 そこで、この記事では
- 植え替えをする理由
- 植え替えする時期とポイント
- パキラに合う土の選び方
- 必要なものと状況別のケア
- おすすめの市販の土
- 植え替えの際に心配なこと
などについてご紹介していきたいと思います。土に関する疑問に関しても、まとめているので、読み進めながら植え替えに対する理解を深めてくださいね。
関連記事:パキラの育て方|枯らさないお手入れ方法や栽培方法のコツを紹介
パキラに植え替えが必要な理由
パキラにとって水やりと同じように大切なのは植え替えです。さまざまある育て方の中でも植え替えが必要な理由は大きく2点。
「根詰まりを防ぐ」ことと、「土への栄養補給」です。 幹や葉が大きく成長するように根も同じく土の中で広がります。特に室内の鉢植えでは広がるスペースが無くなってしまうと、根がぎゅうぎゅうに詰まり、水はけや通気性も悪くなります。また、ずっと同じ土のままだと酸素不足や栄養がなくなり、成長に十分な養分を補給できないため、定期的に
鉢替えと
剪定を必要としています。
水はけや通気性が悪くなっているから
根詰まりがおこるとどうなるかというと、鉢の中が根でいっぱいになり、伸びる場所を求めて、鉢底から根が出てきてしまいます。土が崩れて粒状から泥状になりますから
水はけが悪くなり、通気性が悪いため土の中に新しい空気が入ってきません。 水はけの悪さや通気性の悪さは、パキラにさまざま問題を引き起こします。
土の性質が変わり、成長に影響を与える可能性があるから
パキラを始め観葉植物は、特に水はけのよい土を好みます。くわえて、植物が育ちやすい土の性質は弱酸性~中性の土なので、上手な育て方としては土の性質を弱酸性に保つことも挙げられます。ころころとした丸い粒状の赤玉土などの土が該当しますが、植え替えをしないままだと粒状から崩れて泥状になってしまいます。こうなると土の性質が変わり、元気に成長することができません。病気や虫がつかないよう、鉢替えをして清潔で健康な土を保ちましょう。
カビや虫の原因になるから
水はけが悪いと常に土が湿った状態が続き、カビや虫の原因になります。カビが発生するとあっという間に幹や葉っぱへ広がり、コバエなど害虫の繁殖によりパキラを弱らせてしまいます。腐ったような臭いも充満しますので、注意が必要ですね。
臭いの原因になるから
鉢植えや鉢受けからなんだか生臭いにおいがする、そんな時はありませんか? 植え替えをしないと
土の中で菌が繁殖してにおいの原因になってしまいます。清潔さを保つためにも定期的な植え替えをした方がよいでしょう。
パキラを植え替える時期は土を見る
それでは、植え替えする時期はどう見分けるのでしょう。買って来た時はぴったりだった鉢植えも2年もすれば窮屈になるので、大きなサイズの鉢を用意し
鉢増しして、古い土から新しい土へ替えてくださいね。土から根がはみ出ていたり、葉っぱがしおれていたりといろいろなサインがありますが、初心者は、
土の表面を見て植え替えすると覚えておくとよいかもしれません。
土の入れ替えのポイント
まず、土の表面をよく見てください。植え替えをすると言っても、どんな状態だったらいいのか分からないですよね。次のような状態が確認できれば入れ替えのサインです。
土の表面に白っぽい粒状のものを発見する
白い固形肥料をあげてもいないのに土の表面に白っぽい粒状のものを発見した場合、それは白絹病菌が発生しています。空気が停滞しがちの室内だと広がりは早く、幹や葉っぱにも移って枯れてしまいます。水やりのし過ぎや水はけの悪さが原因ですので、すぐに植え替えが必要です。
表面にカビが発生している
菌糸状のカビが発生している時もすぐに植え替えが必要です。幹がぶよぶよになっていたり、根腐れがおこったりしている可能性もありますので、
根だけでなく幹や葉の状態もよく見て、出来るだけ早く植え替えを行ってください。
植え替えや土の入れ替えに適した時期
植え替えや土の入れ替えに適した時期は、春から秋の生育期が適しています。特に5月~7月が好ましいでしょう。耐暑性に強い反面、耐寒性が弱いパキラは、
あまり寒い時期に植え替えすると根が傷ついたままで生長せず、株が弱ってそのまま枯れてしまうことも。生育の盛んな時期、少なくとも9月までに植え替えを済ませて、時期を逃してしまったら、無理せず来年まで待ちましょう。
パキラの植え替えで土の選び方
