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観葉植物といえばパキラ!と言われるほど人気で育て方も比較的簡単なパキラですが、実は花を咲かせることができることをご存知でしょうか。滅多に見ることがないのですが、それには条件があるんです。花を咲かせるキーワードは「種」なんです。そこでこの記事では、
- パキラの種とは?
- 実生株とは?
- 種の入手方法
- 種を発芽させるために
- 低い発芽率をカバーするためには
以上のポイントをご紹介しています。 この記事を読んでぜひパキラを種から育ててみましょう。
関連記事:パキラの育て方|枯らさないお手入れ方法や栽培方法のコツを紹介
観葉植物パキラには種があるの?
インテリア用観葉植物として販売されているパキラは、既に葉が成長している状態で販売されていることが多いので、種があることをご存知の方は少ないのではないのでしょうか。パキラはパンヤ科パキラ属の植物で原産国はメキシコ等の中南米になります。日本ではあまり花を見かけることがありません。なぜならば市販のパキラのほとんどは花を咲かせないためです。そのため種を見かけることがないのです。結論:パキラは種からでも育てることができる観葉植物
市販の育っているパキラを育てるのも良いですが、種から育てることもできるんです。種から育てるにはたくさんの手間暇はかかりますが、市販のパキラとはまた違い種から育てたパキラにはきっと愛着が湧いて大切に育てることができるでしょう。種から育てるとパキラの花が咲く!
種から育てるパキラの最大の特徴は「花が咲く」という点にあります。市販のパキラと異なり、種から育てるのでその株は実生株となります。花を咲かせるための条件は実生株であるということが必要です。ですがパキラの開花はかなり難易度が高いと言われています。開花まで最低でも5年程かかるとされており、またその開花も1日で終わってしまうことが多いことが、難易度の高さの所以になります。パキラの花はたくさんのおしべが中心から外側にかけて放射状に広がる個性的な姿をしています。そもそもパキラは大きく2つの種類がある
パキラと言ってもひとくくりには植物ですが花が咲くか否かのポイントはどこにあるのでしょうか。また市販のパキラと実生株のパキラではどのような違いがあるのでしょうか。 パキラには大きく2種類あり、その違いから花が咲くかどうかの分かれ目になります。実生株のパキラ:種から育ったタイプ
1つ目の種類として「実生株」のパキラがあります。実生株とは種から育てている株のことを指します。種を発芽させる必要があるため細やかな管理が必須になるので、そのぶん時間と手間がかかります。実生株は種から成長しており幹の根元が膨らんでいることが特徴です。この実生株は開花する可能性を秘めており、パキラの開花を見てみたい方はこちらのタイプの株を選ぶようにしましょう。挿し木株のパキラ:挿し木等で増やしたパキラ
一方、市販されているパキラのほとんどは挿し木で増やされているタイプになります。既存のパキラの葉を切り、土に植えることで成長する方法になります。既存と同じDNAを持ち、単体で増えていくためクローンの増え方と同じということになり、種ができることがありません。花が咲かずとも普通のパキラと同じなのでインテリアとして飾る分には特に問題ありません。パキラの種の入手方法
段々とパキラの花を咲かせる方法が気になってきたと思います。さて市販のパキラからは種を入手することが出来ないとすると、一体いつどうやって実生株で育てるための種を入手するのでしょうか。ここではパキラの種を入手する方法をご紹介していきます。店舗や通販で購入する
まず手に入れる方法の1つに「店舗や通販サイトでの購入」があります。パキラの種は園芸店やインターネットサイトでまれに扱っていることがあります。種が採取される時期がかなり限られており、いつ頃かというと2月頃と8月頃の年2回しか収穫されないので出会うことができればぜひ購入してみて下さい。購入時の注意点としては「新鮮な状態の種を購入する」という点になります。パキラの種は採取から半月〜1ヶ月程で発芽する力を失ってしまいます。そのためせっかく購入しても発芽するタイミングを逃してしまう可能性があるのです。購入したあともなるべく早く生育させる環境を整えてあげましょう。実生株から育てて種を採取する
市販している種を購入する方法の他に、自分で育てた株から種を採取する方法があります。園芸店等で売られている株の大半は挿し木苗ですが、まれに実生株が売られていることがあります。その株を育てて種を採取する事ができるのですが、難易度としてはかなり高いです。幹がふっくらしている実生株を購入する
実生株は挿し木の株と違い、幹がふっくらしている点が特徴です。この特徴を備えている株を園芸コーナーで探してみましょう。店舗等で見つけることが出来ないようであれば、通販等で購入するのも良いでしょう。花が咲いたら種が採れる
実生株を入手したら、挿し木のパキラ同様に管理して生育させます。一般的にパキラの開花は種を撒いてから5〜10年はかかると言われています。時間も手間もかかりますが、やがて花が咲いた後果実を実らせます。その果実を割るとたくさんの種が出てきますので、採取したらすぐに水につけて保管しましょう。パキラの種を入手してから鉢へ植え方を紹介
パキラの種を入手出来たら早速、鉢へ植えて育てていきましょう。ですがパキラを種から育てたことがある方はほとんどいらっしゃらないと思います。多くの方が種まきをして育てたことがある植物は小学生のころのアサガオくらいではないでしょうか。パキラの種はただ土に植えるだけでは中々成長してくれません。植え方が大切になってきます。きちんとした下準備をしたうえでようやく発芽してくれるので手順を踏んで育てましょう。①必ず水没検査をして沈んだ種子を使う
発芽させるために最初に必ず必要なことが水没検査をするということです。水没検査とはパキラの種が生きているかどうかを確認するための確認になります。水没検査の手順は、まず初めに、容器に水を入れ種を入れます。種へ十分な吸水をさせてあげましょう。水へ入れた種の中でも底に沈んだ種を選びます。底へ沈んだ種は生きており発芽する可能性を秘めていますが、浮いてきた種はシイナと呼ばれ、発芽の可能性が低い種になります。シイナの種ではなく沈んでいる健康な種を使用するようにしましょう。②発芽するまで水苔に包んでおく
次は、水没検査で選別された種を水から取り出して、湿らせた水苔に包みましょう。季節次第ですが、暖かい時期であれば室内の涼しい場所で保管し、寒い時期であれば暖かい場所で水苔が乾燥しないように管理していきます。できれば20℃程の温度で管理すると良いでしょう。そうすると2日程で発芽をし始めます。③発根したら殻をむいて胚を取り出す
水苔で包んで適度な湿度を保っているとやがて発芽を始めます。発芽すると殻が割れてきます。ポロッと取れる状態であれば手で丁寧にとってあげて下さい。発芽したての芽は「胚」と呼ばれます。そのまま水苔で包んだ状態で胚が2〜3cm位のサイズになるまでそのまま育てます。④赤玉土を入れた鉢に種まきする
少しづつ胚が大きくなってきて2〜3cmになったら、いよいよ鉢へ移動させ植え付けていきます。適度な大きさの鉢植えを準備したら赤玉土を入れましょう。種まきに必要な土は、保水性と通気性を兼ね備えており病気がない清潔な状態が好ましいです。肥料は不要です。赤玉土は小粒単用を選ぶのがおすすめです。植え方は敷き詰めた赤玉土の上に胚を半分程埋めこみます。成長が安定するまでは使用していた水苔を被せてあげるとより良いでしょう。鉢に植えた直後のパキラの育て方
鉢へ植えてあげた後は胚が育ち双葉が出て発根してきます。双葉が出てきたら日当たりの良い場所へ移動させてあげましょう。この後はパキラの通常の育成と同じ方法で管理していきましょう。そこでここではパキラの基本の管理方法をご紹介していきますので、管理のご参考にしてください。置き場所は【半日陰】【風通し良好】なところに
鉢へ植えた後のパキラの管理方法は通常のパキラと同じです。暖かい時期に室内で育てる場合は、少し遮光させた風通しの良い場所で管理します。あまり日光が強いと葉焼けを起こす可能性が高いので注意しましょう。パキラは寒さに弱いので、寒い時期は暖かい場所での管理を心がけましょう。水やりは季節で違うので注意!