それでは次に選び方を見ていきましょう。
鉢増しや鉢替えには新しい土が必要です。様々な土が売られていますので、選び方も含めて、簡単にどんな土が適しているのかご紹介していきます。
排水性に優れている土を選ぶ
これまで話してきたように、
水はけのよさがパキラには必須。自分で配合する時には
排水性のよい土を選んで混ぜ合わせてください。市販の土は赤玉土、腐葉土、ピートモス、軽石などで構成されています。この中で排水性の役割を果たしているのは、軽石。自分で配合する時には軽石を忘れないようにしましょう。
初心者は市販の観葉植物専用の土を選ぶ
選び方がわからない初心者には市販の観葉植物専用の土がよいでしょう。
100均ストアやホームセンターではあらかじめ観葉植物の生育に適した配合で売られていますよ。お店によっては近い棚へ肥料や園芸道具も揃っていますので、探してみてくださいね。
慣れてきたら自分で配合して土を作ってみる
観葉植物を育てるのに慣れてきたら、自分で土を
配合するのもおすすめです。室内用には無菌のピートモスを多めに配合して、菌の繁殖を防ぎ、逆に乾燥しやすい室外用には保水性の高いバーミキュライトを配合してみましょう。 例として、
赤玉土小粒7割にピートモス3割や、赤玉土小粒7割にバーミキュライト2割、軽石1割などをお勧めします。
パキラの植え替えや土の入れ替えの方法は2つある
それでは、実際に植え替えや土の入れ替えをしていきましょう。基本の順番は同じですが、市販の配合土と自分で配合したものでは方法が若干違ってきます。自分に合った方法を選んでみてください。
市販
- 水やりを控えて土を乾燥させる
- 作業する場所にビニールシートを敷く
- 新しい植木鉢の底穴に鉢底ネット、鉢底石を順に敷く
- 土を鉢の1/3ほどまで入れる
- 古い鉢からパキラを引き抜く
- パキラの根についた土を、手でやさしく揉んで落とす
- 黒ずんでいる腐った根はハサミで切る
- 新しい鉢の中心にパキラを置く
- 鉢の縁から下2〜3cmのところまで土を入れる
- 土の表面を割りばしでつつき、根の隙間まで土をなじませる
- 鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりをする
自分で配合する
- 水やりを控えて土を乾燥させる
- バケツなどで赤玉土小粒、ピートモス、軽石を混ぜ合わせる
- 作業する場所にビニールシートを敷く
- 新しい植木鉢の底穴に鉢底ネット、鉢底石を順に敷く
- 土を鉢の1/3ほどまで入れる
- 古い鉢からパキラを引き抜く
- パキラの根についた土を、手でやさしく揉んで落とす
- 黒ずんでいる腐った根はハサミで切る
- 新しい鉢の中心にパキラを置く
- 鉢の縁から下2〜3cmのところまで土を入れる
- 土の表面を割りばしでつつき、根の隙間まで土をなじませる
- 鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりをする
小ぶりなスコップで割合を量ると簡単ですよ。
パキラの植え替えに必要なもの
植え替えに必要なものを準備しましょう。主に次の9点があれば大丈夫です。
- 鉢に植えられているパキラ
- 今よりも一回り大きな鉢
- 清潔なハサミ
- ピンセット
- 新しい土
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 割りばし
- ビニールシート
他にも園芸用のゴム手袋などがあると便利ですね。
観葉植物を抜いて、サイズの大きい根を切って整える
まず今の鉢から観葉植物を抜いて、軽く土を落としましょう。この時、根が込み合っている時は優しくもむようにして根をほぐして下さい。
古い根や黒ずんでいる根、または新しい植木鉢に入りきらないサイズの大きい根、はさみで切って整えておくと、植え替えがスムーズに進みます。
鉢を準備して、観葉植物を移し替える
新しく準備する鉢は、今の鉢よりも一回り分の大きさがいいでしょう。根が詰まって抜きにくい場合は軽く叩くと、引き抜きやすくなります。植木鉢はプラスチック、陶器、テラコッタなどいろいろありますが、
お好みの植木鉢で構いません。迷った場合は通気性の高い素焼きの鉢をおすすめしますよ。今の株の高さと幅に合った、好きなものを選んでくださいね。
パキラ植え替え後のケア方法