観葉植物の育て方で大切になってくるのが水やりですよね。誤った方法で水やりをしてしまうとせっかく育てた胚も枯れてしまいます。特に水やりは季節によって方法が違うので、その季節に適した水やりが必要です。大切なパキラを枯らさないためにも水やりの方法を学んでいきましょう。夏場の成長期は土が乾いてから水が漏れるまで
夏場のパキラは成長期にあたります。そのため多くの水を吸収するので、たっぷりあげることが必要になります。水やりの判断基準として土の表面が乾燥したら水を与えるようにしましょう。あげる時は鉢底から流れ出る位たっぷりあげましょう。水やり後の注意点として、受け皿に残った水は捨てるようにしましょう。受け皿に水が残ってしまっていると常に湿った状態となってしまい根腐れと呼ばれる腐食の原因となってしまいます。水をあげる時と乾かす時でメリハリをつけて育てましょう。冬場の休眠期は乾燥させるくらい控えめに!
一方冬場のパキラは休眠期にあたります。休眠期はその名の通り成長がゆっくりになるので、あまり水を必要としません。頻度としては2週間〜1ヶ月に1度程度でかまいません。始めのうちは、乾燥気味に育てることが心配になってしまい水をあげてしまう方もいらっしゃいますが、植物の持つ力を信じて辛抱強く冬超えを見守りましょう。土壌環境は水はけがよい状態にしておくこと
発芽したてのパキラはとても繊細です。病気にも弱いので使用する土は新しい清潔な土を使います。古い土を使っている場合は病気も心配ですが、水はけも悪い事が多いです。古い土は粒が割れてしまっており目詰まりを起こす可能性があります。水はけが悪い状態が続いていると水分がなかなか抜けず、常に湿った状態になってしまい腐食の原因になってしまいます。水はけが悪いとやがて根腐れに繋がりますので、新しい土を使うようにしましょう。肥料は時期で違うので気を付けること!
パキラは丈夫に成長するのでパキラの成長に肥料は必ずしも必要ではありません。肥料をあげるのであれば、胚の時期を過ぎてある程度の大きさに育ったら少しづつ肥料をあげるようにします。時期としては春から夏の成長期に与えます。肥料は希釈した液体肥料を10日に1度の頻度で与えます。冬場に与えてしまうと肥料焼けを起こす可能性があるので与えないようにしましょう。植え替えで根腐れや根詰まりを防ぐ
パキラの成長は早いので根が鉢の底から飛び出してしまうことがあります。大きく育ってきたら、だんだんと鉢のサイズが小さくなってきてしまいます。小さすぎる鉢で育て続けると、根が詰まってしまい根腐れの原因になります。そうならないように定期的に植え替えをしてあげる必要があります。タイミングは2~3年に1回、5月~7月に行う
植え替えのタイミングは成長次第ではありますが、2〜3年に1回行うようにしましょう。行う時期は5月〜7月の比較的暖かい時期に行います。寒い時期に行ってしまうと成長が緩慢なので植え替えのダメージを回復できず、そのまま枯れてしまう恐れがありますので気をつけましょう。また根を切る場合は切り口から雑菌が入るこを避けるためにも清潔なハサミを使うようにします。植え替え手順
植え替えの手順は、まず今の鉢より一回り大きい鉢を準備します。その鉢へパキラを植え替えていきます。パキラを鉢から出して、根の周りの土をほぐし落とします。そして露出した根が黒くなっていたり傷んでいないか確認し、傷んでいるようであれば切り落とします。その後、新しい鉢へ移し替えてあげましょう。植え替え時には忘れずに水やりをしてあげましょう。パキラが大きくなってきたら剪定も忘れずに
パキラが大きくなったら剪定をしてあげる必要が出てきます。葉が密集してしまうと風通しが悪くなってしまったり、日当たりが悪くなるため生育に悪影響があります。そうならないためにも定期的な剪定をおすすめします。剪定した葉は挿し木して増やすことができるのでぜひ株分けしてみましょう。病害虫にも注意!