さて、無事に植え替えが済みました。根を切ったり、葉を落としたりと株が傷ついていますので、適切な管理が必要です。置き場所や水やり、肥料はどうするかなど、その後の管理での注意点をまとめてみました。
置き場所
植え替え後は株が弱っています。すぐに元の明るい場所には戻さず、
柔らかい日があたる半日陰の場所へしばらく置いてください。1週間以上経って、幹をゆすってもぐらぐらとぐらつかなくなれば、新しい根が生えています。少しずつ日の当たる量を増やしながら、元の場所へ戻していきましょう。
室内
室内では直接日が当たる窓辺ではなく、レース越しの日が当たるような場所で管理しましょう。植え替え後すぐに直接日が当たる場所に置いてしまうと、葉が焼けて株が弱ってしまうので注意しましょう。
屋外
室外では、一日中日が当たるような庭や軒先はNGです。
午前中だけ、もしくは午後だけ日が当たる軒先や建物のそばなどがおすすめです。または必要なら温室へ入れるのも良いでしょう。
水やり
水やりは植え替え後に一度たっぷりと水やりをしてから、しばらく渇き気味にします。根付かないと吸水ができませんので、頻繁に水やりしてしまうと土が湿った状態が続き、
根腐れの原因に。
土が乾いてから水やりをします。霧吹きで葉水をして吸水させましょう。
肥料
肥料も植え替え後は不要です。植え替えは株が傷ついていますので、肥料が多すぎるとかえってよくありません。根付いて元気になるまでは、水やり同様控えめにしましょう。
パキラの植え替えにおすすめの土4選
初心者や自分で土を配合するのが面倒という方には、市販の観葉植物専用の土がおすすめです。それぞれ人気のある土の特徴をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
花ごころ 観葉植物の土
ココナッツファイバー(植物繊維)や木、バーミキュライトなど軽い材料だけで配合されているので、非常に軽く扱いやすいのが特徴です。排水性と通気性が高いため、コバエやハダニなどの虫もわきません。どんな土を買うのか分からない方や、迷ったらこれをまず購入してみましょう。
商品名 |
花ごころ 観葉植物の土 |
価格 |
¥637 |
おすすめ度 |
★★★★ |
材質 |
木質堆肥、バーミキュライト、軽石、ピートモス |
特徴 |
軽くて虫がわきにくい |
プロトリーフ 観葉植物の土
バーク堆肥やもみがら堆肥など有機質の成分がたっぷり栄養満点なのが特徴です。排水性も高く、管理面と栄養面、両方のバランスがよい土です。根腐れの心配もありませんので、観葉植物も健康に育ちやすいですよ。人気も高く、初心者をはじめ中級者にもおすすめの土ですね。
商品名 |
プロトリーフ 観葉植物の土 |
価格 |
¥668 |
おすすめ度 |
★★★★★ |
材質 |
バーク堆肥、赤玉土、鹿沼土、ココヤシピート、ピートモス、もみがら堆肥、くん炭等 |
特徴 |
有機質の成分をたっぷり配合し、観葉植物の成長を重視したブレンド |
日清 観葉の好きな土
バイオ菌が土の団粒化を促し土をふかふかに保ちますので、成長に必要な栄養を長持ちさせるのが特徴です。土がふかふかしているということは、水はけがよく栄養も十分にあるということ。観葉植物に必要な栄養が入ってるばかりではなく、通気性、排水性も良いため根腐れしにくく、非常に扱いやすい土です。
商品名 |
日清 観葉の好きな土 |
価格 |
¥515 |
おすすめ度 |
★★★★ |
材質 |
バーク堆肥、その他用土 |
特徴 |
土を環境を良好に保つバイオ菌と、保水性、通気性に優れた根腐れしにくい |
ハイポネックス 観葉植物用培養土 軽くてよく育つ 観葉植物の土
比較的軽い配合の土なのでハンギングやリースに向いているのが特徴です。ハンギングはたくさんの苗を寄せ植えしますので、栄養分が十分に土へ含まれていて欲しいと考えますよね。鉢が重くなるのが苦手という方にも、おすすめの土です。栄養も豊富に含まれており、排水性も十分にあるため病害虫の被害も少ないでしょう。
商品名 |
ハイポネックス 観葉植物用培養土 軽くてよく育つ 観葉植物の土 |
価格 |
¥666 |
おすすめ度 |
★★★★ |
材質 |
ココピート、バーク堆肥、バーミキュライト、パーライト、ピートモス、マグァンプ中粒、ワターイン |
特徴 |
軽い材質のため、ハンギングやリース向き |
【心配】パキラがぐらついてるけど植え替えできる?