パキラを育てていくと害虫被害に遭うことが出てきます。パキラにはハダニ、アブラムシ、カイガラムシがつきやすく、これらの害虫はとても小さいので見つけるのが困難です。そのため日々の観察時に注意して見てあげることが大切になってきます。風通しが悪くなってしまっていたり、体力が落ちてしまっていることが原因なので、害虫を見つけたら原因を探して対策を取りましょう。パキラの種が発芽しやすいようにするポイント
せっかく手に入れるのが大変なパキラの種子を見つけることができたのであれば、枯らさずに育ててみたいですよね。そこでここではパキラの種子を発芽させるコツをまとめました。このポイントをおさえて発芽の可能性をあげていきましょう。発芽に適した温度20度に保つ
パキラは原産国が中南米の暖かい地方なので成木でも胚でも寒さに弱いです。胚の状態では特にまだ安定している状態ではないので温度管理が大切です。管理適温は20度です。発根前の状態では特に暖かい場所で管理することで安定した生育が可能になります。心配であれば温度計を活用しましょう。少し日光を感じるくらいの場所に置く
少し弱いくらいの日光がパキラは好きなので、明るい窓辺で遮光が中程度のもので遮ってあげましょう。発根したての状態でも日光が好きなので、日中は日の当たる場所で管理しましょう。冬場の窓辺は外からの冷気が窓から入ってきてしまうので、冷えるようであれば窓から離した位置へ移動させてあげましょう。冬はビニール袋に入れると管理しやすい
寒い冬場で観葉植物を管理するコツにビニール袋でくるんで保管する方法があります。日中は暖房をつけることが多いと思いますが、夜間は消すことが多いことがほとんどだと思います。そんな時はビニール袋でくるんであげて温度変化をマイルドにすることで、種子への負担を軽減してあげることができます。梱包用のプチプチシートも断熱性能に優れているので活用していきましょう。パキラの種に関する豆知識
ここではパキラの種に関する豆知識を紹介します。もしかしたら皆さんが知りたかった情報や意外と知らなかったことが分かるかもしれません。パキラを種から育てる時のヒントになると思います!パキラの種の発芽率はかなり低い
パキラの種の発芽率はかなり低いです。まず手に入れた種子の水没調査で選別されてしまうので更に発芽率が下がります。そもそもの発芽率も低いので適切な管理をしても発芽してくれる種子は少なくなってしまいます。パキラの発芽は難易度が高いので発芽しなくても諦めずにチャレンジしていきましょう。パキラの花の寿命はすごく短い
パキラの花は、花と呼ぶにはあまりにも繊細な姿をしています。無数の細長い白い雄しべが上を向いて外側に広がり、花びらは下向きにカールして可愛らしいです。花の命は短いといいますが、パキラの花は本当に短命で、たった1日でその命を終えます。何年もかかって咲いた花が、一夜のうちに命尽きて落ちていく姿にもののあわれを感じますね。花が見ることができるとラッキーですよ!パキラの種に関してよくある質問
パキラの種子を発芽させるのは特に難しいですよね。そこでここではパキラを種から育てる際によくある疑問をまとめました。発芽させるためのポイントもありますので一緒に見ていきましょう。Q. 斑入りのパキラ・ミルキーウェイを種から育てたいですが、種はどうやったら手に入りますか?
A,斑入りのパキラは特に手に入りにくいので、難しいです… 葉に白い模様が入っている斑入りのパキラのことを、その天の川のような姿から「パキラ・ミルキーウェイ」と呼ばれています。白くなる理由は解明されていないですが、遺伝子の違いから起きる現象だといわれています。パキラ・ミルキーウェイは市場でもかなり希少で人気な種類のためめったに見かけることがありません。もし市販されていることを見かけたらぜひご購入してみて下さい。Q. パキラの種は発芽しました。いつ赤玉土に植え付けたらいいですか?
A,発芽後に2〜3cmになったら植え付けましょう 水没調査を終え、水苔にくるんで大切に育てていくとやがて殻を破って芽が出てきます。目が出て2〜3cm程になったら植え付けの時期になります。赤玉土を準備して大切に植え付けてあげましょう。Q. パキラが小さい苗の状態のときの水やりもたっぷり与えたほうがいいですか?他にも方法がありますか?
A,時期に注意してたっぷりあげるようにしましょう 暖かい時期であれば、土が乾いたタイミングで水をたっぷりあげるようにしましょう。根腐れしないよう注意します。また冬場は水をあまり必要としない点も注意しましょう。パキラは種から育つ!種から育てる方法やコツを徹底紹介!のまとめ
パキラを種から育てるためには- まず実生株から種を手に入れる
- もしくは購入して手に入れる
- 水没調査をして種を選別する
- 水苔で適度な保水をしつつ発芽させる
- 赤玉土で成長させる
- 鉢へ植え替えて暖かい場所で管理する