パキラがぐらついている時、枯れてしまったかなと心配になりますよね。植え替え以外にもぐらついてしまうことがあります。原因によって対処が違いますので、ここではぐらつく原因と対処についてまとめました。
パキラの幹がぐらぐらする原因
まずぐらつく原因を探りましょう。
確認するのは、土の状態と幹の固さ。パキラを植えている土は湿っていますか? それとも乾いていますか? 幹を触ったら柔らかくありませんか?
幹がスカスカで柔らかい時は根腐れしていることがほとんど
幹を触ってぶよぶよしていたり、ふかふかとしたりする場合、根腐れが広がっている証拠です。残念ながら柔らかい部分が持ち直すことはあまり見込めないでしょう。
幹の固い部分を探し、剪定してから植え替えをしてください。
幹が固い時は、もしかしたら土が足りてない可能性がある
逆に幹が固い場合は、土が足りていない可能性が高いです。土の内部に空間があるとぐらついてしまうので、
割りばしなどでつんつんと鉢のまわりを差して空気を抜いてくださいね。鉢を持ってとんとんと軽く地面に叩き、鉢の中の空気を抜いても構いません。そのあと、新しい土をちょうどよい高さまで足して株を安定させましょう。
鉢替え直後は支柱を使って支えてあげる
鉢替え直後は古い根を切り、新しい根が生えるまで生育期でも早くて1週間ほどかかります。その間、
支柱を使って根が張るまで安定させてあげるのもよいですね。まっすぐ植えたパキラに対して、斜め下へそっと支柱を差してください。
パキラ植え替え時の土に関するよくある質問!
これまでパキラの植え替えについて、一通りお伝えしてきました。こちらでは、植え替え時のよくある質問をご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
Q. 鉢植え用の植木鉢はどのくらいの大きさがいいですか?
A,鉢植え用の植木鉢は、今植えている鉢より一回り分の大きさが望ましいです。 大きいからたくさん成長すると思いますが、土が多いと保水力も高くなり、根がずっと湿っている状態が続きます。吸水力が低くなっている根を腐らせてしまう原因になりますので、一回り分だけ大きい植木鉢がよいでしょう。
Q. パキラの植え替えと同時に剪定もしようと思います。同じ成長期にするので大丈夫ですよね?
A,根腐れが広がっている場合を除き、同時するのはなるべく避けてください。 必要なこととはいえ、両方とも株を傷つけ弱らせてしまうことも事実。元気で健康な生育のためにも、時期を一か月ずらすなど様子を見ながら行ってください。
Q. パキラをハイドロカルチャーへ植え替えましたが、植え込み材によって育て方の違いがありますか?
A,主に水やりが違ってきます。 ハイドロボールやゼオライトなどの腰水タイプは、容器の1/5程度水を入れ、水がなくなったら2、3日経って新しい水をあげましょう。セラミスグラニューなどの保水タイプは、植え込み材全体で保水しますので、容器の底に水が溜まったら水をあげすぎています。容器を傾けて余分な水を捨ててください。
パキラの植え替えは土が重要!植え替え方法やおすすめの土を紹介のまとめ
パキラをはじめとする観葉植物の植え替え方法にあわせて、おすすめの土をご紹介してきましたがいかがでしたか? 植物の育て方に自信がない方やこれから始めたいという方は、パキラに合った土を選んでおけば、トラブルなく元気な姿を楽しめるでしょう。 今回の記事を振り返ると
- 土の状態を保つために植え替えをする
- 植え替えする時期は5月~7月がベスト
- パキラに合う土は排水性と通気性で選ぶ
- 一回り大きい鉢へ植え替える
- 植え替え後は半日陰で根が生えるのを待つ
長く同じ土へ植えていると、次第に栄養や水分が適正に吸収されなくなります。病気や虫の被害なく、健康な生育のためにも土の状態をよく見ておいてくださいね。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。